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―実写版セーラームーンを検証する―


Act.33:亜美とレイの親子物語・前編――

 

       本稿は、2004年5月29日(土)にTBS系列各局で朝7:30〜8:00に放送された、「美少女戦士セーラームーン」(実写版)第33話の感想記(DVD鑑賞レビュー)です。

        ★  ★  ★  ★  

       前回のラストから…。「オレは信じない!…だから帰って来たんだ……お前と一緒に証明するために」…夕日の海をバックに、ひしとうさぎちゃんを抱き締める地場衛の図…「絶対、星なんか滅びない!」

        ★  ★  ★  ★  

       ぬいぐるみルナ:「ダメよ〜っ、ダメダメっ! プリンセスと王子の恋は、不吉って言ったでしょう? 大事な決まりなのよ…」「はぁっ…」(←タメ息をつくレイちゃん。みんな私服姿です。前回は制服でしたから、あれから日付は変わってます)。「うさぎっ、本気なのっ?! 本当に地場衛と?!」(←前回のまこちゃんも「地場衛」って呼び捨てでしたけど、レイちゃんもですね。彼女達にとっても、あくまでも「エンディミオン」ではないんですな)。「…そうハッキリ言われちゃうと…ナンか…」「絶対ダメっ! 前世と同じコトになっちゃうわぁっ!」「ルナ落ち着いてっ」「ん〜〜だってぇ…」

       「うさぎちゃん達は信じないんでしょう?」「うん、ゼッタイ星なんか滅びないって言ってくれたし、約束したんだよね…一緒に戦うって…。だから、みんなにも内緒にしないで、堂々としようって…」

       「…じゃあ、私も信じないコトにする」「ホント?!」「そこまで覚悟してるなら仕方ないか…」

       「あたしは感心しないわっ」「!」。レイちゃんはイスから立ち上がり、「前世とか言うよりも、今っ、オトコなんかと一緒にいてもいいのか?!ってコト…。裏切るかもしれないし?」「それはゼッタイないって!…『ぶるんぶるんっ』

       「…だから、私たちで一緒に気を付けましょ?」「…」(←この時点で、すでにレイちゃんの言わんとする意味を理解して微笑んでる人…)。

       「大事なプリンセスに何も起きないよーにっ」「…」(←ここでやっと意味が分かった人…)。

       「……え?」(←まだ分かってない人…)。

       「ちょ、ちょっと! レイちゃん…」「やめろって言ったってムダでしょ?…ロンドンまで行こうとするんだもん(笑)」「お姫様のお守りは大変だなぁ…」「うさぎちゃん、よかったねっ、あんなに好きだったもんねっ?」「……うふっ!」…うさぎちゃんはイスから立ち上がって「亜美ちゃ〜んっ!」と抱き付き、「みんな〜っ」とまこちゃんに抱き付き、「ありがと〜っ!」とレイちゃんに抱き付きます。

       「よ〜し、がんばるぞ〜、おーっ!」しーん…。「一人にしないでよぉっ!」「あははっ」「あははっ」「うふふっ」「あはっ」(←これって、これと全く同じ肩透かしギャグが、Act.6でセーラー戦士が4人揃った時のラスト・シーンにありましたね)。

       このシーンにおける、亜美ちゃん、まこちゃん、レイちゃんの三者三様のリアクションは、いつものコトながら非常に示唆的ですなぁ…。

1.       まず、亜美ちゃんです。

2.       亜美ちゃんはいつものように、『現世の友情』のみを判断基準にして自分の行動原理を決定してますね。だから、相変わらず、前世なんかどうだろうと知ったコトではなく、あくまでも『現世のうさぎちゃんがどう思ってるのか?』、それしか判断材料にしてません。

3.       ここで亜美ちゃんは、「じゃあ、私も信じないコトにする」と言いましたが、それでは、この「じゃあ」って一体ナンなのでしょうか?

4.       まず、うさぎちゃんはみんなに、前回の地場衛の言葉を使って、今現在の自分の状況を説明してます。それが冒頭の回想シーンです⇒「オレは信じない!…だから帰って来たんだ……お前と一緒に証明するために」絶対、星なんか滅びない!。前世の記憶のないうさぎちゃんには、地場衛が、あの『前世の悲劇の映像』を見てしまったがために「帰って来た」と言う、その本当の意味が分かってません。だから、ただひたすら彼の言葉を信じてついて行こうとしてるだけなんです。だからこそ、「…そうハッキリ言われちゃうと…ナンか…」なんていう風に、その信念がイマイチあやふやなんですね。

5.       それに対して亜美ちゃんは、念を押すように、「うさぎちゃん達は信じないんでしょう?」と聞いてる訳です。

6.       で、それに対するうさぎちゃんの答えは、まず、「うん、ゼッタイ星なんか滅びないって言ってくれたし」ですが、この部分は最初の地場衛の言葉の繰り返しでしかありません。となると、新たに説明されたそのあとの部分、「約束したんだよね…一緒に戦うって…。だから、みんなにも内緒にしないで、堂々としようって…」が、亜美ちゃんの心を動かしたコトになります。そして、その中でも亜美ちゃんは、「みんなにも内緒にしないで、堂々としよう」に心を動かされ、それに対して「じゃあ」と同意したんですね。

7.       かつて、亜美ちゃんの心を『ダーク化』させた元凶が何だったのかを、もう一度思い出してください。それは、うさぎちゃんが、亜美ちゃんの手の届かないところで恋愛にかまけてて、仲間そっちのけで亜美ちゃんを孤独に追いやったからです。つまり、『またそれと同じコトが繰り返されるんなら嫌だけど、みんなに内緒にせず堂々としてくれるのなら』、「じゃあ『そう言うコトなら』…私も信じないコトにする」と言ってる訳です。つまり亜美ちゃんは、今、『ダーク化』の元凶となった『地場衛に対する嫉妬』を完全に克服して、『現世のうさぎちゃん』の全てを愛し、受け入れられるようになったんですな。

     ここでちょっと勘違いして欲しくないのは、これは別に亜美ちゃんが同性愛者だと言うコトではありません。これは単に、女同士の友情にありがちな、『恋と友情を秤にかける』と言う感覚で、よく、『オトコができると友達付き合いが悪くなる』とか言うアレです。たとえば、女性はよく、カノジョがカレシに向かって『あたしと友達とどっちが大事なの?!』とか、妻が夫に向かって『仕事と家庭とどっちが大事なの?!』なんて問い詰めてくれちゃってますが、ソレと一緒です。しかしながら、男はそれを全く別モンと考えて、『そんなの秤にかけるコト自体おかしい』と考えるので、ちょっと理解しにくい感覚ではあるんですな。

       さて、次はまこちゃんです。

1.       まこちゃんは、「そこまで覚悟してるなら仕方ないか…」と言いましたが、それでは、この「覚悟」って一体ナンなのでしょうか?

2.       まこちゃんは亜美ちゃんとは違って、うさぎちゃんの答えの「約束したんだよね…一緒に戦うって…」の部分に心を動かされてるんです。ですから、まこちゃんの言う「覚悟」と言うのは、「一緒に戦う」「覚悟」と言う意味なんですな。「内緒にしない」「覚悟」とか、「堂々としようって」「覚悟」なんて、そんなコトに「覚悟」なんて言葉は呼応しませんからね。

3.       これは、まこちゃんが、あくまでも体育会系的な『仲間意識』がその判断基準だからこそ、そうなるんです。この「一緒に戦う」と言う言葉は、まさに、最もまこちゃんの琴線に触れる言葉なんですな。ですから、まこちゃんは、亜美ちゃんとは違う理由で、うさぎちゃんに同意してるんです。

4.       ところが、実を言えば、本当に「そこまで覚悟してる」のはうさぎちゃんではなく、地場衛なんですな。うさぎちゃんは、地場衛が、あの『前世の悲劇の映像』を見てしまったがために「一緒に戦う」「覚悟」を決めたほどには、その根拠となる『前世の記憶』が一切ないんですから、ただ単に、彼を信じてついて行ってるだけなんです。

       で、最後はレイちゃんです。

1.       レイちゃんは、「前世とか言うよりも、今っ、オトコなんかと一緒にいてもいいのか?!ってコト…。裏切るかもしれないし?」と言ってます。

2.       この言葉は、まさに言葉通りそのまんまで、レイちゃんの今現在の判断基準には、『前世』とか『現世』とか、そのどちらか一方に偏った考えがありません。相変わらず、Act.3でセーラーマーズに覚醒してからずっとそうだったように、あくまでも『戦士の自覚』として、それに則って物事を判断してますから、これもレイちゃんらしく一貫してます。つまり、その立ち位置が、ちょうど亜美ちゃんとまこちゃんの間にいるとも言えるんです。

3.       それに、レイちゃんは、何よりもまず、根本的に『オトコを信用してない』んですね。Act.31の「未使用シーン」でも、「男なんてみんな同じよ…」と言ってますからね。で、それはなぜなのか?と言えば、要するに、今回と次回の2話に渡って、その理由が具体的に明かされていく訳なんですな。

       コレを見ても分かるように、この三人は、ここで全員うさぎちゃんに賛成票を投じはしましたが、その判断基準となった根拠がみんな違うんです。一見、一致団結してるように見えて、実はそれぞれの考え方には、相変わらず大きなすれ違いがあるんですね。だからこそ、うさぎちゃんの「よ〜し、がんばるぞ〜、おーっ!」に対して、誰も合わせようとはしなかったんです。この「肩透かし」は、三人が意識的にそうしたと言うコトではなく、このあとの展開に含みを持たせた示唆的なシーンとして挿入されてるんですね。

       ※ つまり、ここでうさぎちゃんの「おーっ!」に合わせなかった三人が、どう言う心境の変化を受けて、次回のにつながっていくのか?が、Act.33と34のテーマなんですね。

       「チームワークは良くなってるってコトよねぇ…あぁ〜…」(←とほほバージョン)。ルナにはそう見えるらしいが…。

        ★  ★  ★  ★  

       「♪じゃ〜ん…ひとみは〜いつ〜も〜ジュ〜エル〜(ジュ〜エル〜)…♪」(←ここでオープニングです)

 

        ★  ★  ★  ★  

       オープニング開けは、ダーク・キングダムのゾイサイトの部屋…。

       前回、お仕置きの『ベリル様ビーム』を食らいまくってボロボロのゾイサイトが、ピアノも弾けず、壁にもたれてうなだれております。そこへジェダイトくんがやって来ます…「ゾイサイト」「…」「なぜベリル様に逆らう? あの方が我々に命を与えて下さったのだぞ!」「…フッ、…望まぬ形でな…」「ベリル様にお仕えすること以外に、望みはない…」

       ところで、ジェダイトくんはなぜ、こうしてわざわざゾイサイトの所へやって来て、こんなコト言っちゃってるんでしょうか? 自分がチクったせいでゾイサイトがこんな目に合わされちゃったので、罪の意識を感じてるのでしょうか? しかし、ジェダイトくんの立場からすれば、それはあり得ないはずです。なぜなら彼は、ベリル様のご寵愛を独占したくて日々働いてるんですから、恋のライバルの脱落は大歓迎のはず。であれば、「ベリル様にお仕えすること以外に、望みはない」などと、ゾイサイトに忠告するはずがないんです。つまりジェダイトくんは、ベリル様がエンディミオンのコトで取り乱したのを見て、やはり、ナニか疑問に感じたんでしょうな…。だから、ゾイサイトに、「なぜベリル様に逆らう?」と、聞きに来たんですな。

       「…違うな…。お前も触れたはずだ…前世の記憶に…。マスター・エンディミオンに会った時…」「……」(←前回、地場衛がエンディミオンに覚醒した瞬間を回想してます)「マスターこそお前の仕える方だ…」…よろよろと立ち上がるゾイサイト…「お前は一番若く、マスターを兄のように慕っていたはず…」…ジェダイトくんに歩み寄って、両手で肩を掴むと、思いっきり顔を近付けながら、「思い出せっ!」「うぅわぁっ!『キモイわっ!』と、ゾイサイトをピアノの鍵盤の上にが〜んっ…!とうっちゃります。「黙れっ! オレにはベリル様だけだっ!…はぁ、はぁ…」…ジェダイトくんは興奮して、肩で息をしております

       するとその様子を、物陰から覗き見してるネフライトの姿が!…「…(心の声→)なぜオレは思い出せんのだっ、…ベリル様に疎まれ、…前世の記憶もなく……」(←お気の毒様…

        ★  ★  ★  ★  

       クラウンからの帰り道…。

       珍しく、レイちゃんと亜美ちゃんが談笑しながら歩いております…。「結局最後はカラオケ大会なんだからっ」(←だって、そもそも、カラオケ屋さんなんで…)。「でも面白かったっ、うさぎちゃん、嬉しそうだったし」。レイちゃんは笑顔でうなずくと、「じゃ!」「うん、またあしたっ」。ここで二人は、それぞれの家路へと別れて行きます…。

       う〜む…。亜美ちゃんとレイちゃんは、クラウンからの帰りでは、途中まで道が一緒だったのか…。そう言えばこの二人は、Act.12でも、クラウンから帰る途中、二人で一緒に歩いていたっけ…。ワシはAct.21の時、「まこちゃんだけ、十番中の登校シーンで、一度もうさぎちゃん達と一緒になったコトがない」と書き、「ひょっとすると、学校を挟んで完全に違う方角に家があるため、双方の通学路に合流地点がないのかもしれない」と書きましたが、やはり、その仮説は意外と間違ってなかったのかもしれませんなぁ…。

        ★  ★  ★  ★  

       水野邸にて…。

       さて、真っ暗な家の中から玄関の扉が映され、そのドアのカギが外からガチャリと開けられ、亜美ちゃんが「ただいま〜っ♪」と笑顔で入ってきます…家の中から返事はありません。

       亜美ちゃんは、すぐさま玄関の明かりを点け、靴を脱いで上がります…。

       で、今度は真っ暗な部屋の中のアングルから、亜美ちゃんが廊下の明かりを点けながら歩いてくる様子が、間接的に映されます…。

       亜美ちゃんは、その居間のドアを開けて再び笑顔で「ただいま〜♪」と言って明かりを点けます…やはり返事はありません…。

       それから手提げをテーブルの上に置いて、キッチンの明かりを点けます。キッチンの奥の壁には、Act.5でも出て来たホワイト・ボードが掛けてあり、そこに書いてあるママの伝言を読みます…(亜美ママの声→)「お帰りなさい 二日ほど病院に泊まり込みですこの間の模試の成績さすがね 亜美はママの自慢です ママより」

       そうなのです…亜美ちゃんは決して『不思議少女』なのではありません…最初から家の中に誰もいない事は分かってて、それでも笑顔で「ただいま〜」と言い続けるのは、そのホワイト・ボードの中に、こうしてちゃんとママがいるからなのです…そしてこれが、亜美ちゃんの日常なのですね。

       それから亜美ちゃんは、冷蔵庫からラップがけのシチューの皿を出し、レンジにかけてる間に、ホワイト・ボードに返事を書きます…(←おおっ! これはまさしく、「中部日本放送 (CBC)実写版「美少女戦士セーラームーン」ホームページ」「美少女日記」にレイちゃんの中の人が書いていた、「近ごろ時間の有効利用にはまってる北川です()洗濯機を回しながらその間に掃除機をかける…みたいな感じでやってます! そうゆう時かならず「自分ちょっと頭イイかも」とか思って楽しいです()の極意ではないかっ! さすが亜美ちゃんだっ!)(←て言うか、洗濯機が回ってる間、その前でじっと終わるのを待ってるヤツっているのか?)…「お仕事お疲れさま 私もママが自慢です ママみたいなドクターになるために 頑張ります。亜美」(←ちなみに、最後の発音は「あーみ」です)。

        ★  ★  ★  ★  

       火野邸にて…。

       さて、今度はレイちゃんの帰宅シーンに切り替わります…。しかしながら、レイちゃんの場合は、玄関のドアを開けるところは映されておらず、いきなり家の中の廊下からのアングルで、玄関から上がった瞬間のレイちゃんが映し出されております。

       Act.10では、神社の神殿に隣接する平屋の建物が「火川神社 子ども会」の会場として使われており、レイちゃんはそこで紙芝居の絵を描いてたので、Act.10では、まだレイちゃんの個人部屋は登場してませんでした。

1.       レイちゃんの個人部屋が初めて登場したのはAct.21で、その時は、まこちゃんからの、『亜美ちゃんが病院から失踪した』と言う連絡を、そこで受けてました。

2.       で、その次のAct.22で、亜美ちゃんが『ダーキュリー化』したのを受けて、レイちゃんが畳の上に仰向けになって、「…(心の声→)ナニが一人でやってみるよ…。…うぬぼれもいいトコ…」と反省してるシーンで出てきました。

       今回は、それ以来と言うコトになるのですが、よくよく考えると、ナンだカンだと、レイちゃんの個人部屋が登場する時、必ず亜美ちゃんが絡んでるんですなぁ…。本稿では、この二人がでつながってると言う話は、再三に渡ってしてまいりましたが、ナニげにこんなところにも、その痕跡がちらほらと…。

       で、Act.10では、「火川神社 子ども会」の会場として使われていた平屋の建物の玄関の扉は、昔ながらの、ガラガラと音のする引き戸でした。これがそのままレイちゃんの個人部屋につながってるのかどうかは不明ですが、とにかく、今回のこのシーンを見る限り、玄関のドアを開ける音はしておらず、玄関の電気を点ける音もしてません。しかし玄関の電気に関しては、おそらく、レイちゃんが入って来た時には、すでに最初から点いていたはずです。で、レイちゃんは玄関から上がりながら、普通に「ただいまー」と言ってます…しかし、家の中から返事はありませんでした…。

       ※ ちなみに原作・アニメでは、火川神社の宮司はレイちゃんのお爺ちゃんでしたが、実写版では、それについては一切言及されず、お爺ちゃんも宮司さんも、一切登場しません。しかしレイちゃんはAct.8で、「パパはね、私の持ってる力が、嫌いなの…。だから、神社に預けたのと言ってましたから、「預けた」と言うコトは、当然この神社にはきちんと宮司さんがいる訳ですから、それが誰であるかはともかくとして、レイちゃんは間違いなく一人暮らしではありません(←なので、実写版における火川神社の宮司さんは、美奈子の幽霊家族と同じ扱いと考えていいでしょう。つまり、『事実上存在はしているはずだが、ストーリーの都合上、劇中からは完全に消されている』と言う、マンガやドラマなどのフィクション世界では、ごく当たり前に用いられる手法です)。

       レイちゃんは、廊下の横にあるスイッチをパチンと点けると、自分の個人部屋と、その隣の部屋の明かりが点き、レイちゃんは、真っ直ぐ自分の部屋に向かいます。

       中から返事がなかったのは、宮司さんがまだ何か仕事をしてて、おそらく神殿の方にいたためで、レイちゃんはそれが分かったので、だから直接自分の部屋へ向かったんじゃないでしょうかね?

       天井に吊るしてある明かりは消えたままで、部屋のあちこちに置いてある置きランプだけが点いております…(←ナンか知らんけど、巫女さんチックではあります…)。レイちゃんは、木造りの小さい机の上に飾ってある写真立ての前に正座し、「ただいま」と優しく声をかけます。写真に写ってるのは、公園のブランコに乗っている幼い頃のレイちゃんと、その後ろに立ってる、在りし日のレイママです。

       さて、ここで、ワシがふと気付いたのは、各セーラー戦士が自宅の自分の部屋に飾ってある、それぞれの「写真立ての写真」です(↓)

1.       【うさぎちゃん】⇒セーラー戦士に覚醒する前の、自分のソロ写真。仲間の写真は「ウォールポケット」に何枚か貼り付けてあり、それが押入れの戸に吊るしてあるのが、Act.10で確認される。

2.       【亜美ちゃん】⇒Act.5時代は、うさぎちゃん、レイちゃんと三人で写ってる写真。Act.14で、まこちゃんを加えた四人の写真に入れ替えられてた。次回Act.34で、さらにそれらの写真立てがいくつも増えていたコトが判明するが、いずれも仲間の写真ばかりである。

3.       【レイちゃん】⇒亡くなったお母さんと一緒に写ってる子供時代の写真(←※実はお父さんも写ってたのだが…)。一方、仲間の写真は、部屋の中には見当たらない。

4.       【まこちゃん】⇒亡くなったご両親と一緒に写ってる子供時代の写真。一方、仲間の写真は、部屋の中には見当たらない。

5.       【美奈子】⇒勉強机の上の小物入れの上に写真立てがあったが、そこに何が写ってるのかは不明(←単なる風景写真のような感じもしないでもないが…)。

       さて、わざわざ写真立てに入れて部屋に飾る写真と言うのは、言うまでもなく、それがその人にとって特別なものであるコトを意味してます。レイちゃんとまこちゃんは、それぞれ親が故人ですし、二人とも実家に住んでいないので、その家族の写った写真が自分の部屋に飾ってあるのはごく当たり前のコトです。しかし、あとの三人は、家族の中に一人も故人を含んでませんし(※亜美ちゃんのお父さんは離婚です)、みんなそれぞれ家族と一緒に実家に住んでますから、その場合、普通、中学生の女の子が、自分の家族の写真を写真立てに入れて自分の部屋に飾るなんてコトは、まずしないでしょう。つまり、この、写真立てに入ってる写真と、部屋に飾ってあるそれ以外の写真とが、各セーラー戦士の、「友達」、「仲間」、「家族」に対する意識、または距離感の違いを象徴しているようにも見えますね。

       で、ここで、唯一にして最大の謎なのは、うさぎちゃんの写真立てです。なぜ彼女だけ、『セーラー戦士になる前の自分のソロ写真』なのか?! ワシはこの謎について、「絶対ナニか意味があるはずだ」と、大マジメに検証すべく、あれこれと資料を総当りしてみたのですが、ナンと、そこには、驚愕の事実が隠されていたのだったっ!(↓)

     ※ 実はコレは、テレビの本放送が10月からスタートするその新番組のための番宣番組として放送された、「メイクアップ! 美少女戦士セーラームーン〜少女がセーラー戦士に変わるまで〜」と言う、メイキング密着取材の番組の中で紹介されてた話なんですが⇒「さぁ〜みなさんっ、突然ですがここで、超お宝映像を大公開〜! 本編ではなかなか詳しく見るコトのできない「うさぎちゃんのお部屋」をご紹介しちゃいます。実はこのお部屋には、ある隠された秘密が…それはこのウサギの数!? せっかくですので、この部屋の持ち主に数えていただきましょう〜♪」てな訳で、うさぎちゃんの中の人が、ぬいぐるみから小物に至るまで、全てこれを数え始めるのですが(←その数、生身のご本人を入れて、ナンと「44」)、要するに、その中に、「本人である「うさぎちゃん」も入ってる」と言う意味で、この写真立てが最初からこの中に紛れ込んでた訳だったんですな…。ただそれだけです…。それ以外に深い意味などナニもありませんでした…(←ヘタに深読みして恥かかないでヨカッタよ…)。

       ※ ちなみに、このうさぎちゃんの部屋は、「美少女戦士セーラームーン完全版メモリアルブック (小学館のカラーワイド)でも詳しく紹介されてます。で、この本の中の部屋には、十番中の夏服の制服が掛けてありますから、ちょうど今回Act.33の衣替え以降の部屋と言うコトになります。この写真の中では、「ウォールポケット」は美奈子のポスターの横に移動してますが(←※実は、これは「移動」ではなく、「追加」だったコトが、Act.37で判明する)、写真立ては、やっぱり、うさぎちゃんのソロ写真がそのままになってました。

 

        ★  ★  ★  ★  

       場面は変わって…。

       これは夜の公園かどこかの花壇ですかね? 赤い花がたくさん咲いてるのですが、それがナニやら怪しげな光を放ち始めます…どうやら事件の匂いがしてまいりました…。

        ★  ★  ★  ★  

       月野邸にて…。

       うさぎちゃんが、ベッドで気持ち良さそうにスヤスヤと眠ってます。そこへいきなり、ぬいぐるみルナが、「う、うさぎちゃんっ! 妖魔の気配よっ!」と言ってゆすり起こします。すると、うさぎちゃんは、いきなりがばっ!と上体を起こし、ルナを抱きかかえます…「!…」。ところが、うさぎちゃんは完全に寝ぼけてて、ルナをぎゅっと抱きしめたまま…「う…、うぅ…、ぐるじい…、うぅっ…」、後ろへ倒れて横になり、そのまま、また寝てしまいました…「……『むにゃむにゃ…スヤスヤ…』「う〜っ、と…レイちゃんっ…、亜美ちゃんっ、まこちゃんっ…!」

       ところで、うさぎちゃんのベッドの頭側の壁には、カレンダーが貼られてるんですが、コレ、実写版がAct.14で新年の2004年を迎えて以来、劇中にこの『2004年度版のカレンダー』が初めて映し出されたのがAct.16でした(←うさぎちゃんの部屋自体が、Act.16が新年初登場です)。ちなみに今回のこのシーンでは、暗くてちょっと分かりにくいですが、カレンダーは「5月 6月」の分になってます。

1.       で、ナニが言いたいかと言うと、このカレンダーの貼られ方です。うさぎちゃんのベッドはパイプベッドで、頭側の壁にほとんど隙間なく密着する形で置かれています。

2.       で、見てお分かりのように、奇妙なコトに、カレンダーの下の部分がベッドのパイプの裏に隠れてしまうような位置に貼られてるんですな。実はこれは、Act.16の時からずっとこうなんです。しかし、これはどう考えてもあり得ない貼られ方です。そもそもパイプに隠れた部分の数字が見にくいし、月が替わってカレンダーをめくる時もパイプが邪魔でめくりにくい。それにも関わらず、今までずっと、このままこの位置に貼られ続けてるんですよ? たとえば、『2003年度版のカレンダー』は、きちんと、もっと上の位置に貼られてましたから、そんな不条理な問題は一切ありませんでした。

3.       そこで、ワシは考えたのだ…。もしやこれは、実写版が、この時からすでに、後半戦における劇中カレンダーをあいまいにするコトを、密かにここで宣言していたのではないかと…(←それこそ大マジメに…)。ところがだっ! ワシがそう思いながら目を皿のようにして現場検証を行っていたところ、ある一つの事実に気付かされたのである。それは…、これは…、ただ単に…、壁に画びょうを刺す位置が前と同じなだけだったぁ〜っ!…と…。

4.       そうなのである。今ここに貼られている『2004年度版のカレンダー』は、去年まで貼られていた『2003年度版のカレンダー』に比べて、ずっと縦長なのである。つまり、その縦長のカレンダーを、画びょうを刺す位置を前と同じにして貼り付けると、必然的に、下の方がベッドのパイプの裏に隠れてしまうのだ。つまり、うさぎちゃんは、『カレンダーとしての本来の機能』よりも、『壁に余計な穴を増やしたくない』と言う、そっちの方がよっぽど問題だと考える人だったのである…(←とほほ…)(←まあ、『らしい』っちゃ『らしい』が…)。

        ★  ★  ★  ★  

       花壇から妖魔が出現しました(←花から生まれたので、コイツは『花妖魔』と命名させていただきます)…。

       この妖魔は、どうやら、メタリアの影響で地中から湧き出て来た一派のようですね。『花妖魔』は出て来るなり、ひとまず夜空に向かって両手を広げ、「○×△□〜っ!…(通訳→)『みなさん今晩はぁ〜っ!』と雄叫びを上げます。

       するとそこへ、『今何時だと思っとんじゃボケ〜っ!』と、いきなり火炎放射がぶっ放されます。『花妖魔』は、すんでの所でそれを避け、「○×△□っ!…(通訳→)『ナニするんですか! いきなりっ!』と振り向くと…、そこに…、カツ、カツ、カツ…とヒールの音を響かせ、無言でモデル歩きをして来る、我らがセーラーマーズのシルエットが…!(←か…、か…、かっけぇ〜〜っっ!!)。マーズは、相手も見ずに足を止めると、目線を斜め下に落してポーズを決め、カッ!と目を上げてターゲット・オン!(←こりゃ卒倒モンのカッコよさだっ!)。

       それを見て『花妖魔』は、マーズに向かって突進して行きます。するとマーズも、「フッ! ハッ!」と側転で向かって行き、「ハァッ!」と妖魔の肩に両手をついて、体操競技の跳馬のようにして飛び越え、空中で振り向きながら牽制の火炎放射を放ちます。「ハァッ!」

       で、それをマトモに食らった『花妖魔』は、見事に頬っぺたを焼かれちゃって、「○×△□〜っ!…(通訳→)『ああ〜っ、大事なお顔がぁ〜っ!』みたいにうずくまって顔を押さえております。マーズは、そんな妖魔にトドメを刺さんとして、またモデル歩きで近寄って行きますが、妖魔は、「○×△□〜っ!…(通訳→)『ちっ、覚えてろ〜っ!』と言って消え去ってしまいました。「…あんっ!…『逃げられたか…』

       いやぁ〜久々にセーラーマーズがクローズアップされましたが、どうやらコレって、後半戦が始まってからの、仕切り直しのローテーションだったみたいですな…(↓)

Act.29

マーキュリー覚醒

Act.30

美奈子

Act.31

ジュピター覚醒

Act.32

エンディミオン覚醒

Act.33

マーズ

        ★  ★  ★  ★  

       するとそこへ、亜美ちゃんが、「レイちゃ〜んっ!」と遅れて駆けつけます…「妖魔はっ?!」。マーズは亜美ちゃんを見ると、ちょっとホッとしたように、「消えたわ…」と言うと、変身を解いて歩み寄ります(←Act.22のセーラームーンの時も思ったのですが、変身を解く時って、ナンかカッコいいんだよなぁ…)…「気配もないし、逃げたみたい」。二人は笑みを交し合います。

       ところがこの直後、突然、二人に向かってばっ!とライトが照らされます…「!?」「はっ!」。するとそれは、巡回中のおまわりさんで、「キミたち、こんな時間にナニやってるんだ?」「!…『あっちゃぁ…』「!…『やば…』(←ついつい忘れちゃうけど、この二人って、ナンだカンだ中二の女の子ですモンねぇ…。それにしても、ナニげにヒーローモノにあるまじき、妙に現実的な展開ですなぁ…)。

        ★  ★  ★  ★  

       …てな訳で…、二人は懸命に、おまわりさんに訴えております…「ホントに、一緒に勉強してて、ちょっと遅くなっただけです、ね?」「…『うん』「家に連絡してもらわなくても…」「わかったから、住所を言いなさい。送ってくから…」(←手帳とペンを持ってます)

       二人は顔を見合わせながら、「…『やっば〜、どーする?…』「…『変身してやっつけちゃう?』「ホントにダイジョブです、ね?」「うん」「私達だけで帰れます…」「…『ホントかい? キミたち、なぁ〜んか怪しいなぁ〜…』

       …て言うか、この二人の親って、どっちも、十番町じゃ指折りの名士なのでは?…その娘が、こんな真夜中に外をウロウロしてちゃ、余計にマズイだろうなぁ…。

        ★  ★  ★  ★  

       こちらダーク・キングダム…。

       それはそうと、こちらベリル様は、一体いつ寝てるんでしょうかね?(←ダーク・キングダムは、意外と規則正しく、朝も早い『悪の組織』だったはずだが…)。で、相変わらず『メタリアの部屋』に入り浸って、メタリアを眺めております…。で、いきなりばっ!と振り向くと、「…やはり、何故かは分からぬが、クイン・メタリアの力が動いている…」

       すると、そのベリル様の独り言を、ナニげにクンツァイトが物陰から盗み聞きしております…「…(心の声→)このままではメタリアの力はベリルのものに…」…クンツァイトは壁をガツン!と叩き、「手を考えねばなっ」(←おおっ! ナンと、前にネフライトが言ってたコトが当たってたじゃありませんかっ!)。

       前回も書きましたが、ネフライトはAct.17でジェダイトくんに、次のような『クンツァイトへの陰口』を言ってるんですな⇒(「ベリル様を押しのけ、クイン・メタリアの力を我が物にするつもりかもしれんっ!」で、今回のこのシーンでのベリル様のセリフ…「やはり、何故かは分からぬが、クイン・メタリアの力が動いている…」は、前々回のAct.31に、初めて地中から『泥妖魔』達が湧き出て来た時における、ジェダイトくんとの会話を受けてのものですな(↓)

     当時の再現VTR⇒【ジェダイトくんが、ナニやら慌てた様子で、「ベリル様っ」とやって来ます。で、相変わらずメタリアばっか眺めてるベリル様が振り向くと、ジェダイトくんは、「妖魔が勝手に現れて、街で暴れております。ベリル様の方でナニか?」「いや。…もしかすると、クイン・メタリアの力が、この星に影響を与えているのかもしれぬ…」「クイン・メタリアの…、力が…!?」。ベリル様が再びメタリアの方を見ると、メタリアは、まるで心臓が鼓動するような感じで、低い音を立てながら、赤い光を増減させております。】。

       クンツァイトは、Act.28で、『プリンセスの目の前でマーキュリーを斬る作戦』を、そのネフライトのせいで邪魔されて「幻の銀水晶」を手に入れ損なって以来、ずっと鳴りを潜めていたのですが、Act.30でベリル様から呼び出しを食らった時⇒(「気付いたか。クイン・メタリアの力がまた強くなっておるのだ。わらわもその影響を受けておる」)と聞かされたコトから、どうやら、再び状況の変化を察知したようですな。なぜなら、ここ最近は、誰もエナジー集めをしてないのに、「クイン・メタリアの力がまた強くなっておる」なんて、どう考えても腑に落ちませんからね。そこでクンツァイトは、今度は逆に、自分の方がベリル様の動向を見張っていたようですな。

 

 ★  ★  ★  ★   CMタイム― ★  ★  ★  ★  

 

       翌朝、十番中学に登校するうさぎちゃんと亜美ちゃん…。

       このシーンから、うさぎちゃん達の着てる十番中の制服が夏服になってますな(←前回までは冬服でした)。てコトは、正確な日付は不明ながら、劇中カレンダーは6月に入ったと言うコトですな。

       うさぎちゃんは、亜美ちゃんに向かって両手を合わせながら、「昨日はごめんっ、行くの遅れちゃって!」(←てコトは、一応行きはしたんだね?)…「まこちゃんも大変だったみたいだよぉ」。で、そのまこちゃんがどう「大変だった」かと言うと…(↓)

     真夜中に、「ふぁ〜ぁっ!」と大アクビをぶっこきながら外に出たら、いきなりがしゃっ!「うわっ!」と自転車置き場の自転車につまずいてしまい、がらがらっ!…「あ〜〜っ!」…がらがらっ!…「あ〜〜っ!」…と自転車が次々と将棋倒しになってしまい、慌ててそれを元に戻してた…とのコトらしいです(←そりゃ大変だ…)(←地球の平和なんか守ってる場合じゃないですな…)。

       これはアレですな。要するに、うさぎちゃんはあのあと、ルナに叩き起こされて現場に駆けつけたものの、もうすでに亜美ちゃんとレイちゃんは帰ったあとで、で、そこにまこちゃんも遅れてやって来て、まこちゃんから、『自転車を倒して、それを直してて遅れた』と言う話を聞かされてたんですな。

       「でも、まさかおまわりさんに捕まるなんてね」(←別に逮捕された訳じゃないみたいよ?)。「うん、ママが夜勤だったから良かったけど…、あのおまわりさん、家に電話したりするかなぁ?!」「う〜ん…、確かにちょっと心配かも…」

       その時、うさぎちゃんのケータイがぴるるる…ぴるるる…と鳴ります。うさぎちゃんは、カバンの中に入れてたケータイをチラッと見ると、「ごめんっ、ちょっとメール!」と言って、ケータイを見ます(←うさぎちゃんのケータイの待ち受け画面は、制服姿の四人が一緒に写ってる写真です)。メールは地場衛(←すでに顔写真が入ってるっ!)からです。「表示しますか? はい/いいえ」で、「はい」を押し、うさぎちゃんはメールを見ながらニヤついちゃっております。

       すると、突然、なるちゃんが後ろから駆け寄って来て、「うっさぎぃ〜なにニヤニヤしてんのよ〜っ?!」「してないよぉっ」「怪しいなぁ(笑)」「あはは(笑)」

       すると、今度はいきなり黒木ミオが背後から現れて、うさぎちゃんのケータイをひったくります…「怪しいってナニが?!」。黒木ミオは、そのメールを盗み見して、「!…『ナヌっ!…今日の放課後、3時半にクラウンの受付で待ち合わせ…だとぉ!』(←って書いてあったはず…たぶん…)。

       ※ この時、うさぎちゃんはすでに、『マフラー』の入った紙袋を持って登校して来てますから、今日、これを地場衛に渡すコトはもうすでに昨日から決めてて、あとは彼の都合で、当日のデートの時間と待ち合わせ場所の連絡が来る手はずになってたんですな。つまり、昨夜うさぎちゃんが寝ながら見ていた夢は、思いっきり今日のデートのコトを考えながら床に就いてたコトの結果だった訳です。つまり、この『マフラー』が今日手渡されるのですから、前回の『エンディミオン覚醒』以来、今日が二人の初デートになる訳ですな。

       するとなるちゃんが、「ちょっとナニすんのよ! 人のケータイ!」と言って、黒木ミオから取り返してあげます。「こわぁ〜い、もう(←ってアンタが言うなっ!)そう言えば大坂さん、最近体調どう?…『しらじら…』(←なるちゃんのお腹を覗き込むようにしながら…)。「あはぁ…おかげさまでっ…『アンタがヘンな術使わないんで、もう大丈夫よっ』「よかった、もう心配したんだからぁ〜…『じゃあとで、誰もいない所でまた食らわしてあげるねっ』「でもダイジョブ」(←自分のお腹をさすりながら…)。で、その横でうさぎちゃんは、この二人のやり取りを、『みんな仲良しで私も嬉しい♪』みたいにチラッと見て、再び地場衛からのメールに目をやってニヤついていたのでした…。

       とそこに、今度は亜美ちゃんのケータイにもメールが届きます…⇒「帰りに病院へ寄ってください ママ」。亜美ちゃんは、「…『ナンだろう…』みたいにそれを見ております。

       亜美ママは、昨日の時点で、ホワイト・ボードに「二日ほど病院に泊まり込みです」と書いてましたから、今日も家には帰れないので、亜美ちゃんを病院に呼んだんですね。

       すると学校のチャイムが♪キーンコーンカーンコーン♪と鳴り、「ああっ、遅刻しちゃうっ、急ごっ!」、なるちゃん:「早く早くっ!」と、みんなで一斉に駆け出します(←そう言えば亜美ちゃんって、うさぎちゃんと付き合うようになってから、すっかり30分前登校はやめちゃったみたいですねぇ…それどころか、うさぎちゃんに合わせて登校してると言うコトは、ほぼ毎日遅刻ぎりぎりと言うコトに…)。

        ★  ★  ★  ★  

       そして放課後、クラウンにて…。

       こちらは、受付の元基…「うっそ!…オマエ、帰ってきたの? ナンでっ?!」。地場衛が、ナニやら照れ笑いを浮かべながら、「…まあ、色々と…」(←ってちょっと待て〜っ! 元基がキミの帰国を知ったというコトは、日英の警察は、いまだ『地場衛・行方不明事件』の捜索中なんじゃないのか?! 常識的な手順を踏まんか手順を〜っ!)。

       とそこへ、うさぎちゃんが学校帰りの制服のまま、「こんにちはっ」と笑顔でご来店です…。「いらっしゃ…」(←元基は、どう言う訳か、一瞬でこの二人が待ち合わせをしてたらしいコトに気付き、言葉に詰まります)。で、うさぎちゃんは、地場衛に向かって「お待たせっ♪」とハニかんでおります…。元基:「ちょ、…ナニそれ?! どゆコト? えぇっ!?。カメキチ:「グゥ、グゥ…『モテないアンタと一緒にすんなよ…』

        ★  ★  ★  ★  

       で、デート場所のオープン・カフェにて…。

       ここは、お店の名前が「Hibiya Saroh」となっており、実在するお店でございます…。今までオープン・カフェと言えば、Act.6(←うさ&まこ)、Act.18(←まこ&元基)、Act.30(←亜美、レイ、まこ)、Act.31(←まこ&元基)と、今回を入れて全部で5回出て来ましたが、いずれも違う場所です。

       二人はテーブルに向かい合って座り、すでに、うさぎちゃんの前にはパフェ、地場衛の前にはアイス・コーヒーが来ております。

       で、うさぎちゃんが、今朝から持って来てた紙袋を、「はいっ」とテーブルの上に置きます。地場衛は、最初はそれがナンだか分からなかったようでしたが、中に例の『手編みのマフラー』が入ってるのに気付くと、一瞬ニヤっとして、袋からそれを取り出し、「…『ほ〜う、どれどれ…』みたいに、入念に出来栄えをチェックし始めます…うさぎちゃんは、『嬉し恥ずかし』みたいな面持ちで、視線を下に逸らしつつ、『お褒めの言葉』を心待ちにしております…ところが、地場くんは開口一番、「ふふっ、けっこうヘタだなぁ」「!……やっぱりあげないっ、返してっ!」。うさぎちゃんは、思わずばっ!と手を出しますが、地場衛はその手をかわし、言葉とは裏腹に、嬉しそうにマフラーを首に巻き始めます。うさぎちゃんは席を立ち、「もう、返してってばぁ〜っ!」と、地場衛の首からマフラーを引っ張ります。「あはっ、苦しい…、よせっ(笑)」「あははっ(笑)」「よせ、苦しいから…(笑)」「あはっ(笑)」「はやく…(笑)」(←めちゃめちゃ楽しそ〜っ、そして幸せそ〜っ♪)。やっぱり、『毒舌男』『ツッコミどころ満載娘』は、ある意味理想のカップルだよなぁ…。

       ところがっ! ナンとその様子を、ナニげに一人、木の陰から睨み付けるようにして覗いてる黒木ミオ嬢の姿がっ!(←今朝の登校シーンで、うさぎちゃんのケータイ・メールを盗み見してましたからな…)。

        ★  ★  ★  ★  

       ベリル様:「エンディミオン…やはりっ!」…どうやら黒木ミオの見てる光景が、そのままベリル様にも転送されてるようですねぇ…。

       ところで、この「やはり」は、前回のベリル様のセリフ⇒(「記憶は戻ったかっ!?」「まさかプリンセスのところへっ!」…)に呼応してますから、これはつまり、「エンディミオン…やはりっ!…『記憶が戻ったゆえ、プリンセスのところへ行ったか!』と言ってるんですね。

1.       で、ワシは前回、ベリル様にとって問題なのは、「あの男をどこへやった」かではなく、エンディミオンの「記憶は戻ったか」どうかだと書いたのですが、ベリル様がエンディミオンの「記憶は戻ったか」どうかを確認する手立てと言うのは、実は、このようにして、『エンディミオンが、自らの意思で、プリンセスとの恋を成就させようとする、その姿』でしか、その確認のしようがない訳なんですね。だからこそ、そのためにも、このシーンにおけるベリル様の『嫉妬と忍耐』は、どうしても一度は避けて通れない訳なんですな。で、それで「記憶は戻った」と確認できたら、そこから初めて、ベリル様の『対・エンディミオン工作』が具体的に始まる訳なんです。なので、この時点から、黒木ミオに課せられる指令が、本来の「幻の銀水晶を手に入れる」コトから、完全に離れてしまうんですね。

2.       それに、「幻の銀水晶」に関しては、前回の失敗で完全にお手上げ状態になってしまいましたからね。前回は結局、最後に地場衛がうさぎちゃんを抱きしめて、うさぎちゃんは『涙なしの半泣き状態』にはなりましたが、それはほとんど『うれし泣き』に近いものでしたから、もはやエンディミオン絡みの作戦ですら暗礁に乗り上げてしまった訳です(←クンツァイトとは違って、ベリル様には、「幻の銀水晶」のためにはエンディミオンは斬れせませんからな)。

3.       その上さらに、「何故かは分からぬが、クイン・メタリアの力が動いている」と言う奇異な状況も、ダーク陣営に、当面の方向転換を余儀なくさせる要因として働きかけていくんですな。

       ※ で、ここでもう一つ見落としてはならないのが、この「やはり」には二つの意味があって、一つは「エンディミオン…やはりっ!…『記憶が戻ったゆえ、プリンセスのところへ行ったか!』で、もう一つは、先ほどの「…やはり、何故かは分からぬが、クイン・メタリアの力が動いている…」に呼応していて、『やはり、エンディミオンとプリンセスのせいでメタリアの力が動き出したのか?』につながっていくんですね。そして、このベリル様の疑問が説明されるのは、Act.37においてです。その説明についてはAct.37に譲りますが、ワシがここで問題にしたいのは、劇中において語られなかった部分で、それは、実は一番最初に『泥妖魔』が現れたのはAct.31なのですが、なぜ、それがAct.31だったのか?と言う点についてなんです。実はこのAct.31には、作品本編ではカットされてしまっていた「未使用シーン」があって、それをもう一度ここで紹介しますと(↓)

1.         クラウンにて…。まこちゃんが出て行ったあと、うさぎちゃんが、ルナカラの写真ボードに貼ってある、自分とまこちゃんとのツーショット写真を眺めながら、「まこちゃんと、元基くんかぁ…」と言ったあと、みんなの方に振り向いて、「けっこうお似合いだよねっ♪元基くんなら、いい人そうだしっ」「男なんてみんな同じよ…」「うわぁ〜〜レイちゃんってホントこっち方面興味ないんだね?」「別にっ、普通よ」

2.         「あ〜あ…、デートか……いいなぁ…」。うさぎちゃんはソファに腰掛け、急にしんみりしてしまいます。それを見た亜美ちゃんが、レイちゃんと顔を見合わせ、とっさにテーブルの上の歌本を手に取ると、「うさぎちゃんっ、カラオケしない?! 私、練習したい曲があって…!」と、うさぎちゃんに駆け寄ります。うさぎちゃんは、「うんっ、やろやろっ♪」と言って、持ってたクッションをソファに置いて立ち上がります。それを見て、レイちゃんは微笑み、おもむろに席を立ちます。

       この、うさぎちゃんの「あ〜あ…、デートか……いいなぁ…」と言うセリフですが、これは、今までずっと、うさぎちゃんが心の中でじっと我慢し続けていた地場衛への感情が、『まこちゃんと元基のデート』をきっかけに噴出してしまったコトでもあったんですね(←だからこそ、続くAct.32では、『地場衛・行方不明事件』における、うさぎちゃんの「会いたい!」と言う気持ちに、歯止めが利かなくなってしまってたんです)。そして、実は、この直後に、まこちゃんが元基をフッて、そこに『泥妖魔』達が初登場するんですね。しかしながら、『まこちゃんの所に現れた』のは、単にストーリー上の都合とローテーション上の都合に過ぎず、問題は、要するに、そのタイミングの方なんです。つまり、『泥妖魔』達は、うさぎちゃんの「あ〜あ…、デートか……いいなぁ…」に対して反応していたんです。

       なので、地中発生妖魔の第二弾となる今回の『花妖魔』が出現した時も同じです。この時もうさぎちゃんは、明日のデートに心浮かれていて、おそらく、前回地場衛と抱き合った場面でも思い出しながら『いい夢』を見ていたはずです(←だから、うっとりしながらルナをぎゅっと抱きしめてたんです)。要するに、今のうさぎちゃんと言うのは、セーラー業務に支障をきたすほど、地場衛とラブラブモードになってしまってるんですね。つまり、ここでも、うさぎちゃんの『恋愛感情の高まり』に呼応して妖魔が地中から現れてるんです。だからここでも、『レイちゃんの家の近くに現れた』と言うのは、単にストーリー上の都合とローテーション上の都合に過ぎず、問題はそのタイミングにあるんですね。では、それはなぜなのか?

1.         そもそも、一番最初にメタリアに変化が現れたのは、Act.16においてでした。

2.         実は、これは、クンツァイトが「エナジー・ファーム」でエナジーを集めた結果だからだと、最初は単純にそう思っていたのですが、実はそうじゃなかったんです。

3.         実は、この時うさぎちゃんは、その前回のAct.15の『窃盗団事件』(←生身の二人が共闘して恋に落ちた事件)を受けて、その「ただのお礼」と言い訳しながら、家庭科の授業中に、クッキーを地場衛に渡そうと思って、カードに「地場 衛さま」と書き込んでたんです。そして、まさにちょうどその時、メタリアが復活の兆しを見せ始めてるんですね。

4.         そうなんです。実写版においては、実は、人間のエナジーはメタリアには何の影響も及ぼしてなかったんです。本当は、メタリアと言うのは、プリンセスの『恋愛感情の高まり』にのみ影響されていたんです(←※まったくってのはチョット言い過ぎかもしれませんが…)。

5.         なぜなら、そもそも「エナジー・ファーム」自体が、うさぎちゃんが家庭科でクッキーを作った日の3日も前に、すでにマーキュリーの活躍によって解体されてるんですよ? つまり、3日も前に解体された「エナジー・ファーム」で集めた人間のエナジーが、クッキーを焼いた家庭科の日になって、ようやくメタリアの元に届いていたなんてコトが、あるはずがないんです。なぜなら、その「エナジー・ファーム」が画期的だったのは、吸い取ったエナジーを直接ダーク・キングダムの基地に転送するシステムにこそあったのですから(←ワシャ完全にだまされとったっ!)。

       ※ 人の心にとって、恋愛感情ほど、その状況によって大きくプラスにもマイナスにも働きかけるモノはない訳ですから、プリンセスの感情の動きに大きく左右される「幻の銀水晶」が、「メタリア」と表裏一体であると言うコトの理由が、まさにそこにあるんですね。

       ※ この、『恋愛感情の高まり』『泥妖魔』達との「呼応」の度合いは、現時点ではまだランダムですが、今後、徐々に頻発化していきます。つまり、なぜプリンセスとエンディミオンの関係が「不吉」で、それが「禁じられた恋」なのか? その本当の意味が、実はここにあったんですね。これじゃ、ヴィーナスとゾイサイトがこの二人を引き離したいと思うのも当然です(←ワシでも、「キミら、やめとけぇ〜っ!」って言うだろうなぁ…)。

        ★  ★  ★  ★  

       こちらは「明和大学病院」…。

       オープニングの「撮影協力」によると、このロケ地は「川崎市立川崎病院」だそうです。

       どうやらここは、亜美ママの勤務先の病院のようです…。今朝、ケータイ・メールで呼び出された亜美ちゃんが、待合室に坐ってます。

       すると、奥の廊下から、亜美ママが、もう一人の男性のお医者さんと仕事の話をしながら、こちらへ向かって歩いて来ます(←カルテを片手に、いかにも忙しそうですな)。亜美ちゃんはそれに気付くと、途端に嬉しそうな顔をして席を立ちます。

       亜美ちゃんは、「ママっ♪」と駆け寄ります。亜美ママも優しそうな柔らかい笑顔で、「あ、亜美…」と答えます。「あんまり時間がないの」「ん、ナニ? なにかあったの?」。亜美ママはあくまでも優しい笑顔で、「…交番からね、電話があったわ」「!」「夜のコト…『めっちゃ恐そうなヤンキーに絡まれてたって…』「……『あっちゃぁ〜…でも、おまわりさん目線ではそう見えたかも…』

        ★  ★  ★  ★  

       一方こちらは、その『めっちゃ恐そうなヤンキー』、もとい、レイちゃん…。

       あれ? 十番中は衣替えしたのに、ナニげにレイちゃんの学校は衣替えしてませんねぇ…。

       ※ 実は、コレはあとで分かったコトなのですが、この衣替えの謎に関しては、「東映ヒーローネット」に詳しく(?)書かれておりますので、興味のある方はそちらをご覧下さい(←安座間さんの回で言及されてます)。ただし、アニメ版には、T・A女学院の夏服は出てくるんですけどね…。

       学校からの帰宅途中で、神社の敷地へと続くいつもの石畳の上を歩いていると、その道端に止まってた黒い高級車のドアがいきなり開き、中からスーツ姿の男が一人飛び出して来ます。「!」。その男は、レイちゃんの前で90度角のお辞儀をしたかと思うと、「お嬢様!」(←お…お嬢様……ナンてイイ響きなんだ…)。「お初にお目にかかります。わたくし、お父様の秘書をしております、西崎正一と申します。どうぞっ、お見知りおきをっ…」と頭を下げながら、名刺を差し出します。

       「はぁ?!…『Act.8の時の倉田さんは?』「…『はい、倉田は、あの時お嬢様に逃げられた一件でクビに…』。西崎はちらっと『お嬢様』の御尊顔を拝借し、『こりゃ名刺を受け取ってくれそうもないな…』と即決して、それをすごすごとしまいながら、「お迎えに参上いたしました。お父様がお待ちです。お食事しつつお話したいと…。さっ、どうぞ…」と、車にエスコートするみたいに手を差し出します。

       「どういうコトですか? ナンで?」「…えぇ…、実は…」…西崎は急に辺りの様子をきょろきょろ伺い、レイちゃんにそっと耳打ちするように、「…交番から…連絡がありまして…『ナンでも、昨晩、めっちゃ大人しそうな他校の女生徒をカツアゲなさってらしたとか…』「!!『あんのオマワリ、よくもヌケヌケとぉ〜っ!』

       しかし…、これは一体どう言うコトなんでしょうか?(↓)

1.       昨夜おまわりさんは、レイちゃんと亜美ちゃんに、「わかったから、住所を言いなさい。送ってくから…」と言ってるんですよ? てコトは、二人はあれから、おまわりさんに家まで送ってもらってたはずなんです。で、もしも家まで送ってもらってたのなら、おまわりさんは、その時点で家の人と話をしてるはずなんですな。

2.       ただし、亜美ちゃんの場合はお母さんが夜勤でいませんでしたから、おまわりさんは亜美ママとは会ってません。しかし、レイちゃんの方は神社に宮司さんがいたはずですから、おまわりさんは火野家とはもう話がついてるはずなんです。

3.       ところが、この二人の様子からすると、どう考えても、昨夜おまわりさんは二人を家まで送ってはおらず、結局、ねばる二人に根負けして、取り敢えず住所と電話番号だけ聞いて、帰らせてくれてたみたいなんですな(←※ただし、今朝の登校シーンで亜美ちゃんは、「ママが夜勤だったから良かったけど…」と言ってましたから、ひょっとすると、おまわりさんは亜美ちゃんだけ家に送ってたのかもしれませんな)。

4.       そこで問題なのは、レイちゃんです。

5.       コレを見ると、レイちゃんは、自分の家の住所と電話番号を、火川神社ではなく、自分の実家の方にしてたコトになるんですな。なぜなら、もしも火川神社にしてたのなら、「交番から」直接レイパパへ連絡が行くはずがないからで、レイパパへ連絡が行くとしたら、レイちゃんを預かってる火川神社の宮司さんから間接的に行くはずなんです。

6.       これは一体どう言うコトなんでしょうか?

7.       これは、普通に考えるなら、火川神社の宮司さんが、原作・アニメとは違って、『レイちゃんのお爺ちゃんではないっ!』としか考えられませんな。つまり実写版の宮司さんは、レイちゃんとは一切血縁関係にないので、レイちゃんはおまわりさんに、実家の方を教えるしかなかったんじゃないでしょうか?

        ★  ★  ★  ★  

       こちらは亜美ちゃん…。

       亜美ちゃんと亜美ママが、病院の喫茶室のテーブルで向き合っております…。「……」「……」亜美ちゃんは、ナンて説明すればいいのか、言葉が見つからない様子です…。そんな亜美ちゃんに、亜美ママは、依然として優しく微笑みながら、「ママね、…塾にも電話してみたのよ?」「……」「最近休み多いって聞いてびっくりしちゃったわ」「…それはっ…………」。亜美ちゃんは、言葉に詰まってしまいます。

       「…二人の間には秘密を作らない。なんでも話す。話せない時は伝言板に書く。それが、ルールだったわよねぇ…?」「…ごめんなさい…」「うふっ、ママも悪かったわ…。やっぱり、亜美には向いてなかったのね」「…?」「前から考えてたんだけど…、転校した方がいいと思うの」「!…えっ?…」「…中学まではぁ、普通の学校もいいんじゃないかと思ったけど、やっぱり、色々影響されちゃうものね?…『悪いお友達に…』「えっ、違うっ、学校はぜんぜん関係なくて…『大阪さんも前ほどキライじゃないし…』「うふっ、じゃあ…なぁに?」「…それはぁ……」。亜美ちゃんは、また言葉に詰まってしまいます。

       ここで、ぴー、ぴー、と亜美ママの呼び出しベルが鳴ります…「ごめんっ」…ベルを止めると笑顔で、「大丈夫っ、勉強に集中してっ、ねっ」。そう言うとメガネをかけて立ち上がり、亜美ちゃんの肩にそっと手を触れて仕事に戻ります。

       亜美ママは、関係者以外立ち入り禁止の扉の前で振り返ると、見送りに立っていた亜美ちゃんに微笑みかけます…「…(心の声→)ドクターになるんでしょ? ママと亜美の夢だもんね?」。亜美ちゃんも笑顔で応えますが、ママが扉の向こうに消えてしまうと、その笑顔も曇ってしまいました。

        ★  ★  ★  ★  

       一方こちらは、怒り心頭の『お嬢様』…。

       「パパと話すコトなんてないわっ、どうせ政治家のイメージに傷がつくコトが心配なんでしょっ!」…レイちゃんは、足早に石段を上がって行きます。「それは違いますっ」…西崎は、後ろから追いすがるように付いて来て…「先生は大変心配してらして、レイさんを引き取ることも考えてらっしゃるんですよっ!」「!!…………」

       レイちゃんが急に立ち止まったのを見て、西崎はナンか勘違いしてニコニコしながら、「…やっぱり、親子ですからねぇ…。さあ、参りましょう…」「……帰って!」「…?」。レイちゃんは、キッと西崎を睨み付け、「あたしっ、会うつもりも、一緒に住むつもりもありませんっ!」と言って、走り去ってしまいます。「あ! お嬢様っ、ちょっと! お嬢様、お…」…西崎は慌ててあとを追いかけますが、レイちゃんが次の石段を駆け上がると、諦めて立ち止まってしまいます。

        ★  ★  ★  ★  

       レイちゃんは自分の部屋まで駆け込むと、カバンを手に持ったまま立ち尽くし、「……(心の声→)ナンなのよっ、ナンで今さらっ…」…横目にママの写真を見つめながら、「…(心の声→)あの時は何もしなかったくせに…!」…小さい頃にママを亡くした時の病院の様子を思い出してます…「…(心の声→)ママを…あんな風に一人で……絶対許せない!」(←目には、涙を浮かべております)

        ★  ★  ★  ★  

       その直後、ルナカラにて…。

       「えっ!? やっぱり連絡されちゃったの?!」(←うさぎちゃんは、地場衛とのデート帰りなので、そのまま制服姿です)

       「マジで!? 親、ナンだって?!」(←まこちゃんは私服に着替えてますから、今日は別に、みんなクラウンに集合する予定じゃなかったんですな。おそらく、おまわりさんに連絡されちゃったコトを受けて、急遽招集がかかって集まったんでしょうな)

       「別に…ナニ言ったって関係ないわ…」(←レイちゃんも、さっき家に帰ってますから、そこで私服に着替えてから来たようです)

       「……」(←亜美ちゃんは、学校帰りに病院に寄ってママと会ったあとですから、そのまま制服姿です)「亜美ちゃんは? 怒られた?」「…うぅん…」「ホント? 良かった♪」「…転校…しなさい…って…」「え!? ナンで?!」「ん?…うん…」

       「友達の悪影響ってわけか…」『って誰がヤンキーじゃコラァっ!』

       まこちゃんは、自分自身がAct.6で十番中に転校してきた時、いきなり、「ねえ、聞いた? あの子前の学校でケンカして怪我人出しちゃったらしいよ。それで転校してきたんだって」なんてうわさを立てられちゃうぐらいですから、そう言うコトに敏感なんですね…。Act.31では自分でも、「ケンカ、けっこう強くて、学校でもぉ、怖がってる子いるって言うかさ…」って言ってますしねぇ…。

       そう言えば、まこちゃんが劇中で「友達」と言う言葉を使ったのは、これが初めてですな。

       「戦いとかで塾も時々行けなかったから…。新しい学校の面接まで決まっちゃってるの。…もう今日一緒に行くって…」(←やたら打つ手が早いな…こりゃ、マジでヤンキーに絡まれてると思ってるな…)。「今日?! ホントに転校しちゃうの?!」「したくないよっ!……ただ…ママにどういう風に言えばいいか、思いつかなくて…」

       「イヤだったらイヤって言えばいいだけよっ」「でもっ、ママは私のためにやってくれてるんだし…ガッカリさせたくないから…」「自分の考えを押し付けてるだけよっ、親なんて勝手なんだから…。亜美ちゃんのママだっておんなじよ」「ママのコトそんな風に言わないでっ!」「…………じゃあ言いなりになってればいいわ…!」「…(怒)…」。うわ〜っ! な、ナンと! レイちゃんと亜美ちゃんのガンの飛ばし合いだ〜っ!!(←原因は違えども、Act.8でレイちゃんとまこちゃんがやってたようなコトを、今回は亜美ちゃんとレイちゃんがやってますなぁ…)。

       「ちょっとレイちゃん、亜美ちゃん…!」「…」「ストップ! そと出て、ケーキでも食べに行かない?」(←おっと、ここでレフェリーが割って入り、両者をわけてしまいました)(←しかし、この人の気分転換はいつも食いモンだな…)。「賛成っ!」「じゃ、あたしもっ!」(←人型化してお色直しする人型ルナ。それを見て、うさぎちゃんが、『もうっ、ルナってばっ! 空気読みなさいよっ』みたいな…)。「……『ちっ、とんだ邪魔が入ったわね…』「……『フッ、月夜の晩ばかりだと思わないでね…』。二人は、気まずそうに下を向いてしまいます。

        ★  ★  ★  ★  

       五人が歩道を歩いております…。

       「う〜ん…どこ行こうかっ?!」「おいしいアイスクリームと!」「うんっ」「おいしいシュークリームと!」「うんっ」「おいしいクレープと!」「うんっ」「おいしいミルクと!」「うんっ」「お、おいしい魚が食べれるトコがいいっ!」(←近所のスーパー行けっ!)、「あ、あたしアイスクリームがいいっ! どこ行くぅ?! うふっ」…などと、約二名を除いて微笑ましく歩いておりますと、その背後から、ナニやら、黒い高級車がやって来て止まり、助手席から西崎が飛び出て来て歩道側に回り込み、後部座席のドアを開けます。

       すると、中から出て来たのは…ど〜んっっ!!(←効果音つき)…「!…パパ…」

 

 ★  ★  ★  ★   CMタイム― ★  ★  ★  ★  

 

       中から出て来たのは…(←効果音なし)…「!…パパ…」

       その一声を聞いて、みんなもみたいに驚いて振り返ります。一瞬、どこぞの組のお偉いさんが、レイちゃんをヘッドハンティングにでも来たのかと思いましたが、違います…レイパパ登場ですっ!(←こっ、こえぇ〜〜っ、しかし、さすが、『この子にしてこの親あり』ってカンジですな…)。

       レイパパは、怖い顔しながら、無言で、つかつかとレイちゃんの方へ歩み寄ります。ワシはこの時、「こりゃ絶対いきなりビンタくれるぞ〜っ」と思いながらドキドキして見てたら、意外と静かな口調で、「……警察の世話になったそうだな…」(←声はシブイです…)。「関係ないでしょ」「ある…お前は私の娘だ…。一緒に来なさい、話を聞く」(←ナニげに背ぇ高いなぁ…地場衛と同じくらいか?)。「話すコトなんてないわ」「レイ…」(←あれ? ナンだ、オッサン意外と優しそうじゃねえか…紛らわしいツラして出て来やがって…ふ〜っ、良かったぁ、今にも殴りかかりそうな勢いだったから、正直ビビッたぜ…)。

       ここでレイちゃんは、向こうでみんながこちらの様子を見守ってるのに気付き、一度四人のところへ行って、「ちょっと、先行っててくれる?」と声をかけます。「え?…『もっと見たぁ〜い!』「うさぎっ…」

       レイちゃんは、みんなに気を使ったと言うより、みんなの前で醜態をさらしたくなかったんでしょうなぁ…。

        ★  ★  ★  ★  

       まこちゃんに促されて、四人は歩き出します…。少し離れてから、うさぎちゃんは後ろを振り返り、「レイちゃん、パパと何かあったのかなぁ…」「そんなカンジね…」(←一瞬、「ガキのクセに」とか思っちゃったけど、実はこう見えても一応大人のネコなんだよな…)。「……」(←そのあと、まこちゃんも歩きながら後ろを見ます…まこちゃんだけは、ある程度この『父娘』の事情を知ってるので、心配そうです…)。

       まこちゃんは、Act.8の『レイちゃん誘拐事件』の際に知ったコトを、結局みんなには何も話してないんですね。そう言えば、うさぎちゃん目線で言えば、うさぎちゃんがレイちゃんのお母さんが故人だったコトを知るのはAct.10でしたが、その際レイちゃんは、ママが死んだ理由も、そのパパとの関連についても、何も話しませんでしたからね。

       亜美ちゃんは振り向かず、視線を下に落とし、じっと考え事をしながら歩いてます…「…(心の声→)レイちゃんは、あんなにハッキリ言えるんだ…パパにも…『つまり、普段みんなにハッキリ言ってるだけじゃなくて…』

       亜美ちゃんはこんなコト考えちゃってますけど、この時点でレイちゃんがパパに言ったのって、「関係ないでしょ」と、「話すコトなんてないわ」の二言だけ…。確かに「ハッキリ」ではありますが、これじゃ『父娘』が話し合うと言う意味においては全く不毛な会話です。ただし、『セーラー戦士的』にはどうなんでしょうか? まず、根本的な問題として、今回亜美ちゃんとレイちゃんが直面した問題は、「自分がセーラー戦士であると言う事実を隠したまま、どうやって「警察の世話になった」理由を親に説明するか?」のはずなんですよね…。この、「自分がセーラー戦士であると言う事実を隠す」と言う大前提が抜け落ちてしまうと、単なる「中学生日記」になってしまいますからねぇ…(←『親子物語』の部分があまりにも生々しいので、肝心の『セーラー物語』の方をつい忘れてがちになってしまいますが…)(←美奈子も出てこないし…)。で、亜美ちゃんの方は、きちんとそれについて考えをめぐらせてるのですが、ところが、一方のレイちゃんは、最初から最後まで、ンな問題は全く頭にありません。Act.8の時と同じように、とにかく「パパ」が絡むとそれだけでもう感情的になってしまい、『拒絶』の一点張りになってしまうんですな。つまり、話が完全に『父娘』の問題にのみ摩り替わってしまってるんです。ところが、これ、『自分がセーラー戦士であると言う事実を隠す』と言う意味においては、意外と、この上ない『一つの解決策』ではあったりする訳なんですなぁ…(←とほほ…)。

        ★  ★  ★  ★  

       野次馬が消えたあと…。

       レイちゃんはパパのところへ戻り、「…今さら親子だなんて言わないで…。あたしのコトを神社に預けたのは誰よっ!」「……」「あたしのコト見捨てたくせにっ…。…ママの時だって…ママを一人にして…一番いて欲しい時にいてあげないで……最゛低゛よ゛っ!」ばたばたばたぁ〜っ!(←木に止まって羽を休めてた鳥たちも、ビビって退散…)。

       「……仕事だっ…」「!…」(←この、「仕事」って言葉にやたら過剰反応してるようですな)。「ママの時もお前のことも…」「…」「何度も言っただろう…」「仕事のせいにしないでっ!…どうせ、ママもあたしも、どうでもよかっただけでしょっ!?」

       「……はぁ…、もうこの話はいい。…お前はパパと一緒に食事をすればそれでいいんだ」(←あのぉ…今、「食事」は関係ないと思うんですが…)。「絶対いやっ!…ママだってそう言うわ」「……」「パパなんかと結婚して、あんなふうに死んじゃったママがかわいそう! みじめよっ!」

       「!…」(←今まで、レイちゃんの迫真の演技にやや押され気味だったレイパパ…ナンだ口ほどにもねえじゃねーかとタカくくってたら……やっぱり引っぱたいたぁっ!!)ぱしっ!!「勝手にママを不幸にするなっ! お前に何がわかるっ!」(←しかも声ひっくり返ってる〜っ!!)。

       これ、さっきから完全に話がすり替えられちゃってますけど、あくまでもレイパパ目線で言えば、今回の事件は、『政治家の娘が「警察の世話になった」などと言う、一歩間違ったらスキャンダルにもなりかねない状況に置かれてる…と言う一大事でもある訳です(←最初に西崎がレイちゃんに、「…交番から…連絡がありまして…」と耳打ちした時、人に聞かれないように辺りの様子を伺ってたのはそう言う意味です)。それにも関わらず、その当事者に何の罪の意識もなく、その責任を全部親に押し付けて、挙句の果てに、妻との愛情まで侮辱された訳ですから、これじゃ思わず娘に手も上げてしまうでしょう。この、「勝手にママを不幸にするなっ!」と言うのは、つまり、自分がいかに妻を愛してて、そして妻も自分を愛してくれてたかってコトで、だからこそ、自分は「仕事」に没頭する事ができたんだってコトが言いたかったんですね。つまり、レイママと言う人は、『自分の病気のせいで夫の仕事の足を引っ張りたくない』と考えるタイプの女性だったってコトです。なので、レイパパは、レイママの病状に関して、おそらく本人の口から詳細は知らされておらず、だから、まさか亡くなるとは思ってもいなかったはずなんです。だからこそ、「勝手にママを不幸にするなっ! お前に何がわかるっ!」なんですな。

       「…………そうしたのはパパよ…『だったら、あたしに分かるように答えてよ…』「…………」(←返す言葉なし…)。

        ★  ★  ★  ★  

       と、そんな時、道端の花壇に咲いてる例の赤い花がざわめき始め、近くの広場の花壇から、昨夜の『花妖魔』が現れます…(←花壇には、赤い花と白い花が混ざって咲いてるのですが、この『花妖魔』は、赤い花だけから生まれてますな…まあ、だから『花妖魔』自体が赤い訳なんですが…)。

        ★  ★  ★  ★  

       レイちゃんは、しくしく泣いておりましたが、突然「はっ!…」とその妖魔の気配を察知し、レイパパをキッと睨みつけると、「二度と来ないで!」と言い残して、その場を走り去ってしまいました。「…………」(←振り返るコトもできず…)。

        ★  ★  ★  ★  

       広場で、『花妖魔』が人々を襲ってます…。

       オープニングの「撮影協力」によると、ここは「横浜ビジネスパーク」と言う所だそうです。

       人々が逃げ惑う中、『花妖魔』は、一人転んでしまった男の人を捕まえて、その首を締め上げます。

       そこにレイちゃんが、「待ちなさいっ!」と駆けつけ、走りながら、「マーズパワ〜、メーイク・アップ!」マーズに変身します…「炎と情熱の戦士、セーラーマーズ。火星にかわって、おしおきよっ!」

       『花妖魔』は、マーズを見ると、捕まえてた男の人を放し、「○×△□っ!…(通訳→)『来たな。この顔の火傷が、お前を殺せと疼いてるぜ…!』みたいに頬に手をかざし、マーズに歩み寄ります。

       マーズは、昨夜の初対戦の時は、Act.23の覚醒以来そうして来たように、牽制の火炎放射を放って常に先手を取り、優勢に戦いを進めていたのに、今回はいきなりバク転で妖魔に向かって行きます。しかし今日は『花妖魔』の方が学習しており、『昨夜のようにはいかん』と、それを避けて体を入れ替えます。

       すると今度は、やはりマーズは火炎放射を使わず、あくまでも接近戦で前蹴りを食らわしますが、これは空を切り、次に繰り出した飛び蹴りがヒットします(←どうやらマーズは、相当ムシャクシャしてるらしくて、相手を殴る蹴るしてうっぷんでも晴らしたいかのような戦い方ですな…。昨夜のコトもあるので、少々相手を甘く見てもいるのかもしれません)(←こんな戦い方を宮本武蔵先生が見たら、さぞお怒り遊ばされるコトでしょうな…)。

       今度は、『花妖魔』が反撃に出てマーズに殴りかかります。マーズは身をかがめてこれを避けますが、2発目は腕を十字にして受け止めます。すると『花妖魔』は、その流れから、マーズにばちっ!と平手打ちを食らわすような格好でその腕を振りほどき(←この時のばちっ!の効果音が、DVDだとハッキリ聞こえるのに、なぜか本放送版だと全く聞こえないのだが…?)、マーズを突き飛ばします(←ワシの睨んだところでは、コレがさっきのレイパパのビンタを思い出させたんじゃないのか?)。で、次の瞬間、マーズが妖魔を睨みつけるアップが抜かれ、そこへすかさず、『花妖魔』「○×△□〜っ!…(通訳→)『ふらわーはりけ〜んっ!』(←『テメ、パクってんじゃねーっ!』)を食らわします。

       マーズはそれをマトモに食らってしまい、思いっきり吹っ飛ばされて地面に転がされてしまいます…「うっ…!」。マーズは、落下の衝撃で腰でも打ったのか、そのまま起き上がれません。すると、案の定、マーズの脳裏に、先ほどのパパとのやり取りが浮かんできます…

     「……仕事だっ…」「ママの時もお前のことも…」。)

       …マーズは、思わず顔を上げて妖魔を見ますが、またしても、今度は幼い頃の自分の映像が脳裏に浮かんできます…

     (幼いレイちゃんが、「ママァ…ママァ…!」と呼ぶと、医療用の酸素マスクをして病院のベッドに横たわってるレイママが、苦しそうに手を差し出そうとしてます…でも、その左手の薬指には、しっかりと結婚指輪がはめられてるんですね…。当時レイちゃんは5歳ですから、レイママはレイパパと結婚してから少なくとも6年以上は経ってる訳です。つまり、『夫に見捨てられた』と考えて恨んでるような妻が、そんなモノしてるはずがないんです)。

       ここでマーズはようやく立ち上がりますが、もはやその表情は完全に集中力を欠いており、妖魔に捕まって首を締め上げられてしまいます…そして、またしてもさっきのレイパパが…

     「勝手にママを不幸にするなっ! お前に何がわかるっ!」。)…でも、『父娘関係』をトラウマに抱えて一度も恋をしたコトもないレイちゃんには、とうていそれが分かりようがないんですね…。

       マーズは妖魔の腕を振りほどいて、側転で逃れますが、再び接近戦を挑んで投げを食らってしまい、また地面に倒されてしまいます…「うっ…!」…マーズはもはや半泣き状態です…。そこへ、『花妖魔』が歩み寄って来て、まさに、マーズにトドメを刺さんとして手を向けます…「○×△□〜っ!…(通訳→)『よくも私の顔を〜! お前のそのキレイな顔も同じにしてやる〜っ!』

        ★  ★  ★  ★  

       するとそこへ、「待ちなさいっ!」と、セーラームーン、ジュピター、セーラールナが駆けつけて来ました。

       三人はすかさず、同時にビームを放って妖魔に命中させますが、しかし妖魔を倒すには至らず、そのまま逃げられてしまいます(←コイツもけっこう強いじゃないか…やっぱダーク・キングダムは、コイツらを雇うべきなんじゃないのか?)。

       「レイちゃん、大丈夫…?」「……平気…」。マーズはすっと立ち上がると、ナンかバツが悪そうな顔をしながら、「帰るわ」とそっけなく去ってしまいました…(←おおっ! また変身を解くシーンが、今度は後ろ向きのアングルから見れましたっ!)。

       「レイちゃん…」「今の妖魔、レイだけを狙ってた気がする…」「え?」「…」。いつになく鋭いご指摘のジュピターさんですが、ナニを根拠にそうおっしゃってるのか? 全く不明でございます…。

       さて、このシーンなんですが、セーラームーン達は「待ちなさいっ!」とやって来て、いきなり三人でビームを食らわし、その一発で『花妖魔』は逃げてしまいましたよね? で、ジュピターは、たったコレだけの状況を見て、一体ナニを根拠に「レイだけを狙ってた」なんてコト言ってるんでしょうか? もちろん我々視聴者目線では、『花妖魔』がマーズに顔を火傷させられたからだと知ってるのですが、ジュピター目線では、ンなコト分かるはずありませんし、実際、次回もその原因は分からないとみんな言ってますからね(↓)

     実は、前回の次回予告には、このバトル・シーンに、今回の放送では使われなかったシーンが入っていたんですね(←DVDの「未使用シーン」「未使用カット」にも収録されてないシーンです)。で、それは、マーズの応援に駆けつけた三人が、一人ずつアップで抜かれてポーズを取ってるカットなんです。セーラームーンがスティックを構え、ジュピターがタンバリンを構え、セーラールナがスティックを構え…てな具合に…(←その背景に映ってるビルがこのバトル・シーンと同じ「横浜ビジネスパーク」なので、間違いなくこのバトル・シーンにおけるカットです)。で、そのカットの上に、「レイっ、ムチャするなっ!」と言うジュピターのセリフがアフレコでかぶせられてるんですな。

       つまり、このバトル・シーンは、おそらく、三人が駆けつけたあと、しばらくの間は四人vs『花妖魔』で戦ってたんじゃないでしょうかね? で、その中で、ジュピターの「レイっ、ムチャするなっ!」と言うセリフを引き出すような光景が見られたため、その結果、「今の妖魔、レイだけを狙ってた気がする…」と感じるに至ったんじゃないでしょうか? で、この「レイっ、ムチャするなっ!」と言うセリフですが、実はこのセリフの中に、今のバトル・シーンでマーズが苦杯を舐めた本当の理由が隠されていたんじゃないでしょうか?(↓)

1.       と言うのも、昨夜マーズが『花妖魔』と最初に戦った時、両者の力の差は歴然だったのに、今日の二度目の対戦では、マーズはその同じ相手に対して全く劣勢を強いられてしまってます。ですが、コレ、お父さんとの問題だけがその原因なのでしょうか? なぜなら、それが頭にチラつき始めたのはバトル中盤以降ですし、それにしても、たったそれだけのコトで、どうしてこんなに弱くなっちゃうんでしょうか? セーラー戦士の中でもっとも精神力の強いマーズが、集中力が欠けるコトで、こんなに弱くなっちゃうのはどうしてなんでしょうか?

2.       要するにコレって、レイちゃんが、『Act.3でセーラー戦士に覚醒した頃のマーズ』に戻っちゃった、ってコトなんじゃないでしょうかね。つまり、Act.4で、亜美ちゃんから「レイさんっ、もしかして、仲間が怖い?」と問われて、「そう…なのかな…。…友達とか、家族とか…、いつかきっと壊れるから…。今までずっとそうだったし…」と答えて、「仲間」を拒絶して自分一人で戦おうとしていた頃のレイちゃんに、…です。そのマーズの姿が、この「レイっ、ムチャするなっ!」と言うセリフを引き出したんじゃないでしょうか。つまりマーズは、また昔のように自分一人だけで戦おうとして、Act.23で手に入れた『覚醒パワー』が発揮できなくなってしまい(←だから、Act.23以降に使えるようになった牽制の火炎放射が、一度も出なかったのでは?)、本当なら一人でも倒せたはずの『花妖魔』にさえ苦戦してしまったのではないかと…。

3.       だから、たとえば、一昨日の晩は、遅れて駆けつけた亜美ちゃんに対しては、Act.23以降の『リーダー然』とした態度で微笑みかけてたのに、今日のマーズは、やはり同じように遅れて駆けつけて、しかも助けてくれた三人に対して、まるでAct.3〜4の頃のような冷淡な態度で接しちゃってるんです。

4.       つまり、マーズが弱くなったのは、お父さんとの問題そのものに原因があるのではなく、それをきっかけに亜美ちゃんとケンカして、また昔のレイちゃんに戻ってしまったコトにあるのではないかと…。だからこそ、『仲間意識』の強いジュピターが「レイっ、ムチャするなっ!」と言って、それをたしなめてたのではないかと…。

5.       つまり、今回のエピソードにおける『レイちゃんのテーマ』は、お父さんとの問題を克服して、それを通して亜美ちゃんと『真の友情』で結ばれ(←一度ケンカしないと仲良くなれないのがレイちゃんの基本ですから…)、もう二度とこのような醜態をさらさないセーラーマーズに成長するコトなんじゃないでしょうかね。それでまた一歩、いや二歩、レイちゃんの『現世度』がアップする訳ですからね。

       ※ 実は、これはあとで分かった事なのですが、今回のAct.33〜34にまたがるエピソードは、「美少女戦士セーラームーン(東映公式)」によると、――ドラマが濃密になるので、たとえば Act.34 では、1/4 ものシーンが入りきらなくなってしまいました」と言うコトだそうですから、Act.33のこのバトル・シーンも、おそらくその辺の絡みでカットされちゃったんでしょうね。で、DVD第9巻には、「Act.33・34 未使用シーン」として三つのシーンが収録されていたのですが(←この「Act.33・34 未使用シーン」と言う表記のされ方からして、今回と次回が、合わせて一つのエピソードだったと言うコトがハッキリと示されており、このような表記のされ方をしたのは確かコレだけだったと思います)(←※【訂正】 違いましたね。この他にも「Act.41・42」とか「Act.45・46」とかありましたね…)、ところが、そこで紹介されてる三つの「未使用シーン」は、どれも次回のAct.34の中で出てくるシーンばかりなんですね。で、その三つのシーンの所要時間の合計は約2分半ですから、これだけでは、まだまだ1/4には全然足りません(←こらぁっ! 全部出さんかいっ!)(←やはり、これはもう、『ディレクターズ・カット完全版DVD-BOX』を出してもらうしかないっ!)。

        ★  ★  ★  ★  

       こちらは車中のレイパパ…。

       レイパパは後部座席で、なぜか自分の親指を、もう片方の手で握り締めて、ぎりぎり…やっております…レイちゃんを叩いてしまったコトを悔やんでるのでしょうか…握り締めてたその右手のひらをゆっくり開いて見つめ、握りこぶしして降ろすと、助手席の西崎に、「西崎…、無理矢理でもいいから、レイを連れ戻せ」「え?…でも…『とても私の手に負えるようなお嬢様では…』「いいなっ!」「は、はいっ…『あ〜ぁ…これでオレも、倉田の二の舞かぁ…』

       これ、さっき最後に、「そうしたのはパパよ」と言われて、さすがに、娘が「警察の世話に」なるほどグレちゃったのは自分のせいだと思い始めて、どうしても放っておけなくなったってコトでしょうな。で、「連れ戻せ」ってコトは、単に『連れて来い』ではなく、『家に連れ戻せ』ってコトですから、「先生は大変心配してらして、レイさんを引き取ることも考えてらっしゃるんですよっ!」の言葉通り、『それを実行しろ』と言うコトですね。つまり、これが、亜美ちゃんの「転校」と対になってるんですな。

        ★  ★  ★  ★  

       一方こちらは亜美ママ…。

       さっき、マーズの援護に一人駆けつけなかった亜美ちゃんは、実は、ママとの待ち合わせ場所に向かっていたのでした。

       つまり、さっき四人が、レイパパの登場でレイちゃんから「ちょっと、先行っててくれる?」と言われて別れたあと、みんなで「ケーキでも食べに行」き、そのあと亜美ちゃんは、「新しい学校の面接まで決まっちゃってるの。…もう今日一緒に行くって」コトで、一人でみんなと別れて、それでここに来てたんですな。で、他の三人は、そのあと、ルナが昨夜と同じように妖魔の気配を察知して、マーズの許へ駆けつけてたんですな。

       亜美ちゃんは、時計を気にしてそわそわしてるママの後ろ姿を遠目に見つめながら、じっと立ち尽くしております。しかし亜美ちゃんは、突然きびすを返して、その場から逃げ出してしまいます…。

       さっき亜美ちゃんは、「レイちゃんは、あんなにハッキリ言えるんだ…パパにも…」と言ってましたが、しかし、レイちゃんのようには言えない亜美ちゃんは、結局言葉を見つけられず、無言の逃亡を図ってしまいましたねぇ…。

       ※ 一方の、今回のエピソードにおける『亜美ちゃんのテーマ』なのですが、亜美ちゃんに関しては、亜美ちゃんは『現世度99%』(※当社調べ)ですから、戦士としてはほぼ完成されてますから、やはりここでも、ダーキュリー時代に、セーラームーンとマーズの「戦士の力」の目覚めを促したように、お母さんとの問題を通して、レイちゃんと『真の友情』で結ばれ、それで、レイちゃんの『現世度』を引き上げるコトにあるんじゃないでしょうかね。そしてそれによって、このあとのストーリー展開において、レイちゃんが『前世組』の美奈子とまこちゃんに対して、『前世vs現世の橋渡し』的な自分の立ち位置を確立していくコトにもつながっていくのではないでしょうか。

        ★  ★  ★  ★  

       ※ ちなみに、これはあとで知ったコトなのですが、「美少女戦士セーラームーン(東映公式)」「エピソード・バックナンバーAct.34」によると(↓)

[おわびと訂正]

「レイパパや亜美ママは、コミックにも出てくるよ!」

と、ご指摘をいただきました。

前回、うっかり「セーラームーン史上初?」みたいなことを書いたのは、映像や舞台の話です。まぎらわしくてすみません。
そのコミックが原作です(^^;

たとえば代議士秘書が女性だったり(Act.8)、「西崎」と名前を強調したりしているのは、『カサブランカ・メモリー』の設定を活かす上で、番外編と誤解されないための一策。この番組は、流通上《実写版》とかいわれてはいますが、そうした原作にもとづき、きっちり「ドラマ化」するのが主旨です。

       …とのコトです。で、ワシは何度も言うように、原作を読んだのは実写版を見たあとだったのですが、この、原作の「カサブランカ・メモリー」と言うのは、旧版コミックスの第11巻(新装版では「ショートストーリーズ」の第2巻)に収録されてる「番外編」です。で、実写版では、この「番外編」の中の「設定を活かす」のだけれども、あくまでも「番外編」そのものと「誤解されないため」に、「たとえば代議士秘書が女性だったり(Act.8)、「西崎」と名前を強調したりしている」と言うコトなのだそうですが、それではなぜ、「誤解されないための一策」などしなければならなかったのでしょうか? で、それを踏まえて、今回あらためてこの「カサブランカ・メモリー」を読み直してみたのですが、まず、実写版がこの中から「設定を活かす」ために採用したその「設定」とは…(↓)

―原作「カサブランカ・メモリー」

―実写版―

★ ストーリーの舞台設定は、ジュピターが登場して間もない頃で、ゾイサイトがマーズに対して、「ジェダイトのカタキ とってあげようと思ったのに――強いのね」と言ってるコトから、この両者がここで初対戦していたコトが分かり、つまり、ちょうど、ジュピター登場のAct 5と6の間に起こっていた話。

★ 同じく、ジュピター登場から間もなくの【Act.8】において、やはり、こちらもまこちゃんが事件に絡んで、二人の距離を縮める話に使われている。

★ それから、【Act.33、34】にかけての話。

★ 「へー じゃ 毎年レイちゃん 誕生日(4月17日)はパパと外で夕食 食べるんだ」

レイ爺:「誕生日ぐらいはな レイの父親は政治家をやっておって いそがしいらしく めったに家によりつかんらしい」

★ 「そう。政治家で忙しいから、月に一度食事することになってるの」(←Act.8)。

★ 原作の「誕生日」会食が実写版では「月に一度」会食に設定変更されてはいるが、その基本設定は原作からの流用。

★ 「こんな服でごまかされないわ パパは むかしから 家族をたいせつにしようなんて これっぽっちも思ってないんだわ」(←これは去年の「誕生日」会食での、秘書・海堂との会話の回想)

★ 「ナニが理想よ…。こんなコトするのだって、政治家のイメージを気にしてるだけのくせにっ!」(←Act.8)。

★ 「友だちなんていないわ――つくりたくもないし――人間って信用できないし」 「――けっきょく たよれるのは自分ひとりだって思うから 結婚もしたくないし」(←同上)

★ 「友達とか、家族とか…、いつかきっと壊れるから…。今までずっとそうだったし…」(←Act.4)。

★ 「パパを信じて いつも さみしそうだった ママ ――か細い人だった ママ パパの頭のなかは いつも 政治のことしかなくて からだの弱かった ママは ひとりで さきに死んでいった」(←同上のシーンにおける、レイの頭の中のセリフ)

★ 「理想?!…フッ、記者の人に言ったら?! パパは、ママが死んだ時だって帰って来なかったようなヤツですって!」(←Act.8)。

★ 「ママを一人にして…一番いて欲しい時にいてあげないで……最゛低゛よ゛っ!」(←Act.33

★ レイの『失恋』がトラウマとなり、それがセーラー業務に支障をきたす原因として作用し、それを乗り越えて戦士の自覚をあらたにする。

★ レイちゃんの『父娘問題』がトラウマとなり、それがセーラー業務に支障をきたす原因として作用し、それを乗り越えて戦士の自覚をあらたにする(←Act.33、34

       つまり、実写版が原作の「カサブランカ・メモリー」から活かしている「設定」とは(↓)

1.       別居しているレイちゃんとパパが、定期的に会食していたコト。

2.       政治家のパパが基本的に仕事人間であるコト。

3.       そのせいで、レイちゃんが小さい頃に、ママが一人で寂しく亡くなったコト。

4.       そしてそれによって、パパとの関係が冷え切って、人間不信の原因となっていたコト。

5.       過去のトラウマを乗り越えて戦士として成長するコト…である

       それでは、今度は逆に、「番外編と誤解」されては困る点とはナニか?…(↓)

―原作「カサブランカ・メモリー」

―実写版―

★ レイ爺:レイは父親ぎらいでな 母親が死んでからは 父親と暮らすのはいやだと ワシの この神社へ やってきたんじゃ」

★ これらの事実を、うさぎと亜美が、『レイ爺』の口から間接的に知らされる(←この時まことは神社には来てなかった)。

★ パパね、私の持ってる力が、嫌いなの…。だから、神社に預けたの…(←Act.8)。

★ 原作とは真逆で、『レイが父親ぎらい』なのではなく、『パパが私を嫌い』と思い込んでおり、しかもそのせいで神社に『預けられた』のであって、自分の意思でこの神社へ やってきた」のではない。

★ そして、これらの事実は、レイちゃん本人の口から直接まこちゃんに語られ、Act.33においても、仲間にその現場を見られるコトでそれとなく語られる。つまり、実写版においては、やっぱり『レイ爺』にはすっ込んでてもらわなくちゃ困るのだ。このジイさんが、レイちゃんのプライベートをみんなにべらべらとしゃべってくれちゃ、実写版のはブチ壊しなのである。

★ レイの初恋にして唯一の恋の相手は、父親の秘書の「海堂」なる人物で、「あたしが ちいさいころから 家に よく出入りしていて ママが死んで あたしが おじいちゃんのところへ いってからも まるで お兄さんのように あたしをかわいがってくれた」

★ レイがその「海堂」に恋心を抱いたのは「六年生のとき…」で、――プレゼントは パパじゃなくて 海堂さんが 選んでくれたって…」「わかったの」と言うのがきっかけ。

★ しかし、その翌年の『中一の誕生日』の会食後、レイが、――あのあと すぐ」「海堂」が恋人と一緒にいる所を「学校帰りに ぐうぜん 見てしまった」のをきっかけに、恋は終焉に向かう。

★ 「海堂」はその後も、レイの父親の後継者としてずっと秘書をしており、さらにその翌年、レイは中二となってセーラーマーズに覚醒するが、毎年恒例の「誕生日」会食で再び「海堂」と会ったコトで心が乱れ、それが原因でセーラー業務に支障をきたしてしまう…と言うのが劇中の現在進行形のストーリーである。

★ 実写版においては、「海堂」なる人物は、過去にも現在にも未来にも、最初から最後まで存在しない。だからこそ、実写版のレイパパの秘書達は、「たとえば代議士秘書が女性だったり(Act.8)、「西崎」と名前を強調したりしている」のであり、したがって昔も今も、レイパパの秘書は「海堂」ではないのである。

★ つまり、実写版のレイちゃんは、Act.6で、「オトコに憧れるなんて時間の無駄!」「えぇ?! レイちゃん、男の子好きになったコトないの?」「ないわよ」。)と言ったその言葉通り、恋愛の経験は一切ないのである。

★ また、原作では、毎年恒例の「誕生日」会食はその後もずっと継続するが(※ただし、「十五の誕生日は山でお清めしたいんだってさ」だそうです)(←「美少女戦士セーラームーン (8) (講談社コミックスなかよし)より)、実写版の「月に一度」会食は、Act.8における『大脱走劇』によって終焉を迎えている。つまり、それがちょうどAct.8放送日の「2003年11月22日(土)」の出来事なので、その1ヶ月前、つまりAct.3でレイちゃんがセーラーマーズに覚醒した『10月18日(土)』近辺に行われていたはずの「月に一度」会食が、事実上その最後となっていたコトになる。つまり、レイちゃんは、セーラー戦士に覚醒したコトがきっかけで自分に自信が芽生え、それまではずっと嫌々ながら続けてきた「月に一度」会食に対して、「もうそういう親子ごっこには飽きたって、伝えて下さい」と言いだすに至り、それが『レイちゃん誘拐事件』を誘発させた原因となっていたのである。

★ 実はここに、原作の「誕生日」会食が、実写版では「月に一度」会食に設定変更されてたコトの意味があったのである。つまり、レイちゃんのパパへの拒絶が具体的に行動に移されるようになったのは、実はマーズ誕生直後だったのだ(←「パパはね、私の持ってる力が、嫌いと言っていたその「力」を、必要としてくれる場所を見つけたからだ。この過程を時系列的にキッチリ描くには、年に一度の「誕生日」会食では、そのスパンが長すぎるのである。

★ それに、レイちゃんの誕生日の「4月17日」と言うのは、実写版では、ちょうど『ダーキュリー事件』がクライマックスに差し掛かるAct.27の放送日で、ちびっ子に大人気のセーラールナ登場編である。そのさ中に、「カサブランカ・メモリー」挿入はとうてい不可能である。

★ レイの失恋の真相は、「海堂」が、あたかも「同士」であるかのように話を合わせて同じ価値観を口にしておきながら、結局はレイの父親と同じ人種で、「うそつき」(←仮にそれが「海堂」なりの優しさだとしても…)だったコトを知ったからである。

★ 「海堂」の結婚相手は「民自党トップの娘」で、表向きは政略結婚だが、レイに、「あんな顔の あの人は はじめて見た……あたしの知らない彼の時間があるなんて 信じられなかった あたしに見せるその顔が すべてだと思ってたのに」と思わせるような女性、つまり、明らかに深く愛し合ってる恋人同士である。それにも関わらず「海堂」は、レイの「結婚するの?」と言う問いに対して、「先生からの お話は……ことわれません」などと答えるのである。それを聞いてレイは、「……うそつき――政界へ はいるのなら……パパのあとを つぐのなら あたしと 結婚すれば よかったのに……」と、「海堂」「うそ」を非難して、別れのくちづけをし、その恋は終わりを告げる。

★ つまり、原作のレイの「男ギライ」は、この物語の冒頭で、「レイちゃんてば ホント 男ギライなんだからっっ なんか クライ カコでも あるんかしらっっ」と前振りされていたように、去年の「海堂」との失恋で『男そのものが信用できなくなったから』あり、それ以前は決して「男ギライ」ではなかった。だから普通に「海堂」に恋もしたのであり、つまり昔からの「父親ぎらい」がその原因なのではない。

★ したがって、原作のレイは、『親子問題』を未解決のまま放置していても、本人さえその気になれば、将来、『理想の男性』にでもめぐり会えば自然と恋にも落ち、結婚もできるのである。

★ 実写版には「海堂」は存在しない。だから原作のような『恋愛エピソード』も存在しない。したがって、実写版のレイちゃんは、「男の子好きになったコトない」のである。

★ それでは、なぜ、一度も恋をしたコトもないレイちゃんが、ハッキリ『男ぎらい』とは言明していないまでも、「オトコに憧れるなんて時間の無駄!」と、当初から一貫してそれらしいニュアンスの言動を取り続けてきたのか?

★ つまり、実写版においては、その原因を全て父親との人間関係に絡めて掘り下げようとしていたのである。

★ だから、「海堂」なる人物が存在しては困るのだし、過去にそのような『恋愛エピソード』があっても困るのである。それがあると、レイちゃんの『男ぎらい』の原因が原作同様『失恋』になってしまい、それでは「失恋」をトラウマに持つまこちゃんとかぶってしまうばかりでなく、話のテーマとして、レイちゃんの『親子問題』が深く掘り下げられなくなってしまうのだ。

★ したがって、実写版のレイちゃんが、この4年後に、うさぎちゃんの投げた「花嫁のブーケ」を欲しがるような、そんな『普通の女の子』になるためには、この『親子問題』を、どうしてもここで解決しておかなければならないのである。

 

        参考までに、アニメ版では、『レイ爺』はサブキャラとして大活躍するが、逆に両親については言及されない(※第16話「純白ドレスの夢!うさぎ花嫁になる」において、レイがうさママから裁縫を教わるために月野家に押しかけるという、レイに母親がいない事を示唆するシーンが出てくる位である)。したがって、この『親子問題』そのものも存在しないらしく、アニメ版のレイは、『男ぎらい』どころか、逆にメンバー中もっとも男に積極的で、恋愛方面は完全に『どフリー』である。アニメ版はあくまでも、最初から『みんな普通の女の子達』であるコトを基本にキャラクター設定が施されているため、重たい家庭問題を意識的に避けている。だから、まことの両親が亡くなってる事にすら言及されないのである(※第25話「恋する怪力少女、ジュピターちゃん」において、うさぎがまことの弁当を食べて「まこちゃんのお母さんて、料理の天才だね」と言っても、単に「あ、これ…あたしが作ったんだ…」と返すに留めている)。

★ レイは、長雨の続くある日、偶然まことと道で会い、「あたしたち まだ ゆっくり 話したこと なかったっけ」「どこか お店 はいる?」と、入った店で、「まこちゃん こっちへ くるまえに 失恋したって いってたでしょ?」と話を振り、まことの失恋話⇒「友だちとね おんなじセンパイ好きになっちゃったんだ あたし」「でも センパイは あたしを選んではくれなかった」「……あたしが センパイの いちばん近くにいる女の子だって ずっと思ってたんだけど ね」を聞き、「同士ね あたしたち」と、本当の「同士」の存在に気付き、ゾイサイトの計略を阻止したあと、「いまのあたしに 恋なんか 必要ない だって 同じ目的をもった 同士がいるもの みんながいるもの ね」と、決意を新たにする。
★ 原作では、レイがまことに対する理解を深めて「同士」を意識するためのきっかけとして、二人が共感し合えるような恋愛経験が必要だったのである。

 

      ちなみに、レイはこの時、「もしも あたしが 恋をするなら きっと その人のすべてを 手にいれたくなって すべてを あたしだけの ものにしたくて その人を ダメにして しまうかもしれない だから 恋なんかしないわ」とも言ってますが、これはあくまでも仲間に向けて語った後付の自己分析であり、自分の失恋とは直接関係ありません。

★ 実写版では、まこちゃんの「センパイ」との失恋の経緯については、一切語られない。ましてレイちゃんの方からそれをまこちゃんに聞こうとするなど考えられないコトである。実写版のレイちゃんには恋愛の経験などないのだから、まこちゃんの失恋話に興味を持つシチュエーションなど生まれ得ないのだ。

★ 実写版においては、『恋愛担当』『友情担当』といった具合に、テーマごとにその語り部がきちんと割り振られ、それによって、各テーマが、何話にも渡って時間をかけながら、より深く掘り下げられているのである。だから、その役割分担をごっちゃにしてしまうと、話のテーマが散漫になってしまうので、それはハッキリと避けられているのである。

★ たとえばアニメ版のように、全員が全員、それぞれ『恋に友情に』なんてやってたら、それだけで最低でも5つのラブストーリーと友情物語を用意しなければならなくなり、とてもその全てを深く掘り下げてなどいられなくなる。だからこそ、実写版は、各テーマを各人に振り分けて絞り込むコトで、その一つ一つを深く掘り下げ、それによって、各セーラー戦士のキャラクターの違いを明確に際立たせようともしているのである。

       以上、「美少女戦士セーラームーン (11) (講談社コミックスなかよし)より(←ちなみに、この引用部分に関しては、「美少女戦士セーラームーンショートストーリーズ 2 新装版 (KCデラックス)においてもネームの変更はありませんでした)。

 

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       次回は、この続きだっ!

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       セーラームーン:うさぎちゃん(沢井美優さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(沢井美優さん編)▼】

       マーキュリー:亜美ちゃん(浜千咲(現・泉里香)さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(浜千咲(現・泉里香)さん編)▼】

       マーズ:レイちゃん(北川景子さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(北川景子さん編)▼】

       ジュピター:まこちゃん(安座間美優さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(安座間美優さん編)▼】

       ヴィーナス:美奈子(小松彩夏さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(小松彩夏さん編)▼】

       ぬいぐるみルナ(声・潘 恵子さん):人型ルナ(小池里奈さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(小池里奈さん編)▼】

       アルテミィ〜ス(声・山口勝平さん):「」。『』。

       その他:「」『』

[2009年5月29日(金)初稿 トモロー]


Act.34:亜美とレイの親子物語・後編

 

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     今回レビューしたAct.33は、「美少女戦士セーラームーン DVD 第9巻」(バンダイビジュアル)に収録されております(↓)

 

DVD第9巻 作品本編(4話収録)

 

Act.33 Act.34 Act.35 Act.36 

毎回映像特典(13分)

 

「セーラームーン」におしおきよ

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Aセーラー戦士座談会〜1年間を振り返って〜その1

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