―実写版セーラームーンを検証する―


Act.21:ダークマーキュリー登場編――

 

       本稿は、2004年2月28日(土)にTBS系列各局で朝7:30〜8:00に放送された、「美少女戦士セーラームーン」(実写版)第21話の感想記(DVD鑑賞レビュー)です。

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       今回はセーラー解説は無しです…。

       前回のラストシーンが掻い摘んで再現されます(↓)

1.       クンツァイトが現れる。

2.       「マーキュリー・アクア〜・ミ〜スト!」が剣のサヤで防がれる。「!!」

3.       「セーラーマーキュリー! 今日からお前は…(ニヤッ)…私のモノになる…」「!…」

4.       クンツァイトが剣を抜いて、マーキュリーに黒紫のガスを食らわす。「きゃぁっ!」(←流れてる映像は前回と一緒ですが、マーキュリーの声のアフレコが差し替えられてます。前回は悲鳴は上げてません)。

5.       「うっ、う…(心の声→)あぁ…!」(←これも差し替えられ、最後の部分が『心の声』的にエコーがかかってます)。マーキュリーが立ったまま意識を失う…。

       ここで画面は暗転して、クラウンで嬉しそうに編み物をする亜美ちゃんの姿が映し出されます…。

       その亜美ちゃんの姿だけが、フェードアウトして画面から消えます…

       ルナは、首にマフラーを巻いてもらったままスヤスヤと眠っております…。

       テーブルの上に並べられた、亜美ちゃんの編んだ四人の手袋がズームアップされ、亜美ちゃんの『心の声』が回想されます…「最近、みんながバラバラになってきてます…。…でも私は、またここで四人そろえるコト、信じてます…」(←この『心の声』のアフレコも、前回とは違ってます。前回は、冒頭に「なんだか」という懐疑的な一言がありました。だから、その分口調も明るく、語尾にも、まだ前向きな『希望の色』を帯びていたのです。しかし今回は、もはや「なんだか」ではなく、ハッキリ「みんながバラバラ」と言い切ってるので、その分『希望のニュアンス』が弱くなってます。なので、「信じてます」という言葉とは裏腹に、語尾もどことなく寂しげです…。このように、たった一言、冒頭に「なんだか」があるかないかだけで、全く同じセリフにこれだけのニュアンスの違いを与えているのです)。

     ここで、現在のうさぎちゃんが無音で映し出されます…。「妖魔の幻」が消え去ったあとのようです…変身が解かれています…。しかし、亜美ちゃんの身に何か起きたなどとは知る由もなく…、心にあるのはただ、例の『地場衛と陽菜さんとの一件』です…。だからうさぎちゃんは、それを思い出して、すぐにうつむいてしまいます…。

     一方のレイちゃんは、「妖魔の幻」の気配とは違う『何か』を感じ、その方角を見上げてます…。

     まこちゃんは、何をしてたのか、むっくりと上体を起したようですが、こちらは、あのあとタキシード仮面とどうなったのか? まったく状況が分かりません…。

     そして、Act.14の、「うさぎちゃんを返してっ!」の戦いのあと、横に並んで仲良く帰路に着く四人と一匹が、セピア・カラーで回想されます……そう…、あの時は、亜美ちゃんが必死で、そしてみんなも、クンツァイトからうさぎちゃんを奪還するために奔走していたのです。そして今、その立場が亜美ちゃんに回ってきた時、みんなは……

       そして、再びクラウンのルナ…。

       ルナがパチンと目を覚ますと、そこにはもう亜美ちゃんの姿はありません…「んん…?…亜美ちゃん?!」

       そして、マーキュリーが襲われた現場では、例の黒紫の花びらが、風にさらわれて、宙に舞い上がっていきます…。クンツァイトは、そのAct.14でセーラームーンを妖魔化しようとした際に、他の戦士達の邪魔が入ったコトをきちんと教訓にして、今回は見事にマーキュリーを連れ去ってしまいました。

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       「♪じゃ〜ん…ひとみは〜いつ〜も〜ジュ〜エル〜(ジュ〜エル〜)…♪」(←ここでオープニングですなんか、回を重ねるごとに、いつも同じはずのオープニングが、どんどんドラマチックに見えてくるのは、気のせいでしょうか?)

 

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       オープニング開けは、まこちゃん…。

       と言いつつ、画面には、まだ『歩くヒザ下』しか映っておりませんが、その『ヒザ下』を見ただけで、それが『タダモンじゃない』と言うのがすぐに分かりますな(←もう『ヒザ下』だけで、めちゃめちゃ脚が長くてキレイなのが一目瞭然です…)。で、そのまこちゃんですが、ナニやら歩きながら、「う〜ん…」とむずかしい顔して悩んでおります。これは朝の登校時のようですな…つまり、いきなりあれから日付が変わってます(←おそらく前回のダブルデートは日曜で、これはその翌日の月曜の朝と思われますから、劇中カレンダーはまだ『2月23日(月)』でしょうな)。

     (まこちゃんの回想シーン:その1)⇒大地くん:「先生はお嫁さんだから、となり!」「…お嫁…さん…?」…。

       で、まこちゃんは、歩きながら頬杖をつきます…「う〜ん…」(←困ってますな)。

     (まこちゃんの回想シーン:その2)「ナンだっ…そうなんだぁ!…」(←平静を装って後ずさりするうさぎちゃん…うなずく陽菜さん…)…。

       で、まこちゃんは、今度は、歩きながら、両手を頭の後ろに回して「はぁ〜〜」天を仰ぎます…「…(心の声→)うさぎにナンて言ったらいいんだ…」(←かなりお困りのようですな…)。

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       その頃、月野邸では…。

       うさぎちゃんの部屋のドアを、いきなりがちゃっ!と開けて、ランドセルを背負った進悟が入って来ました。「うさぎ! ズル休みだろっ!」。進悟が声をかけても、うさぎちゃんは布団を被ったまま微動だにせず、返事もしません。「おいっ!」。進悟は、「?…」と首をひねって、ドアを閉めて出て行きました。

       うさぎちゃんは、相当ショックが大きかったらしく、本当に「ズル休み」かどうかは分かりませんが、取り敢えず寝込んでしまっております…あっ、ようやく布団がモゾモゾと動きました…(←ひとまず生存だけは確認されました

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       その月野邸に、ピンポ〜ン♪とご来客です…。

       ドアが開くと、うさママが出て来て、「は〜い、どちら様あ゛っ!。うさママはドアの前に立ってたまこちゃんは見るなり、いきなり「まこちゃん?!」。まこちゃんはそのハイテンションぶりに圧倒されつつ、首をすくめるように小さくうなずきます。で、うさママは畳み掛けるように、「まこちゃんでしょ!」「はい…」「わかってるわヨ(←まこちゃんの腕を叩く)まこちゃんネ!(←さらに2回叩く)こんにちは」(←いきなりご丁寧に)「こんにちは」

       これを見ても分かるように、まこちゃんとうさママは、実はこれが初体面だったんですな。そしてここには、月野家の日常の様子が言外に表されてもいる訳です。うさママはここで、「まこちゃん?! まこちゃんでしょ!」と確認を求めてますから、つまりこれは、『写真で見て確信的に知ってる』と言うリアクションではない訳です。要するに、普段からうさぎちゃんが、まこちゃん達の話をうさママによくしてると言う事なんですね…『今度転校して来たまこちゃんってね、背が高くてスタイル抜群で、すっごいオトコ前なんだよっ!』みたいに。だからうさママは、初めて会うと言うのに、名前を聞かなくてもそれが「まこちゃん」だと一目で分かるのと同時に、それを分かった自分に対して、このように得意げにもなれる訳なのです。

       そしてもう一つ、ここには言外に表されてる事があります。それは、この二人が初対面という事は、すなわち、まこちゃんが月野家を訪れる事自体が、今回初めてだという事です。まこちゃんはAct.6で転校して来て、その転校前日にうさぎちゃんと知り合い、転校初日の時点で(←普通、中学だと、転校生の噂は初日で全クラスに行渡る)、もうそれなりに打ち解けてました。それが去年の11月8日前の話ですから、もうかれこれ4ヶ月近くになろうかというのに、一番気軽に月野家を訪れてそうなまこちゃんが、ナンとこれが初訪問だったというのは、ちょっとワシは意外でしたねぇ…。そこでだっ! ワシは、ここでちょっと、これまでのセーラー戦士の「お宅訪問相関図」なんぞと言うモノを作成してみました(↓)※図が表示されない方はコチラをどうぞ⇒【セーラー戦士・お宅訪問相関図▼】

組織図

       これはナニげに面白いですねぇ…。なんか、各セーラー戦士の性格や人間関係がそのまんまと言った感じですねぇ…(※ちなみにこの相関図は、今後、Act.34の「未使用シーン」でうさぎちゃんが水野家を訪問するのを除けば、Act.37で亜美ちゃんとまこちゃんが月野家を訪問する以外、最後まで変わりません)。で、ナニげにこれを見て気付いたのですが、うさぎちゃんと亜美ちゃんの場合は、基本的にほとんどが「プライベートの訪問」なのに、まこちゃんの場合は、ほとんどが「仲間」としての用事絡みなんですな。で、さすがにレイちゃんは『クール』ですな…全員が火川神社詣をしてるというのに、逆にレイちゃんの方は誰の家も訪れてません…『仲間になるのとお宅訪問するのはぜんぜん別よ!』

       そこでふと思ったのは、セーラー戦士は、普段から自分達の事を「仲間」という言葉で語ってますが、今まで何気なくこの言葉を聞いてましたけど、よくよく考えると、「仲間」というのは、あくまでも「同じ趣味や仕事を目的に協力したり競い合ったりする間柄」ですから、必ずしもイコール「友達」とは限らない訳です。たとえば、「部活の仲間」や「職場の仲間」だからと言って、それが必ずしも「友達」ではないのと一緒です。「友達」というのはあくまでも、そういった目的意識を離れたところでもプライベートで付き合える間柄なのですから、それとこれとは全く別な訳です(←そう言えば、かの「J・Pトンプソン」教授も、ベストセラーとなった「本当の友達になれる本」「プロローグ」に、そんなようなコトを書いておられましたっけなぁ…)。てコトはだっ!…敢えてハッキリ言おうっ!…セーラー戦士として「仲間」であるからと言って、それは必ずしもイコール「友達」ではないのだっ!

       つまり、「セーラー戦士である」コトとは、平たく言えば、いわば「放課後の部活動」みたいなものなのである。もちろん、それがイコール「友達」でもありうる訳で、だから、うさぎちゃんと亜美ちゃんはハッキリとそういう意識の方が強いのに、一方のレイちゃんとまこちゃんは、ハッキリと「仲間」としての意識の方が強い。これは紛れもない事実で、この相関図は、その事を如実に物語っている。そしてコレは、どっちがいいとか悪いとか言う単純な問題でもないのだが、以前ワシは、Act.13の時にこう書いた⇒【うさぎちゃんと亜美ちゃんの守備陣は、戦士に覚醒する前に変身アイテムを持ってなくて、最初は戦士になる事を拒否した。一方レイちゃんとまこちゃんの攻撃陣は、覚醒前から変身アイテムを内包してて、戦士になる事を予感してたから拒否しなかった】と…。この意識の違いは、明らかにそれと同一線上にあるものと言えよう。

       ※ そしてその意識の違いは、そのまま、後半戦における「現世vs前世の戦い」において、それぞれの立ち位置を決定付けてく事にもつながっていくのである。つまり、全員が真の友情で結ばれるのは、実を言えば、まだまだ先の話なのである(←そしてそれがいつになるのかは、追々語られていくコトになります…なぜなら、それがこのドラマの根本のテーマとも言えるものですから…)。

       で、うさママはまこちゃんに、「うさぎ迎えに来てくれたの?!」「はい。たまには一緒に行こうかと思って」(←これはつまり、転校当初に一緒に下校したのは別として、セーラー戦士に覚醒して以降は、今まで一度も一緒に登下校したコトがないし、亜美ちゃんやなるちゃんのように、途中で一緒になったコトすらないんですな。これは、まこちゃんが学校では意識的にみんなから距離を置こうとしてるのか、それとも、ひょっとすると、学校を挟んで完全に違う方角に家があるため、双方の通学路に合流地点がないのかもしれませんな)

       「それがねぇ、うさぎったらチョット、風邪みたいなのぉ」「え?」「あ、でも大したコトないのよ?! 一日休めば、良くなるんじゃないかなぁってくらい?」「はぁ…」「せっかくなのにゴメンなさいねぇ…」「あ、…『いえいえ』

       「まこちゃん? 朝ごはん食べた?」「はいっ!」「あたしネ、オムレツ作ったのよ! 新しいオムレツっ! 塩辛入り初めて作ったのっ!」「!…『げっ、マジかよ!?』「絶対おいしいのっ、おいしいのっ! ネ! 食べてネ?」「い、いいですっ」「ネ、食べてネ?」「いいですっ」「オムレツ食べて欲しいの」「だいじょぶですっ」「お願い、絶対おいしいの!」「あ…」

       進悟は「ズル休み」と見抜いてるようですが、うさママは素直に「風邪」と思ってるのでしょうか? それとも、友達に気を使わせないように敢えてそういうコトにしてるんでしょうか? このハイテンション振りからでは、到底そんな細かいコトまでは読めませんが…(←どーでもいいけど、うさママ、まこちゃんの話聞いちゃいねぇ…)。

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       まこちゃんは、どうやら、無事『塩辛入りオムレツ』から逃れた様子です…。

       「…(心の声→)落ち込むのも当然か…『塩辛入りじゃな…』(←まこちゃんも当然、うさぎちゃんは『ズル休み』だと思ってます)…「…それにしても、あの地場衛のヤツ!」。ここでまこちゃんは、眼光鋭く、「川口市立グリーンセンター」での一件を回想します…そうです、あのあとタキシード仮面との間で起こった一件です(↓)

     「アンタだったんだ…地場衛…!」「!」。まこちゃんはタキシード仮面に歩み寄りながら、「あたし達の正体知っててうさぎに近付いたんだ……」「……ああ」「どうして?!」「……幻の銀水晶と…プリンセスのことを知りたい…」「…アンタ…何者なんだ?!」。すると、タキシード仮面は伏し目がちに、まるで独り言をつぶやくように答えます…「……オレは……それを知るために……」「……?!」「……」

     ここでタキシード仮面は、まこちゃんの横を通り抜けて先を行こうとします…「…『だから、今ソレどこじゃないんだってば…!』

     するとまこちゃんは、「待ちなよっ!」「……」「アンタそのためにうさぎを利用しようとしたのか?!」。タキシード仮面は振り返り、「……だったら?」

     「…『だったらこうだっ! まこちゃんパーンチっ!』ばきっっ!!おおお〜っっ!! いきなりグーでぶん殴られて、その場に倒れるタキシード仮面の図〜〜っっ!! 「アンタ! 最低だよっ!……うさぎには黙っとくけど、二度とあの子に近付くなっ!!」。か、かっけぇ〜〜っっ!! まこちゃん、アナタやっぱ最高だぁ〜っっ!!

     タキシード仮面はまこちゃんを見ますが、完全に腰にきちゃってるのか、起き上がれず、そのまま顔を背けてしまいます…「…『っテェ…奥歯が折れてる…』

       (↑)…で、まこちゃんは回想し終わると、自分の手の平をばしっ!と叩き、「…(心の声→)もう一発ぐらい殴ればよかった!」(←そうだっ! 今からでも遅くはないっ! 地場衛のマンションまで押しかけてボッコボコにしちゃれ〜っ!)。「…亜美ちゃんと相談して、うさぎ元気付ける方法考えないと…」。そしてまこちゃんは、「シュッ! シュッシュッ!…フンッ!!」とシャドーボクシングしながらまた歩き始めます。

       …それにしても、このシーンはシビレたなぁ…。でも…でもね?…、まこちゃん目線やワシら視聴者目線ではシビレるんですが、コレ、地場くん目線だと果たしてどうなんでしょうか??…と言うのも、だってよくよく考えると、まだ地場くんは『月野うさぎがオレのコトを好きだ』って知らない訳ですから、「利用しようとしたとか言われたって、別に婚約者がいるからって「月野うさぎ」のコトを弄んだりなどしてない訳です。むしろ自分の方が『片思い』だと思ってて、そんで「これからも、陰であいつを助けていく…」ってな訳で、こうして健気にもセーラームーンを助けに行こうとしてた矢先ですから、本人は、『ナンでそれで殴られなきゃいけないのか?!』、実はイマイチよく分かってなかったりして…。

       ところで、実写版におけるまこちゃんの『ドロボー嫌い』は有名で、それが今回のこの『怒りの鉄拳』にもつながってる訳なのですが、このまこちゃんの『ドロボー嫌い』って、要するに、多分に『教育的配慮』の意味が含まれてるんでしょうな。と言うのも、そもそもタキシード仮面という存在は、セーラームーンを助けるんだから本来『正義の味方』に属するはずなのに、ナンと実写版における本業は「ドロボー」ときてる訳です(←本業かどうかは知りませんが…)。なので、テレビの前のよいこのみんなが、「正義のためなら「ドロボー」してもいいんだ」と思わないように、こうやって、「質実剛健」のまこちゃんが、きちんと釘を刺してくれてた訳なんですね。原作のように、「まるで 怪盗ルパン……ステキ……(←「美少女戦士セーラームーン (1) (講談社コミックスなかよし)、及び「美少女戦士セーラームーン 1 新装版 (KCデラックス)より)ってな訳には、いかない訳です

 

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       こちらは美奈子…。

       相変わらずホテル暮らしのようです(←まあ、タレントならそういうのは慣れっこでしょうけどね)。どうやら、マネージャーさんと電話で仕事の打ち合わせのようです。「…うん、新曲の構成メモ、明日にはファックスするって、社長に伝えておいて……それじゃあ」(←美奈子は曲作りにも口出し、もとい、参加してるみたいですね…さすがスーパーアイドルです。ナニげにあの社長さんも、相変わらず元気にしてるんでしょうか?)。

       そこへアルテミィ〜スがひょっこり出て来て、「美奈子! どうも敵の動きが気になるんだが…」「え!?」

       ちなみに、今回の美奈子の出番は、たったのコレだけでございます…(←やっぱ、亜美ちゃんが主役の回って…)。

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       ダーク・キングダムでは…。

       その「敵」…クンツァイトが、黒紫の花をしげしげと眺めながらニヤついてます…(←って、ん?! この花は…? これって、ナニげにベリル様がシンをクンツァイトに覚醒させた時と同じヤツじゃないですか?)。おい、こらっ! キサマ亜美ちゃんを何処へやったんだっ!

 

 ★  ★  ★  ★   CMタイム― ★  ★  ★  ★  

 

       ところ変わって、十番中学…。

       まこちゃんがうさぎちゃんのクラスに向かって廊下を歩いていると…、ん? 今一瞬、まこちゃんの前を横切って教室へ駆け込んでったの、正しく「ひこえもんクン」じゃないか?! で、まこちゃんがその「2年1組」の教室を覗き込むと、いつもの『窓際2番目の天才指定席』に、亜美ちゃんの姿がありません。「あれ?…亜美ちゃん…」。さっき、「亜美ちゃんと相談して、うさぎ元気付ける方法考えないと…」って言ってましたから、そうしに来たんでしょうね。

       まこちゃんは、ちょうどそこへ通りかかったなるちゃんを「あのう…」と呼び止めます。なるちゃん:「え?!…『ギクッ』「水野さん、どこかなぁ?」「ああ…今日は休みみたいだけど…『ふぅ…殴られるのかと思った…』「風邪?」「さぁ〜、ナンかまだ連絡入ってないって…『やだ、亜美ちゃん、この人に目ぇ付けられちゃったのかしら…』「…………」『あのぉ…もう行ってもいいですか…?』

       ほほう…。これはまた、ナニげに興味深いモノを見せていただきましたな…。まこちゃんが、なるちゃんに向かって、亜美ちゃんのコトを「水野さん」と呼んでるじゃありませんか。つまりまこちゃんは、なるちゃんがその「水野さん」のコトを「亜美ちゃん」と呼んでるのを、知らない訳だ…。

1.       要するに、まこちゃんはAct.6で転校して来たのだから、当然、Act.5の『友達ごっこ事件』も知らないし、その後も、Act.16の『アリジゴク事件』の舞台裏で起きてた『亜美ちゃんvsなるちゃん事件』のコトも知りません。でも、まこちゃんは、少なくとも、なるちゃんがうさぎちゃんと仲良しだと言うコトは知ってます。なぜならAct.8で、彼女達が「ナコナコなりきりコンテスト」のために廊下でリハーサルしてるところを、亜美ちゃんと一緒に見てたからです。ただし、まこちゃんはそれ以外は、おそらくなるちゃんの名前すら知らないんじゃないでしょうか? この会話の感じからして、二人が話すのも今日が初めてだったようですしね。つまり、まこちゃんは、「うさぎちゃんと亜美ちゃんとなるちゃんの三角関係」について、全く何も知らない訳です(←レイちゃんは『友達ごっこ事件』『亜美ちゃんvsなるちゃん事件』も両方とも知ってますから、知らないのはまこちゃんただ一人だけ、というコトになります。学校の違うレイちゃんが知ってて、同じ学校のまこちゃんが知らないと言うのも、ナニやら皮肉めいてはおりますが…)。だからまこちゃんは、なるちゃんには「亜美ちゃん」で通じるのに、それを知らないから、なるちゃんの前では「水野さん」と呼んでる訳なんですな。そしてそれは、そのまま、まこちゃんの『亜美ちゃんに対する理解の浅さ』を物語るものでもある訳です。

2.       ところが、そんなまこちゃんも、いざ恋愛のコトとなるとメチャメチャ鋭くて、だから、うさぎちゃんと地場衛のコトで頭を悩ませて奔走するのですが、しかしまこちゃんがソッチ方面にのめり込めば込むほど、「私、そういうの、全然ダメだし…」と言う亜美ちゃんは、相談されても却ってそれで疎外感を感じてしまうコトになるんですな。これがレイちゃんなら、亜美ちゃんがそうなるのが予め分かるので、うさぎちゃんからは、ある程度一定の距離を置く訳です。ところが、そんな『亜美ちゃんに対する理解の深い』レイちゃんは、すっかり美奈子にかまけて亜美ちゃんから目を離してしまってるため、いつもならすぐに気付くような亜美ちゃんの『心の機微』に、全く気付かなくなってしまってるんですね。

3.       このようにして、『仲間を大切にする』反面、人間関係が『広く浅く』なりがちなまこちゃんと、『個人主義』でありながら人間関係が『狭く深い』レイちゃんと言うコントラストが、双方向から、皮肉な形で亜美ちゃんを置き去りにしてしまってた訳です。つまりそれは、先述したように、ここに「仲間意識」と「友達意識」のずれが生じてきてるコトを意味してもいるんですね。まこちゃんもレイちゃんも、「仲間」としてはこの上なく頼もしい存在ですが、亜美ちゃんが求めてるのは決して『部活仲間』なんかじゃありません。『心の底からプライベートを分かち合える友達』なんです。その意味で、亜美ちゃんにとって、うさぎちゃんを含めた今の全員が、『友達』でもなんでもない訳です。

4.       ※ そして、その『心の隙』に付け込まれたコトが、今回の悲劇を生んだ最も大きな要因だったのではないでしょうか? 同じようにクンツァイトの手にかかりながら、なぜAct.14の『うさぎちゃんの心』が妖魔化を免れ、今回の『亜美ちゃんの心』がダーク化を免れなかったのか? その違いは、セーラー戦士間の信頼関係における『心の隙』以外にはありません。そして、クンツァイトがマーキュリーをターゲットに選んだ理由も、おそらく、クンツァイトが当初、『プリンセスはセーラームーンだ』と思ってたコトと無関係ではないでしょう。そう思ってたからこそ、Act.14のマーキュリーの『セーラームーンへの執着振り』を見て、彼は今回、最もセーラームーンの近くにいるマーキュリーを選んだはずなんです(←ちなみにこの件について、クンツァイトの中の人が、マーキュリーを選んだのはAct.16で彼女が強かったからだと脚本家さんが言ってたとかナンとか、どこかで仰ってたそうですけど、仮にその話が本当だったとしても、ンな「トホホな理由」など、極めて表面的な要因の一つに過ぎません…いずれにせよ、あの脚本家さんの言うコトを、素直に鵜呑みにしちゃイカンと思いますよぉ…)。そもそもクンツァイトがマーキュリーを味方に引き入れたのは、彼女を戦力として見込んでたからではありません。劇中でハッキリ説明されてたように、プリンセス・セーラーヴィーナスの行動に「やはり妙だ……あのプリンセス…」と不信感を抱き、そこで「…セーラー戦士…、やはり一人欲しいな…」と思いついたのですから、目的はあくまでも、「確かめたいのだよ…プリンセスを…。そのためにも、セーラー戦士を…」なのであって、その『真のプリンセス探し』の目的に適ったセーラー戦士として、「手に入れるなら…お前がいいと思っていた…」マーキュリーを選んでるんです。なので、マーキュリーが強かろうが弱かろうがンなこたどうでもいい話で、Act.14と16の『クンツァイト絡みの両エピソード』でマーキュリーが見せた、あの『セーラームーンへの執着振り』こそが、彼にマーキュリーを選ばせた一番の理由です。逆に言えば、『これだけ大切にされてるセーラームーンこそが、やはりプリンセスなのではないのか?』と勘ぐる要素にもなり得るからです。

       ※ ちなみに余談ながら、今回のオープニングのキャスト表示のところに「クラスメイトA」「クラスメイトB」の名前があったのですが、今回、この二人って出てましたっけ?(←今の学校のシーンで、最初に教室の中を映した時、一瞬だけ、じゃんけんをして騒いでた二人が映ってたんですが、ひょっとしてアレがそうだったんでしょうか?…)。で、逆に、ちゃんと出演しててセリフもあった「なるちゃん」の名前が、キャスト表示に出ていませんでした…(涙)。

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       で、まこちゃんは、今度は水野邸を訪問することに…。

       私服に着替えてるので、その日の帰宅後でしょうね? ピンポ〜ン♪とベルを鳴らしますが、返事がありません…。その間に、カメラが亜美ちゃんの部屋を映しますが、誰もおらず、ベッドも空です…。「…いないのかぁ…」。ナニげにドアノブを掴むと、ドアがガチャっと開きます…「あれ?!」

       で、まこちゃんは恐る恐る中を覗き込み、「亜美ちゃ〜ん…いる?」と声をかけます…(←この言い方は、普段亜美ちゃんが鍵っ子なのを知ってるという事ですな。普通なら『こんにちはぁ〜』です)。すると中から、ナニやらゴトっ!と物音がしたので、まこちゃんは「お邪魔…しまぁす…」と言いながら勝手に上がり込んじゃいます(←『物音がするなら、中には亜美ちゃんしかいないはずだ』と思ってるから、こうして上がり込んじゃえる訳ですな)

       まこちゃんは、亜美ちゃんの部屋のドアをノックして、「亜美ちゃ〜ん…?」と中に入って来ます(←ちなみに、亜美ちゃんの部屋は廊下の突き当たりで、これはAct.14で確認されております。で、ナニげにまこちゃんは、この部屋まで玄関から一直線に来たのでしょうか?…途中の廊下を歩いてるところが映されてれば、まこちゃんが過去に亜美ちゃんの家に上がったコトがあるかどうかも分かったのですが、この映像からでは、そこまで分かりません)(←まあ、おそらく『初訪問』で間違いないとは思いますけど…)。で、見ると、さっきは空だったベッドの上に、ナンと亜美ちゃんが上着を着たまま身体を丸め、倒れ込むようにして寝ています(←さっき物音がしたのは、亜美ちゃんがここに空間移動で運ばれて来た音だったんですな)。「!!」(←これ、単に服を着たまま寝てただけなら、こんなに驚きはしません。なぜまこちゃんがこんなに驚いたかと言うと、言うまでもなく、亜美ちゃんが、昨日クラウンで会った時と同じ服のままだったからです。したがって)…「亜美ちゃん!!」…まこちゃんは駆け寄り、「亜美ちゃんどうした!? 具合悪いの!?」と声をかけます。すると亜美ちゃんは、目を閉じたままじっと動かず、「…だいじょうぶ…。でも、起きられなくて…」とだけ答えます。「風邪かなぁ…」。まこちゃんはおでこに手を当てて、「お母さんは?」「…出張……ヨーロッパ…」(←よ、ヨーロッパ?!こりゃまたずいぶんと広範囲ですな…)(←ざっと見渡しても、軽く45ヶ国ほどありますが…)。「じゃあ一人で寝てたわけ? ナンで電話しないんだよ!」「……うん……」

       ところで…さっき、ナンで玄関のカギが開いてたんでしょうか? 亜美ちゃんがあの物音の時に空間移動で帰宅して来たのなら、カギが掛かってないはずないのでは?…。だって、亜美ちゃんがクンツァイトに連れ去られたのは昨日ですから、昨日亜美ちゃんがクラウンに出掛けた時にカギを掛け忘れない限り、玄関のカギが開いてるはずがないと思うのですが…。それとも、あの物音はクンツァイトが去って行った音で、亜美ちゃんは、Act.14でうさぎちゃんが地場衛におんぶされて来たみたいに、クンツァイトにおんぶされて来て玄関から運び込まれてたんでしょうか?(←って、ンなバカなっ!)……謎です…。

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       まこちゃんは、台所を借りて、亜美ちゃんのためにご飯を作ります…。

       まな板の上で万能ネギを刻んでおります…しゃき、しゃき、しゃき…、まこちゃんは、ふと手を止めると、「亜美ちゃんネギとかダイジョブだっけ…?」(←亜美ちゃんの『好き嫌い』について、実は何も知らないんですな…)。まこちゃんは、小皿をふーふーして味見をします…「……うんっ…『いい味出てる…』(←ナニ作ってんですかね?)。ガス台には一人用の土鍋が置かれてて、まこちゃんはコンロの火を点けます(←止めてんのか? どっちだ?)。

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       出来上がったのは、お粥に、梅干とネギを添えて、ギザギザカットのキウイとウサギさんカットのりんごです…(←ほほう…病人にはなかなか気の利いた献立ですな…さすがまこちゃんだ…)。まこちゃんは、それをお茶碗によそってあげながら、「ネギ入れる?」「…うん…」。で、ネギを入れて、ベッドの上で上体を起してぼうっとしてる亜美ちゃんに、れんげと一緒に渡します。「いっぱい食べて!」「…うん…」「熱いから、気をつけるんだよ」。亜美ちゃんはお粥をすくいながら、黙ってうなずきますが、言ってるそばから、ふーふーもせずに食べ始めます(←って熱くないのか? 「猫舌」の反対って何て言うんだろ? 「江戸っ子じいさん舌」か?)。

       それをすっかり平らげちゃった亜美ちゃん…。「いっぱい食べたねぇ…。元気、出た?」。亜美ちゃんは、最後にキウイを口に入れ、ニッコリしながら、「うん」「ほかに、何か欲しいものある?」「…?…」。亜美ちゃんは少し考えたあと、「…ゆうえんち…」「は?!」「遊園地行きたいなっ♪」「…え!?」。え!?…。

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       で、ホントに遊園地に来ちゃって、ジェットコースターに乗っちゃってる二人…。

       このジェットコースターは、Act.7の「ANGEL PARK」(←ロケ地は「東京ドームシティ」)ではありませんな…。なになに…オープニングの「撮影協力」によると、「横浜・八景島シーパラダイス」ですか。で、これは「サーフコースター」という乗り物で、公式サイトによると⇒海に突き出したループを駆けめぐる海上走行コースター」だそうです。

       「…亜美ちゃん…大丈夫?」(←意外とびびってる)。「うんっ!!」(←めっちゃ嬉しそう)。「ホントに、だぃ…あああ〜〜っっ!!」(←って、これじゃまるで、Act.7の元基状態じゃないかっ!)「うふふ! あはは! 楽し〜〜っっ!!」。大はしゃぎの亜美ちゃんと、ビビリまくりのまこちゃん…(←ちなみにワシも、遊園地の乗り物はとにかく苦手だ。て言うか、一度吐いたコトあるんで、もう死んでも乗らんっ!)。

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       お次は、「バイキング」という乗り物で、公式サイトによると⇒65度に傾斜する海賊船にのって荒波に出航だ」だそうです(←これは、ワシなら確実に酔うな…)「うわあぁぁ〜〜っっ♪」「ううぅぅ〜〜…!」

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       お次は、「アクアライド」という乗り物で、公式サイトによると⇒チューブ型ライドにのり、水しぶきをいっぱいあびて急流を川くだり」だそうです(←う〜む…これくらいならワシでも何とか…)「濡れちゃうっ! うふふふっ、あはははっ♪」「うぅ…、あぁっ…!」(←ええっ?! これも怖いの?! じゃワシもやめとこう…)

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       まこちゃんは、水をひっ被ってびしょ濡れのままベンチに座り、「はぁ…」とタメ息をついております…。その視線の先には、亜美ちゃんが、まだまだ元気一杯で、「水色」「黄緑色」の風船を買って来て(←タダで配ってるだけか?)、「黄緑色」の方を「はいっ♪」とまこちゃんに渡します(←おおっ! 亜美ちゃんの方はゼンゼン水に濡れてないっ! さすが「水の戦士」『水とお友達』なのだなっ!)。キラキラと効果音まで発する亜美ちゃんスマイルに釣られて、まこちゃんも思わず微笑むと、亜美ちゃんは「行こっ!!」と言って、またまこちゃんを引っ張って行きます。しかしナンでしょうか? この亜美ちゃんらしからぬ『躁状態』のようなカンジは?(←まるで子供に返ったように、兎に角まこちゃんに遊んで欲しいというのは分かりますが…)。

       ※ 実は、これは、「千咲チャンネル 〜浜千咲ちゃんファンサイト〜」 という素晴らしいサイト様の管理人さんのぼうたろう様によりますと、胎児からの子供の成長過程を通して、新しい生命の誕生を描いてる云々と言うような解説をしておられました(←詳しくは是非そちら様で…正に目からウロコですぞっ!)。しかしすごいコトに気付く人がいるもんですなぁ…(ワシなんか、まだまだだな…)。

        ★  ★  ★  ★  

       今度は、亜美ちゃんが一人で「メリーゴーラウンド」に乗ってます…公式サイトによると⇒20世紀初頭の木馬彫刻家デンツェルのコレクションを参考に描かれたもので、より幻想的な雰囲気を演出してくれているよ」だそうです。「まこちゃ〜ん!!」と手を振る亜美ちゃんを、まこちゃんが外で見守りながら応えております(←完全にお母さん状態ですな)。

       で、まこちゃんは、「…(心の声→)うさぎのコト言いそびれちゃったな…」などと考え事をしていると、後ろの方から「まこちゃ〜ん!」と、元基の呼ぶ声が…。「元基くん!」「来てたんだぁ! オレもちょうどカメキチに外の空気吸わせたくてさ。…ひとり?」(←元基が持ってるこの入れ物は、Act.13の時の『カメキチ持ち運び用入れ物』ですな)「うぅんっ、亜美ちゃんと…」。そう言いながらまこちゃんが亜美ちゃんの方を見ると、亜美ちゃんがメリーゴーランドの上で気を失ってうなだれてます(←ホラ見ろっ! バカ元基がしゃしゃり出て来てまこちゃんの気を引こうとするから、亜美ちゃんが気分を害しちゃったじゃないかっ!)。「!! 亜美ちゃんっ! ちょっと止めて!! 止めてくださいっ!!」。亜美ちゃんの手から離れた『水色の風船』が、どこへともなく、空高く舞い上がっていきます…(←なんか…Act.7の遊園地の時も、ピンクの風船が一つ舞い上がって行ってたっけなぁ…微妙に意味は違うんだろうけど…)。

        ★  ★  ★  ★  

       元基の車にて…。

       ワシ、車に興味ないんでよう知らんのだけど、元基の乗ってる車って、色も緑だし、形もやっぱカメっぽいよな…。関係ないけど、そう言えばフォルクス・ワーゲンは形がカブトムシっぽいんで、俗称だった「ビートル」が後に正式名称になったそうな…。カメは「のろい」ってイメージがあるから、やっぱ車で「タートル」ってのは流行らんのかねぇ…。でも逆に、安全運転っぽくていいと思うけどな…。

       後部座席の右側にまこちゃんが座ってて、亜美ちゃんはそのまこちゃんにもたれかかるようにして眠っております。それを、運転席の元基がバックミラー越しに、「病院、すぐそこだから…。亜美ちゃん大丈夫?」「うん…寝てるみたい…。ごめんね、つき合わせて…」「いいって、いいって!…あぁ…コレ(←マフラー)のお礼…。まこちゃんだけだよ、バレンタインにくれたの…」「そんなのは別に大したモンじゃ…」「ああ! 義理っていうのは分かってるから!」(←当たり前じゃ!)。「それでも嬉しんだよね」←キサマ、ナニが言いたいんだ?)「……『やっぱ、コイツにやるんじゃなかったな…』

        ★  ★  ★  ★  

       病院にて…(おおっ! ここはまさしく、Act.11&12で美奈子が入院してた、そして、ワシが苦労してフロアマップを書き写した、あの「港区立 十番病院」ではないかっ!)。

       亜美ちゃんはベッドに寝かされ、看護婦さんが点滴の用意をしております。先生:「特に異状は見受けられませんが、一応検査してみましょう…『て言うか、あの有名な水野先生の娘さんかぁ…びびるなぁ…』「よろしくお願いします!…『テメ、誤診なんかしてみろ? まこちゃんパンチどころじゃ済まないよっ!』。まこちゃんは、亜美ちゃんの寝顔を見つめておりますが、特に苦しそうでもなく、普通にすやすやと眠っておりますなぁ…(←これはナニげに、クンツァイトがセーラームーンを妖魔化しようとした時のうさぎちゃんと同じ症状と言うか、状況なのでは?)。

       そのあと、まこちゃんは、デイルームで病院の公衆電話の受話器を取りますが、小銭を入れようとして、ふと考え込みます…「…(心の声→)うさぎは…アレだし……、レイは…ナンだか勝手に一人でやってるし……、まだぁ…いいか…」と、結局そのまま受話器を置いてしまいました。

       ふっふっふ…また一つ、いいモノを見せていただきましたな…やはりここではケータイは使えないようですな…。これで、なぜAct.12の「セーラーヴィーナス様」登場のシーンにジュピターだけいなかったのかが分かりましたな…。やはりワシが睨んだ通り、まこちゃんは、うさぎちゃんが病院に行ったきり帰って来ないので心配になって見に行き(←それを口実にまた愛野美奈子に会えるし)、それで行き違いになって、ちょうどルナが『出動命令』を出した時、このようにケータイが使えない状況だったんですな(←Act.11の時は、美奈子の個室の中だったから使えましたが、このように他の患者さん達がいるデイルームとかでは、電車の優先席付近と同じなので、ケータイが使えないんですな)

       しかしだっ! その反面、ワシはここで、Act.12を検証した際のワシの間違いを訂正しなければなりません。それは何かと言うと、Act.12で、美奈子が社長さんに追われて来て『うさぎちゃん女医さん』とすれ違ったフロアを、あの時ワシは「1階」と書きましたが、実は「2階」だったんですな。あの時は、画面上に「MRイメージング室(MRI)」表示があったので、「2007年2月1日現在」の病院のフロアマップと照らして「1階」と書いたのですが、違いました。と言うのも、今まこちゃんがいるこのフロアは、窓の外の景色と、天井から垂れ下がってる照明飾りからして、Act.12で『うさぎちゃん女医さん』が美奈子とすれ違ったのと同じフロアだという事が分かるのですが、今回のこのシーンでは、最初に階下の1階のロビーが映されてるので、明らかにここが「2階」だと言う事が分かります。やはり、「2007年2月1日現在」の病院のフロアマップは、実写版の撮影当時とは若干違ってたんですな。

        ★  ★  ★  ★  

       で、こちらは、その、「ナンだか勝手に一人でやってる」人…。

       学校帰りのレイちゃんが、いつものように、自宅の火川神社へと続く石畳の上を歩きながら、考え事をしております…「…(心の声→)あんなにいた妖魔の幻が、急にいなくなるなんて…。…またプリンセスが狙われたのか、それとも、ほかに……」。ここでレイちゃんは、昨日三匹の妖魔に取り囲まれ、それが消え去った時の事を思い出しております…そして、ふと足を止めると、「…(心の声→)あの時…ナニか感じたと思ったけど…」。その時、突然レイちゃんは、「!!」ナニかを感じて上を見ます(←ムシの知らせってヤツでしょうか?)。

        ★  ★  ★  ★  

       で、もう一方の「アレ」な人…。

       うさぎちゃんは、もうとっくに「ズル休み」のベッドからは起き出ていて、普段着に着替えております…おりますが、ベッドに腰掛けたまま、相変わらず、例のマフラーを眺めながら、すっかりどんよりムードです…。

       ルナが、「うさぎちゃん、外の空気吸わない? 気持ちいいわよ?」と声をかけても、「……『カメキチと一緒にしないでよ…』と、ただ首を横に振るばかりです…。するとそこへ、いきなり、がちゃっ!と進悟が入って来て(←って、いつもノックしねぇヤツだな。うさママだってちゃんとノックするのに…。姉を女と思ってねぇな…)、うさぎちゃんは慌ててマフラーを後ろに隠します。進悟は、ナニやら妙にニヤつきながら、「うさぎ、特別に一個やるから、感謝しろよ!」と、紙袋をテーブルの上に置いて、すぐ出て行ってしまいました

       うさぎちゃんがベッドから立ち上がって、テーブルの上に置かれたその袋を取り、中を見ると、思わず顔をほころばせ、中のモノを取り出します…。中に入ってたのは、ほっかほかの肉まんでした…

       ナニげに進悟は、今、ランドセルを背負ってましたから、これ、要するに、学校の帰りに自分で買って来たモノなんですな…。だからそれを、ランドセルも下ろさず、こうしてあったかいうちに急いで届けに来た訳です(←だからこそ、これが蒸かしたてであるコトを示すために、これ見よがしにめっちゃ湯気を立ててた訳です)。だからこれは、うさママがおやつに用意してたモノではないんです(←仮に進悟の帰宅を待ってうさママが蒸かしたのなら、袋に入れて持って来る訳がないし、とっくにランドセルも下ろしてるはずだからです)。つまり進悟は、今朝「うさぎ! ズル休みだろっ!」と言ってた時点で、すでに前の日に姉が帰宅した時から、ナニか尋常でなく落ち込んでるコトに気付いてて、今日学校に行ってる間も、ずっとそれを気にしてた、という訳なんですな…なので、口では「特別に一個やる」とか言ってますけど、実は最初から「一個」しか買ってないんじゃないでしょうか?(←ナンて泣かせる弟なんだ…)。つまり、『なぜ肉まんなのか?』と言うと、実は、それが『うさぎちゃんの大好物だから』だったんですね。うさぎちゃんが袋の中を見た瞬間のほころんだ表情と、進悟が姉を元気付けるためにそれを買って来たという事実が、それを如実に物語ってる訳です。で、うさぎちゃんは当然、『進悟が私の大好物を知ってる』のも分かってる訳です。

       ※ 本稿のAct.13の時にも書きましたが、うさぎちゃんが肉まんが好物だと言うのは、実は、アニメ版・第4話「うさぎが教えます! スリムになる法」に出て来るんですね。

 

       なので、うさぎちゃんは、思わず…「…進悟のヤツ…」とつぶやく訳なのです。

       で、肉まんと言えば思い出すのが、Act.13の海辺での『肉まん半分こ』です…⇒(「…ちょっとはぁ、ありがとって言うか…」⇒うさぎちゃんはそれを思い出して、かえって泣けてきてしまいますが、「もうヤダ! 元気出さなきゃ!」と、半べそかきつつも、肉まんにかぶりつきます。

       つまりあの時は、『自分の大好物を独り占めせず半分に分けて相手にあげる』という行為が、「…ちょっとはぁ、ありがとって言うか…」という、うさぎちゃんなりの精一杯の感謝の表現方法だったんですな。そして、今にして思うと、Act.17で、うさぎちゃんが、陽菜さんの存在を知ったショックを紛らすために、まこちゃんの前でカラ元気を装って、公園のベンチで「冬はやっぱり焼きイモだよね〜♪」と言いながら、それでいて、それを食べながら、ふと、Act.13の『肉まん半分こ』の場面を思い出してしまってたのは、本当はあの時、うさぎちゃんは『大好物の肉まん』を食べたかったのに、Act.13の思い出が邪魔をして、それでつい「焼きイモ」を買ってしまってたコトを意味してたんですな。だから、うさぎちゃんにとって、今、その『肉まん』を食べるというコトこそが、イコール、その辛さを乗り越えるという意味になっていたんですね。つまりそれを、結果的に弟の進悟が促してくれた訳です。このように、やはりまだまだ、「うさぎ元気付ける方法」に関しては、のセーラー戦士達より、『家族』の方が役者が一枚上なんですな(←まこちゃんが、亜美ちゃんの『好き嫌い』について何も知らず、何気なく「亜美ちゃんネギとかダイジョブだっけ…?」と言ったのは、これとの対比を意味してた訳です…)。ですから、ここで進悟が出てきたという事の意味は、実は表面に見えるほど単純ではないんです。

        ★  ★  ★  ★  

       一方こちらは、むしろ今回もっとも気の毒だった人物が、タキシード仮面グッズ一式をソファに放り投げて、回想中です…(↓)

     (地場くんの回想シーン→)ばきっっ!!「アンタ! 最低だよっ! 二度とあの子に近付くなっ!!」。ちなみにこの回想シーンは、さっきの『まこちゃん目線』の回想シーンとは別テイクの、『地場くん目線』の回想シーンです…なので、『まこちゃんパンチ』を食らって脳しんとうを起したせいか、まこちゃんのセリフも、途中の「うさぎには黙っとくけど」が飛んじゃってます(←つまり地場くんは、本番のOKテイクだけでも、少なくとも2発殴られてるコトになりますなぁ…つまり今の一発は、ばきっっ!!(その2)です…)

       「!…『チッ! カッコ悪すぎるぜ…』。地場衛はソファにドカッと腰を下ろし、「…(心の声→)オレはあいつを守るためだなんてカッコつけて、結局そばにいるための言い訳なんじゃないのか…」(←なるほど…)

       「……あと一ヶ月か…」(←って、ナニが?! まさかキミもナンかの病気なの?!)…と思ったら、テーブルの上に、ナニやらエアメールとか書類が置いてありますな…なになに…「2004年度 留学生募集要項 セントフォード大学」?…どうやらこの人、イギリスの「セントフォード大学」ってところに留学するみたいですよ?!(ちなみに、これがオックスフォード大学なら凄いですが、「セントフォード大学」なんて大学は実在しないので、それが凄いコトなのかどうかは全く不明です…「セントフォード」なんて地名もないし、ナニげに「セント」ってコトは、ひょっとしてミッション系か?)。

       あれ? ちょっと待てっ! 一緒に置いてある「留学ガイド」に、「海外の大学に留学する高校生のための本」って書いてあるぞ…てコトはナニかい?! 地場衛は高校三年生だったんですかい!?(←や、やられたぁ〜っ!! てっきりアニメ知識で大学生だとばっか思ってたよっ!)。だって今まで彼の年齢に関する情報は、「18歳」以上である事以外一切出て来てないし、もちろん学生服着てたコトだって一度もないもんなぁ…(←まあ、中には制服着ない高校もありますけどね…)。

       余談ですが、ちなみにワシの地元では、一番頭のいい某公立高校が「制服なし」でした。ちなみにワシの頭じゃ逆立ちしても入れませんでしたが、仮に逆立ちして入れたとしても、ワシは絶対に行く気ありませんでした…何故ならそこは……男子校だったからじゃっ!(←って、ンなこたどーでもいいですね、すいません…)(←※ちなみに、ワシ、知らなかったんですが、一頃、高校で「制服なし」にする所が多くなってたそうなんですね。ところが、その後、色々な点でやっぱり制服があった方がいいと言う風に、いい意味で時代が逆行するように変わっていってるそうですな…)。ところで地場衛は、原作じゃ『高二』で…、アニメ版じゃ『大学生』で…、実写版は『高三』ですか…(←セーラー戦士の『中二』は絶対揺るがないのに…)。まあ、ぶっちゃけ野郎の歳なんかどーだっていいんですけどね(←世間だってどーでもいいと思ってるから、こうして地場くんの年齢設定も、各版の都合で、平気でコロコロ変わっている訳で…)(←そして、誰一人として、それに異議を唱える者もない…)。

       で、その地場くんは、「…(心の声→)もう全部…思い切る時なのかもしれない…」

 

 ★  ★  ★  ★   CMタイム― ★  ★  ★  ★  

 

       再び「十番病院」にて…。

       まこちゃんが、心配そうに佇んで、窓の外を眺めております…。すると、まこちゃんに、「はいっ」と元基が紙コップのコーヒーを差し出します…。まこちゃんはニッコリして「ありがとう…」と受け取ると、それを飲むでもなく、手摺りにひじをかけて、また窓の外の方を向いてしまいます。

       そんなまこちゃんに、元基は、ナニやら言いたげに間を置いてから、「大丈夫だよ、きっと」と声をかけますが、まこちゃんは「…『テメ、なんの根拠もなくテキトーなコト言ってんじゃねぇよ』と、ただうなずくだけ…。すると元基は慌てて、「ぁ、いやっ! あの、カメキチがそう言ってたからさ!」「?」「けっこう当たるんだ、カメ占い…イチ、ニ、サン、シ…」と、カメの甲羅を指差して数え始めます。

       「あは…」「…あはっ、…やっと笑った…」「え?…『て言うか、さっきコーヒーもらった時も笑ってやったろ?』「…『ゲッ、そうだっけ?!』…じゃあ、オレ、バイトあるから…」「あ、ごめんね、ホント助かった…」。元基は『うんうん』とうなずきつつも、一向に立ち去る気配がなく、「……あっ! そうだ! 手ぇ出して!」

       すると元基は、カメの入れ物を下に置き、コートのポケットから雑誌を取り出して、まこちゃんに渡します…「これと…」

       次は反対のポケットからお菓子の袋を取り出して雑誌の上に乗せ…「これと…」

       また逆のポケットから別のお菓子の袋を取り出し…

       「これと…」(←ぺろぺろキャンディの束)…

       「これと…」(←ポップコーン一袋)…

       「これと…」(←バタービスケット一箱)…

       「これと…」(←また別のビスケット一箱)…

       「これと…」(←せんべい一袋)…

       「これっ!」(←最後は不明…ってお前はマジシャンかっ!)

       「検査、長引くみたいだからさ」「ありがとう…『ってコレ、一日じゃ食い切れねーだろがっ!』「亜美ちゃんの結果わかったら教えてよ? なんでもないといいけど…」「うん…『ってアンタ、ホントに知りたいと思ってる?』「うん…『ぶっちゃけ全然…』

       (←お見合い中…)

       「…あぁ…じゃあ!」「うふっ…『早く行けよ…』「…じゃあ!」「あは…『やっと行ったか…』「あぁ…カメキチ忘れちゃった…」「あ、あは…『テメ、今のわざとだろ…』「…じゃあ!…『やべ、マジで行かないとそろそろ殴られそうだ…』

       元基は、いかにも『モテない男』の不器用さを振り撒きつつ、ようやくその場を走り去って行きました…(←その間に、2度も振り返って手を振っておりました…)。で、やっと静かになってコーヒーをすするまこちゃん…「アチッ…『今度会ったら、いっそのコト、マフラー没収してやるか?』

       すると…おや?…まこちゃんの背後で、ナニやら天井から、例の黒紫の花びらが一つ、二つ…、はらはらと落ちてきましたが…。

       ちなみに、まこちゃんが手摺りにもたれていたこの階のこの場所は、さっき公衆電話をかけようとしてた場所のすぐ真横で、Act.11で美奈子の社長さんが妖魔に取り憑かれた場所でもあり、さらに、Act.12で『うさぎちゃん女医さん』が美奈子とすれ違った場所でもあります当初ワシは、この階を「1階」と書いていたのですが、先述したように「2階」の間違いでした。あの時は、「MRイメージング室(MRI)」表示や、窓の外にすぐ地べたがあって植木とかも見えてたのでそう思ったのですが、あの窓の外というのは、階上に設置された中庭だったようですな。とにかくデカイ建物なので、造りが複雑みたいです(←こうなったらワシも、一度、ロケ地の視察にでも行くか?)。

        ★  ★  ★  ★  

       こちらダーク・キングダム…。

       ベリル様は、四天王達に背を向けたまま、「クンツァイト、お前の言っていた面白いコトというのは、進んでおるのか?」「間もなくお披露目できるかと…。…しかしベリル様にご心配頂いていたとは、ありがたき幸せ…」「フン、心にもないコトを…」「……」(←不敵な笑み)。するとベリル様は振り返り、「クンツァイト、お前はいったい何を考えておる。わらわではなく、何を見ておるのだ!」「ベリル様と同じく…クイン・メタリアの復活を…」「その後は…?」「…お望みのままに…」。クンツァイトは一礼しながらそう言うと、その場を去って行きました。

       ネフライト:「信用できるか! ベリル様に取って代わろうという魂胆に違いありません!」(←相変わらず悪口ばっかだね…)。「そのような単純な男ならよいがな…『お前みたいに…』「……」(←皮肉がわかってないネフライト)。するとジェダイトくんは、クンツァイトが何か企んでるのを知ってるだけに、相棒のネフライトに忠告してあげます…「ネフライト、気をつけないとプリンセスのコトもアイツに先を越されるぞ」「フンッ、バカな! ヤツにナニができる!」(←って、情報収集もキミより早かったし、誰よりも先にエナジーも集めてたじゃん…)。ジェダイトくんは、そんなネフライトの横顔を見つめながら、「……『バカなオレが言うのもナンだが、やっぱコイツって、本当にバカなのかも…』

        ★  ★  ★  ★  

       クンツァイトは、洞窟の通路で立ち止まり、例の黒紫の花を取り出して「そろそろだな…」と言うと、それをグシャリと握りつぶしてしまいました…。ところで、この花がAct.13の時と同じ花だとすると、要するにクンツァイトは、自分がベリル様からされたのと同じコト(←つまり一種の洗脳術?)を、亜美ちゃんにしようとしてるのでしょうか…?

        ★  ★  ★  ★  

       再び「十番病院」…。

       まこちゃんが、待合所のソファにボーっと腰掛けて、元基からもらったポップコーンをつまんでおります。まこちゃんはポップコーンが好きみたいですな。Act.17でも、公園のベンチでうさぎちゃんが焼きイモを食べてた時、その隣でポップコーンを持ってましたからね(←あの時は、ハトにあげてるトコしか映ってませんでしたけど…)。

       すると突然、ナニか不吉な物音がしたので(←戦士のカンが働いた効果音かもしれませんが…)、まこちゃんはすぐに走り出します。

       まこちゃんは、急いで亜美ちゃんの病室のドアを開けると、「あっ…!」。中はめちゃくちゃに荒らされていて、ベッドの上に亜美ちゃんの姿はなく、そこには、例の黒紫の花びらが散乱しており、その横で看護婦さんが白目をむいて、アワアワと腰砕け状態です。まこちゃんは花びらを一つ手に取ると、「ナンだこれ!?…………亜美ちゃんっ!」。まこちゃんは病室を飛び出します。

        ★  ★  ★  ★  

       その亜美ちゃんは、もう病院の外です…。

       これは歩道橋の階段でしょうか? 階段のど真ん中の仕切りの上を、コツ、コツ、コツ…と、ブーツを鳴らしながらゆっくりと歩いて下りております…。

       すると、その亜美ちゃんの正面から、二人連れの若い男が、おしゃべりをしながら上がって来ます…が、亜美ちゃんは避けようとも止まろうともしません。で、そのまま二人の間を、肩でぶつかりながら掻き分けて歩き去ります。

       男達は、二人とも話しながら歩いてて前も見てなかったくせに、亜美ちゃんにぶつかられると、いきなり振り向いて、男Aが、サングラスを外して「おい! このヤロウ!!」と亜美ちゃんに向かって凄んできました(←なんか、Act.6の「シュンちゃん」を思い出しますなぁ…)。それを聞いて、亜美ちゃんは立ち止まり、少しだけ顔を横に向け、無表情のまま、「……『あら? どうかなさいまして?』てな感じです。

        ★  ★  ★  ★  

       そこへ、まこちゃんが駆けつけます…。

       「!…」しかし、まこちゃんが現場に駆けつけた時には、もうそこに亜美ちゃんの姿はなく、男Bがアワアワと腰砕け状態で、亜美ちゃんに凄んだ男Aの方は、うつ伏せに倒れてて、すでに虫の息状態です(←亜美ちゃんがコイツをぶちのめすトコ、見たかったなぁ…)。そして、やはりここにも、例の黒紫の花びらが散乱しております…って、んん?!…そうかっ!…この花びらが落ちてるという事は、コレ、おそらく男Aをやったのは亜美ちゃんじゃなくて、クンツァイトですな。

       この花びらは、クンツァイトが空間移動して来た時とか、人を連れ去る時に舞い散らすものですからな。それに、さっきの看護婦さんといい、この男Bといい、このアワアワ状態は、ナンかこの世のものとは思えないものを見ちゃった人のそれですし、しかも、ナニげにこの男Aの倒れ方は、殴る蹴るでやられたものじゃありませんからな…。要するに、亜美ちゃんが若造に絡まれそうになったのを見て、クンツァイトがタキシード仮面ばりに現れて男Aを剣波で瞬殺し、亜美ちゃんを助けて空間移動でさらって行っちゃたんですなっ!(←そりゃ男Bもアワアワですな)。

       「…………ナンなんだ?!」(←そう言えば、まこちゃんは、クンツァイトがこの花びらと共に現れるのを知らない訳ですからね。これを知ってるのは、Act.13でシンがクンツァイトに覚醒するところを見てた地場衛と、Act.14で妖魔化されたうさぎちゃんを看病してた亜美ちゃんだけです)

        ★  ★  ★  ★  

       で、レイちゃんが、自宅でまこちゃんから連絡を受けます…。

       「えっ!?」(←横になってたらしく、いきなりムックリと起き上がります)ナニげに、レイちゃん個人の部屋が映るのって、これが初めてですな(←Act.10では、火川神社の大部屋(?)を「子供会」の会場に使い、紙芝居の絵もそこで描いてましたからね)。で、本棚に並んでる本が、なんかよく分からんけどスゴイですな。全部ハッキリと確認はできませんが、題名の読めるヤツだけ見ても(↓)

1.       「徳川家康」(←おおっ! 戦国の世を終わらせた人ですなっ!)

2.       「宮本武蔵」(←おおっ! セーラー戦士たるもの、この剣豪から学ぶコトは多いですなっ!)

3.       「松前重義」(←おおっ!……って誰? この人?! ※知りたい方はコチラをどうぞ⇒「松前重義」

4.       「能と狂言」(←おおっ! きっと、のちの『妖魔退散・覚醒バージョンの舞』は、ここからヒントを得たんですなっ!)

5.       「時代狂言傑作集」等々…。

       いかにも古本屋さんでホコリかぶってそうな、そんな感じの分厚い古書ばっかりです。あとは、棚には招き猫とか折鶴とか、やはり和風のものが置いてありますな…。それにしても、どれもこれも、いかにもレイちゃんらしいモノばかりですな。

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       同時に、うさぎちゃんにも連絡が行きます…「亜美ちゃんが!?」

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       で、こちらは、とにかく走ってるまこちゃん…「…(心の声→)亜美ちゃん!…どこだ!?」

        ★  ★  ★  ★  

       その頃、亜美ちゃんは…。

       ナニやら怪しげな建物の中にいて、無表情のままクンツァイトと向かい合って立ち尽くしております(←ナニげにここって…、Act.6で、『タケル妖魔』がなるちゃん達やまこちゃんを拉致した場所に似てるような…

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       まこちゃんは、ひたすら走り続けて亜美ちゃんを探しますが、とうとう息切れしてしまいます…「はあ、はあ…亜美ちゃん…どこなんだ!?…『て言うか、アタシやたら走らされるシーン多くない?』。するとその時、風に揺らぐ木々の音が、まこちゃんに何かを語りかけるようにざわめき始めます…「ごおおぉぉぉ…『しょうがないじゃないかぁ〜そういう体育会系キャラなんだからぁ〜』(←風の精霊)「ざわざわざわ…『てな訳でぇ〜取り敢えずぅ〜アッチ行ってみぃ〜?』(←木の精霊)…それを聞いてまこちゃんは、「…うん!…『しゃーねーか…』とうなずいて、再び走り出します。

       …すると、ある建物の前で何かを感じ、「はっ!」と振り向くと、その扉の前に、例の黒紫の花びらが舞ってるのを見つけます…って、おおっ! これはっ!…やはりそうだったのかっ! ナニげにマーキュリーがAct.14で、クンツァイトに連れ去られたうさぎちゃんを追って、どうして『クンクン・キングダム』の場所が分かったのか不思議だったんですが、あの時ワシは、『フッ…、一般人には見えない、例の黒紫の花びらが道に落ちてたのよっ!』って冗談で書いておいたのに、これは正に、そのまんまだったんじゃないですかっ!(←言ってみるモンだ…)。

        ★  ★  ★  ★  

       その建物の中では、クンツァイトが、亜美ちゃんに向かって一歩一歩近付いております…。

       するとそこへ、「待てっ!」とまこちゃんが入って来ます。「亜美ちゃん!」。まこちゃんは、亜美ちゃんをかばって、クンツァイトの前に立ちはだかります。「ナニしに来た?」「ふざけるなっ! じゅぴたーぱわ〜、めーいく・あっぷ!…いかずちと、ゆうきのせんし、せーらーじゅぴたーっ、もくせいにかわって、おしおきだっ!」

       変身したジュピターは、「亜美ちゃん、ここにいて!」と、亜美ちゃんを大きな木箱の物陰にしゃがませて隠すと、クンツァイトに戦いを挑みます。「面白い…。相手をしてやろう…」

       ジュピターはキックやパンチを繰り出しますが、クンツァイトはそれをことごとくかわし、『ジュピタージャンプ』からの『ジュピターキック』も腕一本でブロックされてしまいます(←さすがにマーキュリーよりは健闘しておりますが、クンツァイトは剣を抜かなくてもかなり強いですな

       ジュピターが「しゅーぷり〜む、さんだー!」を放つと、クツァイトは剣を抜いてこれを弾き返し、それが柱に当たって、その柱が亜美ちゃんの上に倒れてきます。オ〜ノォ〜っ!とっさにジュピターが回り込んで柱を受け止め、これをかついで放り投げます(←さすが怪力っ! でも、すでに木箱が守ってくれてたような気がしないでもないが、きっとワシの思い過ごしだろう…)。

       ところで、実写版でジュピターの怪力振りが披露されるのって、ナニげにこれが初めてなのでは? 今までは、まこちゃんの腕っ節の強さ程度のコトぐらいしか出てきてませんでしたからね。

       「亜美ちゃんを、オマエの勝手にさせないっ!」「ほ〜う…」「はあ、はあ…」(←肩で息をするジュピター)「…(心の声→)このままじゃ…」。ジュピターは亜美ちゃんに向かって、「亜美ちゃん逃げろ! ここはあたしが!」。しかし亜美ちゃんが無反応なのを見て、「早く!」と腕をつかんで立たせようとします…がっ!ナンと亜美ちゃんは、その腕をバッと振りほどき、ジュピターを冷たく睨みつけます。「!?」

       亜美ちゃんはゆっくり立ち上がると、ナンとジュピターを無視して、クンツァイトの方へ歩いて行きます。亜美ちゃんはクンツァイトの前まで来ると、ゆっくりと振り返り、怪しげな笑みを浮かべます…「……」「…!!」

        ★  ★  ★  ★  

       そこへ、「亜美ちゃん! まこちゃん!」と、セーラームーンとマーズが駆けつけます…。

       しかし後から来た二人は、亜美ちゃんとクンツァイトが並んで立ってるのを見ても、ナニが何やら全く状況が飲み込めてません。「オマエ! 亜美ちゃんにナニをした!!」。するとクンツァイトは、薄ら笑いを浮かべながら、亜美ちゃんに、「見せてやれ…」と言います。すると亜美ちゃんが、コクリとうなずいて前に出ます。

       亜美ちゃんが左手を胸の前で交差させると、ナンとっ! 変身ブレスレットが黒い革バンド系のアイテムに変わります。「!!」「は…!!」「!!」

       次の瞬間、亜美ちゃんは両手をぐるんと回して胸の前でクロスさせ、「ダーク・パワ〜〜〜〜、メイカっ!!」(←め、め…、めいか?!)。

       って…お、おお〜っ! ナンだこりゃっ!……!! うわっっ!! か…かっけぇ〜〜〜〜っっっっ!!!! マーキュリーがダークになってる〜っ!…で、化粧も濃い〜っ!

       しかし、まさかこげなモンが出て来ようとはっ! ワシャてっきり、Act.14のセーラームーンの妖魔化みたいな、その程度のコトしか想像してませんでした…最初にコレを見た時は、Act.2のマーキュリーの初変身を見た時とは全く違う意味で、かなりの衝撃でしたねぇ…。これもまた、変身ヒーローの変身史に、燦然と輝く歴史的瞬間と言っても、過言ではないのではないでしょうか?

       変身シーン(←いわゆる「変身バンク」)そのものも、セーラー戦士のような派手な演出はないものの、それが却って、クールで、無駄のないシンプルなカッコよさを引き出してますな(←ただ、最初のインパクトでは度肝を抜かれましたけど、これ、手放しで『カッコイイ』と喜んでもいられないのがナンですな)。

       「!!」「!!」「!!」「そんなぁ〜!! こんなコトが!!」「亜美ちゃん…うそだろ!!」(←泣くの早すぎ?)。

       「…………最初に相手をするのは誰?……それとも…三人一緒?……逃げても…ムダよ『ちっちっ…』。これはドエライことになってまいりましたっ! ナンと今回はここで終了です、ええ〜っ!? どーなっちゃうの?! どーなっちゃうの〜っっ!!

        ★  ★  ★  ★  

       次回は、ダーク(不良)化した亜美ちゃんが大暴れ(?)だっ!

        ★  ★  ★  ★  

       セーラームーン:うさぎちゃん(沢井美優さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(沢井美優さん編)▼】

       マーキュリー:亜美ちゃん(浜千咲(現・泉里香)さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(浜千咲(現・泉里香)さん編)▼】

       マーズ:レイちゃん(北川景子さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(北川景子さん編)▼】

       ジュピター:まこちゃん(安座間美優さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(安座間美優さん編)▼】

       ヴィーナス:美奈子(小松彩夏さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(小松彩夏さん編)▼】

       ルナ(声・潘 恵子さん):「」『』

       アルテミィ〜ス(声・山口勝平さん):「」。『』。

       その他:「」『』

[2009年2月28日(土)初稿 トモロー]


Act.22:セーラームーン覚醒編

 

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     今回レビューしたAct.21は、「美少女戦士セーラームーン DVD 第6巻」(バンダイビジュアル)に収録されております(↓)

 

DVD第6巻 作品本編(4話収録)

 

Act.21 Act.22 Act.23 Act.24 

毎回映像特典(12分)

 

「セーラームーン」におしおきよ 沢井美優安座間美優A

Act.21 ゲストキャスト

 

日下陽菜:

松下萌子

岩瀬祐二

館原由三子

松下萌子オフィシャルウェブサイト▼

 

セーラー戦士アクション:
妖魔アクション:

三宅綾子

水谷 健
中島俊介
伊藤由紀子

G-Rocketsの公式サイト▼

ジャパンアクションエンタープライズ公式サイト▼
ジャパンアクションエンタープライズ公式サイト▼
ジャパンアクションエンタープライズ公式サイト▼

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