―実写版セーラームーンを検証する―
Act.12:セーラーヴィーナス登場編――
★ 本稿は、2003年12月20日(土)にTBS系列各局で朝7:30〜8:00に放送された、「美少女戦士セーラームーン」(実写版)第12話の感想記(DVD鑑賞レビュー)です。
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今回のセーラー解説は美奈子です…。
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「プリンセスを狙う敵は、セーラームーン達を操ってあたしを倒させようとした。あたしは、プリンセスとして、ずっと一人で戦ってきた。それは、使命を果たすのにどうしても必要だから。歌の仕事も戦いも、どっちも頑張ってきたつもり(←確かに、やたら仕事してましたなぁ…)…。でもぉ…初めてセーラームーンである月野うさぎ(←いきなり初対面での「愛野美奈子〜っ!」のお返しに、この場を借りてフルネームで呼び捨てです)と会って……なんだか、むなしくなって…」(←挙句の果てに「むなしい」とか言っちゃってます…えらい言われようですが、美奈子のこの解説の回想シーンによると、彼女の中でもやはり、「ああ〜〜もうどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようど…」(←これが一番の決定打だったようですな…だから6回ぐらいで止めときゃ…)。
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しかし、この美奈子のセーラー解説は、結局のところ、前回のあらすじを分かりやすくなぞってるにすぎませんなぁ…。我々が最も知りたい肝心な部分に関しては、やはり、「使命を果たすのにどうしても必要だから」という言い方でほのめかすに留まってます。…では、ここで美奈子が言ってる「使命」とは一体何なのでしょうか? Act.3の「第1回、セーラー戦士クイズ〜!」によれば、「四人のセーラー戦士の使命はあ?」、「プリンセスと幻の銀水晶を探し出して守ること」であり、「人間のエナジーを奪う妖魔と戦うこと!」はそれに付随する項目でしかありません。ただし、それはあくまでもセーラー戦士側の「使命」であり、彼女達から守られる立場にいる「プリンセス」側の「使命」は、当然、他の戦士達とは違います。つまり、「使命を果たすのにどうしても必要だから」「プリンセスとして、ずっと一人で戦ってきた」と言うだけでは、結局具体的な事は何一つ言ってない事になりますから、つまりこれは、『まだ何か訳がある。まだ何か隠してる』と、自ら遠回しに告白してる言い方なんですね。これは実写版特有の、非常に巧みな「ほのめかしのレトリック(修辞=表現方法の技法・技巧)」であります。
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オープニング開けは十番病院…。
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美奈子の服が替わってるので、日付が変わってますな。前回は白いセーター(?)の上に黒系の上着でしたが、今日はその逆で、黒いセーター(?)の上に白系の上着です。ナニげにどっちも白と黒のコーディネートで、セーター(?)のデザインも両方ともアルファベットのロゴ系だったので、最初、服が替わったのに気付きませんでした(←ワシャ元々、その手のコトに疎い野暮な男なんでねぇ…)。で、美奈子はまだ「ナコナコのクリスマス・バージョン」のデザインの続きをやってますね。ところで、ナコナコのヒゲは、やはり最初の口全体を覆うタイプに決定したようですな…今は帽子の色を青にしたり赤にしたり…また青にしたり赤にしたり…また青にしたり赤にしたり…(←ってそれはどう考えても赤でしょ?…サンタさんなんだから…)…と言うより、要するに、ぼーっと考え事しちゃってて、心ここにあらず…というコトのようです。
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ちなみにこの仕事は、スケジュール帳に「19日(金)〆切日」と書いてありましたから、今日がその「〆切日」というコトになり、つまり前回の翌日です。つまり今日のこの時点は、劇中カレンダーでは今回Act.12の放送日の前日に当たります。
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そんな美奈子に、またしても神のお告げ(←暫定アルテミスの声)が語りかけます…「美奈子…戦いが嫌になったのか?…セーラームーンがどんな人間だろうと(←もうボロクソですな…)、君にはプリンセスとしてやるべき使命がある」(←アルテミスもやはり、「プリンセスとしてやるべき使命」という言い方で、具体的な事は何一つ言いませんねぇ…)。すると美奈子は、「ちょっと…一人にしといて…」とつれないお返事…するとブラインドの外のアルテミスの影が、「…わかった…」と言って、ひょこひょこと去って行きます…(←このアルテミスは、今までのところずっとシリアス系キャラでしゃべってただけに、ナニげにこの去り際のこのチープな動きは、とってもナイスでした♪)。
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「……」。で、「一人」になった美奈子の後ろ姿を、カメラが部屋の奥から映し出します…画面手前にはソファが映され、その左端にはあのでっかいクマさんのぬいぐるみが座ってて、その真ん中には、いつもそこを指定席にしてる社長さんの姿がないコトが暗示されます。
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ちなみに、今日のベッド脇の台の上は、閉じられた状態のバインダーノートと、その横に色紙が数枚置かれてます(←これはスケジュール帳には書いてませんでしたが、前回の一昨日のシーンで社長さんが口頭でスケジュールを説明してた中には、「サイン・プレゼント用の色紙」として含まれてました)。
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そんな美奈子の許へ、妖魔に取り憑かれた社長さんが迫ってまいります…。
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病院の暗い廊下に、『社長さん妖魔』の不気味な笑い声と、足音が鳴り響いております…。
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それはそうと…これはどう言うコトでしょうか?…ナンで昼間なのに廊下が暗いんでしょうか? いつしかもう夜になってるんでしょうか? それとも単なる照明効果でしょうか?…て言うか、この照明もそうなのですが、どう考えてもこの社長さんだけ、前回のラストから、完全に話の流れの時系列から外れちゃってますねぇ…。と言うのも、前回社長さんは、最後の方でいきなりこの赤いジャケットに着替えて病院に現れ(←これは社長さん的には日付が変わった事を意味してます)、それで妖魔に取り憑かれてましたが、しかしその直後に映し出された美奈子は、まだそのまま「18日(木)」時点の服を着てました(←つまり美奈子的には日付が変わってません)。ところが、今回はもう美奈子は今日「19日(金)〆切日」の服装になってるのに、社長さんは赤ジャケットのままです???…これはおそらく、社長さんはオシャレな人なので、昨日の時点で一度家に帰り、ひとっ風呂浴びて着替えてから、美奈子を泊り込みで看病(←監視?)するために病院へ戻って来て、その足で妖魔に取り憑かれ、そのままの状態で、翌日に備えて病院内に潜んで夜を越した、ってコトになるんでしょうかね?…で、今歩いてる社長さんの廊下の照明が落ちてるのは、『妖魔が来たぞぉ〜』的な演出効果なんでしょうかね?…(←そうだっ、きっとそうに違いないっ!)。
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ところ変わってクラウンにて…。
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全員揃っております…みんな私服姿です…やはり、みんなもう冬休みに入ってるようですな…。で、いつものようにセーラー・ミーティングです。
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「まいったね…、敵がセーラーV狙ってくるなんて…。向こうもプリンセスだって思ってたわけだ…」。「タキシード仮面もぉ、プリンセスのコト知ってそうだったよね?…『色々と教えてもらおうよ!』」。「泥棒の事はどうでもいいよ…」(←出たっ! どろぼう嫌い)。「ひどーい!…」(←まこちゃんに食って掛かる)。「オット!…」(←イスから立ち上がって避ける)…その後、後ろで追いかけっこして戯れるミーハー組⇒「ちょっとぉ〜っ!」。「こっちこっち!」。「もぉ〜まこちゃんっ!」。「やだよ!」。「待てぇ〜っ!」。「○×△□…!」。「もぉ〜っ!」。「こっち!」。「まこちゃぁん!」…等々…。
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一方、そんな二人を完全に無視して会話を続けていたマジメ組⇒「私達で、セーラーVを守らなきゃ」(←ノーマル・バージョン)。「でもぉ…セーラーVがちゃんと名乗って正体明かしてくれなきゃ、やりにくいわ。どうして言ってくれないのかしらね?」(←この人は、ナニげにいちいち鋭い疑問を提示しますな)。レイちゃんにそう聞かれて亜美ちゃんは、「私達にも知られたくない何かがある…とか…」(←で、この人は、いちいち鋭い回答を出してきますな)。
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「ああっ!」(←で、この人は、いちいち戦士の自覚がありませんな…)。「どうしたの!?」。うさぎちゃんはいきなり自分のバッグをあさり始め、「昨日もらった愛野美奈子のサインがないっ!」。「…」。「…」。「…」。「はぁ…」(←ってアンタ、人のコト言える立場かっ!)。「はぁ…」(←言える立場)。「はぁ…」(←以下同文)。「たぶん美奈子のところだよっ! ちょっと取ってくるっ!」。「はん…?」。うさぎちゃんは上着をひっつかんで、一目散にルナカラを飛び出していきます。
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「ホンット緊張感ないんだから…」。「ま、ある意味大物かもね?」。「かもね」。「そうだね」(←この人だけマジで言ってます…)。でも…そういうオチでいいんですか?(←いいんだっ、きっといいに違いないっ!)。
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十番病院にて…。
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美奈子はパソコンに向かって、ナコナコのデザインとにらめっこしております…(←でも、ナコナコの帽子の色が青になったまま止まってます…つまり、完全に別のコトを考えちゃってる、というコトですな)。とそこへ、ドアがいきなりばっ!と乱暴に開き、社長さんが入って来ます。すると美奈子はすぐに立ち上がって、「あっ、社長?」と言います。そうなんですよね…ナニげにこの社長さんは、一昨日も美奈子の病室にノックもせず入って来てましたねぇ…普通なら考えられないコトですが、どういう訳かこの人だけはそれが許され(←きっと、有能なオカマさんだからなんだろうなぁ…)、そして美奈子も、どうやらそれによって、入って来たのが「社長」だと、すぐに分かるようなのです…。
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では、仮にこの社長さんが普通の男性で、一般常識に則ってノックする人だったらどうでしょう? 妖魔はいちいちノックなんかして入って来ませんから、美奈子は決して「あっ、社長?」とは言わず、すぐに怪しい気配に気付いて臨戦態勢になってるはずなんですね。
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ところが、よく見ると、社長さんの様子がどこかおかしい…「……『やだ、今日の社長…なんだか男らしくてステキ…』」…などと思っていたら、いきなり社長さんの手から白い触手が飛び出して来て、一瞬にして美奈子を縛ってしまいます…「!!」。「セーラーV…、いやプリンセス!」。「まさか! 妖魔?!」(←なので、ここで気付く事になる訳です。それに、美奈子自身は、実際に妖魔と戦うのはこれが初めてのはずです)。「幻の銀水晶はどこだ…」(←触手を巻き寄せる)。「知らない!」(←え?! 知らないの…?)。「お前が持ってるんじゃないのか!」。「…」。「お前がプリンセスなんだろっ!」。あれ?! ナンだ?! 美奈子はなぜ否定も肯定もしないんだ???
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ここで美奈子はきらりんっ!と『Vちゃんカッター』を取り出し(←すげぇな、一体どういうシステムになってんだ?!)、それでしゅぱっ!と触手をぶった切ります。「うわっ」。社長さんは「逃がすかぁっ!」と美奈子につかみかかりますが、美奈子は身を翻して体を入れ替え、「き、さ、まぁ〜!」と向かってきた社長さんに、「は!…『美奈子キーック! 日頃の恨みで躊躇なしっ!』」と思いっきりケリを食らわしてぶっ飛ばします(←いいのか?! 取り敢えず一応社長だぞ…)。社長さんは「う゛わ゛ぁっ!」と思いっきり壁に激突し、どんがらがっしゃんっ!と壁にめり込んじゃって、壁と一緒にその場に崩れ落ちます(←こりゃ普通なら即死モンだが…)…し、しかしこれはっ!…やはり美奈子の運動神経は、変身してなくても常人離れしてますなっ!
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美奈子はホッと一息つきますが、うつぶせに倒れて死んでる社長さんの首が突然ぐるりんと回って目がぎろりんと睨みつけます。「!!…『ちっ、生きてたか社長…』」。美奈子は、『生身のままじゃ倒せない』と判断したのか、はたまた、この建物の作りが意外と脆く、『コレじゃ思いっきり戦えない』と判断したのか、取り敢えず病室を飛び出してこの場は逃げます。
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しかし、とっさの出来事だったので、美奈子は帽子も被らずに病室を飛び出してしまい、廊下ですれ違った人に「あっ愛野美奈子だ!」(←ってオマエ医者だろがっ!)と叫ばれてしまいます。そのせいで、デイルームにいた人々から、「美奈子ちゃん!」。「愛野美奈子だ!」。「美奈子〜」等々と騒がれてしまい、思いっきりみんなから振り向かれちゃってるので、これじゃ逃亡ルートの痕跡残しまくりです…(←しかし、医者から看護婦からこの様子じゃ、やはり前回ワシの睨んだ通り、美奈子の入院はトップシークレットだったんだな。だから社長さんもマネージャーさんも、面会時間とは関係なしに、特例で自由に出入りできてたのに違いない)。
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で、美奈子は、自慢の快足を飛ばして階段を駆け下ります(←前回も検証した通り、当然、逃げるなら迷わず階段です)。
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一方病院の外では…。
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うさぎちゃんが病院にやって来ますが、どうやら昨日の一件があったせいで、美奈子がこの病院に入院してるという噂を聞きつけたらしきファンの人々が、入り口を取り囲んで大騒ぎしちゃっております。それを二人の警備員さんが対応して押し留めてるのですが、ファンの人達は、なにやらメッセージを書いた紙(←ダンボールの切れ端に画用紙を貼り付けてるヤツも…)を、それぞれプラカード代わりにして掲げております…(↓)
1.
白い厚手の画用紙に「MINAKOちゃん 早くよくなってね!」と書いて掲げてる男…(←安心しろ。ほとんど仮病みたいなモンだから)。
2.
同じく白い厚手の画用紙に「美奈子 がんばって!」と書いて掲げてる男…(←大丈夫。そりゃもう、お仕事は一杯こなしとるよ)。
3.
かなりでかいダンボールに「美奈子♥はやく元気になってー」(←一番下の左半分が見切れてて、右半分に「01123」という数字が見えるが、それはナンだ?!)と書いて、最前列でへらへらしてるオヤジ…(←心配するなオヤジ! 美奈子はもう、事務所の社長にケリ入れて病院の壁を壊すくらいすっかり元気だからっ!)。
4.
…あとは、花束を持って見舞いさせろと要求してるらしき女の子が数名…
5.
色紙を掲げて入院患者にサインを要求してるずうずうしいおばちゃん…
6.
カメラを構えて写真を撮ろうとしてる不届きな野郎…
7.
四角いダンボールにナコナコの絵を書いて顔の部分を四角く切り抜き、そこから自分の顔を覗かせてる男(←オマエの目的は一体ナンなんだっ?!)…
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…等々…(←どうでもいいけど、男はオヤジみたいのが多いな…)。
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で、このパニックの原因を作った張本人は、その群れの外から、懸命に『うさぎちゃんジャンプ』で入り口の様子を窺っております…「これじゃ美奈子んトコまで行けない…」。そこで、急にナニかをひらめいたうさぎちゃんは、ケータイを取り出してニコッとします。
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そうです…前回うさぎちゃんは、下っ端ナースの「春谷」さんに成り済まして失敗してるので、今回は一気にランクを上げて女医さん(←名札が読めんが、やはり「月野」でないのは確か)に成り済まして再び病院に潜入します(←「あたしだって学習するんだから!」⇒Act.7より)。で、今回の『うさぎちゃん女医さん』は、さすがに前回の看護婦さんに比べればずっと大人っぽいですな(←これならワシも、注射器向けられてもぜんぜん問題ないです…て言うか、きっと注射も痛いと感じないコトでしょう)。すれ違った看護婦さんも、普通にお辞儀して通り過ぎて行きます。
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ちなみに、この時、後ろに見える部屋のドアの横に、「MRイメージング室(MRI)」の表示があるのですが、ワシが前回苦労して書き写したこの病院のフロアマップによると、これは、うさぎちゃんがまだ1階にいる事を示しております(←外の景色もここが1階である事を示してますから、あのフロアマップは、けっこうこの当時の状況と一致してそうです)。
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するとそこへ、またしても10階から一気に駆け下りてきた美奈子が、うさぎちゃんの目の前を通り過ぎて行きます(←車椅子を押されてる患者さんがさっきと同じ人ですから、ここは1階です)。「あ…」(←今回はさすがに、昨日みたいに大騒ぎしませんでしたな)…そしてまたしても、美奈子に続いて社長さんが駆け抜けて行きます…「美奈子、昨日も社長さんから逃げてたけど…。…あぁっ、そっかぁっ!」…『うさぎちゃん女医さん』は、またしてもナニやらひらめいてしまった様子で、すぐに駆け出します。
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ひたすら病院内を走ってる美奈子…。
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すると、その美奈子の腕が、いきなり何者かに横からがっ!とつかまれ、「はっ!」…部屋の中に引っ張り込まれてしまいます。
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ちなみにこの瞬間、美奈子が引っ張り込まれた部屋の向かい正面に、「ICU」(←集中治療室)という表示が見えるのですが、これは、ワシが前回苦労して書き写したこの病院のフロアマップによると、ナンと、5階ですっ!…そうです…ナンと美奈子は、今度は1階から5階まで上がって来ちゃってたんです。これはおそらく、出口がファンの群れで塞がれてしまってたので、それを見て美奈子は急遽方向転換を図り、そのままの勢いでここまで来ちゃった…って訳ですな…(←あのフロアマップ…苦労して書き写しといて良かったぁ♪)。
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すると、美奈子を追って来た社長さんもそこにやって来るのですが(←どーでもいいけど、その手の格好は??昨日のマニキュアがまだ乾いてないのか?)、美奈子を見失ってしまい、走るのをやめて、廊下を歩き出します。そして社長さんがその部屋の前を通り過ぎようとした瞬間、その部屋のドアが開き、ものすごく間の悪いタイミングで、ものすごく場違いな『うさぎちゃんサンタさん』がソリを引いて出て来ました…。
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しかしそれにしても、10階から1階まで駆け下り、そこからまた5階まで一気に駆け上がる美奈子もスゴイが、それにピッタリと追走してくる社長さんもスゴイな…しかし、それよりももっとスゴイのはうさぎちゃんだな…なんたって、それを先回りしてサンタさんに変身して待機してたんだからな…どうでもいいけど、うさぎちゃんはなぜ、美奈子が5階に来るコトまで予想できたんでしょうか???…⇒「それは私が戦士だからよ!」(←かつて彼女が…、真の意味で…、紛れもない主役だった…、あの遠い日のAct.1より…)。
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社長さんは、「…『なんじゃこりゃ?』」みたいにそれを見やりますが、すぐにやり過ごして通り過ぎて行きます。『うさぎちゃんサンタさん』は、「…『しめしめ…』」みたいに微笑んでおります…。で、そのソリの上には白いプレゼント袋が乗ってて、さらにその袋の中には、「……『なんでやねん…』」みたいな顔しちゃってる美奈子嬢が…。
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社長さんがそのまま角を曲がって行くのを確認すると、『うさぎちゃんサンタさん』は思わず「やったぁ!」とガッツポーズ!…ところが、その声が聞こえちゃったのか、いきなり社長さんが戻って来てしまい、「ま…、まぁてぇ〜〜っ!」と歌舞伎のような大見得を切ってから、また追いかけてきます。「きゃあ!」。
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ちなみに、今回Act.12の放送日は『12月20』で、劇中の今現在の日付がその前日なので、要するに、いずれにせよクリスマス・イヴを4、5日前に控えた時期に当たるんですね。なので、このシーンに映ってる「ナースステーション」のカウンターにも、クリスマス飾りの小さなもみの木が置いてありますね。
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その後、うさぎちゃんと美奈子は元の姿に戻って病院の裏口から外へ駆け出し、社長さんもそれを追って来ます…「まてぇ〜〜っ!」。
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二人は、そこにちょうど通りかかったタクシーを「ストップ! ストップ〜っ!」と呼び止めて乗り込みます。社長さんもタクシーを止めようと後方を振り向きますが、そんなタイミングよく来る訳もなく、すぐに自力で追い駆け出します。二人は間一髪で社長さんを振り切り、ついに脱出に成功します。
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タクシーの中にて…。
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「はぁ〜、逃げられた…」。車内でホッと一息つくうさぎちゃんですが、ふと気付くと、席のど真ん中に座っちゃってて、左隣の美奈子と密着しちゃってます。で、うさぎちゃんは思わず恐縮してしまい、慌てて右側の席に移動します(←昨日よりも、ずっといい子じゃないか…それにも関わらず、その間の美奈子の、あからさまなシカトっぷりときたら…)。
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で、うさぎちゃんは美奈子に、「あのぉ…、どうもっ…!」と、ここでご挨拶…というコトは、さっきは状況的にそれどころじゃなかったようですな。「…どうしてあそこに…?」(←5階に?って意味?…まさかね…)。「私、サインしてもらったノート忘れちゃって…、取りに行ったら、ちょうど…」。「社長に、怪しい気配を感じた訳ね?」(←美奈子としては、どうにかしてうさぎちゃんを高く評価したいらしい…)。「えっ? ン、気配とかじゃなくてっ、よく、マンガでアイドルが脱走するのありますよね?(←そんなマンガあんの?)自由な時間欲しくて。アレかなぁ〜って…(←ナニげにそれって、「ローマの休日」とかじゃなくて?)。一緒に体験できるなんて、もう感動ですっ!」。
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それを聞いて美奈子は、「…(心の声→)あれだけ強い気配だったのに、妖魔かどうかも分からないなんて…、信じられない…」(←だって実際、区別つかねーぞアレじゃ…)…美奈子は顔をそむけてしまい、車の窓の外に目をやります…。で、一方のうさぎちゃんはと言うと、「…(心の声→)し〜んじらんなぁ〜いっ! 美奈子と二人っきりだよっ! お礼に食事とか言われたら、ど〜しよ〜〜っ!」(←相変わらず能天気で前向きな発想ですが、密かにワシは、それに見合うだけの超人的な活躍だったと思っとるよ♪)。
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一方こちらは、ダーク・キングダム音楽室…。
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ネフライト:「ゾイサイト…、なぜセーラー戦士どもを追い込みながら、途中で引き上げた?…」。ゾイサイト:「…あの瞬間…、なにか思い出した…(←その時に見た、例の映像を思い出してます)…あれは……」。そう言ってゾイサイトがピアノの鍵盤に手をかけると、ネフライトが、「プリンセス潰しも、お前には荷が重過ぎるのではないか?」(←どうやらネフライトは、ここぞとばかりにイヤミを言いに来たようですな…)。「…ならばお前がやればいいだろう…。できるかどうかは知らんがな…」(←そんなネフライトに、ゾイサイトは、鼻で笑うようにあっさりと言い返しました)。そう言われてネフライトは、わなわなと震えだしてピアノの鍵盤をガーンっ!とぶっ叩き、その場を去って行きます(←コイツは、将来必ず暴力亭主になるタイプだな…)。
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しかしゾイサイトは、そんなネフライトなど全く気にも留めておらず、黙って前を見たままピアノを弾こうとします…が、突然弾くのをやめて、鍵盤の上に手を下ろしてしまいました…「……」。
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で、こちらは、そのゾイサイトに思い出されたらしき地場衛くん…。
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地場衛が、自分の部屋のソファにふんぞり返って目を閉じております(←ところでこの部屋って、ナニげに一軒家なのかマンションなのかも分かりませんねぇ…まあ、見た感じマンションっぽいですけどねぇ…)。地場くんは、別に居眠りしてた訳じゃないみたいです…なにか考え事してたようです…で、ふと目を開け、昨日のゾイサイトとの一件(←バロムクロス)を思い出しております…「幻の…銀水晶を…お願い…」っていつものアレです…。「…プリンセス……だと思った…。…でも…どうしてそんな事を…。…いったい…誰の事なんだ!?」。
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前回も書きましたが、ゾイサイトとタキシード仮面が触れ合った瞬間、タキシード仮面は、この夢の中の女性を「プリンセス」だと思い、一方のゾイサイトは、夢の中の男の事を「知っている」と思いました…てコトはつまり、ゾイサイトには、夢の中の男とタキシード仮面がハッキリ同一人物だと特定できた事になるのですが(←まあ、もっともゾイサイトの場合は、美奈子を見ただけで、「だが…、感じたぞ…、セーラーVを…」ってなるくらいですからねぇ)、一方の地場衛は、おそらく前回、セーラー戦士サイドとダーク・キングダム・サイドのやり取りから、「セーラーVが、プリンセスかもしれない」という情報を入手したにも関わらず(←って、あくまでもワシがそう睨んでるだけですが…)、普段から、散々痛い目に合わされてるセーラーVが、その「プリンセス」だという感じは全く持ってないようですな。
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…地場衛はソファから立ち上がろうとしますが、その瞬間、「あっ…」と急に頭を抑えて止まってしまいます…「…『ウゥっ…まだ気持ちワリィ…。二日酔いならぬ…二日ゾイ…ってか?』」。
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※ ちなみに、このシーンで、テーブルの上にノートパソコンが閉じられた状態で置いてあるのですが、実はこれ、DVD第3巻の映像特典に収録されてる「未使用シーン」で、ちゃんと使われてるんですよね。地場衛は、クラウンの亜美ちゃん同様、これでインターネット上にあった「星のまつり」のサイトを見て、「…セーラームーン達と…、Vは…、セーラーVか…」とつぶやいて何か考え事を始める…というシーンがあったんです。で、地場衛がこのサイトを見たという事は、彼もまた、「セーラーV」で検索して彼女に関する情報を調べてた事を意味してます。と言うコトは、あの時のタキシード仮面は、いつものようにセーラームーンを助けに来たというよりは、彼は彼で「セーラーV」を追っていた、という事になりますねぇ…。でも、これはちょっと不思議というか、奇妙というか、腑に落ちないですよねぇ…なぜなら、あくまでも裏設定ではありますが、彼はセーラーVの正体が愛野美奈子だという事を知ってる訳ですから、それでいて、タキシード仮面にとっての天敵である「セーラーV」を彼が調べるのは当然としても、それで、わざわざ自分から出向いて会いに行く理由などあるのでしょうか?(←放っといたって、泥棒すりゃ向こうから会いに来てくれるんですからね)。このようなシーンは、深く考え出すと頭がこんがらがってしまうので、ワシとしてはカットしてもらって正解です…なので、本編を検証する上では、ワシはこれを見なかったコトにしたいと思いますっ♪
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こちらは、うさぎちゃんと美奈子…。
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結局、うさぎちゃんへの失望感を増してしまった美奈子は、タクシーを降りるとすぐに、そっけなく「それじゃ…」とさっさと行ってしまいます。「え?……あ…」…うさぎちゃんは、このあと、勝手に「食事」まで期待していただけに、意表を突かれて、ろくに挨拶も返せませんでした。で、すたすたと去って行く美奈子を見ながら、「…だよね…。せっかく、自由になったんだし…。はぁ…」。
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で、うさぎちゃんもナニげに歩き出すのですが…、「…いやっ、ダメだってっ、跡なんかつけちゃ、ダメっ!」(←てコトは、跡つけてんだな…)。
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さらに、「…後ろ姿もカッコイイ〜…!」と、きわめてデカイ独り言…。すると、それが聞こえたらしく、美奈子が「!」と振り返り、「なにか…?」。「ごめんなさいっ! ナンか、足が勝手に…!」(←自分の足をピコピコ叩き始める…)。「…(心の声→)もうイヤ…、…ホントにこの子がセーラームーンなの?!」(←たぶん、間違いないんじゃないかと思いますが…)。
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するとここで、うさぎちゃんが、再び歩き出した美奈子に向かって、「あの!」と声をかけます。美奈子は歩きながら、首だけ後ろに向け、「サインなら、今度マネージャーに届けてもらうから!」。「そうじゃなくて…あぶないっ!」。ドカッ!「!!」…ナンと美奈子は、ペンキ塗りたての看板に背中をぶつけてしまいました。「ダイジョブですか!?」。美奈子は、自分の背中についた『水色』のペンキを見てます(←そうです…この色は、いつでもうさぎちゃんの味方をするのだ…)。「…(心の声→)うわ〜っ、美奈子もドジ踏むんだぁ〜♪」。「…『って、アンタが呼んだからだろがっ!』…この辺、詳しくなくて…(←ええ?! じゃ、なんで「この辺」でタクシーを降りたんだ? 降りる場所は美奈子が自由に選べたと思うのだが…。う〜む…たとえば、社長がアレじゃ事務所には行けないだろうから、だとしたらあのまま自宅へ向かってもいいはずだし、もしくは、うさぎちゃんちが近いのだから、先に彼女を送って降ろしても良かったはず…。でも、いずれの選択肢も選ばなかったと言うコトは、つまり、うさぎちゃんへの失望がそれほど大きくて、『もうこの子と一分一秒でも一緒にいたくないし、自宅の場所も知られたくない』と、衝動的にタクシーを止めて降りちゃった…ってコトになりますな…)、服、替えられるようなお店、あるかな?…『テメ、責任とれよ』」。「あります! あります! すっごくいいトコっ!…『ラッキ〜っ♪』」。
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…という訳で、洋服屋さんにて、『愛野美奈子ファッション・ショー』の開催です…(↓)
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シャ〜っ!(←更衣室のカーテンが開く音)…美奈子が着てる服については、ワシに説明は無理なのでパス…とにかく花柄だ…「うわぁ〜…」。
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シャ〜っ!(←更衣室のカーテンが開く音)…美奈子が着てる服については、ワシに説明は無理なのでパス…とにかく黒だ…「かわいい〜っ」。
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シャ〜っ!(←更衣室のカーテンが開く音)…美奈子が着てる服については、ワシに説明は無理なのでパス…とにかく白だ…「すてきぃ〜っ!」(←ぱちぱちぱちぱち…!)…と大喜びのうさぎちゃん…。しかし、やっぱりこの人、スタイルいいから着こなしがカッコイイなぁ…この人もファッション雑誌のモデルさんをやってたらしいが、ワシ、グラビアよりもそっちの方がずっといいと思うけどなぁ…(←って、ちなみに彼女のグラビアは、写真集の表紙をネット上で見ただけなんですけどね…。ワシもこの歳だと、もうすっかり「父親(ちちおや)」目線で、それにワシ、なぜかセーラー戦士に対してだけは、不思議と「オヤジ」目線になれないんですよねぇ…)。
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で、結局、三番目の白いふわふわのヤツが気に入ったようで…(←って、ワシ、美奈子に見とれてすっかり見落としてたが、そもそも上着だけ替えりゃいいんじゃないのか?! 全身すっかり着替えとるじゃないかっ! それとも、やっぱりアイドルたるもの、中途半端なコーディネートじゃ表は歩けんのか? アイドルって大変だなぁ…ワシなんか、平気でジャージで外出歩いとるが…)。でも美奈子は、いったんうさぎちゃんに背を向けて、満足そうに鏡で確認したあと、すぐに、その鏡の反射越しにうさぎちゃんを見て、ナニかタメ息をつくように浮かない顔をします…「……『そもそも、コイツのせいで余計な出費を…』」。
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お会計も済んで(←たぶんカードだろうなぁ…)、さあ帰ろうかという時、店員さんが、「こちらは?」と言って、美奈子の着てた洋服セット一式を紙袋に入れて差し出します。「捨てといてください」(←ええ〜っ?! セーターとかスカートとかはぜんぜん汚れてないのにか?! アイドルたるもの、服はあくまで一回きりの使い捨てなのか?! それとも、『こんな縁起の悪い服、もう見るのもイヤ!』って感じなのか?!)。「えっ!? じゃあ、私がもらいますっ!」(←そうだっ! もらえもらえっ! それが『モノを大事にする庶民』の心意気ってモンだっ!)。「いいけど、よごれてるよ…?」。「そこがいいんですっ! うわぁ〜♥」(←って、やっぱりそっちかよっ! こりゃ一生洗わねー気だな…)。
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すると、また別の店員さんが来て、「お客様、外にファンの方が集まっていらっしゃいますが…」(←って、「いらっしゃいますが」、どうしろってんですかね?)。「ええ〜っ!」(←たぶん、この人がまたわーわー騒いでたせいかとも思われますが…)。「あ、そうですか」(←でもこちらは全く意に介してない様子)。
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で、うさぎちゃんはそこでまた、ナニやらいらんコトひらめいてしまった様子で、いきなり自分の頭のお団子をほどき始め、ペンキのついた美奈子の服を身にまとい、美奈子が今被ってる、新しく買ったばかりの帽子を勝手に引ったくり、「!…ナニするの?」。「私が引き付けますから、そのあいだに逃げて下さいっ!」(←これはまさに、Act.9の時の『タキシードうさぎ仮面』と同じ発想ですな)。「そんなコト、しなくていいのに…」。「この先の、観覧車がある広場で待ってて下さい!」と言って、入り口に群がってるファンの間を強行突破して行きます。するとファンの人達は、ナンと、外から丸見えの美奈子本人をそっちのけで、あろう事か、うさぎちゃんの方を追っかけ始めちゃいました。ナンでしょうか? これは一体どう解釈すればいいんでしょうか? 考えられるとしたら、この人達は、美奈子本人よりも、美奈子が着てた服を略奪したうさぎちゃんから、さらにそれを略奪して自分のモノにしようとしてるとしか思えません(←ファン心理というのは、実に恐ろしいモノです…)。てコトは、おそらくこの人達は、美奈子がペンキ塗りたての看板にぶつかった結果あのお店に入ったのを見て、すぐに近所の文房具屋さんかなんかで色紙を買って来て、それでぞろぞろと集まって来たんでしょうな。
★
ちなみに、この時、美奈子の全身が映されるのですが、まさかとは思いましたが、やっぱり靴まで買い替えちゃってましたねぇ…(←スニーカーから黒いハイヒールのブーツに…)。これは要するに、このお店で服を買うからには、スニーカーを基準にしてカジュアルにコーディネートしてくのが不可能な品揃えだったので、結果的に全て買い替えなければならなかった、ってコトなんでしょうなぁ…実際、見たところ、このお店に置いてある服は、全てそんな感じですからねぇ…。
★
で、そんなうさぎちゃんを見て、美奈子は、「裏口があるのに……ホントにバカ…『フッ…バカもここまで来ると、可愛いものね…』」(←ナニげにこの展開は、Act.4で、あのセーラーマーズを落とした時と同じパターンでしょうか? つまり、あの時のマーズ同様、このシーンのこの笑顔は、一筋縄ではいかない、とっても難しい笑顔…というコトですかな…)。
★
★ ★ ★ ★ ★
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で、なんだかんだと街中を駆けずり回った挙句、ついにファンに取り囲まれてしまったうさぎちゃん…。
★
ところがここで、ワシがさっき立てた仮説「美奈子グッズ略奪説」が、ものの見事に覆されてしまいます。どうやらこの人達は、本当に美奈子本人と勘違いして追っかけて来たらしく、帽子で顔を隠してるうさぎちゃんに向かって、一斉に「サインして下さいっ!!」と色紙やノートを差し出します。がしかしっ! しかしだっ! ワシの目はごまかされんぞっ!(↓)
1.
これはおそらく、最初に洋服屋さんの前にいた連中は、ワシの睨んだ通り「美奈子グッズ略奪」組だったのだが、そいつらは軒並みうさぎちゃんの脚力に付いて来られず、全員脱落し、今ここにいる連中は、それを本当に美奈子だと思い込んで途中から合流した「勘違い便乗」組なのだっ!
2.
実際、最初に洋服屋さんに集まってたのは全部で11人いたのに、歩道橋を渡った時点では、それがたったの4人に減ってて、そのうちの一人の男は、色紙を掲げながら「美奈子ちゃんサインください! 美奈子ちゃーん!」と叫んでます(←他の女性達はナニ言ってんのか分からん)。
3.
そしてその時橋の上にいた男二人が彼らに合流して走り出してます。
4.
さらに歩道橋を降りてからその下の横断歩道を渡った時点で、その人数がまた増えて9人以上になり、
5.
さらに、うさぎちゃんが何かの黒いモニュメント?(←「Masuo 91」って書いてあります…ひょっとして「池田満寿夫」さんという方の作品ですかね?)の陰に忍者隠れしてた時に、「あっ! 愛野美奈子だっ!」と叫んで二組のカップルが合流します。
6.
で、結局、最終的にうさぎちゃんを取り囲んだ人々の中に、最初に洋服屋さんの前にいた人は一人もいません。服も顔も全員違います(←つまり、この街の人々は、いつなんどき芸能人に遭遇してもいいように、常日頃から色紙を持ち歩いて生活してるようですな…そう言えば、まこちゃんもそうでしたっけ…)。
★
…でも…、本当に本当のところは、洋服屋さんのシーンと、うさぎちゃん逃亡のシーンとでは撮影日が違ったので、ちょうどエキストラの方々の人数も顔ぶれも全員違ってた…ってだけなんじゃないか?と言う説もない事はないですけど…まあどっちにせよ、ワシにしてみれば、とにかく結果オーライですかな…。
★
で、うさぎちゃんは、差し出された色紙の一枚とペンを受け取ると、そこにナニなら書き込んで、ひょいっとみんなに見せます…色紙には、「うさぎ」…の文字が…。それを見てみんなが「ええ…?!」と言うと、うさぎちゃんは帽子を取って笑顔を振りまきながら、「残念でしたぁっ♪」。一同:「……」(←口あんぐり…)。挙句の果てに、「ナニよぉ!」と怒って色紙をおっぽり投げ、「ふざけんなよぉ!」などと罵声を残しながら散って行きます(←色紙捨てるこたねーだろよ…)。「いらないの?! レアモノだよ!」(←確かに…しかし劇中の人々にとっては「レア」もヘッタクレもありませんからな…)。「…いいと思うんだけどなぁ…」(←ってナニが?)。
★
…さて、一難去ってうさぎちゃんがふと見ると、「ありがとうございましたぁ、おいしいケーキ、いかがですかぁ?」と、クリスマスケーキを店頭販売してる、サンタさん姿の売り子さんのお姉さんが目に止まります…。
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★ ★ ★ ★ ★
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で、こちらは美奈子…。
★
美奈子が、うさぎちゃんに言われた通り、「観覧車がある広場」で待っております…「……『て言うか、待つしかないじゃない…帽子取られちゃったんだからっ!…て言うか、もう一個似たようなの買っちゃったわよ…ぶつぶつ…』」。
★
そこへうさぎちゃんが、手を振って飛び跳ねながら無邪気にやってまいりました(←お団子も元通りにして、帽子も脱いでます)。それを見て、美奈子はニコッと微笑んでおりますが、実はワシ、最初見た時、この笑顔の意味がちょっとよく分かりませんでした…しかしこの直後の展開を考えると、やはりこれも、さっきの洋服屋さんの時と同じで、Act.4のマーズの時みたいに、一筋縄ではいかない笑顔だったのではないでしょうか?
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★ ★ ★ ★ ★
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二人は、観覧車に乗ってしばしの休息です…。
★
「大丈夫だった? 裏口から出れば良かったのに」(←それを言うなら、病院の中を逃げ回ってた自分もそうなんじゃないかと思うが…)。「あっ、そっか! でもアイドルになったみたいで気持ちよかったぁ。こういうの……ヒゲ武者っ!…でしたっけ?」。「…『ハゲ武者…もとい、』…影武者…」。「あっ、影武者…本当にやったら大変そうですよねぇ…」。「……」(←アイドルが大変なのか?影武者が大変なのか?…複雑な表情です(←微妙なんじゃないっ! 複雑なんだっ!)。
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うさぎちゃんは、「あっ、そうだ!…」と言うと、洋服屋さんの紙袋に入れておいたケーキの箱を取り出し、ひざの上でふたを開けます。中に入ってたのは、やや小さめのサイズのショートケーキが2個…(←ところが、さっきうさぎちゃんが飛び跳ねたせいで、哀れ…、一個は斜めに傾いて箱の壁にもたれ…、もう一個も箱の壁にぶつかった形跡があり…、側面の生クリームが削げちゃってます…おまけに、ナンとフタの裏側にまで生クリームが引っ付いております…)。
★
うさぎちゃんはその箱を美奈子に差し出し、「メリークリスマス、はいどうぞっ」と言います(←実はこの時、密かに、箱の中のケーキの位置が、最初と変わってるんですな。最初うさぎちゃんが箱を開けた時、ケーキは、我々から見て「▲▼」という並べ方で入ってました。しかし、うさぎちゃんが美奈子に箱を差し出した時、それは「▼▲」という風に並べ替えられてます。これは、うさぎちゃんが、美奈子が手前にある方を取り出しやすいように、先の細い角の方を美奈子に向けて入れ替え、箱の端に寄せたからなんですな。つまり、さっきケーキの箱を持ったまま飛び跳ねたのはおバカでしたが、これは、それを補って余りある、さり気ない心遣いです)。
★
ただし、ワシが睨んだところでは、撮影事情的には、ケーキの箱は少なくとも二つ、そしてケーキそのものの数は最低でも六つ用意されていたはずである。その理由は二つ考えられる(↓)
1.
ケーキは、実際はロケのために車で運ばれてるはずだから、万が一の場合を考慮して、少なくとも二箱分用意しておいた(←それとも、ひょっとすると、スタッフ全員がおやつに食べられるように、人数分あったのかもしれない)。
2.
うさぎちゃんは、箱を持ったまま思いっきり飛び跳ねてたが、実際にあの時、本当にうさぎちゃんは箱を持ったまま飛び跳ねていたはずである。なぜなら、ケーキの箱に残ってる生クリームの痕跡は、そうでもしなければあり得ないくらいにひどいものだったからだ。ところが、そのわりに、ふたを開けた時に映されたケーキの崩れ方は意外なほど少なかった。この時点で、うさぎちゃんが飛び跳ねた事によって見るも無残になったケーキが、やや型崩れしたケーキに入れ替えられていた事が分かる。そして、実際に彼女達が食べてるケーキは、全く型崩れしていないものである(←イチゴの形も違う。つまり、これを入れ替えた時に、ケーキの並びが「▲▼」から「▼▲」になっていたのである)。つまりケーキは、三段階に分かれたものが、少なくとも六つなければならないはずなのである。
★
美奈子は軽く微笑み、箱からケーキを一つ取り出します(←手に生クリームがついちゃったね)。「アイドルってお腹空きますよねえ〜」(←って、アナタはいつも腹空かしてナンか食ってんじゃん…)。ちなみに、洋服屋さんの袋の中に、美奈子から引ったくった白いふわふわ帽子が入ってるのが見えますけど、ちゃんと返すんでしょうね?(←美奈子が着てる服のコーディネートからして、そっちの方が合ってるはずだからね)。
★
「あたし達、同じ年でしょ? 敬語やめない?」(←これは、本来、立場が逆でなければならないと言う意味か?)。「えっ!?そんなコト言ってもらえるなんて…そんなっ!…でも憧れだから、私、ホンっっっトに大好きなんですっ!」。「そんなコト…、ホントはもっと大事なコトが…」(←徐々に雲行きが…)。「ぜんっぜんないです。愛野美奈子が一番なんです!」。「……『やっぱだみだこりゃ』」…みたいな感じで下を向いてしまう美奈子…。
★
すると、うさぎちゃんは、そんな美奈子は気にせず、ショートケーキを食べようとしてイチゴを摘まみ取り、それから横の美奈子を見て、いきなり、「!…ああっ!」。「!?…『え?! ナニ?!』」。「ケーキの食べ方一緒っ!」。見ると、二人とも左手にイチゴを摘まみ取って、ケーキを食べております…。すると、美奈子が微笑みながら、「イチゴは最後でしょ!」。「最後だよねぇ〜!」。「あはははっ!」。ナンと、ショートケーキのイチゴの食べ方が一緒という事で、いきなり一発逆転ホームランをかっ飛ばした月野選手っ! 相変わらずこの人の攻撃は、いつどこから飛んで来るのか分かりませんっ!
★
ちなみにワシは、イチゴは最初です。なぜなら男という生き物は、往々にしてすっぱいものが苦手…。甘いケーキ部分を全て平らげてしまったあと、万が一残ったイチゴがすっぱかった日にゃ目も当てられません…。したがってイチゴは、一番最初に生クリームをたっぷり付けて食べてしまわねばならんとです…これだけは譲れんですたいっ!
★
「こんなに笑ったの、久しぶりかもしれない」(←その笑い方が、「こんなに笑った」うちに入るなんて、そんなに辛い毎日を送ってるのか?)。「ええ?! そんなに大変なんだ…アイドルって…」(←まあ、アイドルの基本は、とにかく営業スマイルでしょうからねぇ…)。「…(心の声→)こんな風に笑ってもいいんだ…。戦士だって…、プリンセスだって…!」(←この「戦士」と「プリンセス」は、一体どっちがどっちを指して言ってんでしょうかね? いちいち含みを持たせた言い回しをしてますねぇ…。ちなみに、もう片方の「戦士」だか「プリンセス」だか分からない人は、横でバクバクケーキ食ってますけど…)。
★
するとここで、愛野美奈子さんは気分を良くしたのか、突然、日頃のボイトレの成果を、ちょこっとだけ披露して下さいます…「♪あさのほどーお、いつまでーもー、てをつーないだーよねー。わすれなーいかーらねー、いつかは、だきーしめーてねー♪」。「ああ! もしかしてそれって新曲?!」。「終わりっ、ショートケーキぶん!…『デカイのじゃなくて良かったわ…』」。「えぇ〜っ、もうちょっと聴かせて下さいよ…『せめて最後の、『♪きんーさーん見てーてー♪』…だけでも!』」。「ダメ!うふふ…『って誰が金さんじゃっ!』」。「うぅ〜ん、CD出るまで待てな〜い!」(←だだっこ)。
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一方、ダーク・キングダムでは…。
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ベリル様:「ゾイサイトの様子はまだ変わらぬか?!」。ネフライト:「はい。……何か思い出そうとしているような…」。「思い出す?…何をだ?」。「…わかりません…」。「ネフライト…、オマエはゾイサイトには近寄るな。たわ言を聞いてはならんっ!」。「は?」。「よいから行けっ!」。「はっ!」…そう言ってネフライトは去って行きます…。ベリル様は、ナニやら尋常ではない様子です…「…ゾイサイトが…!?」。
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★
そのゾイサイトは、やっと我に返ったのか、いつものように「幻想即興曲」を弾き始めました…
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…「…そうだ…。…遠い昔…、あれは…」。するとその時、ベリル様の声がゾイサイトの脳裏に響き渡ります…「ゾイサイト!…過去を見るな!…わらわを見よ!…わらわへの愛と忠誠だけを示せ!」(←このセリフもまた、後々の事を思えば、非常に多くの含みを持ったものだったのですが、当然の事ながら、最初原作を読んでなかったワシには、全くそんなの分かりませんでしたねぇ…いや、実際オドロキでした…)。ゾイサイトは両手で頭を抱えながら苦しみ始め、ばたんと手を下ろしてしまいます。
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★ ★ ★ ★ ★
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その頃ネフライトは、洞窟の通路を歩きながら、ぶつぶつ愚痴をこぼしております…「なぜゾイサイトの事などお気になさるのだ! 早くプリンセスを仕留めて、ベリル様のお心を、私に向けて頂かなくては…!」(←ってアンタ、それはゾイサイトの仕事でしょ? キミは銀水晶を探すためにプリンセスに近付いてるんじゃなかったのか?!)。
★
そこでネフライトは、美奈子にまかれて街を徘徊してるらしき『社長さん妖魔』に向かって、「妖魔よ! 何をしている! あばれろっ!」って指令を出しましたよ…(←ネフライト…キミって、そうやってテレパシーで妖魔に指示が出せたのか?…てコトはやっぱり、今までのキミの妖魔のおバカな戦いっぷりは、全部キミの采配ミスだったんだね…)。すると『社長さん妖魔』が、TPOなどまるでお構いなしで、突然、白昼堂々、手から触手を伸ばして道行く人々を襲い始めます…「片っ端からエナジーを吸い取ってやれ! セーラーVを、プリンセスを引きずり出せっ!」(←おおっ! ネフライトの妖魔も、エナジー集めをしようと思えばできるんですなっ!…基地に持ち帰れるかどうかは別として…)。
★
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★
するとそこへ、亜美ちゃんとレイちゃんがいち早く駆けつけます…「妖魔っ!」(←さすが、見た目ではだまされないレイちゃん。ところでこの二人は、偶然通りかかったんですかね? ナンたって同じ十番町内ですものね?)。ところで、どうしてまこちゃんがいないんでしょうかね?(←これは、ワシが思うに、まこちゃんはおそらく、うさぎちゃんが「たぶん美奈子のところだよっ! ちょっと取ってくるっ!」と言って出てったきりなかなか帰って来ないので、『心配だから様子見てくる』とか言ってまた病院に行ってしまったので(←それを口実にまた愛野美奈子に会えるし)、亜美ちゃんとレイちゃんは、そんなミーハー組なんか放って、先に帰宅の途についてた…ってコトなんでしょうな…)。
★
★ ★ ★ ★ ★
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こちらはうさぎちゃん…。
★
いつの間にか観覧車を降りて、いつの間にかその反対岸にいた二人ですが、どうやらうさぎちゃんのケータイに、亜美ちゃん達から召集コールがかかってたようです…(←で、なぜ、まこちゃんにはこの連絡が行かなかったのでしょうか? それは、やはりワシが睨んだ通り、ちょうどその頃、まこちゃんはうさぎちゃんの様子を見に病院に潜入してて、ケータイが使えない状況だったからですな。前回は美奈子の病室でケータイで連絡を受けてましたが、今回はおそらく、そういう状況にはいなかったのでしょう。たとえば、うさぎちゃん同様、今度は『まこちゃん女医さん』に変身したら、いきなり救急車で運ばれて来た患者さんのオペをやらされるハメになっちゃってたとか…)。
★
うさぎちゃんはケータイを切ると、「美奈子ちゃん、ごめんなさいっ。私、どうしても行かなくちゃいけない用事ができちゃって。一人でだいじょぶ?」(←この「だいじょぶ?」は、さっき「この辺、詳しくなくて」って言ってたからでしょうな)。「だいじょうぶ。ありがとうっ」。「こっちこそ、それじゃっ」…うさぎちゃんは、手を振ってから走り去って行きます(←ところで、美奈子から引ったくった帽子…返してねーだろ?)。
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美奈子は、そのうさぎちゃんの後ろ姿を見送りながら、「アルテミィ〜ス?」。…え?! 今ナンと?…あるてみぃ〜す?!…そのアルテミィ〜スが、「美奈子?」と返事だけすると(←なぜ姿を見せないんだ?!)、「私、ちょっと疲れてただけみたい…(←え? そう言うコトなの?)。敵は、プリンセスを探してるんでしょ?…行かなきゃ!」と言って走り出します。
★
…すると、ナンと美奈子は、走ったまま一瞬でセーラーVに早着替えっ!?…そしてあれ? 珍しく普通に走ってるっ!…と思ったら、走り去る後ろ姿のアングルでは、やっぱり『Vちゃん走り』にっ! 『きぃーんっ!』…。そうだっ、走れっ! 我らがセーラーVっ! その勇姿が見られるのも、たぶんこれが最後のような気がするぞっ!(←だとしたら、ちょっぴり寂しいな…ワシ…)。
★
※ ちなみに、このシーンの『セーラーV早着替え』が、一体どういうカラクリで行われたのか? 実はこれも、後日「アクト・ゼロ」によって明らかにされている…(←でもその詳細は、「アクト・ゼロ」を見てください。もしかするとワシは、番外編DVDについては検証しないかもしれないので…(←だって、ほとんど見たまんまだからなぁ…)、でもまあ、本編の最終回を更新し終えた時点で、またどうするかは考えたいとは思ってますけど…)って、前回も書いたっけね♪
★ ★ ★ ★ ★ ―CMタイム― ★ ★ ★ ★ ★
★
こちらはマーズとマーキュリー…。
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「待ちなさいっ!」…マーズとマーキュリーが社長さんを追いかけてると、いつの間にやら陽はとっぷりと暮れて夜に…(←ずいぶん走ってたんだねぇ…)。するとその社長さんの行く手に、突然うさぎちゃんが現れて立ちはだかります。「うさぎちゃんっ!」。ところがうさぎちゃんは、周りを見回して、「?…妖魔は?」。「えっ?!」。「ここにいるじゃないっ!」(←そうかっ! マーズとマーキュリーは、この人が美奈子の事務所の社長さんって知らないんだ)。すると社長さんは、男らしい野太い声で、「プリンセスはどこだっ!」と、うさぎちゃんに殴りかかります。うさぎちゃんは、「うそっ! 社長さん?!」と言って避けながら体を入れ替えます。「妖魔に操られてるのよ!」(←おおっ! スタントのお姉さんじゃないマーズが、蝶のように舞い、蜂のように刺すケリを食らわしたぞっ!)。「早く変身してっ!」(←おおっ! その背後で、スタントのお姉さんじゃないマーキュリーが、軽やかなステップでクルっと一回りしたぞっ!)。そして、スタントのお姉さんじゃないうさぎちゃんは、「ムーンプリズムパワ〜、メーイク・アップ!」と変身します(←って、これは当たり前か…)。
★
「愛と正義の、セーラー服美少女戦士、セーラームーン! 月にかわって」。「おーしおきよっ!」。きらりんっ!(←マーキュリーがメインでポーズっ!)。きらりんっ!(←マーズがメインでポーズっ!)。きらりんっ!(←セーラームーンがメインでポーズっ!)。
★
すると、「お前達には用はないっ!」と社長さんの体から妖魔が離脱し、社長さんはその場にバタリと倒れます(←そしてそのまま、社長さんは横に転がって画面上からはけて行きましたが、その後どこまで転がって行ったのかは不明…たぶん、そのまま病院か事務所か自宅まで転がってったんじゃないでしょうか?)。
★
その後、しばしの格闘のあと(←スタントのお姉さん達も大活躍っ!)、マーキュリーが妖魔の触手に捕らえられてしまいます(←ナニげにマーキュリーはこれが初触手ですが、なんでいつもマーキュリーばっか弱そうな展開にするんだっ!)。するとその触手を、マーズが得意の『マーズ・チョップ』でぶった切ります(←やっぱ、マーズが強い設定だからなのかっ!)。その直後、セーラームーンが「ムーンティアラ〜、ブーメラン!」を投げますが、妖魔はこれを軽く弾き返し、余裕のポーズすら取って見せます(←おおっ! ナニげにコイツは「シザーハンズ」だっ! でもその映画知らない人もいるだろうから命名は却下だっ!)。この妖魔は、なかなか強そうです…三人が後ずさりを始めちゃいました。
★
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その頃、ダーク・キングダムでは…。
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ゾイサイトがピアノの前で、ナニやらうつろな感じでおります…。「…ベリル様のために…、プリンセスの命を…」。そしてピアノを弾き始めますが、おや? この曲はいつものショパンではなく、ゾイサイト作曲の「プリンセスへのレクイエム」のメイン・パート(←名付けて、『セーラーVにピンポイント編』)ではないかっ!
★
★ ★ ★ ★ ★
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こちらセーラー戦士…。
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いつの間にやら、かなり劣勢に立たされてるらしく、逃げる三人を妖魔が追っております。ところでこの妖魔、シザーハンズばりのハサミの束みたいな手をしてる割に、それは特に武器としては使われず、ひたすら触手攻撃を仕掛けてきます(←しかもコイツは、かなり自由自在に触手を操るようです)…挙句の果てに、触手を使って長縄跳び攻撃だっ!(←もう片方の端は、きっとネフライトが持ってるに違いない)…妖魔:「はぁっ!…『♪おじょうさん〜、おはいんなさい〜♪』」(←おおっ! コレをやられたら、女子としてはもう跳ぶしかないっ!)。そしてセーラーチームが四回ほど跳んで、一斉に「はっ!…『♪さようならぁ〜♪』」と縄から抜けて背中を見せたその瞬間、妖魔は一気に触手を三本伸ばし、それぞれの触手で三人を縛ってしまいます(←女子の心理を巧みに突いたこの攻撃は見事だっ!)。「うっ!」(←今日二度目の触手…ぐすん…)。「うっ!」(←こちらはAct.4以来、通算で二度目…)。「うっ!」(←この人はもう常連…縛られ上手…)。しかし、さすがのマーズも体力的にへばってしまったのか、もう『マーズ・チョップ』で触手をぶった切る力も残ってないようです。
★
するとそこへ、ネフライトが現れます…「プリンセスはどこに隠れた!」。すかさずセーラームーンが「知らないっ!」と返すと、ネフライトは「言えっ!」と言ってセーラームーンの首を絞めます…「プリンセスはどこだ!!」。「うっ!…『首絞めたら言いたくても言えないじゃないのよ! このタコっ!』」。
★
そるとその時、「ここにいるわっ!」とセーラーVの声がっ!
★
「えっ?!」。「!」。「えっ!?」。「はっ!」。「えっ?!」。どこだ、どこだと辺りを見回す人々…。
★ ★ ★ ★ ★ ―CMタイム― ★ ★ ★ ★ ★
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「ここにいるわっ!」…すると突然、どこからともなく『Vちゃんカッター』がひゅいっ!ひゅいっ!ひゅいっ!と(←三つ?)飛んで来て、三人を縛ってた触手をしゅぱっ!しゅぱっ!しゅぱっ!と切り落とします。「あっ」。「え?」。「あ」。「!…ナニ!?」。
★
次の瞬間、ネフライトと戦士達が一斉に一つの方向を見上げると、「!」、「はっ!」、そこには、やっぱり高い所に立って『Vちゃんカッター』(←一個)を構えるセーラーVの姿がっ! とんっ!(←全身が映し出される音)たんっ!(←バストアップが映し出される音)きーんっ!(←お顔のアップが映し出される音)…り、りりしかよ〜っ!
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セーラームーンが「セーラーVっ!」と叫ぶと、セーラーVは、なにやら神々しげにニコリとして見せ、「これ以上隠しているのは…、無理なようね…!」と言うと、両手を水平からやや斜め下に広げて『Vちゃんジャーンプっ!』…あれ? ちょっと待て…ワシ、今頃気付いたんですけど…セーラーVってレオタードじゃなかったんだね?(←と思って、もう一度Act.1の冒頭のシーンを確認…おおっ! やっぱりこの時もお腹が見えてるっ!)…て言うか、本来コレが普通のセーラー服な訳だから、一番最初にAct.1見た時に違和感を感じなかったのは当たり前なのだ(←て言うか、当時はもっと違うトコに目がいってたし…)。しかし、ここへ来て、ずっとセーラー戦士達のセーラーレオタードにすっかり見慣れた目で改めて見ると、やはりセーラーVのコスチュームは、いかにもマスクありきって感じですな。
★
セーラーVは、すたっ!と『Vちゃん着地っ!』すると、すぐにセーラー戦士達の方を向き、さっと『Vちゃんマスク』を取って空高く放り投げます!しゅぱぱぱぱぱぁっ!(←マスクが飛んでく音)…するとその瞬間、セーラーVの全身から光のオーラが放射され、あまりにまぶしくて、その姿が見えません。「…ふっ、…あ…」。「…あ…」。「……」。「……」(←マントで光をさえぎるようにして見てます)。
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そして光が消え去ると、ついに、セーラーヴィーナスのお披露目だーっ! ♪ふぁんふぁんふぁんふぁんふぁーんっ、どぅるるるるるるるる…♪(←BGMのファンファーレとドラムロール)…きらんっ!(←腰に巻いたチェーンがアップで映し出される音)…しゅるるる…(←額の三日月がアップで映し出される音)…ぴかりんっ!(←頭の王冠がアップで映し出される音)。
★
「!……『ずいぶん派手な登場の仕方ね』」。「……『これじゃ誰が主役だか分からないわ』」。「!……『Act.2からすでに分からないわよ』」。するとそこへ、ルナ(←CGバージョン)が「ハッ、ハッ…」とぴょこぴょこ出て来て、「プリンセスっ!」と言います…が、それを聞かされた三戦士達は…あれ? なぜかイマイチ感慨に乏しい様子に見えるのですが…気のせいですか???
★
でも、ド単純なネフライト一人だけは、「ようやく現れたな、それが幻の銀水晶か!」(←ってどれが? 王冠の宝石?)とヴィーナスに詰め寄ろうとします。
★
するとすかさず、「待てっ!」と、満を持して、ついにアルテミィ〜ス(←飼い主がそう呼んでるんだから、ワシも名前を間違えないようにしてあげねば…)もCGバージョンで初登場っ! 「近寄るなっ! 月の王国、シルバーミレニアムのプリンセスにして、幻の銀水晶の継承者、セーラーヴィーナス様だぞっ!」(←って水戸黄門かっ!)。
★
「…プリンセス……セーラーヴィーナス…『って、どうなのよ?』」。「……『どうって、王冠ショボくない?』」。「……『て言うか、前髪の長さ中途半端じゃない?』」。『しょうがないでしょ! 額の三日月を見せなきゃならないんだからっ!』。『え〜い鎮まれ鎮まれっ! この額の三日月(←紋所)が目に入らぬかっ! 頭が高いっ、もっと控えおろうっ!』(by 助さん格さんアルテミィ〜ス)。
★
「行けっ! 幻の銀水晶を奪えっ!」。ネフライトの指示で妖魔が向かって行くと、「セーラーヴィーナス様」はさっと構えます。「みんな! プリンセスを守ってっ!」(←いきなり電池切れで、ぬいぐるみヴァージョンに…)。「うんっ!」(←って、言われる前にさっさと行かんかっ!…やっぱ、イマイチぴんと来てないのかなぁ?)。
★
三人は急いで「セーラーヴィーナス様」の許へと馳せ参じ、妖魔の前に立ちはだかって盾になると、軽くご挨拶代わりにと、三人同時に「ふっ、はっ!」と右手を高くかざして重ね合わせ、新フォーメーション「三人同時クルクル」を披露…そこからセーラームーンが輪をくぐって抜け出し、クルクルしながらいったん画面からはけ、残ったマーキュリーとマーズが互いに側転して交差し、今度は前転でまた交差して、その間にセーラームーンがスティックを持って再びクルクルしながら戻って来ると、「ムーントワイラ〜イト・フラッシュ!」の一発で、今までの苦戦はナンだったんだ?と言うくらい、いとも簡単に妖魔を倒してしまいます(←その間、後ろでずっと同じポーズのまま固まってた「セーラーヴィーナス様」…「…『うぅ…左手が疲れて水平に保てない…』」)。
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ネフライトはいつものように、「チッ」と舌打ちしてマントばさぁ〜っ!と撤収…。ホッとする三人…。
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「セーラーヴィーナス様」も、そんな家来達の活躍にたいそう満足のご様子…。
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ところがホッとしたのもつかの間、突然そこへ、ベリル様に再度洗脳されたゾイサイトが、「プリンセスへのレクイエム」に乗って心を飛ばして来ました…短剣のようなモノを持って側面から近付いてきます。すると、どういう訳か三人は、妖魔を倒したあともずっと前方を見続けてて(←完全に「セーラーヴィーナス様」をシカトの図…)…ナニげにマーキュリーが一人振り返って「プリンセス危ないっ!」と叫びます(←でも、普通こういうのって、マーズの役どころなんじゃ…)。「!」。「!」。
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「!」…びっくりして振り返る「セーラーヴィーナス様」…(←セーラームーンの事をボロクソおっしゃてた割りに、アナタ様も敵の気配に疎いですぞっ!)。ゾイサイトは今にも「セーラーヴィーナス様」に斬りかかろうとしてます。するとそこに、ナンとタキシード仮面がいきなり現れてゾイサイトの前に立ちはだかります。その瞬間の「セーラーヴィーナス様」の「!…『はぁ?! ナンでアンタが?!』」みたいな表情が気になりますが(←助けてもらっといてそりゃねーだろ?)、ゾイサイトはタキシード仮面の顔を見るなり、突然動きを止めて後ずさりし始めます。そして例のごとく、また妖しく見つめ合っちゃう野郎二人…。
★
ところがそれ幸いにと、その隙に「セーラーヴィーナス様」がいきなり指先からクレッセント・ビーム(?)を発射してゾイサイトに浴びせ、「うわあ〜〜っ!」…ゾイサイトは無防備のままそいつをマトモに食らっております…ところがタキシード仮面は思わず後ろを振り返り、「!…『お、おいコラ! オレのプリンセスにナンてコトすんだこのヤロウ!』」みたいな顔で「セーラーヴィーナス様」を見ちゃってます。しかしすぐにゾイサイトの方へ向き直り、壊れたテレビの画像みたいに今にも消え入ろうとする彼を凝視します…そしてまたしても、真っ白な彼の姿が夢の中の白いドレスの女性と重なり…で、彼ったら去り際に…必死で手を差し伸べながら…「マスター……エンディ、ミ、オン…」なんて、いかにも意味深なコト言い残して消えてっちゃいました…タキシード仮面の脳裏に、また、あの「幻の…銀水晶を…お願い…」っていつものヤツが回想されます…「……えんでぃみおん?…『オレのコト?』…」。
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※ ちなみに、後日、「美少女戦士セーラームーンひみつじてん (てれび超ひゃっか)」(小学館)を見たところ、この時ヴィーナスが放った必殺技が、「ヴィーナスビーム」(←そのまんまかよっ!)と紹介されておりました。その解説によりますと、「ゆびさきから きんいろの こうせんを だして、てきを たおすの」…とのコトです…。この本は全編ひらがなで、カタカナにすらルビが振ってあるので、アホなワシでもスラスラ読めます。書いてある内容も上記のようにたいへん素晴らしく、全部紹介したいくらいです…。
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で、ゾイサイトはと言うと…。
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ダーク・キングダムに戻ってピアノの鍵盤の上にしな垂れかかって気を失っております。で、ナンとそのまま、ジェダイトくんみたいに石に変わってしまいました…(←ちなみにこの時、この石が鳴らした鍵盤の音は「ド」で、ちょうどその鍵盤の上に乗ってます。つまり、これが彼にとって、『最初に戻った』という意味なのでしょうか?)。それにしても、さすが、「セーラーヴィーナス様」、強し!? ナンとデビュー戦でいきなり四天王を秒殺です。ゾイサイトは、早くもジェダイトくんに続いての戦線離脱のようです…(←彼、体弱そうだから、次の復活までけっこう長いかもね…また淋しくなるねぇ…)。
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「セーラーヴィーナス様」は、ゾイサイトが完全に消えたのを確認してから、満足げな表情で再び戦士達の方へ向き直ります。その後ろでは、タキシード仮面が呆然と立ち尽くしたまま微動だにしません…???
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そんな「セーラーヴィーナス様」の足元にヒョコヒョコと駆け寄って前に出るアルテミィ〜ス(←CGバージョン)。するとルナ(←再びCGバージョン)も、三戦士達の前にヒョコヒョコ出て来て、やっと両者感動のご対面…かと思いきや、ルナは、「プリンセスぅ! やっと姿を見せてくれたのねっ!」って、ルナはルナでアルテミィ〜スをガン無視です(←やっぱ声がアニメと違うんで、誰も気付いてくれないのかなぁ…それともやっぱ、「アルテミス」と「アルテミィ〜ス」は完全に別猫だから声も違うのか?)。で、「セーラーヴィーナス様」は、そんな不憫なアルテミィ〜スを気遣う様子もなく、優しくルナに微笑みかけます…(←アルテミィ〜スよ、耐えるんだ…君の存在が認知される日はきっと来る…そもそも人気作品のリメイク時に登場する「新キャラ」って、いつだって風当たりが厳しいものなのだよ…)…『ってボク、新キャラですかっ!』(by アルテミィ〜ス)。
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三戦士達は、その「セーラーヴィーナス様」と見つめ合いながら、三人を代表してセーラームーンが、ぼそっと「プリンセス…」と声を発しはするのですけれど…なんか…なぜかどう見ても…三戦士側にはやっぱりなんの感慨も感じられず……かたやタキシード仮面に至っては…そんなやり取りにすら完全に背を向けて、呆然とあさっての方見つめちゃってるんですけど…。しかしそれにしても、この妙な絵ヅラはいったいナンなんでしょうか?(↓)
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ちなみにワシ、最初いきなりタキシード仮面が出てきた時、「セーラーヴィーナス様」じゃないけど「ナンで?」って不思議だったんですよね。だってこの人って、そもそもセーラームーンしか助けに来ないと思ってましたから…。でもよくよく考えると、今回に限っては、彼は夢の中の女性が「プリンセス」だと思い、その「プリンセス」が「セーラーV」かもしれないという事で動いてたフシがありましたから、となれば、ここでその「セーラーV」を助けに入るというのは、決して不自然ではない事になりますよね。ところが、タキシード仮面がここで実際に助けたのは「セーラーV」ではなく、「セーラーヴィーナス様」です。だとすると彼は、やはり今回もどこかに潜んでて、ずっと彼女達のやり取りを盗み見してた事になりますわな。なぜなら「セーラーV」が「セーラーヴィーナス様」に変わるところを目撃しない限り、彼女を元「セーラーV」の「プリンセス」だとは認識できず、助けに入る理由もないはずですから。しかし、いざ助けに入ってからのタキシード仮面の行動をよ〜く見てると、どうも、『プリンセス・セーラーヴィーナス』を助けようとしたと言うより、ゾイサイトが出て来たので彼と話がしたくて飛び出して来たようにしか思えないんですよね? なぜなら、もしもプリンセスを助けるのが目的だったのなら、せっかくその「プリンセス」が、今、自分の目の前にいるというのに、この完全シカトの状態はどう考えてもヘンです。おそらく、ゾイサイトが言い残してった「エンディミオン」という言葉に過剰反応して呆然としてるんでしょうけど、それにしてもこの態度は、明らかにコレ、夢の中の女性と「セーラーヴィーナス様」が同一人物だとは感じてない…そういう意味の絵ヅラですよね?
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ところで、今回はシリーズ始まって以来、初めて劇中のカレンダーが放送日とリンクしませんでしたね。このラストシーンの時点では、まだ12月「19日(金)〆切日」なので、放送日の一日前で惜しくも話が終わってしまいました。ちなみに前回も直接リンクはしてなかったのですが、放送日自体は劇中のカレンダー内で通過してはいましたからね。ただし、ひょっとすると、今回の戦闘シーンが、ナニげに深夜にまで及ぶ長期戦だった可能性もあるので、だとしたら、ぎりぎり放送日に引っかかっていたのかもしれませんが…、しかしこればっかりは確認のしようがありません。
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も一つ、ところで、美奈子は社長さんから、「新曲発表会でナコナコのクリスマス・バージョン配るからデザイン、あさってまでねぇ」と言われてたのに、美奈子は結局、その仕事を完成させずに「19日(金)〆切日」を過ぎてしまいましたねぇ…。もっともそれを邪魔したのは社長さん本人なのですが、ンなのは妖魔のせいで、どうせ社長さんも事件の記憶を消されちゃうので知ったこっちゃありません…。でも、きっと、ナニげにあのあと、マネージャーさんが美奈子のパソコンを見て、『あ、ナコナコのデザインはこれでいいのかな?』って思って、あのままデータを持ってっちゃったに違いありませんな…。てコトは、「新曲発表会」で配られる「ナコナコのクリスマス・バージョン」は、『ナコナコサンタさん』の帽子の色が青というコトに……。
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次回は、クンツァイト登場編だっ!
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セーラームーン:うさぎちゃん(沢井美優さん):「」。『』。【キャスト関連商品リスト(沢井美優さん編)▼】
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マーキュリー:亜美ちゃん(浜千咲(現・泉里香)さん):「」。『』。【キャスト関連商品リスト(浜千咲(現・泉里香)さん編)▼】
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マーズ:レイちゃん(北川景子さん):「」。『』。【キャスト関連商品リスト(北川景子さん編)▼】
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ジュピター:まこちゃん(安座間美優さん):「」。『』。【キャスト関連商品リスト(安座間美優さん編)▼】
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セーラーV:ヴィーナス:美奈子(小松彩夏さん):「」。『』。【キャスト関連商品リスト(小松彩夏さん編)▼】
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ルナ(声・潘 恵子さん):「」。『』。
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アルテミィ〜ス(声・山口勝平さん):「」。『』。
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その他:「」。『』。
[2008年12月20日(土)初稿 トモロー]
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★ 今回レビューしたAct.12は、「美少女戦士セーラームーン DVD 第3巻」(バンダイビジュアル)に収録されております(↓)
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