―実写版セーラームーンを検証する―
Act.11:美奈子vsうさぎちゃん編――
★ 本稿は、2003年12月13日(土)にTBS系列各局で朝7:30〜8:00に放送された、「美少女戦士セーラームーン」(実写版)第11話の感想記(DVD鑑賞レビュー)です。
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セーラー解説はうさぎちゃん…。
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「私達セーラー戦士の敵が、ダーク・キングダムの女王、クイン・ベリルだってコトが分かったんだけど…(←いや、だからそれは、Act.7の時にすでにジェダイトくんがそう言ってたんだってば…)…それよりもビックリしたのが…、(「私達のプリンセスはね、月の王国のプリンセスなの…。あなた達は、プリンセスを守る…月の、四戦士…」)…私達、月の人間なの?!…って思ったら、混乱しちゃって…。でも、ルナが、うさぎちゃんはうさぎちゃんって言ってくれたから、ちょっと安心…。取り敢えず、今までどおり、がんばるしかないかなぁ、って思ってますっ」。
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…やっぱりワシの睨んだ通り、うさぎちゃんは、Act.7でジェダイトくんが、「クイン・ベリル様配下、四天王の一人…………ジェダイト」って名乗ってたのを、完全に忘れてましたね。ちなみに、仮に今回のこの解説をルナが担当した場合、次のようになります⇒『私達セーラー戦士の敵、ダーク・キングダムの女王クイン・ベリルが、アイツだって事が分かったんだけど…』(←これを聞けば、ジェダイトくんもきっと、草葉の陰で泣きながら喜んでくれる事でしょう)。
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オープニング開けはクラウン…。
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いつものように、元基が受付のカウンターに突っ伏して、水槽のカメを愛でております…。しかし、微妙にいつもと違うのは、ナニげに入り口の来客状況をちらちら気にしてる?らしいような感じが見受けられるところ…。で、そこへ、うさぎちゃんがやって来るのですが、うさぎちゃんは、入り口を前にして、階段を降り切らずに、なぜか首だけ出して中の様子を窺っております…。
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元基は、うさぎちゃんが来たのに気付くと、いきなり「あっ」と慌てて上体を起こし、背を向け、鏡で自分の髪をチェックして整え(←整えたらしい)、「うん」と納得してから振り向き(←納得したらしい)、「いらっしゃい」と極めて愛想よく振舞います(←って一体どーしたんだ?! どっかアタマでも打ったか??)。
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「…今日…、来てない…?」(←コートの下は制服ですな)。「誰?」。「…ちば…まもる…」(←もじもじ…)。「…あぁ…(←ここで、なぜか元基のテンションが急降下)、…そんなしょっちゅう留守番たのめないよ…」(←なぜイジケてるんだ?)。「そうかっ、よかったっ!」(←逆にこちらは嬉しそう)。「ケンカでもしたの?」(←そのセリフ、以前亜美ちゃんにも言ってたよな?)。「じゃないけど、なんかいっつもムカつくコト言うし」(←持ってるのは学生カバンですな…中から財布を取り出しました)。「あっはぁ…アイツ口悪いかんなぁ…。あ、でもイイヤツだよ?」。「そっかなぁ…」(←年間パスを財布から取り出してます)。「それよりさぁ! 愛野美奈子が入院したの、聞いた?」。「えっ!?」。
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※ ところでこのシーンの元基の態度なんですが、最初にこれを見た時、ナニげに意味がよく分からなかったんですよね? 一瞬、Act.7の遊園地をきっかけに、うさぎちゃんに対して『勘違い野郎』になっちゃってるのか?とも思ったのですが、その『勘違い』はすでにAct.8で、モノの見事にぶち壊されてるはずだし、前回のクラウンの受付シーンでもそんな素振りは全くありませんでしたから、それがなんで今回に限って、いきなり妙にうさぎちゃんを意識してるのか?ちょっと意味不明だったのです。ところが、後日判明したところによると、実はDVD第3巻の映像特典の「未使用シーン」に、前回のクラウンの受付シーンで、地場衛が元基をそそのかすようなコトを言ってる場面があって、それがカットされてたんですな(↓)
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うさぎちゃんがクラウンの受付まで来ながら、地場衛の存在が気になって、「…(心の声→)なんだろう…。なんかダメ…」と帰ってしまったあと…。元基:「うさぎちゃんどうしたんだろう?」。地場衛:「さあな…。お前に会いに来ただけじゃないか?」(←この、一見何気ない一言が、実は、Act.7における、地場衛が遊園地から黙って立ち去った際の『謎の回想シーン』の意味を説明してくれる事にもなるのですが…)。「えっ?!…オレっ!?…うっそぉ〜お?!…はぁ…『えへへ…そうなのかなぁ…』」(←みたいな…)。
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つまり、今回の元基のこの妙な態度は、この「未使用シーン」の『地場衛のセリフ』を受けてた訳です。だから元基は、最初うさぎちゃんが入り口の前で挙動不審な行動を取ってたのを、『オレを意識してる』と勘違いし、でも、実は「ちば…まもる…」を気にしてたと知ってイジケた訳です。しかしこれじゃ意味がつながるはずありませんわなぁ…。これは明らかに、制作スタッフさん同士の意思の疎通が図られてない事から来る行き違いで、この行き違いは、前回と今回では、担当してる監督さんが違うために起きたんでしょうな。今回の監督さんが脚本通りに話をつなげてたのに対して、前回の監督さんは、その話の発端部分をカットしちゃってたんです。このような事態は、脚本家さんも含めて、それを誰が確認すべきなのかは、ワシには全く分かりませんが、実を言うと、この「未使用シーン」の『地場衛のセリフ』を受けてるシーンというのは、この先のAct.15にも出てくるんですよ(←しかもその時の担当監督さんは、ナンと、その『地場衛のセリフ』をカットしちゃったご本人です…)。…まあ…、つまり…、これは…、要するに…、ありていに言えば…、『DVDを買ってねっ!』…というメッセージと受け取るべきなのでしょうかねぇ…(←そうだ! きっとそうに違いないっ!)。
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こちらはルナカラ…。
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ルナと他の三人は、すでに集合しております…みんな制服姿です。「ルナ、いつかプリンセスと戦士の大切な話をしてくれるって言ってたけど、それが月の世界のこと?」(←それ、Act.7で言ってたんですが、さすがよく覚えてますな。て言うか、今回はやたらAct.7が絡んできますな)。「そうよ、昔々の話…。あなた達の中に、月の戦士達の想いが、受け継がれているの」。「ぜんぜん自覚ないけど…」(←アナタはナニに関してもあまり自覚してないでしょ? 『あとは野となれ山となれ』の精神だモンね)。「いつか分かる時が来るわ。それまでは今まで通り、プリンセスと、幻の銀水晶を探して、敵から、地球を守りましょ!」。うなずく三人…。
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その時、がちゃんっ!とドアが開いて、うさぎちゃんが駆け込んで来ました…「ねえねえ! 聞いた?! 愛野美奈子が交通事故だってぇ!!」。「今頃ナニ言ってんの…」。「ニュースとか新聞、見てないでしょ?」。「みんな、知ってたの? 心配だよねぇ…入院したって…」。「でも、ホントに軽いケガみたいだから」。「そうだけどさぁ、新曲発表会も近いじゃん? お見舞いできればなぁ〜…」。「こういうファンが多いから、病院名を伏せてるって訳ね?」。「…」(←うなずく)。「…」(←うなずく)。「私はっ、ただがんばって!って励ましたいだけだよ。ダイジョブかなぁ…美奈子…」。
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ナニげにこれは…アレですねぇ…さっき受付で元基が、「それよりさぁ! 愛野美奈子が入院したの、聞いた?」って言ってたコトといい、このルナカラでの会話といい、おそらく美奈子が事故に遭ったのは、この日の昼過ぎあたりの時間帯ってコトになりますなぁ…(↓)
1.
朝のテレビニュースで流れるような時間帯なら学校で話題にならないはずありませんし、今時の中学生ならケータイでその手の情報もすぐ入るでしょうから、昼休みでも話題になってないのなら、事故が起きたのは当然それ以降というコトになります。
2.
と言うコトは、レイちゃん達が「ニュースとか新聞、見てないでしょ?」って言ってるってコトは、彼女達はいったん学校から家に帰り、なぜか私服には着替えずにそのままクラウンへ集合した、と言うコトになりますな。
3.
また、「新聞」とも言ってますから、『愛野美奈子 交通事故で入院!!』のニュースが今日の夕刊に載ったとなると、新聞の「降版時間」(←版を印刷所に降ろす時間)や「降版協定」(←各社共通の締め切り時間内に起きたニュースしか掲載できないという協定。ただし、美奈子の事故が重大事件と見なされれば無視される)等の関係からも考え合わせると、事故は、『午後1時から、遅くとも15分過ぎ前後の間に起きた』と、かなり細かいところまで特定する事ができます。
4.
したがって、うさぎちゃんは、おそらく掃除当番かナニかで遅れて来たので、彼女だけは、家には帰らず直接クラウンに来た事になりますな。帰ってれば当然、うさママからそのニュースを聞かされるはずだからです。
5.
実は、Act.9でもこのようなケースがあり、その時うさぎちゃんは、掃除当番中にルナから「うさぎちゃんっ、終わったら、クラウンに集合よ」と急の召集を受け、その後、全員が制服姿でクラウンに集合してた、というコトがありました。
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「港区立 十番病院」にて…。
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病室には、おそらく美奈子のファンからと思われる届け物が、たくさん並んでおります…大小さまざまな包み、袋、箱、等々のプレゼント…クマさんのぬいぐるみが大小一つずつ…小さいゾウさんのぬいぐるみが一つ…それからファンレター…(←「病院名を伏せてる」ので、もちろんこれらは、事務所経由かファンクラブ経由でここへ運ばれたんですな)…一番奥には、果物セットと花束がいくつか…(←これは関係者からのお見舞いで、直接ここで頂いたモノですな…)。
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そして美奈子が、ベッドの上に上体を起こして、ナニやらボーっと考え事をしております…。そこへ、「はいっ、車のトランクに入れてたやつ…」と、ベッドの上にソフトタイプのスーツケース(?)が置かれます…「やっと取り出せたよ。なにしろ、ひどくつぶれちゃって…」(←つぶれたのはベンツ、という意味でしょうな)。美奈子はそのケースに手を触れながら、「…ありがと…」と言って、事故に遭った瞬間のコトを思い出しております。
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「あんな事故でよくこの程度で済んだよね? 警察も驚いてたよ、ホント紙一重だったって…」(←て言うかこの人…前回までのマネージャーさんとは違う人なんですけど…まさか、あのマネージャーさんの方は重症?…それとも…合掌?…彼に落ち度はなかったはずので、まさかクビはないはずですが…)。
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とそこへ、ノックもなしに、いきなり「それで化粧品のCMが入ったわよ」と言いながら入って来た一人の人物が…。それを見て二代目マネージャーさんが、「社長…」…しゃ、しゃ、しゃちょー?! 社長さんはさっとメガネを外してカッコつけながら、「…コピーが…、うすずき(←薄好き? 薄付き? 薄月?)紙一重…、なぁ〜んて笑っちゃう、うっふふふふふふ…」(←事故の「紙一重」と引っ掛けてるんでしょうか?)。「……(←お付き合いで苦笑い…)…。社長?…あたし退院しちゃだめかな…?」。「……?」。「ケガって言っても、すりキズぐらいだし」(←そうか、それをアピールするために、わざわざベッドの上で、いつでも外へ出られるような私服を着て見せてるのか?)。「…だみ。……美奈子…、アンタ最近きゅ〜にいなくなるでしょ…?」(←ベッド脇の台の上にメガネを置きながら、美奈子のベッドに腰掛けます)。「え…」(←思わず目をそらします)。「ま深くは追求しないけど、ヘンな写真撮られたらどーすんの?」(←CMの資料をぽんと手渡します)。
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「…」。「新曲の発表会も近いんだから、しばらくココで大人しくしてなさい。仕事はモいっっっぱいあんだからぁ…」(←ここで立ち上がり、肘に掛けてたバッグから分厚いスケジュール帳を取り出します)。「新曲発表会でナコナコのクリスマス・バージョン配るからデザイン、あさってまでねぇ。それからあした、テレビの電話インタビュー。あとホームページの日記とサイン・プレゼント用の色紙。ロンドンから帰ってきたばっかだけど、できる?…それとも…休む(怖)?!…」。「……大丈夫…」(←観念したように微笑む)。「オッケェ〜っ! あ、マツオちゃんっ、新曲発表会のコト、ちょっと…!」。「はいっ…」(←二代目マネージャーさんは「マツオちゃん」だそうです)。何か打ち合わせがあるらしく、駆け足で病室を出て行く二人…(←あのぉ、社長さん、メガネ忘れてますよぉ〜っ!)。…なるほど…分かったぞ…なぜマネージャーさんが交代したのか、その「真の理由」が…。それは、初代マネージャーさんの「そっち系キャラ」が、ナニげにこの社長さんと被ってしまうからだったのだっ!
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…おや? よく見ると、美奈子は唇に少しキズがついちゃってるみたいですね? 「すりキズ」ってこれのコトですかね? トラックに突っ込まれてコレで済んだのなら、ホント、めちゃめちゃ軽症ですな…。
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ちなみに今回はスゴイです。ナンと、愛野美奈子の2003年12月のスケジュールの一部が明らかにされました。社長さんの持ってたスケジュール帳によりますと(↓)
12/1 (月) |
ロンドン NEW ALBUM レコーディング ✔ 8°〜 ファインスタジオ 月刊誌「YOU」ロンドンでの写真転送〆切日 |
12/11 (木) |
関テレ「M(以下、場面見切れ) 9°〜 AO(以下、場面見切れ) ✕ キャンセル(←おそらくこれで消されてるようだ) |
/2 (火) |
NEW ALBUM レコーディング ✔ 8°〜 ファインスタジオ |
/12 (金) |
月刊誌「Any」ポラ撮り&インタビュー(←赤の二重線で消してある) 14°〜 ハイグランドホテル1103号 メールインタビュー&サイン5枚でOK(←丸で囲ってある) |
/3 (水) |
ロンドン紙(←?) 写真撮影&インタビュー ✔ 9°〜 ラグジュアリーホテル NEW ALBUM レコーディング ✔ 18°〜 ファインスタジオ |
/13 (土) |
TVワールド「新春エンタメスペシャル」稽古 9:30°〜 麻スタ ✕ キャンセル |
/4 (木) |
ボイストレーニング ✔ 10°〜 ファインスタジオ NEW ALBUM レコーディング ✔ 14°〜 ファインスタジオ |
/14 (日) |
FMラジオ「Mie−ナコナコ♥」収録 14°〜 BEAT−J FM 2階 ✕ キャンセル |
/5 (金) |
NEW ALBUM レコーディング ✔ 8°〜 ファインスタジオ |
/15 (月) |
ボイストレーニング 10°〜 ✕ キャンセル |
/6 (土) |
新曲CM撮影 ✔ 9°〜 アークスタジオ |
/16 (火) |
TNC「M−BEAT」新曲発表収録 10°〜 Mスタ ✕ キャンセル |
/7 (日) |
NEW ALBUM レコーディング ✔ 8°〜 ファインスタジオ |
/17 (水) |
TVワールド「新春エンタメスペシャル」稽古 8°〜 麻スタ ✕ キャンセル |
/8 (月) |
(画面見切れ)新作完成(←?)パーティー (画面見切れ)…エリザベスホテル (画面見切れ)…コレクション2004、招待 (画面見切れ)…ホール |
/18 (木) |
TVワールド「Jam Jam」電話インタビュー 12:40°〜 |
/9 (火) |
(画面見切れ) |
/19 (金) |
ナコナコクリスマスバージョン 〆切日 |
/10 (水) |
(画面見切れ) |
/20 (土) |
月刊誌「Pears」インタビュー(←赤の二重線で消してある) 10°〜 パークホテル TVワールド「新春エンタメスペシャル」 ✕ キャンセル |
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麻スタ(←欄外にこの書き込みが見える) |
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この手帳のカレンダーは、1ページにつき10日ずつ。こなしたスケジュールには、「入り時間」(←ロンドンのはもちろん現地時間)の前に✔のチェックが付けられ、変更事項も赤文字で修正と書き込みがされている。さて、このスケジュール帳によって、以下の事実が明らかとなる(↓)
1.
まず、Act.9の「サタデーモーニンTV」の中で、美奈子が「コノバインスタジオ」と言っていたのは、実は「このファインスタジオ」だったのだった。
2.
さらにその中で、美奈子は「新曲楽しみにしてくださいねっ」と言い、画面のテロップにも「新曲発表間近!」と出てたのだが、実はこれは「NEW ALBUM レコーディング」で、つまり「新曲」というのは、その中から「先行シングル」として出される曲を指していたのだった。どうりで、新曲(←つまりシングル)のためだけにわざわざロンドンまで行ってレコーディングするなんて、随分アレだなとナニげに思ってはいたのだ。
3.
Act.9の「サタデーモーニンTV」は、放送日と同じ「11月29(土)」だった事が、劇中の十番中の黒板の日付から逆算して確認されている。そしてその時点で、すでに「ロンドンでのレコーディングは順調です」と言ってたから、美奈子は、Act.8の「11月22日(土)」に開催された「ナコナコなりきりコンテスト」をドタキャンした後、ほとんど日を置かずロンドンへ発っていたはずである。つまり、美奈子のロンドン滞在はだいたい2週間前後と見ていいのではないだろうか?
4.
このスケジュール帳は、残念ながら「12月8日(月)」から下が見切れてしまってるが、おそらくこの「8日(月)」は、レコーディングの打ち上げとオフに当てられてたらしい事が分かる。そして手帳右ページの「11日(木)」には、すでに国内のスケジュールがキャンセルされてるので、美奈子が帰国した日(←つまり事故に遭った日)は、「9日(火)」か「10日(水)」のいずれかである事が分かる(←そしてそれはそのまま、先ほどのクラウンのシーンの日付となる)。
5.
と言うコトは、前回Act.10でセーラームーン達が『レクイエム妖魔』と戦っていた「6日(土)」か「7日(日)」には、美奈子は完全にまだロンドンで仕事中だったのである。東京―ロンドン間は、飛行機の片道でだいたい12〜13時間かかる(←時差は9時間)。となると、『対レクイエム妖魔戦』と『美奈子の事故』との時間差というのは、最短に見積もった場合でも、仮に『対レクイエム妖魔戦』が「7日(日)」の午後だったとし、美奈子の帰国(←事故)が「9日(火)」の午後1時だったとしても、この間、ナンと2日近くものブランクが空いていた事になる。逆に最長で見積もった場合だと、「6日(土)」の午後から「10日(水)」の午後1時にかけてで、この間、ナンと約4日間っ!…この事実から導き出される答えはただ一つ…、つまり…、ゾイサイトは相当なのんびり屋さんだ…。
6.
そして、美奈子のこの病室のシーンの日付だが、社長さんは「ロンドンから帰ってきたばっかだけど」と言っていたが、実際は、社長さんのセリフ「新曲発表会でナコナコのクリスマス・バージョン配るからデザイン、あさってまでねぇ。それからあした、テレビの電話インタビュー」に該当するスケジュール帳の日付から、事故からさらに一週間が経過した「12月17日(水)」である事が分かる。つまり、今回のAct.11は、珍しく、放送日の「12月13日(土)」そのものには何も起こっておらず、そのまま素通りしていたのである。
7.
そして最後に、ナンと美奈子は、普段から、忙しいスケジュールの合間を縫って、定期的に「ボイストレーニング」(←平たく言えば「お歌のお稽古」)に通っていたのだった(←ワシらには見えないところで、ちゃんと努力してるのだ)。…でも、あんまり無理せんでええよ…ワシャそのままのアナタの歌が好きですけん…。
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社長さん達が出て行くと、すぐに美奈子は、先ほどのスーツケースだかカバンだかを開けて中身を確かめます。…入ってたのはナンと、『セーラーV・変装グッズ一式』…。…そうです、セーラーVは決して「変身」ではありません、あくまでも「変装」だったのです。元々、愛野美奈子は人並み外れた(←外れ過ぎた?)運動神経の持ち主ですから、タキシード仮面ごときを『きぃーんっ!』と追っ駆けるのに、「変装」で十分ってコトなのでしょう…。
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そして、前回検証したように、ベンツのトランクには『コレ』が入っていたのです。そのため、あの時マネージャーさん(←初代)は、当たり前のように旅行用のスーツケースその他を後部座席に乗せようとしてた訳です。なぜなら美奈子は、万が一『コレ』を人に見られたら大変な事になるので、普段、自分以外の人間には、誰にも、絶対にトランクの開閉を許さなかったはずだからです。したがってこの事から、あのベンツが、おそらく美奈子個人の車だった事も分かる訳です。
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また、『コレ』がトランクに入れられたまま「新東京国際空港」(←現・成田国際空港)の民間駐車場に預けられてたと言う事は、美奈子は『コレ』をロンドンには持って行かなかった事になりますから、つまり彼女は、ロンドンでは一切セーラーVになるつもりがなかった事が分かります。これはおそらく、彼女はトップアイドルですから、海外に行く事が頻繁にあるため、活躍の場をあくまでも日本国内に限定しておかないと、自分の出先とセーラーVの出現場所とがリンクしてしまい、正体がバレてしまう事を怖れたのでしょう。…でも、この仮説に関しては、悲しいお知らせがあります(↓)
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※ ただし、悲しいコトにこの仮説は、後日「アクト・ゼロ」によって、無常にもあっけなく、ものすごく不条理な形で覆されてしまうのでした…とほほ…(←詳細は「アクト・ゼロ」を見てください。もしかするとワシは、番外編DVDについては検証しないかもしれないので…)(←だって、ほとんど見たまんまだからなぁ…、でもまあ、本編の最終回を更新し終えた時点で、またどうするかは考えたいとは思ってますけど…)。
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そして、『コレ』がトランクに入ってたお陰で、美奈子の命も救われたんでしょうな。もしも美奈子が『コレ』をトランクに入れておかなかったら、おそらく美奈子はこんな軽症では済まなかったんじゃないでしょか? なぜなら、ゾイサイトはセーラーVがプリンセスだと思っているため、「プリンセスへのレクイエム」で美奈子を襲撃すれば、美奈子が本当のプリンセスでない限り、それは必然的に『セーラーVへのレクイエム』となり、だからあの時、暴走トラックは美奈子ではなく、トランクの中の『セーラーV・変装グッズ一式』めがけて突っ込んで来たという訳です。もしそうでなかったら、いかに運動神経のいい美奈子でも、おそらくトラックを避け切れなかった事でしょう。つまり、あの時美奈子が車道側にいたのはむしろ好運だったのです。歩道側にいたマネージャーさん(←初代)は、トラックの突っ込んで来た角度からいって、おそらく美奈子よりもずっと正面に近い位置に立ってたんじゃないでしょうか。
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※ この仮説は、取り敢えず「アクト・ゼロ」がどーだろうと通用するな…。
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するとそこへ、どこからともなく、「美奈子…」と呼ぶ声が、美奈子は表情も変えず、声のする方向へ目を向けると、「これからが本当に大変だよ…。君は戦わなければならない…。そして絶対に負けてはいけないんだ…。それも、たった一人で…」。まだこの段階では、この声の主が何者なのか分からない事になってますが、知ってる人にとっては、誰がどう考えてもアルテミスです。ただルナとは違って、アニメ版のアルテミスとは声が違っております(←どちらも有名な声優さんらしいです)…ワシ、別に声優さんとかそんな詳しくないんですが、たまたまアニメ版を見た直後に実写版を見たので、珍しく、すぐに「声が違う」って気付いたんですよね。でも、ただ「声が違う」って気付いただけで、そのあとはもう、違う事などすぐに忘れて見続けてました。
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ちなみにワシ、アニメ版のセーラームーン(月野うさぎ)役の声優さんが、途中の何話かで、違う声優さんが代役をしてたってコト、ぜんぜん気が付きませんでした(←※本放送ではテロップでお知らせがあったらしいのだが、ワシは再放送だったので…)(←ちなみに第44話〜50話までだそうですが、知った上で見返しても、何の違和感も感じません…)…。
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ちなみにワシ、「十兵衛ちゃん」が1と2で声優さんが代わってたのも、再放送で続けて見てたのに、ぜんぜん気が付きませんでした…(←「十兵衛ちゃん」とは、普通の中学二年生の女の子が、二代目柳生十兵衛に変身(と言うか初代柳生十兵衛に憑依されちゃう?)して、300年の時を経た刺客達と戦うと言う、笑いと涙ありのドタバタ学園コメディーアニメ)…。
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ちなみにワシ、「スケバン刑事」が斉藤由貴から南野陽子に代わったのは、鉄仮面を取った瞬間にすぐ気付きました…(←これだけは孫にも自慢したいと思います…)…。
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…要するに…、何が言いたいのかと言うと…⇒「日本の声優さんはレベルが高いのだっ! だからいちいちガタガタ騒ぐんじゃねーっ!」(←…言っちゃったよ…)。
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そんな実写版アルテミスのありがたいお告げに答えて、実写版美奈子曰く、「大丈夫…。歌の世界に入った時から、一人だし…(←グループとかアイドルユニット出身じゃないって意味か?)。セーラーVになった時だって、ちゃんと自分で決めたんだから……プリンセスとして…」。…え?…今ナンと?…ぷりんせすとして?!…な、ナンとっ、本人自ら「プリンセス」宣言しておりますっ! これは意外でした…まさか実写版では、下克上でも起ころうとしてるんでしょうか?!…だから前回の次回予告で、「こんな子が…」って言ってたのかなぁ…『敵はクラウンにありっ!』(by 明智美奈子)…ってまさかね。
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こちらダーク・キングダム音楽室…。
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ゾイサイトが、なにやら物思いにふけるかのように、ピアノのA音(←ラの音)を、3オクターブでポン…、ポン…と…、(←って、ピアノの調律でもしてるんでしょうか?)…「セーラーVが生きている…。…妙だな…プリンセスへのレクイエム…完璧だったはずだ…」(←美奈子に暴走トラックを突っ込ませてから、早一週間が過ぎ去っておりますが、彼、ずっとこんな調子だったんでしょうか?……やっぱりゾイサイトは、めちゃめちゃのんびり屋さんだ…)…「まあいい、まだ他におもしろい手はある…」…するとゾイサイトは、また、いつもの「幻想即興曲」を弾き始めます…
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するとそのピアノの音が、ベリル様のお立ち台の部屋まで聞こえてきてます…。それを聞いてベリル様は、「ゾイサイトがまた動くか…『て言うか、ピアノを弾く時は部屋のドアを閉めよと伝えよ!』」。ネフライト:「…『はっ!』…セーラーV、プリンセスを仕留め損ねたらしく…。…ベリル様っ、私もプリンセスを追うつもりです」。「お前も?」。「これだけ探しても幻の銀水晶を発見できないのは、プリンセスが持ってるせいではないかと…」(←キミ、そんなに言うほど探したの?)。「しかしもしそうであるなら、すぐにでも我らを封じにかかるはずではないか?」(←さすが鋭い指摘)。「はい、ただ、プリンセスもまだ、使えぬ状態にあるとしたら…」(←おお、言うじゃないか)。「なるほど……よかろう、思うままやってみよ!」。「はっ!」…な、ナンだ!? キミは本当にネフライトか?! 一体いつからそんなマトモな事が言えるようになって…しかもベリル様まで納得させる事ができるなんて…ワシは夢でも見てるのか?(←でもきっと、どうせゾイサイトに便乗して、また漁夫の利でも狙ってるんだろうなぁ…)。
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ベリル様:「……ゾイサイト…腕は立つが、わらわの愛を得ようとせぬのは…気になるな…」。あれ? こちらゾイサイトは、『ベリル様LOVE』のために働いてたんじゃなかったのか??(←そう言えばアニメ版のゾイサイトはオカマさんで、思いっきり『クンツァイト様LOVE』だったが…。だがしかしっ! 実写版のオカマさんキャラは、もうすでに定員オーバーだぞっ!)。
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こちらは地場衛邸…。
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地場くんがベッドで寝ております…この人、ベッド脇のランプを点けっ放しにして寝るんですね…それにしてもこの人って、年齢とか、家庭環境とか、その他、いずれもいまだ謎のままなんですが…(←まあ、実は別に大して気にはなってないんですけど…)…で、また例のあの夢を見てるようです…「幻の、銀水晶を…、幻の、銀水晶を……お願い…」(←あえて暫定色にて表示)…地場くんは急にうなされ始め、ぱちっ!と目を開け、ばっ!と上体を起こし、「またか…」…どうやら、しょっちゅうこんな感じみたいですね。ベッド脇の台と言うかテーブルと言うか、その上に置いてあったミネラルウォーターのペットボトルをぱしっ!とつかんでぐびぐびっ!と一杯やると、「あぁっ…『効くぅ〜やっぱ水に限るぜ』…はぁ、はぁ…あれは…誰なんだ…」(←お? ベッドの足下の方にデカイ観葉植物が置いてあるぞ)…そう言って頭を押さえ、ペットボトルをベッド脇の台と言うかテーブルと言うか、その上に戻します。なんか…かなり頭痛がしてきたみたいです…痛そうです。
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ところで、「あれは…誰なんだ…」ってコトは、まだ地場衛の中では、この女性に関する情報は何一つ持ち合わせてない状況なんですかね? たとえば、『どっかの国のお姫様らしい…』云々…なんてコトすら分かってないとか…謎です。
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で、ナニげにそのベッド脇の台と言うかテーブルと言うか、その上に、Act.7でセーラームーンに手のキズを手当てしてもらった時の、ピンク地に白いハート柄のハンカチが置いてありますな…。これ、返すとしたら地場衛の状態では返せないので、タキシード仮面の時にセーラームーンに返すしかないのですが、Act.9では、おそらくそのつもりでタキシードと一緒にしておいたはずなのに、結局その時は返しませんでしたね。そんな訳で、たぶんもう返すのはやめちゃって、すっかり私物化しちゃって、こうやってテーブル拭きにでも使っちゃってるんですかねぇ…(←ペットボトルの水がこぼれたとき用とかに…)。
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日付変わって、こちら月野邸…。
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そんな地場くんの夢に夜な夜な出て来て、散々彼を悩ませてるのは、ひょっとしてアナタなんじゃないの?と目される人物が、ナニやら無心になって、テレビのリモコンをぴっ、ぴっ、ぴっ、ぴっ…とやってます。進悟:「うさぎぃっ、ガチャガチャ変えるなよ!」(←アンタ、小学生の癖にけっこう昭和だねぇ…今どき、テレビのチャンネル「ガチャガチャ」したくたってできねーっスぜダンナ…)。うさママ:「そうよ落ち着きないんだから…」。「だって美奈子のコト、なんかやってるかもしれないじゃん」。「…『あはっ♪』…十番病院に入院してるんでしょ…」。「ンなんで知ってるのぉ!?」。「…(ちっちっ)…ハッハア〜パパは記者よ! それくらいの情報入ってくるわよぉ〜♪」。『え?! そういやウチ、パパいたんだっけ…』(←やっと出たっ! うさパパっ! ナニげにAct.1以来の生存確認です。実写版では、いまだ登場しておらず、洗面台に歯ブラシすら置いてもらってないため(←Act.5参照)、月野家は見た目、完全に母子家庭です。でもそんなの、うさママのハイテンションがすべて吹き飛ばしてくれます…これなら子供達もグレる事はないでしょう…)。
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うさママ:「でも、行っちゃ(←言っちゃ?)ダメだからね? 内緒にしてるらしいから、ぷっ♪…」(←ナニげに役得自慢の笑みか? それとも、「いっちゃダメ」と言いつつ言っちゃってるコトに対して笑ってるのか?)。「分かってるって!……………………ぜんぜん関係ないけどぉ…十番病院ってぇ、南十番駅の、そばだよね?!」。「そうだけどぉ?」。「…『うんうん♪』」(←食事に手も付けず、速攻で居間を出て行っちゃいました)。「ちょぉっとうさぎぃ〜っ!」。進悟:「…行く気まんまんじゃん…!」。…どうでもいいけど、このシーン…。外はがんがんに明るいし、どう見ても朝食どきにしか見えませんが(←食べてるのもロールパンにオムレツにサラダに牛乳)、うさぎちゃんは完全に私服なので、どうやら今日は休みの日みたいですね。でも、これが仮に土日だとすると、すでに今回のAct.11の放送日の土日はとっくに過ぎちゃってるので、次回Act.12の放送日と重なってしまうコトになりますが…。ま、いっか…どうせ今回は、話が2話完結で続いてるコトだし…。
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クラウンのルナカラにて…。
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「愛野美奈子のお見舞い?」(←みんな私服です)。「…『うん♪』…って言っても、こっそり病院見るだけ!」。「うさぎちゃんっ、今日はプリンセスかもしれないセーラーVを探すコトになってたでしょぉ?」。「…『でしょ!』」(←追撃の睨み)。「だからぁ〜ちょっとだけっ」。「もうっ」。「ふ〜ん…愛野美奈子かぁ…」。「!…まことぉっ、まさか行くつもり?!」(←レイちゃんは、まこちゃんが『けっこうミーハーな隠れファン』だという秘密を知ってるので、まこちゃんの考えてるコトなどお見通しです…)。「いやホラ、うさぎだけじゃなんか心配だからさ…」。「…『うんうんっ♪』」。「もう! ナニ考えてるのよぉ、もうちょっと戦士ってコトを自覚したら?!」。「……『ああ…まこちゃんったらうさぎちゃんと…いいなぁ…でも私、今更うさぎちゃんには言えないけど、そんなファンじゃないしなぁ…』」。「分かってるけど、お願いっ! まこちゃん、行こっ!」。上着(←ジャンバーコート?)をつかんで駆け出す二人。「ちょっと! うさぎ! まこと!」。「悪い、すぐ戻る!」。「ごめんねっ!」。
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「まったくもぉ〜っ!」。「でも、うさぎちゃん…いつも通りで安心したかな」(←これは、前回の「月の王国」ショックのコトですね)。「いつも通りすぎっ!」。「……『にこにこ…』」…う〜む…やはり亜美ちゃんは、当初ワシが睨んでた通り、別に愛野美奈子のファンじゃなかったな…。それに、やはりレイちゃんの『お怒り』を静める役どころは、自分なのだと考えてるらしいフシも見受けられますな…。
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「十番病院」にて…。
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うさぎちゃんとまこちゃんの二人が、病院の表門をちょっと入ったあたりで、じっと建物を見上げております…。「…ここかぁ…」。「こんなおっきいんじゃどこら辺か見当も付かないな…」。うさぎちゃんは両手をがしっ!と力強く握り合わせて、お祈りを始めます…「美奈子…早く元気になってね…!」。「…」(←一応付き添いと言う立場だからか、こちらは全く祈る気配なし…。もしくは、この期に及んで、『自分はそこまでミーハーじゃない!』と装ってるのか?)。
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「……」。「……」。…その後しばしの間、ただ無言で、バカでかい総合病院の建物を見上げる二人…。「…ンもうちょっとだけぇ…中入ってみる?」。「だな…(←出たっ! まこちゃんの名ゼリフ)。いくらなんでも、ここじゃね…」。
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病院のロビーにて…。
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「ここに美奈子がいるんだぁ…!」。「しーっ!」。「おなじ建物にいるなんて感動〜っ!」。二人はナニげに「院内案内」の図を見ながら、「…へぇ〜、病室は8階から上か…」。「……」。ちなみにこの病院は15階建です…ちなみにワシは、健康だけが取り柄の人間で、今まで病院のお世話になった事がないのでよく知らないんですけど、総合病院ってデカイんだねぇ…。
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で、次の瞬間には、なんだかんだ結局ナースルックになっちゃってたミーハー2名…(↓)
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『まこちゃんナースさん』(←違和感ゼロ…いつもながら、なに着ても全く違和感なしっ!)。一方、『うさぎちゃんナースさん』(←なぜか違和感あり?…)(←可愛いのは間違いなし。しかしナースをやるには顔が幼すぎか?…ワシがこの人に注射器向けられたら、きっとそれなりの覚悟はするでしょうな…)。
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ところで、この二人が胸に付けてる名札は、どちらも自分の名前じゃありませんな。全部ハッキリとは読み取れませんが、まこちゃんのが「●井」であるコトだけは確かです。つまり、変身ケータイは、写したそのまんまを完全コピーするので、「名札も元の看護婦さんのまま」という事実が、今回これで判明した訳ですな(←※ちなみに、いつの頃からか、「看護婦さん」という呼び方は「看護師さん」という呼び方に変わったんだそうな…。だがしかしっ! ワシャそんな情緒もヘッタクレも無い呼び方は好かんから、今後も、あくまでも「看護婦さん」で我が生涯を貫くつもりぢゃっ!)。
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※ 後日、「美少女戦士セーラームーンひみつじてん (てれび超ひゃっか)」(小学館)に、この時の二人の写真が掲載されており、『まこちゃんナースさん』が「桜井」さんで、『うさぎちゃんナースさん』が「春谷」(かすや)さん?(←こちらはよく読めんが…)であった事が判明いたしました…。
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で、その二人が、すれ違うお医者さんと視線を交わしながら会釈をしても、相手も普通に会釈を返してくるだけなのですが、これ、もしもホンモノの「桜井」さんと「春谷」さんに出っくわしちゃうと、エライ事になってしまいませんかね?…。
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二人は、2階からはエスカレーターに乗り…「こんな所まで来るなんてやりすぎだよ」。「まこちゃんが言い出したんだよ?」。「あたしは、うさぎが行きたいかと思って…」。「まこちゃんが行きたいんでしょ!」。「うさぎでしょ!」。「まこちゃんでしょぉ」。「うさぎ」。「まこちゃんっ」。「『うさぎ』」(←音声は途絶えたが、口の動きがそう言ってた)…画面はここでフェードアウトしましたが、おそらく二人は、これを延々繰り返しながら8階まで上ってった模様です…。
★ ★ ★ ★ ★ ―CMタイム― ★ ★ ★ ★ ★
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クラウンにて…。
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こちらは、真面目に仕事してるチーム…。亜美ちゃんがパソコンを操作し、ネット上にあるセーラーV関連の情報のうち、役に立ちそうなのを片っ端からプリントアウトし、それをレイちゃんとルナがつぶさに吟味してるようです。「……」。「……」。「う〜ん…」。
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ちなみに、レイちゃんがぺらぺらめくって見てた資料は、どちらもニュース・ページの社会面からプリントアウトされたものですが、ちょっとこれらの内容を、本稿では画面に映った順ではなく、資料の日付の古い順に見て行きましょう(↓)
資料その1: 「謎のヒーロー「セーラーV」の活躍 2日(木)23時頃、東京都港区にある宝石店「CHADONNE」に泥棒が入り、宝石、指輪などの貴金属類約100点が盗まれた。しかし、現在世間で噂の謎のヒーロー「セーラーV」と思われる少女がそれを未然に阻止し、強盗は未遂に終わった。 被害にあった宝石店は、高級ジュエリーの専門店として業界では有名な店で、現在は古代ローマの秘宝を公開していることもあり、盗まれていた貴金属の総額は、およそ十億円に及ぶものだった。 警視庁は強盗未遂事件として調査中だが、未だ犯人の足どりは見つかっておらず、唯一犯人と接触したセーラーVの行方も探している。 この「セーラーV」と呼ばれている謎多き少女は最近の強盗・窃盗事件を多く阻止しているが正体は全く不明なのである」。 |
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…この記事の横には、「本紙独占!これがセーラーVだ!」というキャプションと共に、深夜の街にたたずんで『Vちゃんポーズ』を決めているセーラーVのカラー写真が掲載されてます。
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この事件のあった「2日(木)」というのは10月の事です。そしてこの事件は、その翌日の「3日(金)」の朝にはテレビニュースでも流れており、つまりそれが、記念すべき「10月4日(土)」放送のAct.1のオープニング開けの月野家の朝のシーンとなる訳です。つまり、ここに書かれている「強盗未遂事件」の犯人とは、すなわち、当時まだ駆け出しのヒヨッコで無名だった『タキシード仮面』その人なんですな。するとここで、新たな疑問が沸いてきます。この記事には、「警視庁は強盗未遂事件として調査中だが、未だ犯人の足どりは見つかっておらず、唯一犯人と接触したセーラーVの行方も探している」と書かれてますが…それならば、なぜセーラーVは、いっそタキシード仮面を警察に売り渡してしまわないのか?…と…。セーラーVがタキシード仮面をセーラームーンに近付けたくないのなら、いっそのこと、彼を警察に売っちゃえば簡単に厄介払いできるはず…にも関わらずそれをしないと言うコトは、おそらくセーラーVは、『タキシード仮面の正体は地場衛だ』という事までは突き止めてないと言うコトなんでしょうな(←地場衛の方は、『セーラーVの正体は愛野美奈子だ』と知ってるのに)。
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それはそうと、やっぱりタキシード仮面は、元々が基本「泥棒」だったんですな…ぜんぜん水晶と関係ない「貴金属類約100点」まで盗みまくってますからな…。それとも彼、「幻の銀水晶」は見分けられても、水晶とダイヤの見分けは付かないんでしょうか?…ってンなバカなっ!
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ところで、この時のセーラーVの姿が何者かによって写真に撮られてたくらいですから、ルナがAct.3でうさぎちゃんと亜美ちゃんに見せた『対タキシード仮面戦』のVTRが存在してても、さほど不思議ではないと言うコトにもなりますかな。要するに、それほど、当時すでに、セーラーVはマスコミその他からもマークされてたってコトになりますからな。
資料その2: 「正義の味方!!セーラーV 19日(水)深夜、23時ごろ、東京湾に中国からの蜜入国船が到着した。船には中国人男性が19名乗っていたが、そのうちの5名は中国で盗品の密輸に関わっているとして、中国で指名手配されていた人物らだった。 船に積載されていた荷物のなかからは、中国で先日盗まれた●宝石を含む、約200点もの宝飾品が見つかった。5人の詳しい容疑内容はまだ不明だが、警視庁ではこの5人の容疑者を逮捕し、テロ組織との関係などについても5人を追及する方針でいる。又、同じ船に乗船していたその他の密入国者についても何らかの関わりがあるものとして調査をしている。 今回のこの大きな事件を解決に導いたきっかけとなったのは、またしてもセーラーVの活躍だった。 しかし、警察が現場に到着した時、すでにセーラーVの姿は無く、いまだ正体は不明のままである」。 |
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…この記事の一番下に、「ついにとらえた!これがセーラーV?!」というキャプションと共に、セーラーVのモノクロ写真が掲載されてます(←しかしこちらのモノクロ写真は、単に上記の記事の「本紙独占!これがセーラーVだ!」からの流用ですな)。
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この「19日(水)」というのは先月11月の事で、この日付は、「11月22日(土)」放送のAct.8の「ナコナコなりきりコンテスト」の3日前にあたります。てコトは、うさぎちゃんが「このあいだ出た宿題っ、せっかくやったのにっ、間違ってノート捨てちゃった」のが、おそらくその日あたりだったのだろうと思われます。しかしこれを見ると、セーラーVは、明らかにタキシード仮面とは関係のない事件まで解決してますな。と言うコトは、彼女の目的は単にタキシード仮面を監視する事だけにはなく、やはり、彼女は彼女で幻の銀水晶を探してて、でも結局どれも幻の銀水晶じゃなかったので、たまたまその流れで正義の味方みたいな感じになっちゃってる…って事なんじゃないでしょうかねぇ?…だとしたら、セーラームーン達がやってる事もそれと全く一緒のはずなのに、こちらはだ〜れもその業績を称えられていないのは、ちょっと納得いかないんじゃないでしょうか?(←おそらく、セーラームーン達の方は全てダーク・キングダム絡みなので、被害者から事件の記憶そのものが消されてしまってるためでしょうな…てコトはだ…、実写版のセーラームーン達の活躍が世間に認知される日は、永遠にやって来ないじゃないかっ!)。
★
で、亜美ちゃんがインターネットで検索しております…。で、パソコンの画面には、「「セーラーV」で検索した結果、125件検出されました。」と出てます(←検索エンジンにもよるんでしょうが、この数字は多いのか少ないのか?)…まあ、それはさて置き、今、亜美ちゃんが見てるページに表示されてる検索結果を、上から順に見ていきますと(↓)
1.
「*連続宝石強盗を次々と捕まえるセーラーVとは?」(←どうやら、タキシード仮面だけが彼女から逃げ延びてるようですな…これはやはり、『タキちゃん走り』のお陰でしょうな)。
2.
「*人気急上昇。セーラーVの正体にせまる!!」(←どんだけ迫ってるのか、ぜひ見てみたいもんですな)。
3.
「*非公認サイト「セーラーVファンクラブ」ホームページ」」(←ホントにあるんなら、ぜひワシも入りたいな)。
4.
「*非公認団体ホームページ「セーラーVを見守る会」」(←なんか覇気の感じない団体だな…高齢者主催か?)。
5.
「*検証。「セーラーVは敵か?味方か?」研究レポート」(←なんか、ワシっぽいヤツですな)。
6.
「*なぜ月夜に現れる?セーラーV〜月との関係?」(←これは真剣に興味深いテーマですな。幻の銀水晶が月の光に反応するとか…)。
7.
「*「星のまつり」〜月と火星と水星と木星大集合」(←つまり、これがアレなんだけど、なぜかこれだけ、どこにも「セーラーV」って検索キーワードが入ってませんな…ナニが怪しいってそれが一番怪しいですな…)。
8.
「*緊急討論!「セーラーVは美少女か?そうでないか?」(←本人は、自分で「美人戦士」って言ってましたけどね…「アクト・ゼロ」で…)。
9.
「*セーラーVを見た!激撮写真投稿募集中!」(←アイコラとかすんなよ)。
★
で、さすが亜美ちゃん、『これは怪しい』と睨んだらしく、この中から亜美ちゃんがクリックしたのが、「*「星のまつり」〜月と火星と水星と木星大集合」…。ページを開いてみると、そこには「ゲストはV」の文字があり、それを見た亜美ちゃんは、「!…レイちゃんっ、ルナっ!」。
★
「!…」。「はん?!…星のまつり…月と火星と水星と木星大集合…ゲストは……V!?」(←真顔バージョン)。「これ、英語なら、ムーン、マーズ、マーキュリー、ジュピター(←さすがっ! アッタマいい〜っ!)…『ちなみに、セーラー太陽系の順序と一部違ってるのがチョット気に入らないけど…』」。「私たちのコト?…それで、Vは……セーラーV…『ちなみに、あたしはこの順序でいいと思うわ』」。「うんっ…『そんなのイヤ…』」。「はぁ〜…偶然にしては、そろいすぎるわねぇ…」。「今日開催みたいだし、一応調べた方がいいかも」。「…『うん』」。「うんっ!」。
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ちなみにこのページは「〈イベント情報〉」となってて、コンテンツには「星の神話」、「BBS」、「会場アクセス」なんかもありますな…ナニげにこの「星の神話」ってのがちょっと気になりますが、劇中では見せてくれませんでした…。
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ところで、この「本日12/18開催」という日付ですが、これは木曜日です。つまり今日は木曜だったんですな。最初の美奈子の「十番病院」のシーンが「12月17日(水)」でしたから、あれからまだ一日しか経ってなかったんですな。そしてこれは、次回Act.12の2日前にあたる日付となります。今回のエピソードは2週にまたがってるようなので、そうなってるのはいいのですが、しかしそうすると、今日は平日なのに学校は休みだったコトになります…冬休みには少し早いような気もしますが…ひょっとすると十番中(←と言うか十番町近隣の学校も?)では、そうなってるのかもしれませんなぁ…。
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あと、「会場 I.O.Z.HALL」ってありますけど…この「I.O.Z.」って…ゾイ?…ホント…いかにも怪しいですな…誰がどう見ても罠だと分かります…。でもそれに簡単に引っかかってこそセーラー戦士、ちなみにアニメ版のクンツァイトもそう言ってました(↓)
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アニメ版「第37話」のプリンセス・セミナーの妖魔:「でもぉ、セーラームーンともあろう者が、わたくし達の仕掛けた罠にかかって来るのでしょうか?」。クンツァイト:「来る(←即答)…セーラームーンとはそういうヤツだ…」(←「第37話」「めざせプリンセス? うさぎの珍特訓」より)。
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…ところで、実はセーラー戦士サイドに限って言えば、彼女達はまだ、ゾイサイトの名前はおろか、その存在すら知らない状況ではありますけどね…今のところ彼と接触してるのは、「ナコナコなりきりコンテスト」の時の美奈子だけです。
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こちらは「十番病院」…。
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美奈子が、病室に持ち込んだノートパソコンで、昨日社長さんに言われた、「新曲発表会でナコナコのクリスマス・バージョン配るからデザイン、あさってまでねぇ」の仕事をやっております(←美奈子は右利きですな。セーラー戦士は全員右利きです)(←ちなみにワシも右利きです)。今はちょうど、サンタさん姿のナコナコのヒゲをデザインしてるところです。最初は、口全体をもさ〜っと覆うタイプのヒゲにしましたが、ナニげにそれが気に入らないのか、今度は、やや短めのあごヒゲと、長い口ヒゲのセパレートタイプにしてみます(←ナニげにこの「ヒゲ問答」は、ひょっとして次回への伏線か?…ってまさかね…)。
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その美奈子と背を向け合う形で、社長さんがソファに座って、なぜか、手を頭上にかざすような格好で透明なマニキュアを塗っております。社長さんの隣には、ファンからプレゼントされたでっかいクマさんのぬいぐるみが座っております。…おや? ベッド脇の台の上には、やや小さめのシンセサイザータイプの鍵盤楽器が置いてありますな…美奈子は楽器も弾けるみたいですな。
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するとそこへ、昨日は声だけ出演だったアルテミスが、今度は窓のブラインド越しにシルエットで登場しました…「美奈子っ、急いで、出てくれ…!」(←声にエコーが掛かってます…これは、この声は美奈子にしか聞こえてないよ〜んという意味でしょうな)。美奈子はそれを見ながらうなずくと、すぐに立ち上がります(←ナコナコのヒゲを最初のヤツに戻しましたな…どっちにしようか決めかねてるのか?)。しかしそれにしてもアルテミスは、ずいぶんと勿体つけた登場の仕方で引っ張りますな…ナニか、いきなり見せられない訳でもあるんでしょうか?(←アニメオタク対策で、声が変わったコトに対するショックを少しでもやわらげようと印象操作してるとか?)…しかしこのシルエットを見た限りでは、彼が完全にルナと色違いのぬいぐるみである事だけは、もはや明白かと思われます…。
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美奈子がキャップを被って歩き出すと、社長さんは、背中越しにその気配を悟り、すかさず、それでいて物静かに、「美奈子?」。「…」。「部屋から出る時は他の患者さんに気付かれないようにね?」。「うん…大丈夫…」。美奈子はそう言ってキャップを深々と被ると、病室を出て行きます。ナニげにこの社長さんは、外見上のイロモノ的なイメージとは違って、かなり『デキル人物』のようですな…同じ社長でも、成田物産の社長とは大違いです。
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こちらは「I.O.Z.HALL」…。
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会場の前までやって来た亜美ちゃんとレイちゃん…。なにやら怪しげな雰囲気の漂う、白い洋館みたいな建物です。ドアの横に、金色の額縁が三脚で立てられており、そこにはホームページと同じ内容の事が書いてあり、そこで「ゲストはV」となってたのが、ここでは「特別ゲスト:V」となってます(←あくまでも「V」を強調してエサにしてる訳ですな…)。
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二人はそれを見てうなずき合うと、会場へ入って行きます…。ちなみに、亜美ちゃんがいる時は、ルナは亜美ちゃんに持ち運んでもらうのが好きみたいですね…一番取り扱いがやさしそうだモンね。も一つちなみに、亜美ちゃんは外に出歩く時は、仲間と一緒でもメガネをかけるみたいですな…。
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中に入って黒い垂れ幕をくぐり抜けると、「う〜〜ん…」。外観の古びた感じとは違って、中はちゃんとしたきれいなホールですね…なんか、社交ダンスのホールみたいな雰囲気です。左側の壁沿いに、食事をするためのテーブルが並んでます(←左右対称みたいですが、右側の壁はここでは映りません)。正面の一番奥のスペースには、グランドピアノが置いてあります(←鍵盤が左側の壁に向くように置かれ、反響版の上蓋がホール側に向かって開けられてますから、今日の演奏目的でここにセッティングされてる事が分かります)…「ここね?…誰もいないみたいだけど…」。「気をつけて…嫌な気配がするわ…」。…や、「嫌な」気配て…やっぱキモ白いから?
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こちらは「十番病院」…。
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社長さんがマニキュアを『ふーふー』して乾かしてます…隣に座ってるクマさんのぬいぐるみに両手の爪を向け、「はい、クマくん、ふーして、ふー」…そんな無邪気な社長さんですが、ナニげにふと、美奈子のベッドの方を見て、「…?」と何かに気付いたようで、おもむろに立ち上がると、中腰になってベッドの下を覗き込みます。「…あの子クツでぇ…?」。そこにはサンダルが置いてあるだけ…「はっ!…まさかっ!」。社長さんは、昨日美奈子がやたら退院したがってたコトと、「アンタ最近きゅ〜にいなくなるでしょ」と普段から気付いてたコトとで、すぐにぴんと来たようです…さすが、オンナの直感は鋭いっ!
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その美奈子は、スニーカーを履いてすたすたと廊下を歩いております…。
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するとちょうどそこへ、うさぎちゃんとまこちゃんがばったりと行き合わせます。しかしこの時の二人は、なぜか、いつの間にか私服に戻ってますな…んん?…これはなぜ?…と言うより…、それ以前にまず、ここに至って、だったらなぜ、あそこでわざわざナースルックになる必要があったのか?という素朴な疑問が、今更ながら浮上してまいりました…(↓)
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このシーンで、二人のいる後ろの壁に時計が映ってます。おそらくこれ、「午前9時1分」頃だと思うのですが、実はこの病院の一般病棟の平日の面会時間は、「14:00〜19:00」なんですな(←あくまで現実世界のお話ですが…)。てコトは、今は面会時間ではないので、一般の人が病院内を勝手にウロウロする事はできない訳です(←しかもその際、1階の総合案内受付で面会バッジをもらって胸に付けなければなりません)。要するに、二人は元々病院の中まで入るつもりはなかったのに、いざ来てみると気が変わり、「…ンもうちょっとだけぇ…中入ってみる?」。「だな」と入ってはみたものの、しかし時間的に面会客を装う事もできず、それで、急遽「桜井」さんと「春谷」さんに成り済ました、と言う訳です。それで、『あわよくば美奈子の病室まで押しかけてやろう』とまで考えていたに違いありません。だからこそまこちゃんは、「こんな所まで来るなんてやりすぎだよ」と言ってたんですな。ところが、いざ来てみると、おそらく、美奈子がこの病院に入院してるコトは、一般の職員ですら知らされてないトップシークレットだったに違いありません。なので、たまたま1階のフロアにいただけの、しかも、たまたま自分達のセーラーカラーと同じ色のカーディガンを着てたから選んだに過ぎない「桜井」さんと「春谷」さんでは、美奈子の病室までたどり着くには、完全に人選ミスだった訳です。それで二人は無駄足を踏んだ形となり、あきらめて変身を解いてしまったんですな(←面会バッジの事も知らなかったので)。それで帰ろうとしていた矢先に、偶然、美奈子らしき少女と出っくわした…。…という流れのようですな…(←って知らんけど…)。
★
うさぎちゃんは、すれ違った美奈子に、なんとなく目をやります…「…あれぇ?…あの子…」(←まだ確信はない様子)。「……」。
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ところが、すぐに、それを追うような形で「美奈子ぉ〜?…美奈子ぉ!?」と叫ぶ人物(←社長さん)が飛び出して来て…それを見てうさぎちゃんは、「えっ!? やっぱりぃ?!」と目を輝かせます。
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しかし、その人物が「美奈子ぉ?…美奈子ぉっ!……みぃなこぉ〜…」と怪しげな挙動を取っているのに気付くと…「ナンだぁ? あの人?」。「もしかして妖魔! 美奈子が危ないっ!」。「え?」と、二人はいきなり駆け出します。
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その頃美奈子は、足早に階段を駆け下りてるところでした。なぜ美奈子は階段を使ったのか? これは、人目につかないようにするためでもありますが、実は、移動手段としてもこれが一番早かったからでもあります(↓)
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【1.エレベーターの場合】⇒15階建ての建物で、8階以上のフロアから1階までエレベーターで降りようとすると、最初の待ち時間、及び、それぞれの階で患者さんが乗り降りする時間など、これらが、普通のデパートやらオフィスビルやらとは比較にならないほど遅くなる。
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【2.エスカレーターの場合】⇒これは一番人目につきやすいだけでなく、患者さんの間を縫うようにして駆け下りると、あまりにも迷惑だし目立ちすぎるため、一切走る事ができない。
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【結論】⇒結局、階段が一番人目につかず、しかも思いっきり自慢の快足を飛ばせるため、最も早いのだ。
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そして、階段を駆け下りる美奈子がいかに早かったか、我々は、その驚愕の事実を目の当たりにする事になる(↓)
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まず美奈子は、まさにその階段を駆け下りてる最中に、いきなり上の方から「い゛や゛あ゛ぁあ゛ぁあ゛ぁ〜〜……」という社長さんの雄叫びだか悲鳴だか分からない声が聞こえるや、「!…」ときびすを返し、「…社長ぉ?!」と今度は階段を駆け上がります。ここで、その時の美奈子の現在位置が、ちょうど1階と2階の間だった事が画面上から確認できます。
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次に、美奈子が階段を上って社長さん達のところにたどり着きますが、うさぎちゃんとまこちゃんが社長さんの身柄を拘束してる場所は、まだ階段を下りる手前の踊り場です。つまり、彼らはまだ、最初に美奈子が病室を出たそのフロアにいた事が分かります。
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では、美奈子の病室は一体何階にあったのでしょうか? 劇中の説明では「8階から上」としか分かりませんし、その際に画面に映された「院内案内」では、屋上のヘリポートと15階のレストランくらいしか字が読み取れません。そこで、「セーラームーンを追いかけて」というサイト様のありがたい情報を元に、この実在する病院のホームページに行ってフロアマップを確認してみたのですが、しかしそれはナニげに「2007年2月1日」現在のもので、残念ながら、どうも2003年の放送当時とはちょっと違っちゃってるみたいなんですよねぇ…。と言うのも、最初社長さんが美奈子を追って出て来たシーンに、「←外科病棟 整形外科病棟」という道案内の標識が映ってたので、これによって、当時この病院が、どうも内科と外科で病棟を分けてたらしいコトが分かるのですが、現在はそのような分け方がされておらず、「南病棟」、「北病棟」という分け方がされてて、内科とか外科とかは、フロアごとに振り分けられておりました。ただし、「病室は8階から上」と言うのは一緒です(※下図参照)。
★
これが「十番病院」の全貌だっ!(↓)※2007年2月1日現在
屋上 |
ヘリポート(←すげぇな…きっと美奈子は、ヘリで空港から運ばれて来たに違いない) |
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―南病棟― |
ELB機械室 |
―北病棟― |
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15階 |
職員・一般レストラン |
厨房 |
厨房・食養科事務室 |
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14階 |
内科(35床) |
エレベーター・デイルーム |
内科(49床)・透析科(5床) |
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13階 |
内科・神経内科(55床) |
エレベーター・デイルーム |
心臓血管外科・循環器内科・呼吸器外科(53床) |
|
12階 |
脳神経外科・皮膚科・放射線科・リハビリテーション科・内科(55床) |
エレベーター・デイルーム |
耳鼻咽喉科・眼科・歯科口腔外科・泌尿器科・形成外科(53床) |
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11階 |
外科(55床) |
エレベーター・デイルーム |
外科(55床) |
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10階 |
婦人科・整形外科(54床) |
エレベーター・デイルーム |
整形外科・形成外科(55床) |
|
9階 |
感染症(12床)・救命救急センター(20床) |
エレベーター・デイルーム |
神経科(38床) |
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8階 |
小児科(46床) |
未熟児室(10床)・新生児隔離室(4床)・NICU(5床) |
産科(44床) |
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7階 |
会議室・講堂 |
電気室・ベッドセンター・洗濯室・リネン室 |
手術部空調機械室 |
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6階 |
|
MEセンター・解剖室・霊安室 |
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|
5階 |
|
正面入り口 中央待合ホール 初診受付 再診受付 会計/薬渡し 総合案内受付 |
ICU(8床)・CCU(4床) |
手術室(11室) |
4階 |
医局 |
医療安全管理室・地域医療連携室・検体検査・看護 |
図書室・病理検査室・管理部門 |
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3階 |
泌尿器科・産婦人科・皮膚科 |
外来・病歴・内視鏡 |
生理検査・細菌検査室・リハビリテーション |
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2階 |
循環器外来・眼科・耳鼻咽喉科・整形外科・外来手術室・外来治療センター |
外来・採尿・採血 |
CT・放射線科・結石破砕室 |
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1階 |
内科・総合診療科・外科・脳神経外科・救命救急センター |
医事・薬剤・SPD・店舗 |
放射線治療・MR・核医学 |
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地下1階 |
―A棟― |
―B棟(D棟)― |
―C棟― |
★
仮に、病室そのものは当時これと大して変わってなかったと仮定した場合、美奈子は「かすりキズ」(←外傷)ですから、彼女が入院するとしたら、10階の「整形外科・形成外科」のフロアになるはずです。
★
そこでだっ!…「美奈子の病室は実は10階だった」と勝手に決めてしまって、美奈子がその10階の階段を降り始めてから社長さんの雄叫びが聞こえるまでの時間を計測したところ………………………………………………………………わずか17秒っ!! これは、画面上の流れから完全に実時間である事が分かるため(←つまり、カット割りとかで時間が省略されてない)、ナンと美奈子は、たった17秒で10階から2階まで駆け下りてた事になります。ちなみに現在、男子200m走の世界記録が19秒30ですから、それだけの時間があれば、美奈子はとっくに10階から1階まで下りられるという訳です(←1階につき2秒以内で駆け下りとる…)。はえ〜〜っ!! つまり、これが『Vちゃん走り』の実態だったんですな。普段我々が目にしていた『Vちゃん走り』は、実は、めっちゃスロー再生された映像だったのだっ!
★
★ ★ ★ ★ ★
★
で、話は戻って、美奈子が再び10階まで舞い戻って来ると、「!」…そこには、うさぎちゃんとまこちゃんに取り押さえられて「イタィてててて……」と呻いてる社長さんの姿が…。「美奈子にナニするぅ〜っ!」。
★
それを見て美奈子は、「…(心の声→)セーラームーン…どうして?!」(←え?! 美奈子はセーラームーンの正体をすでに知ってるんですか?…そうすると…あのぉ…ちなみにもう一人、背の高い人がいらっしゃいますけど…そちらについては?…)…美奈子はそう思いながらも、さっと顔を背けますが、すかさずミーハー娘に「愛野美奈子〜っ!」と思いっきり名指しされてしまい、「!…『ってテメ呼び捨てかよっ!』」…するとたちまち、その周りにぞろぞろと野次馬が集まって来てしまいました…。
★
「イテテ…も助けて…!」。社長さんを取り押さえながら、うさぎちゃんとまこちゃんは、目の前の美奈子に感激してすっかり目を輝かせております。「……『あっちゃ〜最悪…』」。
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そこへ2代目マネージャーさんが、「あぁ、すいませんっ、すいません…」と野次馬を掻き分けながらやって来て、「社長?!…美奈子ちゃぁん…」。「マツオちゃんナンとかしてよモウっ!」。「はいっ! ああ、ごめんなさい、すいません!」と言って、群がる人々から美奈子を引き離すように導いて行き、「すいませんっ、ごめんなさい、通してくださいっ、すいません! みなさんすいません! 美奈子は今入院中ですので! そこんトコお願いしま〜〜すっ!」と無理やり病室に押し込み、彼自身はドアの外で野次馬に対処するため残ります。
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ばたんっ!とドアが閉められると、なぜかドサクサに紛れてうさぎちゃんとまこちゃんまで病室に押し込められてしまい、社長さんと一緒になってどかっ!とソファに倒れ込むように腰を下ろします。「あぁっ…」。「…」。「はぁ〜〜…」。「はぁ〜〜まいったわねぇ…これでしばらく騒がしいわね…」。「もう、ホント大変でしたよねっ!」。「も、タ〜イヘンなのよ……っておいっ!」。「!」。「おい?!」。「!」。「も、ヤッダ、なぁんでアンタ達までいんのよっ!」。「すいませんっ! ナンか、押し込まれちゃって…。あたし達、ちょっと、勘違い、してたみたいで…」。「……『てへへ…』」。「も゛お゛ぉ〜〜〜〜っ!」。「すいませんっ!」。「…」(←社長さんにぺこぺこ平謝りする二人…)。
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美奈子はその後ろで、「…(心の声→)どうしようっ…。これじゃあ出られない…。どうしてこんな時に…!」…そう思いながら、ふと二人の方を見ると、「!」…いつの間にかうさぎちゃんが目の前に立ってて、びっくりマナコでじっと美奈子を見つめてます…「…(心の声→)あたしがセーラーVって…気付いた?…さすがに…」(←この時点ではまだ、このようにうさぎちゃんを高く評価していたようだ…その根拠までは不明だが…)。
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すると、いきなりうさぎちゃんは、「さ、サインお願いしますっ!」。「…え?!…」。うさぎちゃんはバッグからノートを取り出して美奈子に差し出し、「お願いしますっ! 私っ、もぅすっごいファンでっ、CDぜんぶ買っててっ、歳も同じ14でっ、今度の新曲も楽しみでっ、ああ〜〜もうどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようど…」(←ドタバタとジャンプしながら「どうしよう」を連続13回…)。「ちょっとうさぎぃ! 病院なんだからさ!」(←ワシなら、遅くとも6回目で止めに入ったな)。「でもさでもさっ!」。「急に失礼だって!」。「え〜〜…」。「ま、はいはいはいはいはいはいはいっ!(←合計7回、これはベスト回数だな…)じゃ、サインしてあげるから、それで帰りなさいね?…『えっと…さ・い・と・う・す・が・お…』」。「きゃ〜〜っ!…『って社長のかよっ!』」。「え?」(←思わず自分もバッグをあさり始める…)。
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社長さんは「ペンは?」と言ってそのノートを美奈子に手渡します。美奈子は、開かれたページの左半分にたくさん貼り付けられてるプリクラ(?)写真をじっと見て、そのあと、自分の横で必死になってバッグをあさってペンを探してるうさぎちゃんに目をやります。写真は、四人が仲良くじゃれ合ってる写真で、その中でも、うさぎちゃんは、いちいち浮かれまくった表情で写っており、モンキーポーズで『ウキッ!』とやってたり、みんなに取り押さえられて顔をいじられ、その上にペンで「ひど〜い」と書き込んでたり、たいがい一人で『ややヘン顔』(←微妙なんだよな…)をしており、その上に「ずっとともだち!!」とか「友情」とか書き込んでたりしてます。それを見た瞬間から、ずっと美奈子は仏頂面です(←アイドルとしてあるまじき顔を見せてしまっております)。
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しかしそんな事など気にもしてないうさぎちゃんは、やっとペンを取り出すと、「あのっ、うさぎちゃんへってお願いしますっ!」。美奈子はそのペンを無表情で受け取ります。「あいえうおの「う」に、さしすせその「さ」に」。「ひらがなね? ひらがなね、ん(笑)…」。「はいっ!」。
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社長さんが微笑みながらナニげに振り向くと、「!」…そこには、黙ってペンと色紙を持って待ってるまこちゃんが…(←それ、いつも持ち歩いてんの?)…「アンタも?!…ずいぶん用意いいじゃない…」。「まことってお願いします…」。「…はい…」(←呆れ顔…)。
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※ ところが、そんなまこちゃんの「お願い」にも関わらず、後日、「美少女戦士セーラームーン完全版メモリアルブック (小学館のカラーワイド)」を見ましたところ、この時「まことが美奈子にもらったサイン色紙」が資料として掲載されており、そこには、サインの横に、ただ一言、「まことちゃん」…と書いてありました…『ちゃんを付けるな!ちゃんを〜っ!』。
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美奈子はノートをうさぎちゃんに返し、まこちゃんの色紙を受け取ってサインを書き始めます…「……『えっと…ま・こ・と・ち・ゃ・ん…と…』」。「新曲発表会っ、ぜったいぜったい行きますっ!」。「…もっと…大事なコト…あるんじゃない?」。「ぜんぜんないです、プリンセスよりっ(←まこちゃんが眉をしかめる)、セーラーVよりっ(←まこちゃんが「…『ちょっとぉ!』」と肩を二度叩く)、愛野美奈子が一番ですっ!」。美奈子はうさぎちゃんをちらっと睨むように見ると、書き終わった色紙をまこちゃんに返します。するとすかさずうさぎちゃんが勝手に握手してきて「みぃやぁぁぁぁ〜〜っ!」(←ブンブンブンっ!)と大はしゃぎ…社長さんがそれを「はぁ〜い、よかったねぇ、じゃ行きましょう…!」とたしなめるように分けて部屋から追い出そうとします。
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するとその時、二人のケータイが鳴り、うさぎちゃんはバッグから取り出そうとした際に慌てて中身を床にぶちまけてしまいます…「あぁ〜っ!」。「……『ドジ…おバカ…浮かれポンチ…ミーハー…ずうずうしい…落ち着きがない…やかましい…』」(←等々…)。「すいません!…はっ、はっ…!」。「…うん、わかった…。…うさぎっ、亜美ちゃん達から呼び出し!…じゃあ、お邪魔しましたぁっ!」。「ちょっと待ってぇ!」。「はいはい、急いで急いで、はい呼び出しだって、はいはいはい」。「がんばってくださぁ〜いっ!」。「急いで急いで、はい呼び出しだって、はい、美奈子をよろしくねぇ〜っ!」と、社長さんに押し出されて行くうさぎちゃんなのでした・・・。
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一人残されて呆然と立ち尽くす美奈子に、「驚いたよぉ〜、まさかセーラームーン達が、こんな所に現れるなんて…!」(←こちらは「達」と認識してくれてます…まこちゃん、ヨカッタじゃないかっ!)。「がんばってくださいだって!…。…ナンだか…、ダーク・キングダムとの戦いなんて…、関係ないみたい…」(←なんたって、前回やっと初めて「ダーク・キングダム」の存在を知った位ですからねぇ…てコトは、美奈子サイドではその辺のコトまでとっくに知ってたんですなぁ…一体ナニをどこまで知ってんでしょうかねぇ…)。「まだ完全に目覚めてないんだよ」。
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美奈子は視線を落とすと、床の上に、さっきうさぎちゃんが落として忘れてったノートを見つけ、それを拾い上げます。表紙には、中に貼ってあったのと同じような写真が9枚貼ってあり、美奈子はそれを無表情で眺めてます…「……『いいなぁ…あたしも一緒に写りたいなぁ…』」(←ワシも…)。
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そしてその中から、美奈子の視線が追ってると思われる3枚がクローズアップされます(↓)
1.
まず、うさぎちゃんが中央手前にいて、その後ろに三人が並んでる写真で、「仲間だよ」という書き込みがあります(←全員私服で普通の笑顔)。
2.
次に、四人が顔を近付け合ってる写真で、それぞれのセーラーカラーのペンで「あみちゃん れいちゃん うさぎ まこちゃん」という書き込みがあります(←これもさっきとは違う私服で、普通の笑顔)。
3.
最後にもう一枚アップにされたのは、全員制服で、中央手前のうさぎちゃんがモンキーポーズで『ウキッ!』とやってる写真で、こちらは書き込みが「まこと 亜美 レイ うさぎ」となってます…が、これだけ、うさぎちゃんの部分だけがクローズアップで抜かれて映し出されてました。
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で、よく分からないのは、美奈子がここで問題視してるのがうさぎちゃんだけであるなら、他にもっとクローズアップされるべき写真、もしくは箇所があるはずなのに(←うさぎちゃん一人がもっとおちゃらけてるヤツとか)、最初の2枚などは、全員が普通に写ってて、それが全体でアップにされたので、ひょっとすると美奈子は、セーラー戦士全員のあり方について不満を抱いてるのか?というニュアンスが感じられてしまった点です…だとすると、美奈子が睨みつけるべきはまこちゃんも含めた二人であるはずなのに、まこちゃんなど徹底的に眼中にありませんでしたから(←まこちゃんは終始、常識と節度を保ってました)、この写真の抜かれ方では、明らかにその点が矛盾してしまう訳です(←美奈子が、彼女達の仲間意識に対して嫉妬してるなどというニュアンスは、微塵も感じられませんしねぇ…)。
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「さあ、美奈子、急いで星まつりの場所へ行こう」。…あれ? ベッド脇の台の上に置いてあったはずのキーボード楽器が、いつの間にかバインダーノートにすり替わってますな…きっと病室を出てる間に、マネージャーさんが次の仕事の準備をしてくれたんだね?
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しかし美奈子は、アルテミス(←ってまだ誰の声か分からないんだけどね)の言葉に返事もせず、急に力が抜けてしまったように後ろのベッドにぼんと腰を下ろしてしまいます。「美奈子?」。美奈子は、「…あんな子が……セーラームーン…?」とつぶやいております…えらい言われようですが…そんなひどかったか?…まあ、ひどかったか……美奈子はとっても真面目な子なのね…。
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★ ★ ★ ★ ★
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…で、その「あんな子」が、「星のまつり」の会場にやって来ました…。
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うさぎちゃんとまこちゃんの二人は、会場の中に入ります。「あぁ〜まだ夢みたい! 美奈子に会えたなんて!」。「…おかしいなぁ? ここに来いって、連絡してきたのに…。レイ!…亜美ちゃんっ?!」。まこちゃんは名前を呼びますが、なぜか誰もおらず、返事もありません…。「あ、もしかして、セーラーV探さないで美奈子のとこ行ったの、怒ってるとか!」。「え?」。
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するとそこへ、マーズとマーキュリーが、『当たり前じゃこのボケ〜っ!!』と、いきなり跳んで来て、うさぎちゃんとまこちゃんに回し蹴りを食らわそうとします。二人は後ずさりしながら余裕でかわしますが、明らかに様子がヘンです(←って回し蹴りのコトじゃないよ)。それにしても、この時のマーズの表情はスゴイです…ナニがスゴイって、一目で、『何かに操られてるっ!』って分かります。一方マーキュリーの方は、こう言っちゃナンですが普段とあんま変わりません…でも実は、その方が『マジで怒ってるっ!』と勘違いするので逆に怖かったりします…ワシとしては、どちらも甲乙つけがたいです。
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「ナニするんだよ!」。「亜美ちゃん! レイちゃん!…『ついでにサインもらって来てあげればよかった!』」。
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「亜美ちゃん! レイちゃん!」。すると今度は、マーズがうさぎちゃんに飛び蹴りを食らわそうとジャンプし、うさぎちゃんはかがんで避けながら、「やっぱり怒ってたんだ! ごめんなさぁいっ!」。一方マーキュリーは、まこちゃんに蹴りとパンチの連続技で鋭く襲い掛かります(←さ、さっきの回し蹴りは…)。「ちょっとホント!?」…それを、ナニげにかっこよく機敏に避けるまこちゃん(←名付けて『ダンスよけ』…『タンスに虫よけ』じゃないよ)…「亜美ちゃんちょっと待ってって!」。
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なおも容赦なく襲い掛からんと迫り来るマーズに、うさぎちゃんはへたり込みながら、「レイちゃ〜ん…!」と泣きそうな顔してます。すると、ナンと壁際のテーブル席のテーブルの上に、なんでさっき最初に見えなかったんだ?!と言うくらいに目立つ、ルナの哀れな姿がっ!…「んん…んん…!」(←亜美ちゃんの手提げバッグに縛り付けられ、口をバッテンシールで塞がれております)…しかし、どう考えても最初から手は自由だったとしか思えない縛られ方なので(←このやさしい縛り方は、間違いなく亜美ちゃんだな…)、ルナはバッテンシールをやっと引っぺがし(←で、このバッテンシール貼っ付けたのがレイちゃんだな…)、「んっ! むはぁっ…気をつけて! マーズとマーキュリーは操られてるわ! あたし達をおびき出す、罠だったのぉ〜っ!」。「え?!」。なるほどそうか…ワシは一つ分かったコトがあるぞ…なぜ実写版のルナが、Act.1で一番最初にうさぎちゃんと出会った時に、額の三日月にバンソーコを貼られてなかったのかが…それは、実写版のルナは、自分でバンソーコが剥がせてしまうからだったのだっ! ぬいぐるみだから爪もないのに、ナニげにスゴイじゃないかっ!
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「うさぎっ、変身だ!…じゅぴたーぱわーっ」。「ムーンプリズムパワ〜!」。「メーイく・あッぷ!」。二人が変身し終わって構えると、マーキュリーとマーズは、Act.4以来のカバディ・フォーメーションで相手を幻惑すると(←してる…)、ナンとその場で風車のように側転し始め(←風を送って敵の動きを止めてる…)、「え?!」、「!」、そこから一気にバク転で切れ込み、セーラームーンとジュピターが久々のプリマドンナ・クルクルでかわすと、マーズとマーキュリーは一気に飛び膝蹴り!…セーラームーンとジュピターはこれもかわしますが、すると今度は、マーキュリーが声も出さずに『マーキュリー悪(アク)亜美ストっ!』をジュピターに放ち、「うわっ!」(←かろうじて避ける)。一方マーズも、やはり声も出さずに『ミーハ〜〜退散っ!』をセーラームーンに放ちます。「うっ!」(←こちらもあわやというタイミングで避ける)。
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その頃ダーク・キングダム音楽室では、ゾイサイトがいつもの「幻想即興曲」をピアノで弾きながら、「残る二人も、我が手に…」って超嬉しそうにニヤけてます。この音は星まつりの会場には聞こえてませんが、ゾイサイトは、こうやってマーズとマーキュリーを遠隔操作してる模様です。
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「亜美ちゃん達とは戦えないよっ!」。「…」。技を避けた流れで、床にへたり込みながら後ずさりするセーラームーンとジュピター…。その二人に、まさにトドメを刺さんと歩み寄る、無表情のマーキュリーと、目がイっちゃってるマーズ…(←二人とも、コワイと言うかナンと言うか…顔のきれいな人達がこういうコトすると、なんか、マネキンのお人形さんが動いてるみたいで…そのぉ…)。
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すると、今まで誰も弾いてなかったホールのピアノに、突然ゾイサイトが心を飛ばしてやって来ました。「え!?」。「え!?」。ゾイサイトは、転送作業が完了するのに数秒ほど必要なのか、しばらく前を向いて目を閉じてたかと思うと、いきなりピアノを止めてばっ!と顔だけ向けます。「オマエッ、なんのためにこんなっ!」(←これが初対面となるはずですが、特に『誰だ』と聞くでもなし…)。ゾイサイトは立ち上がって歩み寄りながら、「お前達の心を、明け渡してもらう…」(←こちらも、これが初対面となるはずですが、特に名乗るでもなし…)。するとマーキュリーとマーズが、ゾイサイトの背後に並んで控えます(←めちゃめちゃ妖しげな絵づらです)。
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ゾイサイトはそう言って手を差し出すと、ナンと、ファイティング・ポーズを取っていたジュピターに、あっという間に催眠術を掛けてしまいました…ジュピターの構えてたコブシが、力なくダランと下に垂れ下がります。「!…まこちゃん?!」。そして、ジュピターまでもが、ゾイサイト陣営に回って控えてしまいました(←このジュピターの表情は、催眠術というより、単に眠そうな顔ですが…)…し、しかし、これはまさにっ…ハーレムやぁ〜〜っ!…うらやまし過ぎるぞ〜っ!! 「プリンセスであるセーラーVの命…お前達が奪うというのも、面白いと思わぬか…」。「そんなあっ!」。「気付いてたんだわ!(←右手に引っかかってた縄をひゅいっ!とうっちゃり)セーラーVが、プリンセスかもしれないって…!」(←て言うか、キミ達の会話を盗み聞きされただけなんだけどね…)…そしてルナの左手には、まだバッテンシールが貼っ付いたままです。
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で、ゾイサイトが、最後の一人となったセーラームーンにも術をかけようと構えると、『力仕事なら任せときな』とばかりに、ジュピターがセーラームーンの背後に回って羽交い絞めにします…「まこちゃん?!」(←やっぱジュピターは眠そうだ…)。セーラームーン、ピ〜〜ンチっ!
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するとその時! セーラームーンに向けられたゾイサイトの手を、毎度突拍子もなく現れる我らがタキシード仮面が、ばしっ!とつかんで引っ張ります! そのまま二人はバロムクロス状態となり、ゾイサイトの方も「お前は!?」と言ったきり、なぜかそのまま見つめ合って硬直しちゃっております…な、なんでしょう?! この野郎二人の妖しげな雰囲気は??…い、いかんよキミたち〜っ!!と思ってると、触れ合う手と手の間から白い光が放射され、両者の間に、いつも地場衛が見てる例の夢がフラッシュバックされます…(↓)
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【…「幻の…銀水晶を…お願い…」…そして、この時、今回初めて、この夢の中に地場衛らしき男の姿も現れます…彼は『マスクもハットもなしのタキシード姿』で、ひざまずきながら彼女の言葉を聞き、そのあと、マントばさぁっ!と立ち上がると、彼女の横に並びます…】。
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ソレを見ながら目を細めるゾイサイト…凝視するタキシード仮面…次の瞬間、光が弾けると同時に、両者とも思いっきり後方に吹っ飛ばされ(←あぁ…危なかった…って何が?)、タキシード仮面はどたっ!と腰から落ちて倒れます。「タキシード仮面っ!」。タキシード仮面は、離れ離れになってしまったゾイサイトから尚も視線をそらすコトなく、「あれは……プリンセス…」。「え!?…『このキモ白いのがぁ?!』…セーラーVのコト?…『でしょ? ねぇ、そうだって言って!』…」。一方ゾイサイトの方も、「なんだ?…今のは?」と起き上がりながら、「…お前は?…『って言うか、お前の方こそプリンセス?!』」と言い残し、ナンとそのまま、マントばさぁ〜っ!と撤収してっちゃいました…。
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その瞬間、マーキュリー、マーズ、ジュピターの術も解けて、その場にバタバタと倒れこみます。「まこちゃん?!」。「……わたし…?」。「……いったい…?」(←ああ良かった…あのまま帰って来なかったらどうしようかと思っちゃった)。「みんな…だいじょぶ?!」。「ああ…『よく寝た…』」。「うん…」。「…」。
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一方タキシード仮面は、よろよろと立ち上がると、そのまま何にも言わずによろよろと帰って行きます。「あっ、待って!」。セーラームーンが呼び止めると、止まって振り返ります。「…タキシード仮面…『ホントにアレがプリンセスなの!?』…」。タキシード仮面は呆然として何も答えず、やはりそのまま、アタマを押さえてよろよろと帰って行ってしまいました…「…『…て言うか…ウエッ…、なんか今、至近距離でモロにヘンなモン見ちったよ…』」…き、キミたち…二人して一体何を見てしまったんだっ?!
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「ぶるるるっ…(←ようやく自力で縄から抜け出したルナ)…タキシード仮面も、それにあの『キモ白い』敵も、一体、どうしたって言うの…?」(←ちなみにCGバージョン)…いやぁ、だからそれは…なんかヘンなモン見ちゃったみたいよ?!…ワシもよう分からんかったけど…。
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こちらは、ダーク・キングダムのピアノに舞い戻ったゾイサイト…。
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こちらも呆然とした表情で、「…オレは…、あの男を…、知っている…?」(←男の方だったか…)。どうやら、ゾイサイトとタキシード仮面が触れ合った瞬間、タキシード仮面は、この夢の中の女性を「プリンセス」だと思い、一方のゾイサイトは、夢の中の男のコトを「知っている」と思った…てコトはつまり、ゾイサイトには、夢の中の男とタキシード仮面がハッキリ同一人物だと特定できた事になりますわな…(←で、なんで女性の方はシカトなんだ?)。
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一方、こちらは「十番病院」の美奈子…。
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セーラーVの赤いマスクをポンとベッドに放り投げ、そのままベッドに腰掛けます…。今の今まで、セーラーVに変装しようかどうかずっと悩んでたんでしょうか?…あれ? ベッド脇の台の上に、いつの間にかまたキーボード楽器が置いてありますな…きっとセーラームーン達が戦ってる間、楽器でも弾いて気分でも紛らしてたんでしょうか?…そしてナンとその横には、仕事で頼まれてたサイン色紙にサインもしてあります…この短い間に、なんだかんだドサクサに紛れてアイドルの仕事まできっちりこなしてたんですな…なんてマジメと言うかマメと言うか…。
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「美奈子、どうして行かなかったんだ。キミはプリンセスなんだぞ!」(←おお、この人までハッキリと断言しております)。「…分かってるけど…。でも…、どうして…あんな子が…セーラームーン…?」…って、まだ言っております…そんなひどかった?…まあ、ひどかったか…。
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※ さて、何度も言うように、ワシは実写版を見る前にアニメ版を見ている。だから、プリンセスが誰であるかはすでに知っている。しかし原作を読んだのはそのあとなので、まさかセーラーヴィーナスがプリンセスの影武者という設定だったとは知らなかった。たとえばアニメ版では、第33話のラストで、セーラームーン達が初めてヴィーナスと会った時に、単に、「ああ、もしかして、あなたが月のプリンセス?」と言って、それにヴィーナスが微笑みを返すというシーンがあったのだが、それは次の第34話の冒頭で、いきなり、「いいえ、あたしはあなた達と同じ、プリンセスを守る戦士の一人」とあっさり完全否定され、その回のラストシーンでは、もうセーラームーンがプリンセスとして目覚めますから、アニメ版には影武者という設定は全く採用されてませんでした(←スーパー編で、かなり微妙なインチキ・セーラームーンに成り済ました、という話はありましたが…)。
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一方、実写版においては、すでに、早くもAct.3の段階から、「セーラーVが、プリンセスかもしれない」という設定で物語が進んでいました(↓)
1.
「それから、今あたしが気になってるのは、これ!」…ルナがパチン!と指をはじくと、パソコンのモニターにセーラーVが映し出されます。「あっ、セーラーV…。そっか、彼女も仲間ってコト?」。「う〜〜ん…」。「もしかして…プリンセス?」。「分からない…。これから彼女を追って調べてみるつもり…」。その後ルナは、ひたすらアラレちゃん走りでビルからビルへ『きぃーんっ!』とかっ飛んでくセーラーVに必死で追いすがり、「セーラーV、待ってぇ…。…あの額の三日月…あなたがプリンセスなの?」(←セーラーVは完全シカト…)。
2.
Act.6の火川神社でのルナとレイちゃんのミーティングでも、「そう…レイちゃんの占いでも、セーラーVの居場所は、分からないのねぇ…」。「あたしも、彼女には何か感じるものがあるんだけど…」。で、その回のラストで、まこちゃんがジュピターに覚醒して戦士が四人集結したあとも、「戦士が四人揃ったわ、力を合わせて、プリンセスと幻の銀水晶を探しましょう!」。「まずは、セーラーVの正体ね」。
3.
そしてこの時の会話をゾイサイトに盗み聞きされた事で、Act.7においてダーク・キングダム・サイドでも、ベリル様:「セーラーV?」。ネフライト:「はい、プリンセスかも知れぬと、ゾイサイトが…」。「あの憎い小娘っ…。もしそうであったなら、ただちに命を断てとゾイサイトに伝えよっ…」と動き出す事になる。そのAct.7の冒頭で、『ワラ忍者妖魔』を取り逃がしたセーラームーンが、肩を切られたタキシード仮面を追い、そこにセーラーVが「追ってはだめ!」と現れた時も、「セーラーV! やっぱりあなたがプリンセスなのね!」(←セーラーVは答えず立ち去る…)。
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ところが原作では、このような前振りは一切ありません。原作では、原作におけるAct.8において、ヴィーナスが、美奈子としても、セーラーVとしても初登場した時に、アルテミスによって、「まったく! しつれいな! たしかにセーラーVではあるが このおかたは 月の王国――シルバーミレニアム その王室の聖石「幻の銀水晶」の聖なる継承者 プリンセス・セレニティだぞ!」と、いきなり宣言されます。そしてやはり、その次の回には、もうセーラームーンが本当のプリンセスとして目覚め、そしてその際、前世の記憶も全て甦ります。面白いのは、逆にアニメ版では、前世の記憶はすぐには甦りませんでした(←もっとも実写版では、結局、最後の最後まで甦らなかったが…)。
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つまり実写版では、原作の「影武者」設定に基づいて、「セーラーVが、プリンセスかもしれない」という設定が、当初から、その前後に渡って意図的に引っ張られていたコトが分かります。
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しかし、それと同時に実写版は、見てる人に、「おそらく美奈子は、本当は「プリンセス」ではないのだろうな…」と思わせるような「ほのめかし」も随所に散りばめてます(↓)
1.
まず、Act.9において初めて明かされた、地場衛が見る夢の中の白いドレスの女性です。この女性はフォーカスがかったシルエットで、「幻の、銀水晶を…、幻の、銀水晶を……お願い…」と彼に訴えかけてます。おそらく、セーラームーンに関して何の予備知識もなかったとしても、誰もが、この女性が「プリンセス」なのだろうと思うでしょう(←なぜなら、彼女の頭には王冠が載ってますから)。そしてこの女性は、それまでのエピソードにおける地場衛との関係性や、その容姿の感じや声からしても、やはり美奈子ではなく、うさぎちゃんなのでは?と簡単に察しも付きます。
2.
次に、前回Act.10においてゾイサイトが行った「プリンセスへのレクイエム」作戦の空振りです。その失敗を受けて、今回ゾイサイトは、「セーラーVが生きている…。…妙だな…プリンセスへのレクイエム…完璧だったはずだ…」と言いますが、これもまた、作戦失敗の根本的な原因は、『実はセーラーVはプリンセスではないからだ』という「ほのめかし」になってるんですね。
3.
そして今回、タキシード仮面とゾイサイトが触れ合った瞬間、タキシード仮面が夢の中の女性を、「あれは……プリンセス…」と認識したらしいコトです。そして、それに対してセーラームーンが、「え!?…セーラーVのコト?」と聞いたのに、タキシード仮面は完全に無視してました。これによって、Act.9とAct.10の二つの「ほのめかし」が一つに結びつき、「やはり美奈子は、本当は「プリンセス」ではないのでは?」という「ほのめかし」が徐々に表面化してきた訳です。つまり実写版は、二人の「プリンセスかもしれない」人物を並列に描き、サスペンス・ドラマの定石通り、「影武者」の方を前面に押し出しながら、「本命」の方をそれとなくほのめかしてるんですな。
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そこを踏まえて今回の2話完結のエピソードを見ていかないと、今回の美奈子の、「…分かってるけど…。でも…、どうして…あんな子が…セーラームーン…?」という失望の「本当の意味」が、全く理解できなくなってしまうんですな。
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こちらは、社長さん…。
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うさぎちゃんとまこちゃんを追い出してから、どこかに出かけてたみたいで、いつの間にかド派手な赤いジャケットに着替えております(←日付が変わったのか?)。例のスケジュール帳を見ながら病院の廊下を歩いております…美奈子の病室へ向かってるんでしょうな…。あっ、その社長さんの背後から、妖魔が忍び寄って来て、今度は本当に妖魔に取り憑かれちゃいました(←あのぉ…ちなみにそのスケジュール帳、廊下に落としたまんまだと非常にマズイんじゃ…)。愛野美奈子、色々な意味でピ〜〜ンチっ!
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次回は、いよいよセーラーヴィーナス登場編だっ!
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セーラームーン:うさぎちゃん(沢井美優さん):「」。『』。【キャスト関連商品リスト(沢井美優さん編)▼】
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マーキュリー:亜美ちゃん(浜千咲(現・泉里香)さん):「」。『』。【キャスト関連商品リスト(浜千咲(現・泉里香)さん編)▼】
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マーズ:レイちゃん(北川景子さん):「」。『』。【キャスト関連商品リスト(北川景子さん編)▼】
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ジュピター:まこちゃん(安座間美優さん):「」。『』。【キャスト関連商品リスト(安座間美優さん編)▼】
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セーラーV:美奈子(小松彩夏さん):「」。『』。【キャスト関連商品リスト(小松彩夏さん編)▼】
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ルナ(声・潘 恵子さん):「」。『』。
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アルテミス(声・山口勝平さん):「」。『』。
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その他:「」。『』。
[2008年12月13日(土)初稿 トモロー]
【Act.10:クイン・ベリル降臨編▲】 【トップページ▲】 【筆者紹介へ▼】
★ 今回レビューしたAct.11は、「美少女戦士セーラームーン DVD 第3巻」(バンダイビジュアル)に収録されております(↓)
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