―実写版セーラームーンを検証する―


Act.10:クイン・ベリル降臨編――

 

       本稿は、2003年12月6日(土)にTBS系列各局で朝7:30〜8:00に放送された、「美少女戦士セーラームーン」(実写版)第10話の感想記(DVD鑑賞レビュー)です。

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       今回のセーラー解説は、パジャマ姿のうさぎちゃん…。

       「タキシード仮面が、幻の銀水晶のこと、マスコミに話したせいで、レイちゃん達まで、完全にタキシード仮面を敵って思っちゃった…。…タキシード仮面にも、なにか事情があるみたい。でも、そう言えば、私達だって、自分達セーラー戦士のコト、あんまり分かってないかも…」。うさぎちゃん、いつになくシリアス・モードですな。

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       一方こちらも、それと同時刻頃と思われる火川神社…。

       巫女さん姿のレイちゃんが、神社の一室で、机の上にランプを一つだけ点けて、雰囲気たっぷりになんか書いてますな。部屋には横断幕が飾り付けられて貼ってあり、そこには、「紙芝居 かぐや姫 火川神社子供会」と書かれております。どうやらレイちゃんは、その紙芝居の絵を描いてるようです(←レイちゃんは右利きですな)。ナニげに表情が楽しそうと言うか嬉しそうと言うか…。

       レイちゃんは下書き用の鉛筆を置くと、顔を上げ、妙に楽しそうと言うか嬉しそうと言うか、そんな表情でなにか物思いにふけっております(↓)

       (レイちゃんの回想シーン)⇒【…?…この小学生くらいの女の子は誰ですかね?…それから、ベッドの上に置かれた「かぐや姫」の絵本が出てきて…これ、ナニげに実在する本ですね「新・講談社の絵本 かぐや姫」(←税込み¥1,575)です…それから、それをじっと見つめる、さっきの女の子の横顔…⇒それに、今現在のレイちゃんの横顔が重なって…って、この子、ひょっとしてレイちゃんの子供時代の人ですか?】。

       レイちゃんは立ち上がると、窓を開け、夜空の月を眺めます…月に光に照らされて、非常に美しい笑みを湛えております…。

 

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       オープニング開けは月野邸…。

       いきなりうさぎちゃんの顔のドアップで、「もう最低っ、ママってばいっつもそうだよっ、自分の意見ばっかり押し付けて!」。いきなりうさママの顔のドアップで、「いつママが押し付けたのぉ、うさぎがナンでもママの言うコト反対するんでしょ?!」「してないモン! 私の意見なんか聞いてくれないくせに!」その間、弟の進悟はテーブルの下に潜り込んで、パンと牛乳を手に淡々と朝食を取っております…どうやら、日常茶飯事のようなので気にも留めてないようです。テーブルの下にいるというコトは、何かモノでも飛び交うのでしょうか?

       「いっつも聞いてるでしょお? うさぎのわがままにはもうママ、ウンザリっ!」(←すげぇ早口言葉だっ! ワシにはとても言えん…)。「私だってママなんかウンザリっ!」(←上下二分割画面でガンを飛ばし合う二人…)。「ああ、そう! じゃこれからはもううさぎにはなぁんにもしてあげなくていいわねぇ…お洗濯も食事もぜぇんぶやりなさい? あー助かるわぁ!」(←イスに腰掛けて背を向け、わざと顔の表情を隠していかにも当てこするように言っております)。「……ナニよっ、私だって……もうっ!」(←返す言葉をなくして、居間から飛び出て行くうさぎちゃん)。

       進悟はテーブルの下から出てくると、「これは、家出パターンかな…」…パターンというコトは、これも日常茶飯事なのか? やはり全く問題視していない弟と母…。

       ちなみに、テーブルにはイスが4つありますが、テーブルの上に敷かれているナプキンは3枚……3枚?…えっと、うさぎちゃんの分とぉ…、うさママの分とぉ…、進悟の分とぉ…えっと、えっとぉ……

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       うさぎちゃんの部屋にて…。

       うさぎちゃんが、どたばたと荷物をまとめております…「ママったらぁ…」…主に衣類関係を大き目のカジュアル・ショルダー(?)かナンかに詰め込んでおります…制服もたたんで入れてます…「入んない…!」(←ってクッションなんか持ってくなっ!)。「あ!…」(←突然何かを思い出し、机の引き出しを捜し出す)。「あ、あった…!」(←ナンか小さい袋を見つけて来て詰める…詳細不明)。

       「ふんだっ! ママなんかもうママじゃないよ!」(←ベッドの上に投げてあったピンクの上着を羽織って、またバッグのところへ戻り、チャックを閉める…『あん、閉まんないっ』)。「いったいケンカの原因はナニ?!」(←ナニげに、テーブルの上にずっといたルナ)。じゃらーんっ!(←いきなり真っ赤にライトアップ)「今日のオムレツにぃ、チーズ入れるかどうかぁ!」「あぁぁ…そぅ…(←とほほバージョン)…ン、それで? どっか行くあてあるの?」「……ん〜…そう言われると…」(←ないんかいっ!)。「…どうしよう…」(←進悟っ! 今からでも遅くないっ、早くお姉ちゃんを引き止めてやれっ!)

       ちなみにこのシーンでうさぎちゃんの背後に掛かってる壁時計の針は、だいたい「9時35分頃」を指してますな。やはり今日も劇中カレンダーは土曜か日曜ですな。

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       で…、まあ、まずはクラウンに行きますわな…。

       ところが行ってみると、受付にいたのは、ナンと地場衛!(←赤いクラウン・エプロンを着用しております…しかもバカ元基とは違い、まじめになんか電卓で計算してます…今日の買出しのチェックでしょうか?)「えっ!?…」「…」(←うさぎちゃんのご来客に気付いて顔を上げる地場衛…おいコラ! 『いらっしゃいませ』はどうしたっ!)。「ナンでこんなトコに…?」(←うさぎちゃんは、Act.7の遊園地の「鏡の館」で、地場衛にドサクサに手を握られたコトを思い出しちゃっております…(↓)

       (うさぎちゃんの回想シーン)⇒【「!…ナニすんのよ?!」「…これ以上はぐれたらたまんないからな…。行くぞっ…」「…うん……」】。…ナニげに、タキシード仮面ではない地場くんと会うのは、アレ以来ですか…

       するとそこへ、元基がカウンターの奥から出て来て、「あ、うさぎちゃん、オレこれからちょっと用事あってさあ…『高井と二人でまた遊園地行くんだそんで、』衛に留守番頼んでんだ…『悪いな衛、お前とはまた今度な!』「……『ああ…きっとだぜ』「あ、そうなんだ」…うさぎちゃんがそう言って地場衛をチラッと見ると、地場衛はため息混じりに下向いてまた計算の続きを始めながら、「…何時間ですかっ?」(←ってキサマ、なんだその接客態度はっ! バカ元基といい、ここはツンデレ・カラオケかっ!)。

       元基:「あっ、いいのいいのっ、うさぎちゃんは年間パスだから! ねっ?」「…うぅんっ、やっぱやめとく…じゃあ…」。うさぎちゃんは元基に軽くお辞儀して、一瞬地場衛を見たあと、すぐに振り向いて自動ドアを出ます。すると地場衛は、上目遣いにうさぎちゃんを見上げ、それから上体を起こしてうさぎちゃんの背中を見送ります…しかしこの表情からでは、一体ナニ考えてんのかちょっと推測不可能です。うさぎちゃんは自動ドアを背にして一瞬立ち止まると、「…(心の声→)なんだろう…。なんかダメ…」…結局、他を当たることに…。

       どうやらうさぎちゃんは、Act.7の「鏡の館」での地場衛への「ドキドキ」が、恋愛感情だというコトにはまだ気付いてないようですな…。まあ、それも当然でしょうな…。なぜならうさぎちゃんは、前回ハッキリとタキシード仮面への恋愛感情を自覚した訳ですから(←「もう言っちゃいますっ!…私…タキシード仮面が…好きでぇ〜〜〜〜〜〜〜すっ!」、それと同一人物とは思ってない地場衛への「ドキドキ」の意味を、素直に恋愛感情と認められるはずがありませんからな…。二人の男を同時に、同じくらい好きになるなんて…ねぇ? 本当にタキシード仮面が好きなら、別の男への危うい感情は遠ざける…自覚のあるなしに関わらず、これが良識(常識)ある人間の心理ってモンです…うさぎちゃんは、そういう、とっても一途なエエ子なんじゃよ…。

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       で、うさぎちゃんが向かったのは大阪邸…なるちゃんちです…。

       さすがは有名ジュエリー・デザイナーの家…セキュリティも万全です…もちろん「HECOM(ヘコム)」です…このロゴを見ただけで、どんな泥棒もヘコみます…。ぴんぽ〜んぴんぽ〜ん……しかし返事は無し…「…なるちゃん留守か…」…うさぎちゃんもヘコみました…。

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       次に向かったのは水野邸…。

       すると、ちょうど亜美ちゃんがお出かけするトコだったようで、マンションの入り口から出て来ました(←Bella Vista No6って書いてあります)。うさぎちゃんが「亜美ちゃぁんっ!」と呼ぶと、なぜか亜美ちゃんのすんごい驚いた顔…「!?」…この驚いた表情は一体?(↓)

       仮説その1:『なんでウチ知ってるの!?』

       仮説その2:『うさぎちゃんの方からウチに来てくれたの初めて! ちょー嬉しい

       仮説その3:『荷物なんかしょっちゃって、ウチでパジャマ・パーティーはカンベンしてよ?!』

       「これから塾?」「うぅんっ、図書館っ、ママが久しぶりに休みだから、ゆっくり寝かせてあげようと思って、セーラーVの基地も調べたいし…」(←セーラーVの基地って、平たく言えば美奈子の家ってコトになるんだろうなぁ…)「あぁ…そうなんだぁ」「うさぎちゃん…どこか行くの?」(←あれ? 自分ちに来たんだとは思ってないのか???)「うーん、別にっ…」『じゃ一緒に図書館行こうよっ』『死んでも嫌…』

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       お次は木野邸…。

       「まこちゃん…どうしたの? その格好…」「あー、今部屋の模様替えしてるんだけど…ナニ?…『邪魔しに来たんならコレで殴るよ?』(←さっとトンカチを構えるまこちゃん)「…模様替えに、トンカチ?」「ん?」「うぅんっ! そんな気がして、差し入れっ、はいっ、じゃあね!」「……?」うさぎちゃんはトンカチにびびったのか、最初になるちゃんにあげる予定だった(?)差し入れアイテムを思わずここで手放し、すごすごと退散します…。「はぁ……どうしよぉ…」

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       すっかりションボリ・ムードで、とぼとぼと歩いてるうさぎちゃん…。

       この「宿探しルート」が、単にクラウンから「近い順」だったのか、それとも、うさぎちゃんの「心許せる順」だったのかはさて置き、「次は、レイちゃんのトコ?」「う〜ん…でもレイちゃんキビシイからなぁ…。家出って言ったら、怒られそう…」

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       火川神社の鳥居前に置いてある獅子狛犬が、いつになく『ガオ〜っ!』と怖そうです…。

       うさぎちゃんが恐る恐る境内の様子をうかがってると、巫女さん姿のレイちゃんが、小さな女の子に画用紙を渡しながら、「思うとおり描いていいから…。はい、できたら持ってきて?」「うんっ」。女の子が走って帰って行くと、レイちゃんはその後ろ姿を見送り、そこにうさぎちゃんがいる事に気付きます…「!?」(←この人もすんごい驚いた顔…)。

       ナンでしょうか? これはきっと、今日は土曜か日曜なんだけど、でもルナから、『だけど、今日はセーラー・ミーティングは無しというコトで、みんな各自お休みよ!』という話にでもなってたんでしょうかね? そうでもなきゃ、今更うさぎちゃんに自宅訪問されたくらいで、さっきからみんな、やたら驚き過ぎですもんね? それとも、今回の冒頭のセーラー解説でうさぎちゃんが言ってたように、「そう言えば、私達だって、自分達セーラー戦士のコト、あんまり分かってないかも…」と言う感じで、ここに至ってもまだ、気軽に個人的に自宅訪問するほどには、各自のプライベートにまでは関わってないと言うコトなんでしょうか? 今時の若者の人付き合いの図式みたいに? となると、うさぎちゃんが一番最初になるちゃんの家を訪れたのは、やはり付き合いの長さや家族とも仲がいいという点からも、一番心許せる友達だったからだ、と言うコトができる訳ですな。

       「うさぎぃっ…、どうしたの?!」…二、三歩ほど歩み寄るレイちゃん。「……えっとさぁ(←気まずそう)…レイちゃん、忙しいよね…?」「まあね」(←軽く即答)「そっか、じゃあ…」と、そのまますごすごと帰ろうとするうさぎちゃんに、「ちょっと! うさぎ…」(←少しだけ駆け寄るレイちゃん)「え?」(←振り向くうさぎちゃん)「家、飛び出して来たんでしょ? 親とケンカ?!」「ナンでわかるの!?…霊感?!」「まさか(笑)、まあ、経験ってトコよ…『親子ゲンカであたしの右に出る者はいないのよ…。この間だって取材すっぽかして政治家の面子丸つぶれにしてやったんだから…。次の選挙も危ないかもね!』…それだけ言うと、レイちゃんはさっさと行ってしまいます…。

       うさぎちゃんは「…『やっぱダメかぁ…』みたいに再びションボリ帰ろうとしますが、レイちゃんは何か思うところがあったようで、ふと足を止めると、背中越しに、「行くトコないならぁ…神社の仕事手伝う?」(←もちろん、うさぎちゃんがすでにたらい回し状態なのもお見通しですな…『じゃなきゃあたしんトコには来ないでしょ?』「え?…いいのぉっ!?」(←思わず大喜びで駆け出します…相変わらず単純)「…『フッ…、かかったな…。たっぷりコキ使っちゃる…掃除、洗濯、火事、火野レイ…あれ?』。……火野レイ、恐るべし…。

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       部屋に入ると…。

       「へぇ〜、神社で紙芝居も作るんだ?」。レイちゃんはうなずき、「神社で子供会をやってるのよ。下絵はできてるから、色塗りをお願い…『さすがに色塗りくらい…まともに出来るよな…?』「…あ、かぐや姫なんだ」「かぐや姫って?」「知らないの? 日本の有名な昔話。竹から生まれた女の子を、おじいさんとおばあさんが育てるんだけど、その子は実は月のお姫様で、大人になった時、月からお迎えが来て、帰って行っちゃうって話…」(←それぐらいのコトは知ってるんだ…えらいじゃないか…)。「月の…お姫様?…。そう…、そんな話があるの?」「夢があるよねぇ〜。ホントに月の国があるなら行っちゃいたいよっ、あんなオニママのいる家じゃなくてさ!」「…」(←聞いちゃいません)。「まったく、嫌になっちゃうんだからっ。もしかしてっ、ホントのママじゃなかったりしてっ!」「…」(←聞いちゃいません)。

       「夢じゃ…ないかもしれないわよ…?」(←妙に神妙なルナ)。「えっ?」「!…」(←聞いてます)。「お、お、うぅん…なんでもない…」「ええ? ルナ、信じちゃったの? ある訳ないじゃん、月にはねぇ…『ウサギさんがオモチをついてて…』「あたしも、小さい頃は、信じてたのよ?…月の国…」(←遠くを見るように)。「…」「ママがこの話好きで、よく読んでくれたから…」(←微笑みかけるように)。「へぇ〜…」「だからっ、今みたいに夢こわすコト、子供の前では言わないこと!…いい?!」(←ちょっとガン飛ばすように)。「……はい…『…あの、ウサギさんがオモチを…』

       …う〜む…そうですか…。と言うコトは、冒頭のシーンでレイちゃんが夜空の月を眺めて美しく微笑んでいらっしゃったのは、かぐや姫の紙芝居の下絵を描きながら、『あたしも、小さい頃は、信じてたんだよなぁ…月の国…』と言う、子供心がフィードバックしてらした笑顔だったのですね。

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       ダーク・キングダムにて…。

       ネフライト:「クイン・ベリル様、申し訳ありませんっ…」。ベリル様:「…」「いまだ幻の銀水晶が見つからず…」「言ったであろう? ネフライト…。…わらわのために動いているならば、それだけで愛おしいと…」「!……ベリル様っ、…必ず、必ず幻の銀水晶を見つけてご覧に入れます!」いつものように、部下が上司に平謝り…悪の組織の恒例の、極々見慣れた風景です…。これのないヒーローモノなど考えられませんね。

       …それはさて置き、ベリル様:「ゾイサイトはどうしている?」。ネフライト:「…プリンセスの命を奪う前に、まず、そのレクイエムを作るとか…。…気味の悪い男です…」(←やっぱり悪口も欠かさないんだな…)「心を飛ばせるらしいな……。一度試してみたいもの…」(←おおっ! ジェダイトくんがお腹壊しちゃったアレですね?…おい、ネフライト、ちゃんとベリル様に下痢止めの薬かなんかお渡ししとけよ…シャレにならんぞ…。

       音楽室では、ゾイサイトが作曲中です…。ダーク・キングダム出版専用の五線譜に、白い鳥の羽ペンで音符を書き込んでおります…ついでにコレ売って、おカネでも儲けようとしてんでしょうか?…1ページ書き上げるごとに、それを床の上におっぽり投げております…。いかにも芸術家っぽく、かなり悦に浸ってる様子で御座います…。

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       火川神社にて…。

       「それでさ、私はオムレツにチーズ入れたい気分だったわけ」「…」(←聞いちゃいません)。「でもママってば、今日はプレーンが作りたい気分〜♪とか言っちゃって、勝手にどんどん作っちゃうの!」「…『ナニがチーズ入れたい気分じゃ! ナマタマゴでも殻ごと食ってろボケ!』「ウチのママはそういうところが……あれ?…レイちゃん? 最後のシーンなくない?」「…」(←聞いてます)。「かぐや姫が月に帰るところ…」「ああ、描きたいっていう子がいるから、そこだけ任せてあるの…」「あ、さっきの子? かぐや姫、好きなんだ?」「……かぐや姫に…、なりたいのよ…。…月に亡くなったお母さんがいるって思ってるから…」「……え?…」

       「……」…レイちゃんは、空を見上げるようにして(←実際に見えてるのは天井だとは思いますが)物思いにふけり、再び冒頭の回想シーンを繰り返しております…(↓)

       (レイちゃんの回想シーン)⇒【子供時代のレイちゃんと思われる女の子がいて…おや? これは病院のベッドでしたか? 布団はきれいにたたまれてて、そこには誰も寝てはおらず、その代わり、その上に、例の「新・講談社の絵本 かぐや姫」(←税込み¥1,575)が置いてあります…ちなみに、どうでもいいけどこの本、発売日が「2001年4月」なんですけどね…てコトは、今から2年前の、レイちゃんが小学6年生の時のお話というコトになりますかな(←めっちゃ最近だ…)…「ママは死んだんじゃなくて、月に帰ったの!」(←さっきの女の子の声?)…そして、微笑む子供時代のレイちゃん?…どうもこれは、レイちゃんのママが、レイちゃんが子供の頃に病院で亡くなったというコトのようですが…すると、この子供時代のレイちゃんの微笑みはどういう意味ですかね?…『死んだんじゃなくて、月に帰ったんだよね? だからまたいつか、月で会えるんだよね?』という意味でしょうかね?】。

       で、レイちゃんはつぶやくように言います…「夢みたいな…ものだけど…」

       するとそこへ、さっきの女の子が入って来ました…「レイちゃん…」「…」「…エリカ…、どうしたの?」…レイちゃんは立ち上がってエリカちゃんのところへ行きます。「失敗しちゃった…」「ああ、はみ出しちゃったのね?」…見ると、どうやら、馬車(?)の籠の窓から顔を覗かせてるかぐや姫の赤い着物の色が、かぐや姫の白髪…はくはつぅ?!の上にはみ出しちゃったらしいのですが…「どうしよう…」「大丈夫!」

       レイちゃんはそう言うと、かぐや姫の白髪を真っ黒に塗りつぶしながら、「こうやって…塗っちゃえば…」「わぁ〜、レイちゃんすご〜い!」…た、確かにすごいっ! これであとは、他のページのかぐや姫の白髪もぜんぶ黒に塗りつぶしちゃえばいい訳だっ! コロンブスの卵とは正にこのコトっ!…それにしても、かぐや姫が白髪だったなんて、ワシ、この歳になって初めて知りました…あれ? でも「新・講談社の絵本 かぐや姫」(←税込み¥1,575)の表紙のかぐや姫は黒髪になってるぞ! コラッ、講談社っ! キミんとこの絵本、間違っとるぞ〜っ! 本当のかぐや姫は白髪なんだ〜っ!(←ってウソです)。

 

       「このかぐや姫、エリカに似てる…。お母さんに会いに行くところなんでしょ?」「うんっ」「私のママもね、月にいるのよ」「へえ〜、じゃあお友達になってるかもねっ」「そうね…」「!…(心の声→)そっか…、レイちゃんのママも…」うさぎちゃんはここで初めて、レイちゃんのママが既に死んじゃってた事を知ったようですな…と言う事は、前々回で一人先にそれを知ったまこちゃんは、その後その事を誰にも話してないのですね…『フッ…、シブイだろ?』「月ではねぇ、ウサギさんが、おモチをついているの…」「…『あ、それ、さっき私が…』「へぇ〜…」それを聞いて、うさぎちゃんは、思わず席を外します。「…じゃあ…塗ろっか?…『他の白髪も黒に…』「うんっ」。ちょっと断言はしにくいですけど、これ、ナニげにレイちゃんは、間接的にうさぎちゃんに向かって話しかけてたんですかねぇ…。

       自己嫌悪のうさぎちゃんは、玄関の外に出てしまい、「ばか、ばか、ばか、レイちゃんママいないのに、あんなに自分のママの話しちゃって…もう…」…あ、あの…うさぎさん…ママの話っていうより…その内容の方に問題があるかと…。「しょうがないわよ…。知らなかったんだから…」「はぁ……」…うさぎちゃんは、レイちゃんのいる部屋の方を振り返りながら、「レイちゃんて…なんか尊敬…」

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       一方ダーク・キングダムでは…。

       どうやらゾイサイトが、ついに曲を完成させた模様です…「…プリンセスへのレクイエム…傑作だ…『フッフッフ…これで印税がっぽがぽ…』…そう言って、ゾイサイトが初のオリジナル曲をピアノで披露すると、床に散乱していた楽譜が宙に舞い上がり、渦を巻きながら寄り集まって、ついに本邦初公開の、ゾイサイト妖魔が登場いたしました。さすがに満を持しただけあって、なんか今までの「なんじゃそりゃ?!」なのとは違っちゃってます…もはや見た目では命名不能です…まあ、カッコイイっちゃカッコイイんだけど…なんかセーラームーンっぽくなくて、ツッコミどころがなくてちょっぴり淋しくもあります…。で、ゾイサイトの伴奏に合わせて、なんかオペラチックに朗々と歌っちゃってます…。なので今回の妖魔は、『レクイエム妖魔』と命名させていただきます。

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       『レクイエム妖魔』の歌声が、街中に鳴り響いております…。

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       こちら火川神社では、レイちゃんとエリカちゃんが紙芝居の色塗りをしてますが、ナンと、その紙芝居の絵が燃え出しちゃったみたいです。「ハッ!」

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       こちら木野邸では、まこちゃんがせっせと部屋の模様替えをしております…。

       部屋ではテレビがBGM代わりに点けっぱなしになってて、そこでは生中継のニュースが流れております。

     女性レポーターさん:「エストア国のプリンセスが、只今、到着しましたっ」。どこだかのホテルに、これはロールス・ロイスですかね? リムジンのような黒い高級車が入って来ました。中から、金髪のモデルさんのような方が降りてまいりました。そこに『レクイエム妖魔』の歌声が流れてくると、急に頭を押えるようにして気を失い、その場に倒れてしまいます。「あっ、プリンセスが、突然、倒れましたっ!」

       「えっ?」。コレって、ナンか、ドラえもんのジャイアンのコンサートみたいな攻撃ですな…要するに『レクイエム妖魔』の歌って、死ぬほど音痴ってコトですか?

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       こちらは、公園のベンチに腰掛けて、お人形さんごっこをして遊んでる女の子が二人…。

       女の子A:「こんにちはっ」女の子B:「こんにちは…」女の子A:「私はきらきら姫」ぼんっ! いきなり人形が燃え出し、目にも留まらぬ速さでそれをおっぽり投げる女の子A(←なんかこの子の方が、レイちゃんの子供時代に似てそうか?…)。

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       今度は図書館…。

       こちらも小学生くらいの女の子が、一人で絵本を読んでおります…これはたぶん「白雪姫」ですかな。すると、そのお姫様の描かれてるページが突然燃え出します。こちらの女の子Cは、一瞬間をおいてから「あっ!」と声を出しただけでそのままじっと見つめてます。

       すると、ちょうどそこに居合わせた亜美ちゃんが、「!…」と顔を上げてその子の背中を見てますが…、ちなみに女の子Cは、もうちょっと大騒ぎしてもいいような気もするんですが…(←場所が図書館だからか?…なるほど…とってもお行儀のいいお子さんだ…)。

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       で、火川神社に戻って…。

       エリカちゃんが額に汗をかいてうなされております。「エリカっ、しっかりして…!」。そこへうさぎちゃんがルナを持って入って来ます…「どうしたの!?」「妖魔よっ、聞こえるでしょ! この声っ!」「……?!」…うさぎちゃんが机の上の紙芝居の絵を見ると、絵の中のかぐや姫の部分だけがきれいにくり抜かれるように焼けちゃってます(←なんで全部燃えないんだ?)…「どうなってるの?! かぐや姫が狙われてるの?!」「つまり…プリンセスってコトかも…!」「!…」「そっか…、でもエリカちゃんは…」「たぶんエリカは、かぐや姫を自分に重ねてたから…」(←おおっ! そうだったのかっ!)。「ひどい…。早く妖魔倒さなきゃ!」

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       二人は表へ飛び出し、「ムーンプリズムパワ〜!」「マーズパワ〜!」と変身します。ナニげにこのペアの同時変身は今回が初めてなんですよね? しかしよくよく考えると、今まで、まだ一度も四人で一緒に戦ってませんな…『ジュピター・ローテーション』は前回で終了したので、今回あたりは期待していいのかもしれませんが、でもアニメ版みたいに常に全員が揃うより、その方がワンパターンにならないし、各キャラクターもじっくり掘り下げられますからねぇ…お祭りはたまにやるからいいんだし…。

 

 ★  ★  ★  ★   CMタイム― ★  ★  ★  ★  

 

       『レクイエム妖魔』は、どこだかのビルの屋上かなんかから、街に向かって歌いまくっております(←完全にジャイアンのコンサート状態です)。

       そこへ、セーラームーンとマーズが、今まさに駆けつけんとしております…「…『きょろきょろ』…あっちよっ!」「うんっ!」。こういう時は、超高性能の妖魔探知機を備えたマーズがいると、実に助かりますな。

       二人は屋上まで駆け上がると、ついに妖魔を見つけます。「はっ!」。屋上の、その又さらに建物が乗っかってるその上にいました…ちょうどこちらに背を向けてるので、セーラー戦士には気付きもせず、一番高いトコに登って気分良さそうに朗々と歌い上げております。セーラームーンはすかさず、「ムーン・ティアラ〜、ブーメラン!」を投げつけ、「♪ア〜アアア〜アアア〜あ゛っ!(←背中に命中)…うぅっ、あぁぁぁぁぁぁ〜〜っ!」どてっ!(←階下に落下)…取り敢えずそいつを黙らせます(←ナンか、いきなりハエ叩き食らって落ちてくハエみたいで笑えました)。

       「あんな小さい子まで苦しめるなんて最低っ! 月にかわって!」「火星にかわって!」

       しかし、カッコよかったのはここまで、妖魔はレクイエムを歌いながらいきなり『音符ビーム』(←勝手に命名)を口から放ちます。「きゃあ!」「うっ!」すると二人は、耳をふさぎながらヘンな踊りを踊らされ(←二人ともロングヘアーなので、髪の毛ダンスがポイント高いです)、何がなんだかよく分かりませんが、とにかく苦戦しております。

       突然音がやんだかと思うと、「えっ?!」「!」と二人が驚いてる隙に『レクイエム妖魔』がジャンプして二人の背後に回ります…がっ! マーズにその手は通用しません…「はぁっ!」すぐに気配を察知して振り向きます。しかし一瞬速く『音符ミサイル』(←勝手に命名)を発射されてしまい、背後を突かれたセーラームーンをかばってマーズがセーラームーンの盾になり、『音符ミサイル』をモロに食らって倒されてしまいます…「あぁっ!」「!! レイちゃん! レイちゃんっ、レイちゃん、しっかりして!」。妖魔はマーズだけ倒してしまうと、『あとはザコだ放っとけ』と思ったか、どういう訳か、マーズを介抱して隙だらけのセーラームーンを放ったらかしにして、鼻歌交じりに「♪フフ〜ン♪」と踊りながら逃げて行きます。

        ★  ★  ★  ★  

       するとそこへ、マーキュリーとジュピターが遅れて駆けつけ、妖魔の行く手に立ちはだかります。

       「待て…」「…」「まこちゃんっ! 亜美ちゃんっ!」。ところが、すかさず『レクイエム妖魔』『音符ビーム』を放つと、やっぱりマーキュリーもジュピターも耳をふさいだままヘンな踊りを踊らされたあげく(この二人はロングヘアーじゃないので、髪の毛ダンスは無しです)、あっけなく倒されてしまいます…。「あっ!」「あぁ…!」(←ばたっ!)。「うぅ…!」(←どたっ!)。この妖魔、めちゃめちゃ強しっ! ナンと、マーズに続いて、マーキュリーもジュピターも、なす術なくマットに沈められてしまいました。

       あまりの惨状に、ただ呆然とするばかりのセーラームーン…「…みんな…」するとそこへルナがやって来て、「セーラームーン、スティックに力を込めて!」「えぇ?!」「早くっ! みんなを助けたいって思いを、込めるの!」(←久しぶりにルナらしい仕事をしてます)

       「うん」…セーラームーンはスティックを取り出して両手で握り締め、「お願い…みんなを助けて…」と、妖魔に向かってかざします。すると、スティックからピンク色の光が放射され、それを見た『レクイエム妖魔』は、慌てて『音符ビーム』で迎撃します。両者の攻撃はしばらく拮抗していましたが、セーラームーンの攻撃が次第に威力を増していき、ついに『レクイエム妖魔』を捕らえます。「うっ、うっ!」ぱぁーんっ!(←妖魔が破裂する音)。

       「あ、…はぁ…、やった…!」「セーラームーンっ!」見事、妖魔を倒してしまいました。…ナンかこれ、ナニげにアニメ版のダーク・キングダム編の最終決戦みたいな戦いっぷりに見えたのは、ワシだけでしょうか?…それにしても『レクイエム妖魔』、だからあん時セーラームーンも倒しときゃ良かったんだよ…弱いと見せかけて油断させるのがセーラームーン本来の戦法なんだから…(←アンタ…アニメ見てないね?)。

       ここでセーラームーンは、もう一度スティックを高くかざします。すると今度は、倒れていた仲間達が目を覚まします。「……あ、…」「……え、…?」「…?……うさぎちゃん…!」

       さらに、あっちこっちで襲われたプリンセス達にもパワーを送って助けます。「エストア国のプリンセス」「きらきら姫」人形…「白雪姫」の絵本のお姫様…火川神社の紙芝居のかぐや姫とエリカちゃん…みんな元通りです…って言うか、なんだかんだこの5項目だけかぁ?! 襲われてたのって…思ったより小規模でしたな…。で、結局ホンモノのプリンセスは、「エストア国のプリンセス」だけだったんじゃねーか?(↓)

       …で、たぶん絵本とかは、その瞬間にページが開いてた分しか燃えないんでしょうな…(←なぜなら酸素が足りないから…)。火川神社の紙芝居は、絵の具を乾かすためにぜんぶバラして空気にさらされてた訳ですしね…。

       あと、「きらきら姫」人形は、あれは元々ただの人形だったのに、女の子Aが「きらきら姫」って勝手に命名しちゃったせいで、その瞬間燃え上がっちゃったんでしょうな…。

       エリカちゃんは『自己暗示お姫様』だったせいだし…(←絵と人形は燃えるが、人間は高熱にうなされるだけで、燃えはしないようだ…)。

       そんな訳だから、肝心要の『某・本命のプリンセス?』に関しては、本人に全く自覚がなかったおかげでナンともなかったという訳ですかね?

       あと、『某・偽者のプリンセス?』は、国外にいたために無傷だったのでしょうか? そもそも、音(←歌声)が届く範囲なんて高が知れてますからな…(←万が一皇居まで届いちゃったりなんかしちゃったら、それはそれで、また違う意味で大変な事に…)。

       すべてをやり遂げてその場にへたり込んでしまったセーラームーン…「はぁ…、はぁ…、できたみたい…」。そこへ仲間が駆け寄って祝福します。「うさぎっ、やるじゃん!」「お疲れさまっ」「えへぇ(笑)…」。…とその時です…事件が起きたのは!

        ★  ★  ★  ★  

       そこに突如、どこからともなく、今度はいつもの「幻想即興曲」のピアノの音が聞こえてきます…

       「うそ! またぁ!?」。一気に緊張が走り、再び臨戦態勢をとるセーラー戦士達…。「はっ…」「はっ…」「はっ…」「はっ…」「はっ…」。…で、せっかく五人もいながら(←うち、ぬいぐるみが一体)、なぜか全員が全く同じ方向を向いちゃっております…(←きっと、そっち方面から音が聞こえてるんだね)。

       すると、完全に隙だらけのセーラーチームの背後に、いつの間にか、あのお方の姿がっ!…そうです、普段なら背後を取られる事のないマーズまでもが、その気配に気付かぬほどのお方が…「…ンフフフフハハハハ…お前がセーラームーンか!」「!」(←名前を呼ばれた時点で初めて後ろを振り向いたセーラームーンとその仲間達…しかし、ルナだけはいち早く、すでに振り向き切って止まっていた…)…「…だれぇ?!」

 

 ★  ★  ★  ★   CMタイム― ★  ★  ★  ★  

 

       「…だれぇ?!」

       「覚えておらぬか…そうだな、わらわも昔とは違う…『かつては学祭の女王として芸能界に君臨しておったが…』…お前達セーラー戦士も…『将来はどうなるコトやら…』「なんのこと?!…『あたしは絶対に脱がないわよ!』「お前は…、まさか…」

       「フッ…我が名はクイン・ベリル…。闇の王国、ダーク・キングダムの女王!」「クイン…ベリル…『聞いたコトない…よね?…』(←あるよ)「セーラー戦士ども…、お前達など滅びた月の王国の残影に過ぎん。プリンセス共々、大人しく月で眠っておればよいものを…。…だがもう遅い。お前達のプリンセスに、大いなる闇の祝福を与えよう…。…破滅だ!…ンフフフフフフ…アハハハハハ…ア〜ッハハハハハハハ…………」。ベリル様…、思いっきり高笑いしながら、言いたいだけ言って、さっさと消えてっちゃいました…。ジェダイトくんの例もありますから、長居は無用です。

        ★  ★  ★  ★  

       「クイン・ベリル…、アイツだったんだわ!」。さすがにルナは、Act.7で、ジェダイトくんが自分のコトをクイン・ベリル様配下、四天王の一人…………ジェダイト」と名乗ったのを覚えてましたね…あの時ルナは、ジェダイトそっちのけで「クイン…ベリル?」って復唱してましたし…。セーラームーンなんか、Act.8で、そのジェダイトの名前を思い出すのにも「確か」って言ってたくらいですから、どうも「クイン・ベリル」の方までは覚えちゃいないようですな…。だから、ジェダイトくんもどうせ名乗るんだったら、今回以降に名乗ってれば、クイン・ベリル様配下、四天王の一人…………ジェダイト」って言うセリフの重みと言うものが相手にも伝わったものを、Act.7の段階でいきなりクイン・ベリル様配下、四天王の一人」とか言ったって、一体ナンのコトやらさっぱり意味が分からんでしょうに…。物事には、必ず順序ってモンがあるんですよ。

       で、そのベリル様、さんざっぱら高笑いして行っただけあって、セーラー戦士達に与えた精神的動揺はかなり大きかったようです。「ルナ…、今の話…」「どういうコト? 月の王国ってナニ?! 空にある…あの月のコト!?」「そうよ…。うさぎちゃん達には、時期を見て話すつもりだったんだけど…、私達のプリンセスはね、月の王国のプリンセスなの」「!」「!」「!」「でもっ、だって月って…!」「ホントよ…。私も月から来たの…。そしてあなた達は、プリンセスを守る…月の、四戦士…」「え!?」「え!?」「え!?」「え!?」

       「…………月の…王国…」。空を見上げ、その月を見つめる四人……ただ、マーズだけは、「かぐや姫」をめぐる自分の少女時代の記憶との因果関係に、何か思いを馳せているようです。

       しかし、それはそうと、やはりセーラー戦士が劇中で四人並ぶと、もうそれだけで壮観ですなぁ…今回は、まだ四人同時に戦う「お祭り」までには至りませんでしたが…。

        ★  ★  ★  ★  

       取り敢えず事件解決後、火川神社の子供会にて…。

     エリカちゃん:「あたしは、月の都の人間です…。次の満月の夜、わたしは月へ帰らなくてはなりません…」(←かぐや姫が目を伏せながら、着物の裾で口元を隠し、「よよよ」とむせび泣くような仕草で、おじいさんとおばあさんに告白してるシーン)。

       その絵が、紙抜き係(?)の女の子によって引き抜かれます。部屋の中には、ゆうに十組以上はいますかねぇ…お母さんに連れられた子供達が畳の上に座って、紙芝居を見てます。その後ろで、セーラー戦士の四人が、ふすまの前に立って見てます。彼女達とエリカちゃんの着てる服がみんなそのままなので、子供会はこの日の夕方に行われたんですな。

     エリカちゃん:「かぐや姫を乗せた車は、静かに月に向かい、のぼって行きます…」

       「月の王国か…夢見たいな話だな…」(←まるで他人事な…体育会系の人…)。

       「…うぅん…」(←天文学知識を総動員して…半信半疑な人…)。

     エリカちゃん:「かぐや姫は、何度も振り返り、手を振りました…」

       「…現実よ…!」(←超常現象をものともせず…そう断言する人…)。

     エリカちゃん:「おじいさん…、おばあさん…、さようなら…。かぐや姫の乗った車は、どんどん月へとのぼって行きました…」

       「…くすん…」(←泣き出す人…)。

     エリカちゃん:「そして、やがて、かぐや姫は、十五夜お月様の中に消えて行きました…」

       「!…うさぎちゃん?!」「…ナンでか分かんないけど…急に…。…びっくりし過ぎちゃったのかなぁ(泣)…」「うさぎちゃんっ」「……」「…」「あのさぁ…私達も、ルナみたいに、月から来たのかなぁ(泣)…あたし…ママの本当の子供じゃなかったりする?」「…うさぎ…」「だいじょぶ! 混乱させちゃってごめんなさい、こんな急に話すつもりかったの」(←うさぎちゃんの肩に飛び乗るルナ)。「くすん、くすん…」「安心してっ…うさぎちゃんはうさぎちゃん、ママの子供よぉ。さ、うちへ帰りましょっ、ママが待ってるわ、ね?」(←ルナ、そういう事は、さっきついでに言っておいて欲しかったと思うぞ〜…)。うさぎちゃんは、泣きながらうなずきます。「うふ、うふふ…」

       ちなみに、うさぎちゃんが急に泣き出しちゃったのは、あくまでも、「あたし…ママの本当の子供じゃなかったりする?」ってコトこそが大問題だったからで、他の三人とは違って、逆に「月から来た」かどうかなんてのは一番ピンときてなくて、むしろそんな非現実的な前世の話なんかは二の次三の次なんですな…。他の三人っていうのはみんな、それぞれが何かしら家庭に事情を抱えてる上に、元々常人離れした能力の持ち主達なので、そんな自分の存在理由を、「月から来た」という「非現実」(←大義名分と捉えてもいいかも)と結び付けて納得しやすいのですが、うさぎちゃんだけが、唯一そういうモノを何も持ってない、ごく普通の女の子なんですよね(←Act.1のルナに言わせれば、「ホントはあなたみたいに普通すぎる女の子が戦士だなんて、信じられないわよっ」ってくらい…)。ですから、最後に月へ帰って行った「かぐや姫」の話が、うさぎちゃんには、あたかも『自分とママとの別れ話』であるかのように聞こえてしまったんですな。つまり、紙芝居の「かぐや姫」のラストシーンにレイちゃん達の会話が被さったコトで、二つの物語が交錯し、うさぎちゃんの涙を誘っていたんですね。

       「……」…そんなうさぎちゃんを見て、レイちゃんは、正面を向くと、今度は自分が、夜空の月を見上げるように、少し切ない表情を浮かべております。レイちゃんは、今回のAct.10において、全部で4回、このようにして空を見上げましたが、一番最後に見せたこの切ない表情は、一体何を意味してるんでしょうか…。『あたしが月に惹かれてたのは、かつて自分がそこにいたからだったんだ…。ママがそこにいるからだと信じてたのに、そうじゃなかったんだ…』。…と言うようなコトなのでしょうか…。そしてそれが、レイちゃんにとっての、「…現実よ…!」という結論になっていたのですかねぇ…。この人は巫女さんだけあって、このように、どんな運命も常に真正面から受け止めようとする人なんでしょうかねぇ…。

        ★  ★  ★  ★  

       その晩の月野邸…。

       「親のありがたみ」が身に染みたうさぎちゃんは、家へ帰るなり、駆け足でキッチンに飛び込んで来て、いきなり「ママァ〜っ!」と料理中のうさママに抱きつきます。「やだ、ちょっと、危ないっ(笑)」「ただいまっ」「はいっ、おかえり(笑)」「えへへへっ(笑)」思いっきり甘えております。進悟:「なんだよ? 一晩も持たないじゃん」(←そう言うと、すぐにテレビに見入ってしまう弟…)。

       「ママ、今日の夜ご飯、なに?」「ハンバーグ! 見れば分かるでしょアッハッハ…!」「おいしそ〜! ナンか手伝うコトある?」「じゃあねぇ〜…『うさぎの分作ってないから、コンビニでなんか買ってテキトーに食べてね〜♪』『は〜い♪ってナンぢゃそりゃあ〜っ!』

       そこへ、ルナが居間のドア越しに様子を窺いにやって来ました(←ナニげに進悟から丸見えですが…)…「敵は、どんどん私達に近付いてるわ…。プリンセスが、無事でいればいいけど…」…って、そうそう、そう言えば完全に忘れてました…。その「プリンセス」と目される人物は、今、実はロンドンで新曲のレコーディング中だったのでしたっけね…(でもそれって、確か前回の最初の方で、朝のテレビニュースでちらっと流れただけ…ンなモンとっくに忘れとったよ…)。

        ★  ★  ★  ★  

       日付変わって…。

       その人物の乗った飛行機が、「新東京国際空港」に降り立った模様です…。ちなみにこの空港って、ちょうど、この本放送の翌年の2004年に「成田国際空港」に改称されてるんですな…。

       「すいません、レコ−ディングの手応えは?」「新曲について一言お願いしまぁす」「一言お願いします!」「どうですか?」。愛野美奈子が、記者達に囲まれて質問攻めにあいながら空港のロビーを歩いて来ます。質問に対しては、しばし笑みを交えつつ、終始無言でうなずくだけでやり過ごしております(←スターですなぁ…でも心なしかぎこちなく見えるのは、ひょっとして中の人にこのような実体験がないせいなのでしょうか?)。

        ★  ★  ★  ★  

       一方こちらは、ピアノの前に座って、目を閉じたまま天を仰いでるゾイサイト…。

       自慢の『レクイエム妖魔』をセーラームーンの新技で葬り去られちゃって、呆然としちゃってるのでしょうか?(←そう言えばセーラームーンも今回、みんなに引き続いて新技登場だったんだね)…と思ったら、いきなりぴんっ!と目を見開いて「クライマックスは…………これからだ…!」と言って、ピアノを弾き始めました…。…でもコレ、いつものショパンじゃないですね…ナンか聴いたコトあるようなないような…とにかくワシの知らない曲です。

       ※ 後日、DVD第3巻の映像特典にあった未使用シーンを見たところ、実はこのピアノ曲部分も含めて、ゾイサイト作曲の「プリンセスへのレクイエム」だったという事実が判明いたしました。つまり、『レクイエム妖魔』がずっと歌ってたのは、どうやら、ものすごく長いイントロ(←もしくは、序曲、前奏曲の類?)…だったようです。要するに、『レクイエム妖魔』は、メインディッシュの前の前菜を始末するために派遣されてたんでしょうかね? ナニしろ芸術家には、何かと様式美にこだわる人が多いですからな…。それに、ベリル様があのタイミングで降臨なさったってコトは、やはり『レクイエム妖魔』は前座だったんでしょうなぁ…(←本当なら、ダーク・キングダム・サイドとしては、セーラー戦士が負けて這いつくばってるところにベリル様が現れる予定だったのでしょうが…しかしさすがはベリル様…部下の失敗を、見事に笑ってごまかしてのけましたな…)。

        ★  ★  ★  ★  

       …で、再び空港…。

       「第2ターミナル」の空港到着ロビー正面に、いつもの美奈子のベンツが止まってます(←ナンバーは「品川34 や 69−56」です。これは、Act.8でゾイサイトに襲撃された時に乗ってたのと同じ車です)。ただ、あの時は運転手さんがいて、美奈子とこのマネージャーさんは後部座席に乗ってました。しかし今日は、運転手さんがいませんな。したがって、どうやらマネージャーさんが運転するようです。と言う事は、必然的にこの車は、美奈子が東京からロンドンへ発った時も、マネージャーさんの運転でこれで空港に乗り付け、そのまま、「ターミナルお届け専門・成田ユーアイパーキング」(←「帰国時、お客様のお車を航空到着ロビー正面にお届けするタイプの駐車場です」という「VIP」待遇の成田空港民間駐車場)に預けられてた、という訳ですな。と言う事は、この車は、美奈子自身は中二なので当然免許は持ってませんが、おそらく彼女が個人で所有してる車か、さもなければ、事務所が美奈子専用に用意してる車なのだというコトが分かる訳です。

       さて、ちなみにAct.8の時は、美奈子は後部座席の左側に座ってました。そしてその右隣にこのマネージャーさんが座っており、つまりこれは、彼女が歩道側のドアから、そしてマネージャーさんが車道側のドアから、それぞれ車に乗り込んでた事を意味してます。その時は運転手さんが車を運転してました。したがって、普段の仕事で、単に車で現場を移動するだけの場合であれば、これが自然な形となるのは自明の理です。では、運転手さんのいない、今回のこのシチュエーションではどうでしょうか?(↓)

1.       マネージャーさんは、スーツケースと自分の仕事カバンを転がしてます。美奈子は手提げバッグを肘に掛けてるだけで手ぶらです(←「手ブラ」じゃないよ)。他には誰もいません。ロビーを歩いてた時もこの二人だけでした。ちなみに芸能マネージャーというのは、事務所によっても個人によっても、その仕事の内容はまちまちです。それこそ、付き人のような仕事をする人から、プロデューサーの仕事をこなす人に至るまでピンキリです。たとえば、いちいちタレントの先回りをして車のドアを開け閉めするようなのは、本来はいわゆる「付き人」の仕事です。ロンドンでレコーディングするのにこのマネージャーさんだけが帯同していたというコトは、彼がそれなりの地位にある業務に携わっている証拠です(←また、普段は、彼は運転手ではないという点からも、彼の地位が推し量れるのです)

2.       マネージャーさんは、まず、歩道側の後部座席のドアを開けます(←サイドミラーが動いてませんし、開けたドアの形からも、彼が開けたのが後部座席である事が分かります)。つまり彼は、そこから荷物を後部座席に入れようとしてる訳です(※荷物をトランクに入れようとしなかったのは、トランクにはすでに別のものが入ってるからです。実はそれは、次回のAct.11で明らかになります。そしてそれは、この車が美奈子個人の所有、もしくは彼女専用の車であるという決定的な証拠にもなります)。これによって、後部座席はスーツケースとマネージャーさんの仕事カバンで占領される事になります。

3.       ベンツは外車なので左ハンドルです。つまり運転席が歩道側にあります。この流れで行けば、当然、美奈子は車道側から助手席に向かう事になります(←ワン・ピースのスカートにハイヒールのブーツを履いた女の子が、わざわざ歩道側から運転席に乗り込んで、そこからわざわざ、前部座席にある座席間の高い仕切りを跨いで、助手席に移ろうとする訳がありませんし、そもそもここは一通の乗降車道であり、一般道とは違いますから、車道側から乗り降りする事自体にさほど日常的な危険もないのです

       つまり、ゾイサイトは、だてに何話にも渡ってピアノばかり弾いて、美奈子のストーキングをしていた訳ではなかったのです。彼は、美奈子が東京からロンドンに発った際に、『こういうケースでは、彼女は車道側から一人で助手席に乗り降りする』という情報をつかみ、極めて計画的に、彼女が帰国するのを待ってそのチャンスを狙ってたという訳です。…こりゃあ、今までの「おバカ」な四天王どもとは、アタマのデキが3桁くらい違うぞぉ〜…。

       そのゾイサイトのピアノ曲が、美奈子の耳に届きます…「…?…」(←それにしてもこの人、顔ちっちゃいからか、一人だけで映ってると、実際の身長より背が高く見えて、めちゃめちゃスタイルいいんだよねぇ…そんで、ナンでもないちょっとしたポーズが、ものすごくカッコいいんだよな…こういうのを、いわゆるフォトジェニックって言うんでしょうか?)。

       この前と同じ「幻想即興曲」なら、美奈子もすぐに危険を察知したのかも知れませんが、まだ車にはキィも挿しておらず、したがってカーラジオも鳴ってません…この怪しげな曲が「……『どこから聞こえてくるのかしら?』と気を取られているうちに、その音に操られてるらしき逆走暴走トラックが、美奈子めがけて突っ込んできます…「!!」。美奈子ピ〜〜ンチっ! マネージャーさんもびっくしだぁ〜っ!

        ★  ★  ★  ★  

       あれ? 美奈子ったら…次回予告でもうすでに、思いっきり無事なんだねぇ…入院はしてるみたいですけど、全然大したコトなさそうじゃん?…挙句の果てに…「あんな子が……セーラームーン…?」とか、なんかスンゴイこと言っちゃってますよぉ…。

       次回は、いよいよ美奈子の本格参戦かっ!?

        ★  ★  ★  ★  

       セーラームーン:うさぎちゃん(沢井美優さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(沢井美優さん編)▼】

       マーキュリー:亜美ちゃん(浜千咲(現・泉里香)さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(浜千咲(現・泉里香)さん編)▼】

       マーズ:レイちゃん(北川景子さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(北川景子さん編)▼】

       ジュピター:まこちゃん(安座間美優さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(安座間美優さん編)▼】

       セーラーV:美奈子(小松彩夏さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(小松彩夏さん編)▼】

       ルナ(声・潘 恵子さん):「」『』

       その他:「」『』

[2008年12月6日(土)初稿 トモロー]


Act.11:美奈子vsうさぎちゃん編
 

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     今回レビューしたAct.10は、「美少女戦士セーラームーン DVD 第3巻」(バンダイビジュアル)に収録されております(↓)

 

DVD第3巻 作品本編(4話収録)

 

Act.9 Act.10 Act.11 Act.12 

毎回映像特典(8分)

 

「セーラームーン」におしおきよ 沢井美優北川景子@

Act.10 ゲストキャスト

 

エリカ:


小池彩夢
水黒遥日
岩城美香
オレナ・シュペレヴァ

小池彩夢オフィシャルブログ▼
所属事務所 ジュネス企画公式サイト▼
所属事務所 オフィス・ワタナベ公式サイト▼

 

セーラー戦士アクション:

妖魔アクション:

今井ゆり子
半澤友美

白井雅史
前川貴紀
中島俊介

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