―実写版セーラームーンを検証する―


Act.43:前世のプリンセスと現世のうさぎちゃん編――

 

       本稿は、2004年8月7日(土)にTBS系列各局で朝7:30〜8:00に放送された、「美少女戦士セーラームーン」(実写版)第43話の感想記(DVD鑑賞レビュー)です。

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       セーラー解説は人型ルナ…。

       「幻の銀水晶の力を使わないように、がんばってるうさぎちゃんなんだけど」

1.       前回の、病院の裏でのプリンセス・セーラームーン登場シーン…ちゅどーんっ!

2.       「うさぎちゃんっ!」

3.       プリンセス・セーラームーンが必殺技の『五芒星』を切る…しゅばっ!しゅばっ!しゅばっ!しゅばっ!しゅばっ!

4.       しかし、『うさプリ・ミーティング・ルーム』のうさぎちゃんが「ダメっ!」と制止する…

5.       『五芒星ビーム』が戻って来ちゃって、プリンセス・セーラームーンに直撃…

       「でも、地場衛が大変なコトになっちゃって」

1.       ジェダイトくんが、『黒い三角の石』を地場衛の胸に押し当てる…地場衛:「あ゛っ…!」

2.       するとその石が、みるみる地場衛の胸の中に埋め込まれるように消えてく…

      黒木ミオのセリフがかぶさる…「まもるくんはネ、命を吸い取られる石を埋め込まれちゃったんだよ。まもるくんが死んじゃったら、うさぎちゃんのせいだからネ…」

3.       『エンディミオンの部屋』の壁に飾られた風景画の白い穴みたいのが、揺らめきながら少し大きくなってく…

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       「♪じゃ〜ん…ひとみは〜いつ〜も〜ジュ〜エル〜(ジュ〜エル〜)…♪」(←今回は、ここであっさりとオープニングです)

 

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       オープニング開けは、今回は珍しく、いきなりマーキュリーが、夜中に一人で妖魔と戦っております…。

       ここは、Act.33でマーズが『花妖魔』と2度目に戦ってた場所で、さらに、Act.37でプリンセス・セーラームーンが「私が…、星を…、滅ぼした…!」と言った場所と同じ、「横浜ビジネスパーク」と言う所ですな。

       マーキュリーは、妖魔に向かって「ハッ!」跳び蹴りを食らわし、妖魔も負けじと裏拳を繰り出しますが、マーキュリーはそれを軽やかなステップでかわします。すると、妖魔はいきなり手から水流を放ちます…(←おおっ、コイツは『水』をモチーフにしてたのか…てっきり『青いバッタ』だと思ってました)(←コイツは『水妖魔』と名付けよう)。

       マーキュリーはそれをジャンプして避けますが、『水妖魔』は再び水流攻撃を放ち、マーキュリーはそれも空中回転して避けます。マーキュリーは、余裕の笑みを浮かべながら、「私に水で勝負しようなんて、いい度胸ね」と言い、「マーキュリ〜、アクア〜、サイクロン!」(←おおっ! 前回に続いてまた新技披露だっ!)。

       前回は「マーキュリー・アクア・ストーム」で、今回は「マーキュリー・アクア・サイクロン」で、初期の必殺技が「マーキュリー・アクア・ミスト」ですから、『ミスト=霧』『ストーム=暴風雨』『サイクロン=台風』と言う具合に、徐々にレベル・アップしてるようですな。

       ところがっ! 『水妖魔』は、その新技「マーキュリー・アクア・サイクロン」を胸のデカイ水玉で吸収してしまうと、それをぶわーーっ!と一気に吐き出してマーキュリーに返し技を食らわします。マーキュリーはそれをマトモに食らって「きゃっ!」と吹っ飛ばされてしまい、噴水の池みたいな所に突き落とされてしまいます…ばっしゃーんっ!(←ってンなバカなぁ〜っ!)。

       「…はぁ…、はぁ…」とマーキュリーは池の中で立ち上がりますが(←あれ? めちゃめちゃ浅いんだね…?)、『水妖魔』は、トドメを刺さんと歩み寄って来ます。マーキュリー、ピ〜ンチっ!…かと思いきや、そこへセーラームーンが助けに駆けつけます。

       セーラームーンは「フッ、…フッ」と側転でやって来て、その勢いで『水妖魔』「ハッ!」と蹴りを食らわします…ばしっ! それから、『水妖魔』のパンチをかわし、その流れから回し蹴りを食らわし…どかっ! お次は『水妖魔』の横っ面にビンタを食らわします…ばちんっ! その勇士を見てマーキュリーは、「うさぎちゃんっ♪」と嬉しそうに声をかけます。

       しかしセーラームーンは、そんな声も聞こえないかのように猛然と妖魔に向かって行き、

       正面から「ハァッ!」カカト落としを食らわし…ぼかっ!

       妖魔のパンチもブロックして、逆に「ハッ!」パンチを食らわし…ばきっ!

       それを見て、マーキュリーも「!……」と驚いちゃって…

       その後もセーラームーンは、まるで親の仇のように『打つべし! 打つべし!』ばきっ!ばきっ!ばきっ!ばきっ!ばきっ!ばきっ!ばきっ!ばきっ!…ばきっ!…「!!……『どうしちゃったの?…まるで、うさぎちゃんじゃないみたい……』(←マーキュリー唖然の図…)

       あまりの猛攻に、『水妖魔』『こりゃたまらんっ!』と思ったのか、セーラームーンがトドメを刺さんとスティックを持って構えてる隙に、自ら池に飛び込んで逃げてってしまいました…ばっしゃーんっ! 「え?!…」。尚も妖魔の逃げた水面を見据えてるセーラームーンに、マーキュリーが駆け寄ります…「うさぎちゃんっ…」「!」(←声をかけられて、初めて振り向く)。「…ありがとう…」(←どことなく、相手の様子を伺うような表情を浮かべながら…)。「だいじょぶだった?…でも、妖魔の出る回数、増えたね…」(←セーラームーンには終始笑みはなく、再び妖魔の逃げた水面に視線を落とします…)。マーキュリーも、「……うん…」と、同じ方へ視線を落とします…。

       「…………」(←セーラームーンは、「妖魔の出る回数、増えたね」と言うのが、あたかも自分のせいであるかのように思っているのでしょうか…)。「…………」(←そんな風にしんみりしちゃってるセーラームーンを見て、マーキュリーも心配そうです…)。

       どうやら今回のこの冒頭のバトル・シーンは、そのまま前回のバトル・シーンと対比されてるみたいですね。つまりマーキュリー目線では、前回、あの冷たい表情をしたプリンセス・セーラームーンの中に『現世のうさぎちゃんの影』を見、そして今回は、自分を助けに来てくれたはずのセーラームーンの中に、あの『前世のプリンセスの影』を見た思いがしたのではないでしょうか。この、回をまたいで二連戦となった別々のバトル現場に、二度とも、偶然マーキュリーだけが居合わせた事には、おそらくそう言う意味があったはずです。基本的に、セーラームーン以外の各セーラー戦士がローテーションして戦う事の多い実写版においては、このようなパターンは異例と言ってもいいからです。

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       日付変わって、こちらはクラウン

       これは翌日でしょうね、亜美ちゃんはその時の様子をみんなに報告したようです…。で、レイちゃんはイスに座ってただ黙って考え込んでしまってます…「……」。すると、最初に言葉を発したのはまこちゃんで、「そっかぁ…」(←ここで、レイちゃんはまこちゃんを見上げます)…「うさぎだって落ち込むよね…。彼を助けに行きたくたって、場所もわからないし…」(←この人は、とにかく発想が恋愛方面に向かいますな…)。まこちゃんは、そう言いながらイスに座ります。

       まこちゃんのこの言い方からすると、亜美ちゃんは前夜のセーラームーンの様子を、見たまんま話したんでしょうな…『うさぎちゃんが助けに来てくれたんだけど、妖魔には逃げられちゃって、でも、そのあと、うさぎちゃん、ナンだか元気がなかった…』みたいに…。

       「落ち込むって言うか…、でも、プリンセスを抑えることは、うまくいってるみたい」。人型ルナ:「問題は、メタリアの被害にあった人達ね。幻の銀水晶の力でも、元に戻らないなんて…」

       このルナの説明は、一体どう言うコトなんでしょうか? 前回プリンセス・セーラームーンは、おそらくうさぎちゃんの介入を受けて『プリンセスの剣』をハープに変え、マーキュリーの腕の傷を治してました。その時、周りで枯れてしまってた草花も、きちんと元通りになってたんです。ところが、病院で「抜け殻」にされてしまったなるちゃんや他の人々は、元に戻ってはいないんですね。前回のバトル現場は「病院の裏」ですから、本来であれば、Act.25の『プリンセス覚醒』の時の『うさぎちゃんプリンセス』の時のように、タキシード仮面の瀕死の重症を治したり、バトル現場の周りで妖魔にエナジーを抜き取られて倒れてた人々を元に戻せるはずなんですね。

       「なにか方法は?」「クイン・メタリアを消滅させるしかないと思うわ。あの、逃げた妖魔が気になるのよね」

       ここで、前回『メタリア妖魔』が地面に剣を突き刺して『メタリア妖魔U』にバージョン・アップしたシーンが挿入されます…街では、人々がばたばたと倒れてます…

       「今までの妖魔とは、違う力を感じたのは、クイン・メタリアと関係があるかも」

       前回のルナの説明では、「人が抜け殻のようになってしまうのは、メタリアの力が強くなって、心にまで影響してしまうせいだと思うわ」「邪悪な力で、空っぽになってしまうって言うか…」と言うコトですから、要するに、Act.25の時とは違って、人々は単にエナジーを抜き取られてるのではないため、当時のような訳にはいかなくなってると言うコトらしいですな。ただし、Act.25で『うさぎちゃんプリンセス』がタキシード仮面の瀕死の重傷を救ったように、今回マーキュリーが負ったみたいな『外傷』は治癒できると言うコトらしいですな(←ただし、それらのコトと、枯れた草花が元に戻るコトがどう区別されてるのかがちょっと分かりかねますな…)(←草花は人間とは違って、「邪悪な力」の支配下には置かれないと言うコトでしょうか?)。

       そう言えば、まだレイちゃんは、『メタリア妖魔』とも『メタリア妖魔U』とも遭遇してませんね(←あ、あと美奈子もか…)。

       ところで、人型ルナには『自分用のイス』がないのですが、この人、『元プリ美奈子用の白いイス』に座っちゃってるんですね。

       「じゃあ…、やっぱりその妖魔を探すのが先か…」「そうね。もしメタリアが消えれば、銀水晶の力を使っても、問題なくなるし…」ここでセーラーチームは、打倒『メタリア妖魔U』と言うコトで、当面の目標が定まった訳ですな。

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       こちらダーク・キングダム…(←お城にカラスが飛んでますな…)(←もうほとんどどーでもいいデータになっておりますが…)

       ジェダイトくんが洞窟の通路を歩いてます…。するとそこに、「待てっ、ジェダイト…」とゾイサイトが現れます。「ゾイサイト!」

       ゾイサイト:「……」(←怖い顔で、ジェダイトくんを睨みつけております)。しかし、ジェダイトくんが「…お前と話すことはないっ」と言って通り過ぎようとすると、ゾイサイトはジェダイトくんの肩をつかんで制止し、がばっ!と壁に叩きつけます…「自分のした事が分かっているのか! マスターはお前のあるじだぞ!」。ジェダイトくんはゾイサイトの腕を掴み返すと、「……今は違うっ!」と言ってゾイサイトの腕を振り解き、「オレのあるじはベリル様だっ…。そう決めたっ!」。ジェダイトくんはその場を立ち去ります。それを、ただ黙って見送るゾイサイト…「……」

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       こちらはベリル様…。

       「何一つ手に入らなかった、あの頃とは違う…。…プリンセスがエンディミオンの心を取るならば…わらわは命を!…エンディミオンは、永遠にわらわのモノになる…」

       ※ う〜む…。「命を」取るコトで「永遠にわらわのモノになる」と言うシステムがよく分かりませんが、その辺があの絵とナニか関係があるんでしょうか? 本稿のAct.38の時にも書きましたが、実写版のベリル様は、決して直接自らの手でエンディミオンの命は奪えない人なんですね。

1.       たとえば、アニメ版の『前世のベリル』は、自らの手でメタリアの力を発動させてエンディミオンを殺してましたし、原作の『前世のベリル』は、あやまってエンディミオンを斬り殺してしまってました。しかし、実写版の『前世のベリル』は、一切『エンディミオン殺害』には直接関わってませんし、その現場にもいませんでした。『プリンセス暗殺』のために差し向けた兵士が、あやまってエンディミオンを斬ってしまったんです。そして、今回ここでベリル様は、「プリンセスがエンディミオンの心を取るならば…わらわは命を!」と言ってますが、これにしても、やはり初めからエンディミオンを殺そうとしてこんな事をしてるのではありません。初めから殺すつもりなら、いちいちこんなまどろっこしい真似をする必要などどこにもないのですからね。

2.       前回の黒木ミオの説明によれば、地場衛の体に埋め込まれた石は、「うさぎちゃんのコトを思えば思うほど、(命を)吸い取られる」と言うシステムになってるそうですから、つまり、逆に言えば、『プリンセスのコトを思わなければ、命は吸い取られない』と言うコトです。したがってベリル様は、『誰でも、自分の命が一番大事なはずだ』と言う前提の下に、最後の賭けに出たんですね。つまり、『自分の命が惜しくなれば、エンディミオンは必ずプリンセスを捨てるはずだ』と…(←いかにも悪役の発想ですが…)。それこそが、ベリル様がこの石をエンディミオンの体に埋め込んだ理由です。

1.       【Act.36】において、ベリル様は四天王を人質にとってエンディミオンを拉致しました。その上で、

2.       【Act.37】において、「エンディミオンっ、プリンセスを消せ! お前の手で!…プリンセスこそこの星に、災いを呼ぶ存在だ」と迫った訳ですが、エンディミオンは、

3.       【Act.38】から【Act.39】にかけて、「うさぎ…オレは今からお前の敵になる」と、それらしいポーズを取っては見せますが、結局プリンセスを消すコトはできませんでした。その結果を見てベリル様は、

4.       【Act.40】においてジェダイトくんを再び抱き込みにかかり、前回

5.       【Act.42】において、そのジェダイトくんに「命を吸い取られる石」を渡した訳です。そのあと、エンディミオンは、黒木ミオから「うさぎちゃんに近づいたらどうなるか教えたはずだよ。いいの?」と、石の効果について言い渡されていたのですが、『メタリア妖魔U』にやられそうになったセーラームーンを助けに行ってしまったんですね。そしてベリル様はそれを見て、「そうか…エンディミオン! プリンセスのためなら、命はいらぬかっ!」と、ついに石の力を発動させ訳です。

3.       その結果、それでも、「エンディミオンの心が、どうしてもプリンセスを離れぬ時には…『いたし方あるまい…エンディミオンが自ら死を望んだのだ…決してわらわがあやめた訳ではない…』と、納得するコトができる…と言うコトなんでしょうねぇ…。

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       夜…月野邸にて…。

       うさぎちゃんが、暗い部屋の中で、パジャマ姿でベッドに腰掛け、ムーンフェイズの懐中時計を眺めてます…「…………」。そんなうさぎちゃんに、ぬいぐるみルナが話しかけます…「寝られないのね?」(←困ったバージョン)「クイン・ベリルってさ、衛のコト好きなんだよね…」(←まあ、平たく言えばそう言うコトですが)…「だったら、ナンであんなコトするんだろう…」「それは…」「ひどいよ…」…うさぎちゃんは、懐中時計をぐぐぐっ…!と握り締めます…。

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       そしてその後…。

       うさぎちゃんは、そのままいつの間にやら寝入ってしまったようですが、ナニやら全身から、金色の光が放射されております…しゅわーっ、しゅわーっ…(←音付き…)。すると、どこからともなく、『プリンセスのハープ』の音色が流れてきます…。

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       すると、ダーク・キングダムの『エンディミオン部屋』のベッドで寝てた地場衛が、そのハープの音が聞こえたのか、おもむろに目を覚まします…「!…」。地場衛は『ハッ!』として体を起こします…「うさぎ…!」(←どうでもいいけど、この人、普段着で靴を履いたままベッドで寝てるんですね…)(←いつ、ナニが起きても、すぐに飛び出して行けるようにでしょうか…?)。

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       ベリル様も、クイン・メタリアの異変に気付いて振り返ります…「!…プリンセスか!」(←この人はこの人で、一体いつどこで寝てるんでしょうか…?)(←四六時中こうして突っ立ってるんでしょうか?…)(←謎です…)。

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       で、その「プリンセス」ですが…。

       うさぎちゃんは寝てる間にプリンセス・セーラームーンに変身してしまい、またしても夜の街を徘徊してたらしく、どっかのビルの屋上でハープを弾いております(←これはアレですかね? ひょっとすると、前世でプリンセスがエンディミオンに会うために地球に降り立った際、こうやってハープの音で知らせて逢引きしてたんですかね?)。

       するとそこへ、ぬいぐるみルナ(←CGバージョン)が駆けつけて来て、「うさぎちゃ〜んっ」とハープに飛びついてしがみ付きます…「うさぎちゃんっ、うさぎちゃん…」(←ぬいぐるみ困ったバージョン)。すると、けっこうすんなりと、プリンセス・セーラームーンがパジャマ姿のうさぎちゃんに戻り、ハープも消えて、ぬいぐるみルナがそのまま下に落っこちます…「うわぁっ」…ぼよんっ…「え?…あれ?…『ここはどこ? 私は誰?』…ルナっ!?」

       Act.37での同じ場面では、ぬいぐるみルナは、なぜか、いきなり人型化して深夜の街を大声出しながら捜し回ってましたが、たぶんあの時、やっぱり途中でおまわりさんに呼び止められでもしてたんでしょうな。それで今回は、こうして、ぬいぐるみのまま捜しに来たんですな。

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       すると、ダーク・キングダムのクイン・メタリアの異変も収まります…。

       ベリル様:「…収まったか…。だがこのままクイン・メタリアの力が大きくなり過ぎれば、わらわが地上に君臨する前に…星ごと滅びてしまう…」

       さっきベリル様は、「何一つ手に入らなかった、あの頃とは違う…」と言ってましたね…。つまりベリル様は、やはり「わらわが地上に君臨する」と言う権力欲に取り憑かれているんですね。なぜなら、『前世のベリル』では、とうてい『地球国の王子』と結ばれるに相応しい身分ではなかったからです。その足かせがある以上、プリンセスの存在があろうがなかろうが、初めから、前世では決してエンディミオンと結ばれるコトはできなかったからです。

       Act.37でも、ベリル様は地場衛に向かって、「お前には分かるまい…。…前世からお前を、どれほど自分のモノにしたかったか…。あの頃お前はすべての象徴だった…。権力も、富も、幸せ、美しさ…、欲望を満たす全てがそこにあった…」と言ってましたからね。

       このように、ベリル様が前世にとらわれ続け、『権力欲』『愛欲』が全く別のモノとして切り離せないコトが、結局はベリル様を窮地に追い込むコトになるんですな。

       するとそこへ、地場衛が、胸を押さえながらヨタヨタとやって来ました…「オレがプリンセスのところへ行くっ」

       ここで地場衛は、うさぎちゃんのコトを「うさぎ」とは言わず、「プリンセス」と言ってますね。Act.39では、クンツァイトに「やってもらいたいコトがある…。プリンセスに攻撃を仕掛けろ…」と言ってましたが、これもやはり、ベリル様に対するポーズとしてなのでしょうか?

       「エンディミオン…」「…」「お前がプリンセスを消せぬことは、もう十分にわかっておる」

       これは、そのAct.39で、エンディミオンが結局「戦ってるフリ」だけで帰って来てしまったコトとか、前回、『メタリア妖魔U』の攻撃からセーラームーンを助けたコトとかを見て言ってるんですね。ちなみに原作やアニメ版では、この時期、クイン・ベリルはエンディミオンを洗脳して操ってましたけど、実写版のベリル様は、そんな不毛なやり方では満足なさいません。あくまでも本人の自意識があるコトを重視し、ベリル様なりの真っ向勝負を挑んでおられます…。

       「消すんじゃないっ!(←おおっ! 言っちゃったよっ!)…オレなら、プリンセスを静めることができる」(←正直者だ…)「……」「だからその間だけでいい。この石の力を止めてくれっ…『星ごと滅ぼさないためには、そうするしかないだろう!?』「ならんっ!…お前はわらわが、お前の命を奪う理由が分かっておらぬのかっ?!…二度とプリンセスにお前は渡さんっ…」

       なので、「プリンセスを消せぬ」のであれば、『もう勝手に出歩いて会わせるコトすら許さんっ!』と言うコトなんでしょうな。それまでは、一応エンディミオンは、Act.37で、「エンディミオンっ、プリンセスを消せ! お前の手で!…プリンセスこそこの星に、災いを呼ぶ存在だ」と、『プリンセス暗殺』の指令を受けていたので、その任務遂行のために、黒木ミオ付きで自由に出歩くコトを許されていた訳ですけどね。

       「絶対戻って来るっ。…今までだって、逃げようと思えば…」。しかしベリル様は、その言葉をさえぎるように「部屋に戻れっ!」と手を一振りすると、地場くんをあっけなくすっ飛ばしてしまいました…。そのあとベリル様は、しばし考え込んでしまっております…「…………」

       ところで、「今までだって、逃げようと思えば…『いつでも逃げられた』のに、結局「絶対戻って来」ていたのは、やはり四天王を人質に取られているからですね。ベリル様が役立たずなネフライトだけを自害させ、本来なら最も邪魔なはずのゾイサイトやクンツァイトを生かしておいたのも、『プリンセス暗殺』のためにエンディミオンの手足となって働いてもらうと言う利用価値があったからです。その意味でも、唯一『前世の記憶』を取り戻せていないネフライトでは、エンディミオンに対する忠誠心もないため、やはりそっち方面でも使い物にならないだろうと判断されたんでしょうな。

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       日付変わって、翌日の月野邸にて…。

       これは朝食でしょうか? 昼食でしょうか? 進悟がそうめんを箸で掴んで麺つゆのお椀に運んでおります。うさママがそれを見ながら、「ほらほら、頑張って頑張って、長いねぇ〜これまたっ、ンフフフフフっ♪」

       それからうさママは、ナンだか元気なさそうに下を向いちゃってるうさぎちゃんに、「うさぎ?」「?」「最近カレシどうなの?」「えぇっ?…………」(←言葉に詰まって、またうつむいてしまいます…)。「…あ、今度ウチに連れて来なさいよぉ、ご馳走するから♪」「うん、今度ね、ごちそうさま…!」。うさぎちゃんはそう言って急に席を立ち、居間から出て行こうとします。「あ、ちょっとヤダ、ほとんど食べてないじゃない?!」。うさぎちゃんは立ち止まると、背中を向けたまま、「ナンかお腹いっぱい…。昨日寝れなかったから、少し寝るね…」と言って、行ってしまいました。「あチョットうさぎぃ…!?」。進悟も、そんな姉の姿を、不思議そうに見送っております…「……?」

       実はこのシーンには続きがあって、DVD第11巻に「未使用シーン」として収録されてます(↓)

1.         うさぎちゃんが居間を出て行ってドアを閉めると、うさママは、「ヤァねぇ〜〜ン」と言って箸を置き、進悟に向かって身を乗り出しながら、「最近、ヘンな病気が流行ってんのよ、だいじょぶかしら、魂抜けたみたいに、ボ〜〜っとなっちゃうんだって!」

2.         進悟:「ちょっとぐらい抜いてもらった方がいいんじゃないの?」「それはあるわよね? ンっふ♪」

3.         進悟:「ママが…!」「…………コラァっ!」

       進悟の中では、この母と姉は、完全に似た者母娘として捉えられてるようですが、Act.39の『レポーター事件』以来、母と姉の『おバカ度』はすっかり逆転してるのかもしれませんな…。で、この何気ない食卓シーンにおける、うさママの言動に関して深追いするのは、ちと危険かとも思われますが、少なくとも、うさぎちゃんが家族の前でこんなに元気のないところを見せるのは、劇中においては初めてのコトですな…。

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       クラウンにて…。

       「じゃあ、うさぎが眠っている間にプリンセスに…?」。人型ルナ:「そうなの…。いくらうさぎちゃんでも、寝てる時はどうしようもないわ…」

       実は、うさぎちゃんが眠ってる間にプリンセス・セーラームーンになって失踪したのは、これが初めてではありません。Act.37の時が最初で、これはそれ以来と言うコトになります。Act.37の時は、Act.36で地場衛がベリル様に連れ去られてしまったその日の晩にあたります。うさぎちゃんは、Act.36の原っぱで気を失い、Act.37でクラウンに運び込まれ、そこで目を覚ますと、「そっか…。いなくなっちゃったんだ…」と言ったものの、気丈にも「ゼッタイ戻って来るって言ってたんだもん、メソメソしてたら、バカって怒られちゃう…。…大丈夫…」と言ってたのですが、しかし、まさにその晩の出来事でした。

       「やっぱり、エンディミオンのことがあるせいだよね…」「う〜ん…命が危ない訳だから…」

       ここで亜美ちゃんは、「地場くん」とは言わずに、「エンディミオン」と言いましたね。これは前回、マーキュリーとセーラールナの目の前で、その「エンディミオン」「命を吸い取られる石」で苦しみ、まさに「命が危ない」その姿を見せつけられてるからです。つまり亜美ちゃんの中では、あれはもはや「地場くん」ではなく、あくまでも「エンディミオン」なのだと認識してるんですね。つまり、うさぎちゃんを追い詰めてるのは『現世の地場くん』なのではなく、あくまでも『前世のエンディミオン』であり、そしてそれを奪い取ろうとしてる「前世のお化け」クイン・ベリルなのだと…。

       ※ ちなみに、地場衛がAct.32で「エンディミオン」に覚醒して以来、その『めちゃめちゃ肩幅の広いカッコいい白いエンディミオン』と遭遇したのは、うさぎちゃん(=セーラームーン)以外では、Act.35でヴィーナスが一度あるだけで、クラウン・サイドのセーラー戦士の中では、ナニげに前回のマーキュリーが初めてなんですな。しかも、このあとは、Act.46においてレイちゃんが遭遇するのが一度あるだけで、それが最後となるんです。つまり、唯一まこちゃんだけが、地場衛が『めちゃめちゃ肩幅の広いカッコいい白いエンディミオン』に変身してる姿を、結局、最後の最後まで見ないまま終わるんですね。ナニげにこれは、亜美ちゃんが白いうさぎちゃんプリンセス』の姿を見てないのと、全く逆の現象になるんですな。まこちゃんは、前半戦における『タキシード仮面時代の地場衛』とは、非常に因縁深く絡んでたのに、後半戦の『エンディミオン時代の地場衛』とは、個人的には全く絡んでないんです。これは、まこちゃんの場合、その『恋愛担当』キャラを描いていく上で、前半戦はうさぎちゃんと地場衛の世話焼きに回っていたのが、それが、後半戦は自分と元基の物語に移行していったからなんですね。

       「それでうさぎは?」「ほとんど寝てないから、家にいなさいって、言って来たわ」「うさぎちゃんだけに頑張らせてたら、私たちがいる意味ないよ」「プリンセスを守るのがあたしたちの使命だもんね」「!」(←いきなりギロッと目付きが変わるレイちゃん)…「まことっ」(←椅子から立ちあがり)、「…プリンセスだから守るんじゃないわ…『友達だから守るのよ』「え?!」「…使命も関係ない…!」「!」「!」

       「関係なくはないだろっ」(←椅子から立ちあがり)…「わたしたちは…」「前世の話はたくさんよっ…」「? レイちゃん…?」

       このシーンでのまこちゃんは、「プリンセスを守るのがあたしたちの使命だもんね」と言うのを、美奈子ばりに心の底からそう思って言った訳ではありません。この時のまこちゃんは、単にAct.33で「お姫様のお守りは大変だなぁ…」と言ったのと同じノリで言っただけなんですね。まこちゃん自身は、Act.31での『ジュピター覚醒』以降ずっとこの調子で、特に何も変わってないんです。変わったのはレイちゃんです。レイちゃんは、Act.33の時点では、まだ、そんなまこちゃんに突っかかるようなコトもなく調子を合わせていたんですが、Act.36で美奈子から病気の告白をされ『サポート要請』を受けて以来、やたら「前世」関連の言葉が気になり始め、Act.40では、美奈子に向かって「最近、前世なんて言葉、嫌いになってきたわ…」と言ってます。しかし他のメンバーは、レイちゃんが美奈子とそのような関係になってるコトを何も知らない訳です。ルナですら、アルテミィ〜スから美奈子の病気のコトは知らされてないんですな。なので、そんなレイちゃんに対して、ここでのみんなのリアクションが、意外そうと言うか、不思議そうなんですね。

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       その頃うさぎちゃんは…。

       自分の部屋のベッドに腰掛け、でっかいウサギさんのぬいぐるみだかクッションだかを抱きしめて、ぼーっとしちゃっております…「…………」。で、さっきのうさママの言葉が、うさぎちゃんの頭の中に鳴り響きます…

       「最近カレシどうなの?」

       「今度ウチに連れて来なさいよぉ、ご馳走するから♪」

       …うさぎちゃんは、今まで見せた事もないような痛々しい表情を浮かべ、「…『連れて来たくても、これじゃ連れて来られないよ…!』と言わんばかりに、ぬいぐるみに顔を埋めます…「ナンで…、こんな……!」。うさぎちゃんはぬいぐるみを力任せにぎゅ〜っと握り締めると、思わずそれを窓に目掛けて投げつけてしまいます(←荒れてますな…)。それからベッドの上にばたんっ!と仰向けに倒れて、天井を見つめながら、とにかく心が張り裂けんばかりの、そんな表情を浮かべながら、「…ナンでよ…!」とつぶやきます…。

       すると…しばらく時間が経過したのか、いつの間にやら、さっきまでは閉まっていた窓が開いてて…、レースのカーテンが風に揺らめいており…、例の『プリンセスのハープ』の音がぽろんぽろんと…、昼間の街に鳴り響いております…。

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       すると、ダーク・キングダムでは…。

       「メタリアの部屋」で、またメタリアに異変が起き、ベリル様がそれをじっと見つめてますが、その表情には、やや危機感のようなニュアンスが漂っております…。

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       街では…。

       白昼堂々、街なかに『メタリア妖魔U』が現れ、全身から白いガスのようなモノを噴出させ、それによって周りの人々がバタバタと倒れていきます…。

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       クラウンでは…。

       人型ルナ:「!…プリンセスのハープの音っ!」「また?!」「!…」「!…」

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       一方こちらは、美奈子のいる撮影所(?)内…。

       美奈子が、駆け足でスタジオから廊下に飛び出して行きます(←おおっ! 廊下の壁には、Act.32に出て来たユウト主演のドラマ「さまよえる月」のポスターが貼ってあるぞっ! つまりここはあの時のテレビ局だなっ!)。すると、廊下中に、「抜け殻」のようになったスタッフさん達が、倒れてたり、ぼーっと座り込んでしまってたりしてます。「!!……」。美奈子は一瞬立ち止まりますが、また急いで走り出します…。

        ★  ★  ★  ★  

       同じ頃、ダーク・キングダムの『エンディミオンの部屋』でも…。

       地場衛が、窓のカーテンを開けて外を見てます…「またか…」(←て言うか、そこって、窓の外に一体ナニが見えるんだよ!?)。

       するとそこへ、「まもるくん…」と黒木ミオがやって来ました…「プリンセスのところへ行ってもいいよ」「…」「石の力を止めてあげる」「…」「ただし、プリンセスに会うのはこれが最後だからね…」「……」

       これまたやっかいなシーンですなぁ…。

1.       ちなみに、黒木ミオは普段「うさぎちゃん」と言ってるので、その黒木ミオが「プリンセス」という言い方をしてると言う事は、これはベリル様の遠隔操作か伝言でしゃべらされてるのだと言うコトを意味してますから、つまり黒木ミオが勝手にやってるコトではありません。で、この時、黒木ミオは、最初「まもるくん」と言って入って来てますから、あくまでも本人は完全に黒木ミオの状態でしゃべってます。となると、これはベリル様の遠隔操作でしゃべらされてるのではなく、黒木ミオがベリル様の伝言を伝えに来てるんですね。で、その黒木ミオが、ここで「うさぎちゃん」ではなく「プリンセス」という言い方をしてると言う事は、今現在『プリンセスのハープ』を演奏してる人物が、黒木ミオの中でも「うさぎちゃん」ではなく「プリンセス」なのだと認識してるコトを意味してます。だから黒木ミオは、ここで「まもるくん」に、その「プリンセス」を静めに行けと言ってるんですね。

2.       黒木ミオと言うのは、「うさぎちゃん」「セーラームーン」としか会った事がなく、プリンセス・セーラームーンとは直接面識がないんです。しかしそこは、さすがにダーク・キングダムの人間ですから、プリンセス・セーラームーンが「うさぎちゃん」とはまるで別人格であるコトも分かっており、そのプリンセス・セーラームーンに向かって「うさぎちゃん」と呼びかけても意味がないコトも、ちゃんと分かってる、と言うコトなんですな。すなわちそこが、クラウン・サイドのセーラー戦士達とは違うところです。また、ダーク陣営では、ベリル様も四天王も、うさぎちゃんだろうがセーラームーンだろうがプリンセス・セーラームーンだろうが、どれもこれも完全に一緒くたにして、全く同じ「プリンセス」としてしか認識してない訳ですが、唯一黒木ミオだけが違うんですね。彼女は『14歳当時の前世のベリルのクローン』で、まだメタリアに魂を売り渡す前の人間時代が母体となってますから、ダーク陣営では、唯一、『人間の心の機微』と言うモノに気付けるような『したたかさ』を持ってるのかもしれません。

 

 ★  ★  ★  ★   CMタイム― ★  ★  ★  ★  

 

       亜美ちゃん、レイちゃん、まこちゃん、そして人型ルナが、現場に駆けつけます…。

       ところが、「プリンセスのハープの音」を追って来たはずなのに、そこには、人々が「抜け殻」のようになってウヨウヨと転がっているではありませんか。その惨状を見て、4人は思わず言葉を失います…「!……」「!……」「!……」「!……」

       すると、人型ルナが『メタリア妖魔U』がいるのに気付き、「アイツよっ!」と指差します。それから、すかさず「ルーナ・プリズムパワー」(←おおっ! 先頭に立って仕切ってるぞっ!)、「マーズパワ〜」「マーキュリーパワ〜」「じゅぴたーぱわー」(←あれ? 「メイカっ!」って言わなかったぞ…)と変身します。

     で、変身後、「愛と小さき者達の、セーラー服美少女戦士セーラールナっ」(←やっぱり仕切ってるっ!)(←て言うかキミ、元々『大人のネコ』のくせに「美少女」って…やっぱ「ちっちゃい」んじゃんっ!)、「炎と情熱の戦士、セーラーマーズっ」「水と知性の戦士、セーラーマーキュリー」「いかずちと勇気の戦士、セーラージュピター」

       「月にかわって」(←完全にセーラームーンのポジションを奪っちゃってるぞっ!)、「火星にかわってっ」「水星にかわって」「木星にかわって」(だ)と、久々に恐ろしく念入りに決めゼリフを披露します。

       ところがっ! 『メタリア妖魔U』は、「フンっ…『ハイッ、ご苦労さんでした、ほな、さいなら』と、さっさと背を向けて歩いて行っちゃいました…「待ちなさいっ!」(←って完全にシカトされちゃってるじゃないかっ!)(←やっぱ仕切ってるのがキミじゃ、てんで相手にならんと思われてるんじゃないのか?)。するとそこへ、いつもの『泥妖魔』どもが、まるでショッカーの戦闘員みたいにウヨウヨと現われ(←っつっても、やっぱり4匹だが…)、しかも、さらにもう一匹、ナンか茶色い妖魔まで出て来ちゃって、『メタリア妖魔U』を追い駆けようとするセーラー戦士達の行く手を遮ってしまいます…(←んん??て言うか、この茶色いヤツ…ナンか前にもどっかで見たような…………(確認中)…………そうだっ! コイツはAct.32でユウトに取り憑いていた『茶色妖魔』じゃないかっ!)。

       …あの時の『茶色妖魔』を仮に『茶色妖魔A』とすると、その『茶色妖魔A』は黒木ミオと組んでた訳だから、てコトは、ヤツはジェダイトくんの配下だったコトになるはず…しかも、『茶色妖魔A』はセーラームーンとエンディミオンにしっかり倒されていた…。ところが、今回の『茶色妖魔』を仮に『茶色妖魔B』とすると、この『茶色妖魔B』『泥妖魔』と一緒に出て来たんだから、てコトは、コイツは『地中発生妖魔』のはず…これは一体どういうコトだ?!

       そこでワシは、ここで思い切って『茶色妖魔B』に突撃インタビューを試みるコトにいたしました…(↓)

       ワシ:「ちょっとお取り込み中失礼します。『茶色妖魔B』さん、アナタは『地中発生妖魔』なんじゃないんですか?」…

       茶色妖魔B(←以下、茶B「○×△□…(通訳→)『へい、そうです…』

       ワシ:「それじゃ、Act.32の『茶色妖魔A』は?」…

       茶B「○×△□…(通訳→)『へい、実はアレは双子の兄の方でして…』

       ワシ:「そのお兄さんはどうしてジェダイトくんの配下に?」…

       茶B「○×△□…(通訳→)『へい、実は、兄はダーク・キングダムのバイト募集に応募しまして…』

       ワシ:「じゃ、弟さんのアナタは、どうしてバイトの面接に行かなかったんですか?」…

       茶B「○×△□…(通訳→)『へい、私は他人から指図されるのが嫌いなタイプでして…。それに、今ダーク・キングダムは職場の雰囲気が最悪だそうですし、だったら、こうして気心の知れた泥妖魔さん達と、勝手気ままに面白おかしく暮らす方が性に合ってますんで…』

       ワシ:「さ、さいでございますか…」…

       …てな訳で、セーラー戦士4人vs『地中発生妖魔』5匹の、大混戦バトルが始まります…♪ちゃんちゃんばらばら…♪

        ★  ★  ★  ★  

       一方こちらは、どこだかの海岸沿いの場所にて…。

       ナンかの施設みたいなところに、大きな帆立貝(?)の置きモノがあって、そこにプリンセス・セーラームーンが腰掛けて、ハープを演奏中なのでございました…。

       ※ ちなみにここは、ロケ地情報に詳しい「セーラームーンを追いかけて」さんによりますと、「横浜シンボルタワー」と言う所だそうで、その公式サイトの説明によりますと、これは『遙かなるもの・横浜(貝)』と言い、「この『遙かなるもの・横浜(貝)』は縦・横6m、重さ15トンのステンレス製の鋳造彫刻で、『平和を願う国際都市横浜』を象徴して置かれています。太古のころ、横浜湾に棲息していたホタテ貝を中心にデフォルメされた富士山、波、小動物から構成されています。田辺光彰氏の作品です。」とのコトでございます…。

       そこへ、地場衛が階段を上ってやって来ます。プリンセス・セーラームーンは、地場衛に気付き、ハープの手を止めて彼に視線を向けます。すると地場衛は、いつものように、プリンセス・セーラームーンに向かって「うさぎ!」と声をかけます。

       すると、プリンセス・セーラームーンの口から「…まもる…」という言葉が漏れ、その直後に変身が解けて、普通のうさぎちゃんに戻ります…。うさぎちゃんに戻ったうさぎちゃんは、「…まもるっ!」と言って立ち上がります。

       これは…、またしてもやっかいなシーンが出てきてしまいましたなぁ…。

       今、プリンセス・セーラームーンの口から、決して漏れるはずのない「まもる」と言う呼び名が漏れてしまいましたね…。確かに、今のこのシーンでは、姿かたちはプリンセス・セーラームーンではありましたが、「まもる」と呼んだ瞬間のその顔の表情は、明らかにセーラームーンのものではありました。たとえば、Act.37でも、うさぎちゃんが寝てる間にプリンセス・セーラームーンになって失踪した際、うさぎちゃんは自分のベッドの中で体が光り始め、それから体を起こし、パジャマ姿のうさぎちゃんの状態で「エンディミオン…」と言ってるんですね。つまり、このパターンも、姿かたちはうさぎちゃんでも、すでに意識の中は『前世のプリンセス』に支配された状態だと言え、今回のパターンとまるっきり逆な訳です。なので、プリンセス・セーラームーンとうさぎちゃんの意識が入れ替わる瞬間には、このような現象が起こり得るのだと解釈して、さっさと片付けてしまってもいいのですが、しかしながら、どうもワシは、今回のエピソードのテーマと照らしてナニか引っかかるモノを感じたので、この現象について、ちょっと考えてみるコトにいたしました…。

       題して、「プリンセス・セーラームーンは、実は二人いるっ!?」(↓)

       さて、今までプリンセス・セーラームーンは、Act.36で衝撃のデビューを飾って以来、Act.37〜38、Act.41、Act.42、そして今回Act.43の中で2度、計6回登場してます。で、それらをもう一度よく振り返ってみると、実はプリンセス・セーラームーンには、明らかに2種類の変身パターンがあるコトが分かるんですな。

1.       一つは、Act.36で初登場した時の変身パターンで、普通のセーラームーンから2段変身した状態のプリンセス・セーラームーンです。こちらは、『プリンセスの剣』を出して戦う『孤高の最強戦士』です。前回Act.42と前々回Act.41のプリンセス・セーラームーンもこのパターンです。

2.       もう一つは、Act.37で初登場した、寝てるうさぎちゃんから直接プリンセス・セーラームーンに変身したパターンです。このケースでは、通常のセーラームーンと言う戦闘状態を経由していないためか、こちらは『プリンセスのハープ』を出して演奏しながら街を徘徊する、『孤独な流し』です。今回の2度にわたるプリンセス・セーラームーンがこのパターンにあたります。

       つまり、仮に、上記「1」の2段変身パターンによるプリンセス・セーラームーンを『プリンセス・セーラームーンA』とし、「2」の夢遊病パターンを『プリンセス・セーラームーンB』とするなら、『プリンセス・セーラームーンA』は、『前世のプリンセス』の意志で変身したプリンセス・セーラームーンであり、一方『プリンセス・セーラームーンB』の方は、『現世のうさぎちゃん』によって呼び込まれて変身したプリンセス・セーラームーンであると、そのように分類する事ができるんですな。つまりその違いは、手に持ってるモノが、『プリンセスの剣』であるか『プリンセスのハープ』であるかに象徴されている訳です。つまり、前回の『メタリア妖魔U』とのバトル中に、プリンセス・セーラームーンは『プリンセスの剣』『プリンセスのハープ』に変えてマーキュリーの傷を治していましたが、あの瞬間、実は、『プリンセス・セーラームーンA』『プリンセス・セーラームーンB』と入れ替わっていたと解釈する事もできる訳なんです。

       そう考えると、実に興味深い事実が浮かび上がってくるんですな…(↓)

1.       と言うのも、『現世のうさぎちゃん』によって呼び込まれて変身した『プリンセス・セーラームーンB』が初登場したAct.37をもう一度よく振り返って見ると、あの時、『プリンセス・セーラームーンB』は、前の晩から翌日の晩にかけてずっと失踪中で、その間ひたすらハープを弾き続けていたんです。で、まさにその真っ最中の2日目の午前中に、Act.36で自害させられて死んだはずのネフライトが、人型化して現れてる訳です。

2.       つまりネフライトは、偶然にも、その『プリンセス・セーラームーンB』の長時間にわたるハープ演奏によって蘇生され(←もしくは瀕死の重傷を治癒され)、その結果人間に生まれ変わったのだと考えて間違いないコトになるんですな。つまり、単に自害させられただけでベリル様の呪縛が解け、それで「普通の人間になった」訳じゃなかったんです(←もしそうなら、四天王は全員自害しちゃえば、特殊能力を失う代わりに、簡単にベリル様の呪縛からは解放され得るコトになってしまいますからね)。

3.       そしてさらに興味深いコトに、その「普通の人間になった」「ネフリン」は、前回Act.42において、今度は逆に、『プリンセス・セーラームーンA』『プリンセスの剣』が放った『負の力』を受けて、「ダーク・キングダムの四天王」時代の力が戻ろうとしてた訳です。

       では、話を劇中に戻しましょう…。うさぎちゃんに戻ったうさぎちゃんが「…まもるっ!」と言って立ち上がります。すると、階段を上がって来る地場衛の背後から、ナンと、黒木ミオがついて来るではありませんか…。うさぎちゃんは、黒木ミオを見て思わず「!」と表情が険しくなります。黒木ミオ:「うさぎちゃん、まもるくん連れて来てあげたよ」(←ここでのこのセリフは問題なしと…)。「ミオちゃん…、…ミオちゃんも敵の仲間だったんだね!?」(←ってええ〜っっ!? いくらなんでもそりゃねーだろ月野さんっっ!!)(←だって黒木ミオは前回もエンディミオンと一緒に出て来て「命を吸い取られる石」の説明して空間移動で消えてったし、その前にも、Act.35で地場衛をさらおうとしてビルの屋上にいた時、思いっきり「ムーントワイライト・フラッシュ!」を浴びせて空間移動で逃げられてたじゃんっ!…『えへっ、そうだっけ?』)。

       うさぎちゃんにそう言われて、黒木ミオは「うわぁ、こわ〜いっ!」と地場衛の腕にすがり付きます。うさぎちゃんはそれを見て「!…『テメ、私の衛にナニ気安く触っとんじゃこのボケっ!』みたいに睨みつけます。すると地場衛は、そんなうさぎちゃんを見て、少しタメ息をつくように「…『ったく、しょうがねーな…』と言う顔をし、それから、黒木ミオなんか完全に無視して、うさぎちゃんの方へ歩み寄ります。

       地場衛は、黒木ミオを睨み付けてるうさぎちゃんの手を取ると、「かまうな…『あんなヤツ…』と言って連れて行こうとします。そして、一度立ち止まって振り返り、黒木ミオに向かって、「ついて来る必要はないだろう」と牽制し、その場を去って行きます。その去り際に、うさぎちゃんまでもが、「…『そうよっ、気が利かないわねこのタコっ!』みたいに一睨みしちゃってます。

       黒木ミオ:「……まあ〜いっか…、でも約束忘れちゃダメだよっ、まもるくんっ」

        ★  ★  ★  ★  

       で、久々にバイクの二人乗りでございます…(←二人の被ってるヘルメットが、Act.13当事のモノと同じです。つまり、うさぎちゃんのは『陽菜さんヘルメット』です…)。

       で、こういう場面になると、やっぱり、どうしても条件反射的に、あのゴキゲンな曲が脳内BGMで流れてしまうのですが…⇒(♪ひゅるひゅるひゅるひゅる…「♪やっぱうーんーめいね、アーナターとーでーすーてにーい〜っ♪」……でも、やっぱコレってああ見えも冬の歌だし、そうじゃなくても、状況的に、とてもそういう雰囲気じゃないですモンねぇ…ぐすん…)。

 

       で、この時、地場衛の頭の中では、以下のような回想シーンが回想されてるのでございました…(↓)

       ダーク・キングダムにて…。

       実は地場衛は、黒木ミオからベリル様の伝言を聞かされたあと、その条件を飲んで「石の力を止めて」もらうため、ベリル様の許へ行き、そこで直接ベリル様と話をしていたんですね。で、ベリル様は地場衛に向かって、「必ず陽が沈むまでに戻って来るのだ、何があろうと…。戻ったならば、お前に埋め込んだ石を消してやろう…」と言います。

       コレなんですが…、地場衛は、最初ベリル様に、「オレなら、プリンセスを静めることができる」「だからその間だけでいい。この石の力を止めてくれっ」と交渉しに行ってるんです。つまり、「埋め込んだ石を消して」くれとまでは頼んでいない訳です。なので、黒木ミオが『エンディミオンの部屋』に来て伝言を伝えた時も、黒木ミオは「プリンセスのところへ行ってもいいよ」「石の力を止めてあげると言ってて、ここでも黒木ミオは、やはり「石を消して」あげるとは言ってない訳です。ところが、そのあと直接ベリル様が地場衛に話しをした段階では、それがいつの間にか「石を消してやろうに変わってるんですな。これは一体、どこでどうして変わったんでしょうか?

1.       つまりそれが、先述したように、ベリル様が、『誰でも、自分の命が一番大事なはずだ』と言う前提の下に、最後の賭けに出たのだと言うコトの意味です。『自分の命が惜しくなれば、エンディミオンは必ずプリンセスを捨てるはずだ』と…。それこそが、ベリル様がこの石をエンディミオンの体に埋め込んだそもそもの理由なのですからね…。

2.       ところが、ベリル様は、度重なる「プリンセス」の影響でメタリアに異変が起きたのを見て、『もはや悠長に構えてる場合ではない』と判断し、さっきエンディミオンが言い出した、「オレなら、プリンセスを静めることができる」「だからその間だけでいい。この石の力を止めてくれっ」言う交渉に乗るコトにしたんですね(←ベリル様が『権力欲』を捨てられないが故の焦りが、ここで出る訳です)。

3.       そしてそこで、「必ず陽が沈むまでに戻って来るのだ、何があろうと…。戻ったならば、お前に埋め込んだ石を消してやろう…」と、エンディミオンが『自分の命惜しさに』必ず戻って来るように仕向けた訳です。これで「陽が沈むまでに」戻って来れば、『やはりエンディミオンも自分の命が一番大事なのだ』と分かり、そうなれば、あとは煮るなり焼くなりどうにでも御しやすいと考えたんですね。そのために、わざと「必ず陽が沈むまでに」と言う細かい『条件』を付け加えたんです。

4.       なぜなら、四天王を人質に捕ってる以上、エンディミオンが戻って来るコトは最初から分かってるのですから、単にそれだけを繰り返していたのでは永遠に何も進展しませんからね。つまり、同じ「戻って来る」にせよ、この『条件』をクリアするかしないかによって、エンディミオンが『自分の命が惜しいかどうか』の最終的な判断材料を早急に入手できる事になり、ついでに「プリンセスを静めることができる」と、まさに一石二鳥な訳です。

       黒木ミオ:「陽が沈むまでだからネっ…」

       うさぎちゃんは、地場衛の背中にしがみ付きながら彼の横顔を覗き込み、「……(心の声→)どういうコト…? ここにいるの、まもるだよね?…ナンで?」(←うさぎちゃんは、地場衛の様子がいつもと違うコトに、ナニか不安な面持ちでいます…)ぶろろろろぉぉぉぉ……!

       実を言うと、地場衛がAct.36でベリル様に連れ去られて以降、うさぎちゃんは、ナニげに今日、初めて「素」の「地場衛」と会ったんですね。これまでは「地場衛」ではなく、全て『めちゃめちゃ肩幅の広いカッコいいエンディミオン』としか会ってないんです。Act.38〜39の「宣戦布告」、Act.39の「フィールドアスレチック冒険の森」 、前回Act.42の「病院の裏」での『メタリア妖魔U』とのバトル・シーン、全て「エンディミオン」です。つまり、うさぎちゃん目線では、地場衛はダーク・キングダムに連れ去られてからずっと「エンディミオン」のままだったのに、『どうして今日は、普通に「地場衛」の姿で会いに来られたんだろう?』と、まずそのコトを不審がってるんですね。しかも前回、黒木ミオの説明によって、「まもるくん?! うさぎちゃんに近づいたらどうなるか教えたはずだよ。いいの?」「うさぎちゃんっ! まもるくんはネ、命を吸い取られる石を埋め込まれちゃったんだよ」「うさぎちゃんのコトを思えば思うほど、吸い取られるんだから…」「まもるくんが死んじゃったら、うさぎちゃんのせいだからネ…」と言われており、そんな状況でこうやって地場衛と会ってしまったら、そのせいで彼が死んでしまうかもしれないのに…と言う不安があるんですね。

        ★  ★  ★  ★  

       一方こちらは、妖魔どもと戦闘中のセーラー戦士達…。

       ナンか、クイン・メタリアの影響なんでしょうか? ザコキャラだったはずの『泥妖魔』も、回を追うごとに強くなってるみたいですねぇ…。そんな中、セーラールナが『ハリセン』『泥妖魔』を引っ叩いて「やったっ♪」とはしゃいでると、『茶色妖魔B』がそのセーラールナを背後から捕まえて首を絞めます。「きゃっ!」

       「ルナっ!」「!」「!」。みんなはセーラールナを助けに行こうとしますが、次から次へと『泥妖魔』どもが行く手を阻んで来ます。「…放して…!」。すると、いきなり何処からともなくヴィーナスのチェーンが飛んで来て、ばしーんっ!『茶色妖魔B』を吹っ飛ばし、セーラールナを救います。おおっ! 久々のヴィーナス登場です!(←ヴィーナスとしては、実にAct.38以来でしょうか…)。

       「ヴィーナスっ!」「みんなっ! もっと分散してっ! それじゃまとめてマトになるだけよっ!」「!…うん!」「うん!」「うん!」みんなはうなずくと、それぞれ四方に分散します…(←マーキュリーとジュピターは側転で移動し、セーラールナは、やっぱり普通に走っております…)。その際、マーズはヴィーナスに駆け寄って来ます。マーズはヴィーナスと背中合わせに並び立つと、「もう戦いには出て来ないで! 言ったでしょう? 私が」「マーズっ、しゃべってる暇はないわよっ…そう言うとヴィーナスは、マーズを無視して、敵の中に切り込んで行って戦い始めます。マーズは、思わずその姿を見つめて立ち尽くしてしまいます…「…………『て言うか、さっき分散しろって言ったのは誰なのよ…』

        ★  ★  ★  ★  

       こちらは、うさぎちゃんと地場衛…。

       ぶろろろろぉぉぉぉ……! きぃ〜〜っ!と地場衛はバイクを止め、二人はバイクから降ります。地場衛はヘルメットを外し、それをバイクのバックミラーにかぶせます。うさぎちゃんは、ヘルメットも脱がず、連れて来られた場所がどこなのか、記憶をたどってるようです…「…ここって…」

       そうです…ここは、Act.13でうさぎちゃんが『肉まん半分コ』して地場衛にあげた砂浜です。

       地場衛はなぜ、うさぎちゃんをここに連れて来たのか、それは、本稿のAct.38の時にも書きましたが、彼がうさぎちゃんに対する気持ちをハッキリ自覚したのが、実はこの場所だったからです。Act.38における回想シーンのオンパレードの中で、地場衛は、Act.7でセーラームーンの正体が「月野うさぎ」だと知り、そのセーラームーンに傷の手当をしてもらったシーンにかぶせて、「たぶん…あの頃からオレは…」と言ってました。そしてその直後に、この砂浜での『肉まん半分コ』のシーンを最後に回想してるんです。つまり、この頃にはもう、地場衛は『完全にうさぎちゃんのコトを好きになっていた』…と言うコトになる訳です。つまり地場衛は、もう一度あの頃の純粋な気持ちに戻って、それでうさぎちゃんに大事な何かを伝えたくて、わざわざこの場所を選んだんですね。つまりそれが、彼にとっての、『肉まん半分コ』に対するお返しのつもりだったのかもしれません。

       で、そんな地場くんだったのでありますが、さっきから一言もしゃべらず、一人で海を見つめて黄昏ちゃっております…(←この絵づらも、Act.13の時と全く一緒ですな)。そこへ、ヘルメットを脱いだうさぎちゃんが、後ろから来て声をかけます…「どうして? あの石は? 命を、取るって…」。すると地場衛は、背中を向けたまま、一瞬表情を曇らせます…「!……」…しかし、じきに、「……だいじょぶだ…もうなくなってる…」(←って、うそつきーっ!)。

       地場衛は、どうしてここでうそをついたんでしょうね? 地場衛がそう言えば、素直なうさぎちゃんは必ず信じます。もちろん彼は、うさぎちゃんに心配をかけたくないからうそをついたのですが、しかし、もっと厳密に言うなら、『これ以上うさぎに、ベリルを憎んで欲しくないから』でしょうね。それともう一つは、地場衛は、この時点では、ひょっとすると、自分は「陽が沈むまでに」戻るつもりでいたので、そうであれば、結果的に『うそをついた事にはならない』ので、ここで先回りして、敢えてそう言っておいたのかもしれません。

       するとうさぎちゃんは、地場衛の前に回り込んで、「ホントに?」「……ああ…」(←こらっ、相手の目を見て言えよっ!)。「…………私もだいじょぶだよっ、ちから使わないように頑張ってるしっ…」(←努めて明るく振る舞おうとするうさぎちゃん…)(←いじらし〜っ!)。しかし地場衛は、そんなうさぎちゃんに水をさすように、「……じゃあ、さっきのは?」(←そういう時だけ目を見るなよっ!)。「…あ〜…、うんっ、頑張ってるんだけどっ、やっぱり…プリンセスがねっ…」「……」。地場衛は一瞬ナニか考えてから、意を決したように、「うさぎっ…『そうじゃないんだ…!』「……」

       すると次の瞬間、ナンと、いきなり海から妖魔が飛び出して来てしまいました(←コイツは、今回のオープニング開けでマーキュリーと戦ってた『水妖魔』です)(←どーでもいいけど、あの人工の池から、どうやって海に流れ着いたんだ?!)。

       「!…妖魔っ!」。うさぎちゃんはすかさず、「ムーンプリズムパワ〜、メーイク・アップ!!」と変身します。

       しかし、セーラームーンに変身し終わると、いきなり『水妖魔』は、二人に爆撃を食らわせます。どかーんっ!「きゃっ!」「うわっ!」

 

 ★  ★  ★  ★   CMタイム― ★  ★  ★  ★  

 

       どかーんっ!「きゃっ!」「うわっ!」。二人は砂の上に倒れますが、地場衛はすぐに立ち上がって、「だいじょぶか!?」とセーラームーンに駆け寄ります。そして、『水妖魔』を睨み付けて「こんな時に…!」と言うと、『水妖魔』に向かって駆け出します。地場衛は、さらなる『水妖魔』の爆撃をモノともせず、走りながら一瞬でエンディミオンに変身します…(←おおっ! これは『タキちゃん走り』のエンディミオン・バージョン、名付けて『エンちゃん走り』ではないかっ!)。

       地場衛はここで、「こんな時に…!」と言いましたね…。「こんな時に…!」とは、一体『どんな時』なのでしょうか? 要するに彼は、やはり、「陽が沈むまでに」戻るつもりでいたんじゃないでしょうか? だからこそ、少しでも時間を無駄にしたくなかったから、「こんな時に…!」と言ったのではないでしょうか?

       何はともあれ、『水妖魔』と立ち回りを演じるエンディミオン。ところが、彼の剣をかわしてジャンプした『水妖魔』が、セーラームーンの背後に着地して、いきなりセーラームーンを羽交い絞めにして人質に取ります…「○×△□っ!(通訳→)『動くなっ! 動くとコイツの命はないぞっ!』

       しかしエンディミオンは、そんなの無視して、剣を槍投げのようにして持ち替えると、『水妖魔』目掛けて投げつけます(←おおっ! 針の穴をも通すと言われる『エンディミオン投法』で、みごと命中っ!)…ばしっ! 『水妖魔』がセーラームーンから離れます。

       するとセーラームーンは、すかさず、砂に刺さった『エンディミオンの剣』を引き抜き、それを構えて『エンちゃん走り』しながら、まさに鬼のような形相で、『水妖魔』目掛けてまっしぐらに突進して行きます。こちらも『水妖魔』の爆撃をモノともせず、爆風の中を突き抜けて、『水妖魔』のドテッ腹に思いっきり剣を突き刺します!(←とにかく今回のセーラームーンの戦いっぷりには、いちいち鬼気迫るものがあります)。

       セーラームーンは、『水妖魔』に剣を突き刺したまま、憎々しげに、「許さない妖魔っ、…クイン・ベリルっ!『せっかくのデートの邪魔しくさってぇ〜っ!』。水妖魔:「○×△□〜っ!?(通訳→)『あの、すいません、くいんべりるってなんスかぁ〜っ!? ボク、地中発生妖魔なんスけどぉ〜っ!?』『ンなコト知るかぁ〜っ!』

       たとえばこのような状況で、ダーク・キングダム配下の妖魔が、エンディミオンが日没までに帰るのを邪魔するような、つまりベリル様の意に反するような、そんな真似をするはずがありませんから、この『水妖魔』は明らかに『地中発生妖魔』です。なので、やはりセーラー戦士サイドでは、『地中発生妖魔』のからくりを認識してはいませんでしたね。依然として、妖魔はどれも「クイン・ベリル」の配下だと考えてます。

       するとここで、セーラームーンのブローチから、「幻の銀水晶」の光が放射され始めてしまいます。それを見たエンディミオンは、慌てて「うさぎっ」と駆け寄ります。

        ★  ★  ★  ★  

       すると、ダーク・キングダムの「メタリアの部屋」で、ベリル様が見守る中、メタリアにも異変が起き始めます…「……」

        ★  ★  ★  ★  

       「うさぎっ、落ち着けっ! 心を静めるんだっ」「!……」。その言葉に、セーラームーンは『ハッ!』として、ブローチの光が収まります。

        ★  ★  ★  ★  

       場面は切り替わって、こちらは『茶色妖魔B』『泥妖魔』どもと戦っているセーラーチーム…。

       まず、マーキュリーが一人で4匹の『泥妖魔』を相手に、素手の接近戦で相対しております…。

       次に、ジュピターが、こちらも一人で4匹の『泥妖魔』を相手に、『覚醒バージョン』の避雷針となって雷を集め、それを地面に投げつけるように「ハッ!」と手を突いて敵に浴びせます…。

       次はマーズが、『覚醒バージョン』の火炎放射で、こちらも一人で3、4匹の『泥妖魔』「ハッ!」と焼いております。ナニげにさっきは、『泥妖魔』は全部で4匹しかいなかったように見えたのですが、ナンと、ナンだカンだで12匹くらいはいたみたいですな…(←のように水増しして見せていただけ…とも言えるが…)(←それはそうと、これはワシの思い過ごしかもしれませんが、ナニげにマーキュリーだけ、『泥妖魔』を1匹も倒してなかったような気もするのですが…)(←きっと気のせいだろう…)。

       で、ヴィーナスは、チェーン片手に『茶色妖魔B』とタイマン勝負しております…ところが突然、ヴィーナスが「あ、……うっ…!」と貧血(?)でよろめき、それに気付いたにマーズがとっさに駆け寄り、ヴィーナスを抱き止めます…「だから言ったのよっ」。しかしヴィーナスは、すぐに気を持ち直すと、マーズを無視して振り切るようにし、尚も妖魔に向かって行きます。「ヴィーナスっ!」

       ヴィーナスが、最後の一匹となった『茶色妖魔B』の前に立つと、みんなもそこに終結します。「みんなっ! 同時に攻撃よっ!」。ヴィーナスのリーダー・シップによって、マーズ以外の三人がとうなずきます。

       で、最後はマーズもきちんと参加して、5人で一斉にビームを浴びせ、無事、『茶色妖魔B』も倒しました…ぼかーんっ!茶色妖魔B「○×△□っ!…(通訳→)『茶Aにいさ〜んっ…!』

        ★  ★  ★  ★  

       一方、こちらはセーラームーンとエンディミオン…。

       エンディミオンは、『水妖魔』を二度ほど斬りつけると、「うさぎっ! 今だっ!」と言います。するとセーラームーンは、前に出てスティックを構え、「ムーントワイラ〜ト、フラッシュ!」『水妖魔』にトドメを刺します(←『水妖魔』は真後ろに吹っ飛び、海中に落ちて爆死…)。どかーんっ!(←これでマーキュリーの仇を取った形になるのか?)。

       二人は並んで、妖魔の消えた海を見つめます…。そのエンディミオンの脳裏に、黒木ミオの言葉が回想されます…

       「うさぎちゃんと会うのはこれが最後…陽が沈むまでだからね…」

       ところが、見ると、もうすで夕日が、今にも水平線にさしかかろうとしております…。エンディミオンは、そっと、横にいるセーラームーンに視線を向けます…「…………」。セーラームーンは、しばらく黙ったまま前を見ていましたが、エンディミオンの視線に気付くと、おもむろに振り向きます…「…………」。夕日をバックに、しばし見つめ合う二人……(←もしかして…アレやんのか?)。

       すると、エンディミオンがいきなりガバッ!とセーラームーンを抱きしめました…「……うさぎ…よく聞け…。今日、メタリアの力を強めていたのは、プリンセスじゃない…………お前だ…」「…………え!?……」「お前の怒りや憎しみの感情が、幻の銀水晶に伝わったんだ…『前世でも、お前はそうやって星を滅ぼしたんだ…』

       するとセーラームーンは、今日一日、色々と怒っていたコトを回想します…「…………」

1.       …夜…ベッドに腰掛け、懐中時計をぐぐぐっ…!と握り締めた時のシーン…

       ちなみにこのシーンにおける直前のセリフは⇒(「クイン・ベリルってさ、衛のコト好きなんだよね…だったら、ナンであんなコトするんだろう…」「それは…」「ひどいよ…」)。そしてこの直後に、『プリンセス・セーラームーンB』に変身…

2.       …昼間…ベッドに腰掛け、ぎゅっと握りつぶしたぬいぐるみを、窓に投げつけた時のシーン…

       ちなみにこのシーンにおける直前のセリフは⇒(うさママ…「最近カレシどうなの?」「今度ウチに連れて来なさいよぉ、ご馳走するから♪」「ナンで…、こんな……!」)。そしてこの直後に、再び『プリンセス・セーラームーンB』に変身…

       「お前はベリルや、前世を引きずった人間達のようになるな…」「…………」「…どんな時でも笑ってればいいんだ…バカみたいにな…、フッ、得意だろ?」

       おそらくエンディミオンは、ここでセーラームーンに、いつものように『バカってナニよっ!』と言わせて、二人で笑い合いたかったんじゃないでしょうか? 見てる我々も、心のどこかで、条件反射的にそれを期待させられたはずです(←て言うか、ワシがそうでした…)…ところが…

       「…バカみたいは余計だよ…。でも…まもるはまだ…帰って来れないんだよね?」(←セーラームーンに、今ひとつ本当の笑顔は戻りきらず…)。ここでエンディミオンは、セーラームーンから離れ、再び海の方に向きます…そして…夕日が沈んで行くのを見届けながら、「…………安心しろ、オレの気持ちが、お前から離れることはないから…」。ここでエンディミオンはセーラームーンの方に向き直り、「…心はいつまでも…お前と一緒だ…」「…………」(←それでもまだ、セーラームーンに笑顔は戻りません…)。「…………」…で、エンディミオンはセーラームーンの肩を抱き、ほとんど沈みかけてる夕日をバックに…やっぱり、ぶちゅ〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!!(←美しいシルエットです…)。

       これには、ダーク・キングダムのベリル様も、たいそうお怒りのご様子です…「エンディミオンっ! お前は命を捨ててまで、わらわを拒むのかっ!」(←わなわなわな…)。

       そのあと二人は、完全に夜になってしまった砂浜で、素足になって、波打ち際で水遊びに興じております…「あははは…………」「あははは…………」

       つまり地場衛は、さっき笑うところで笑ってくれなかったうさぎちゃんに、どうしても笑顔を取り戻させようとして、こうして時間を割いたんじゃないでしょうか…。もしもあそこでうさぎちゃんが笑顔を取り戻してくれてたら、ひょっとしたら、彼は、「陽が沈むまで」に帰れていたのかもしれません…。だけど、うさぎちゃんに笑顔が戻らない限り『星の破滅』も防げないのですから、それなら、ここで自分の命を拾うために「陽が沈むまで」に帰ったところで、一体それに何の意味があると言うのでしょうか? どっちみち、「うさぎちゃんと会うのはこれが最後」である事には変わりない訳ですし…。つまり、彼が「心はいつまでも…」と口にした時には、彼はそこで命を捨てる覚悟をしたんですね…。「心はいつまでも…」と言うコトは、『たとえ肉体は永遠に離れ離れになっても…つまり死んでも…』と言う意味なのですから…。

       で、この様子を、ゾイサイトがいつものように覗き見してます…「……マスタァっ……」(←思わず天を仰ぐゾイサイト…)。すると、その横にクンツァイトもいて、「…二度目だな…プリンセスのために命を捨てるのは…『それはそうと、お前、覗き見すんの好きだな…』。ゾイサイト:「……『フッ、お前もな…』

       「きゃぁっ…あはは…」「あははは…………」(←地場衛が、うさぎちゃんを抱き上げてぐるぐる回る…)。

       クンツァイト:「何も変わってない…。次にヤツは星を捨てる…『もう見飽きたから、先に帰るわ…』。ゾイサイト:「……『おい、これからがイイところだぞ…』

       「あははは…………」(←両手に持ったサンダルで、水をすくって相手にかけたり…)。「あははは…………」(←足で水を蹴り上げて相手にかけたり…)「まもるぅ!…あははは…………」「あははは…………」

       ゾイサイト:『……もうチューとかしないのかな…』

       この、砂浜で笑い合いながらじゃれ合ってる二人の姿と言うのは、まさに、『前世の回想シーン』の中で、プリンセスとエンディミオンが笑い合いながらじゃれ合っていた姿そのものなんですね。つまり、『前世のプリンセス』には、二つの顔があるんです。それは、変身して姿かたちやコスチュームが変わるのとは意味の違う、二つの顔です。

1.         一つは、家臣のセーラー戦士達の前で見せる、現世におけるプリンセス・セーラームーンの毅然とした立ち居振る舞いに見られるような、『月の王国の王女』としての顔。

2.         そしてもう一つは、エンディミオンの前でだけ見せる、『現世のうさぎちゃん』と寸分たがわぬような、天真爛漫な普通の女の子としての顔。

       前回プリンセス・セーラームーンが言った、「私にはエンディミオンしかいない。…プリンセスではない、私自身を見てくれた者は、エンディミオンしか…」と言う言葉の意味は、『私は、唯一エンディミオンの前でだけは、本当の自分でいられた』と言う意味であり、その姿こそが、『前世の回想シーン』の中における、プリンセスとエンディミオンが笑い合いながらじゃれ合ってた姿なんですね。つまり、『地場衛=エンディミオン』は、『現世のうさぎちゃん』が、まごうことなく、『前世のプリンセス』と完全に同一人物であるコトが分かるんです。我々や亜美ちゃん達の目には、まるで「別人みたい」にしか見えないのに、彼には「別人」ではない事が分かるんです。それが分かるのは、実は彼一人だけなんです。

       『前世のプリンセス』と言うのは、月の王国内では、『現世のプリンセス・セーラームーン』のような感じで毎日を過ごしているけれど、いざ地球に降り立ってエンディミオンと会ってる時だけは、『現世のうさぎちゃん』と全く同じように振舞うコトができたんです。なぜなら、エンディミオンだけが唯一、「プリンセスではない、私自身を見てくれた」からです。今現在は、『前世のプリンセス』『現世のうさぎちゃん』は、『前世の記憶が蘇らない』がために、両者があたかも別人格であるかのように分離してしまってますが、元々この両者は、初めから同一人物なんです。だからこそ『転生』なんです。前回も書いたように、全く同じ人間が、それぞれの生きた時代に与えられた身分や環境によって、それぞれの人格や性格を強いられてしまっていたコトの結果でしかないんです。だから、たとえ『現世のうさぎちゃん』と言えども、そのような孤独な環境や過酷な状況に置かれれば、あのプリンセス・セーラームーンと何ら変わりない言動を起こし得るんです。そして今、まさにその兆候が見えたので、地場衛は、うさぎちゃんにそれを伝え、ベリルに対する憎しみを取り除き、自分の命をかけてまで、うさぎちゃんにもう一度笑顔を取り戻させようとしたんです。

       今までのうさぎちゃんは、「幻の銀水晶」の力を抑えるために、『うさプリ・ミーティング・ルーム』『前世のプリンセス』を説得していたんですが、戦闘時の『プリンセス・セーラームーンA』の場合はそれでいいんです。前回もエンディミオンは、それに対して「その調子だ…力を抑えろ…!」と言ってたんですからね。ところが、戦闘時はそれでいいとしても、そうでない時の『プリンセス・セーラームーンB』の場合は、実はそれでは、もう対処できなくなってしまっているんです。なぜならそっちに関しては、うさぎちゃん自身の「怒りや憎しみの感情」『前世のプリンセス=自分』を呼び込んでいたからです。つまり、地場衛が、「うさぎ…よく聞け…。今日、メタリアの力を強めていたのは、プリンセスじゃない…………お前だ…」と言った「今日」の意味が、まさにそれだったんですね。

       前回Act.42でエンディミオンの体に「命を吸い取られる石」が埋め込まれる以前は、うさぎちゃんは、Act.38でレイちゃんも言ってたように、「でも、今までもそうだったのよ…。幻の銀水晶の力が目覚めるのは、うさぎの気持ちが強くなった時…」と言うように、それらは『悲しみ』に由来する「気持ち」の高まりであって、今回のような「クイン・ベリル」に対する個人的な「怒りや憎しみの感情」とは種類の違うものでした。『悲しみ』に由来するものであれば、それは『癒し』につながりますが、「怒りや憎しみ」に由来するものであれば、それは『復讐』にしかつながりません。それでは、必ず「破滅」が待ってるだけなんです。つまり問題はそこなんです。「お前はベリルや、前世を引きずった人間達のようになるな…」と言うのは、要するにベリル様にしてもクンツァイトにしても、『プリンセスへの復讐』『マスターへの復讐』、これしか頭にありません。地場衛はうさぎちゃんに、『お前はそんな人間になるな』と言いたかったんですね。そしてこれは、そのまま、前世において、エンディミオンがプリンセスに伝える事ができなかった言葉でもあるんですな…。

        ★  ★  ★  ★  

       ダーク・キングダムの『エンディミオンの部屋』では…。

       黒木ミオが、エンディミオンのベッドにばたっ!と腰を下ろしながら、「あ〜あ…、せっかく助かるチャンスだったのに…」。そう言って、壁に飾ってある例の風景画を見やると、白い穴(?)みたいのが、さらに大きくなっております…。

        ★  ★  ★  ★  

       砂浜の二人…。

       二人は、エンディミオンの言葉通り、散々「バカみたい」に笑い合ったあと、砂浜に並んで腰を下ろし、微笑みながら、黙って夜の海を眺めます…。

       うさぎちゃんが地場衛の顔を見て微笑むと、地場衛もうさぎちゃんを見て微笑み返します…すると……その地場衛の姿が、そのまま、すぅ〜っと消えていってしまいました…それを見ていたうさぎちゃんは、一瞬驚いた表情をしますが、かすかに目を潤ませながらも、すぐに笑顔を作って、一人ぽつんと、何事もなかったかのように前を見て、涙だけは絶対にこぼすまいと、微笑み続けようとしています…それこそ、「バカみたい」に……。

       夜の砂浜に、静かに波が打ち寄せてます…。

        ★  ★  ★  ★  

       一方こちらは、戦いを終えて変身を解いたセーラー戦士達…。

       美奈子が、ナニやら怖い顔をしております…「マーズ、今のはどういうこと?」「言った通りよ…。あなたをリーダーとは認めない…」。レイちゃんと美奈子が向かい合い、レイちゃんの後ろに亜美ちゃんとまこちゃんが立ってます(←ちなみに、亜美ちゃんがぬいぐるみルナを小脇に抱えております)。

       「なぜ?」「…『フッ、』…戦士の力に目覚めてないからよ…」(←ええ〜〜っっ!? そうだったの〜〜っっ!?)(←って、初見時の衝撃…)

       「……『ギクっ…!』「そんな未熟な人間とは…、一緒に戦えないわ…」

       「…………」(←亜美ちゃんは、最初レイちゃんを見てましたが、そのあと視線を美奈子に移します…)(←事実を聞いた瞬間の顔が映されてないので、直後のリアクションは不明ですが、画面上は無表情です…)。

       「…………」(←次にアップで抜かれたまこちゃんも、事実を聞いた瞬間の顔が映されてないので、直後のリアクションは不明ですが、こちらは美奈子を見たままで、やはり画面上は無表情です…)。

       「……」(←めっちゃ睨んでます)。「……」(←涼しげに睨み返してます)。

       「……」(←めっちゃ睨んでます)。

        ★  ★  ★  ★  

       次回は、ナンか、ゾイサイトがっ!?

        ★  ★  ★  ★  

       セーラームーン:うさぎちゃん(沢井美優さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(沢井美優さん編)▼】

       マーキュリー:亜美ちゃん(浜千咲(現・泉里香)さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(浜千咲(現・泉里香)さん編)▼】

       マーズ:レイちゃん(北川景子さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(北川景子さん編)▼】

       ジュピター:まこちゃん(安座間美優さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(安座間美優さん編)▼】

       ヴィーナス:美奈子(小松彩夏さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(小松彩夏さん編)▼】

       ぬいぐるみルナ(声・潘 恵子さん):人型ルナ(小池里奈さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(小池里奈さん編)▼】

       アルテミィ〜ス(声・山口勝平さん):「」。『』。

       その他:「」『』

[2009年8月7日(金)初稿 トモロー]


Act.44:ヴィーナスvsマーズ編

 

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     今回レビューしたAct.43は、「美少女戦士セーラームーン DVD 第11巻」(バンダイビジュアル)に収録されております(↓)

 

DVD第11巻 作品本編(4話収録)

 

Act.41 Act.42 Act.43 Act.44 

毎回映像特典(16分)

 

「セーラームーン」におしおきよ

スペシャル座談会

@鈴村展弘監督インタビュー

Aセーラー戦士座談会〜1年間を振り返って〜その3

Act.43 ゲストキャスト

 

黒木ミオ:

有紗

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セーラー戦士アクション:

古浜愛梨

宮内敦子

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岩倉啓太

佐野弥生

伊藤由紀子

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