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―実写版セーラームーンを検証する―


Act.28:亜美ちゃん帰還編――

 

       本稿は、2004年4月24日(土)にTBS系列各局で朝7:30〜8:00に放送された、「美少女戦士セーラームーン」(実写版)第28話の感想記(DVD鑑賞レビュー)です。

        ★  ★  ★  ★  

       セーラー解説は人型ルナ:「みゃぁ〜ん…あ、ルナですっ(←って、いきなりズッコケたよワシャ…)。幻の銀水晶の力を浴びたお陰で、セーラー戦士に変身できるようになったの!(←えっ?! そうだったの?!)。前世の記憶もハッキリしたし、これからは、セーラームーン達の教育係として…、はぁ〜はくしゅんっ!(←ここでぬいぐるみルナに…)、うっ、あぁ〜クシャミをすると、元の姿に戻っちゃうのよねぇ…(←だそうです…「元」はあくまでも「ぬいぐるみ」なんですね♪)。でも、今までよりずっと、セーラームーン達の役に立てるわ。…とぉ…思ったんだけどぉ…」(←…さ、さいでございますか…。しかし…、今…、タイミング的に…、なんとなく、キミ達が出てくる雰囲気じゃないような気もするんですが…)(←特に、DVDで続けて見てるとそう思う…)。

       ところでルナは、「幻の銀水晶の力を浴びたお陰で、セーラー戦士に変身できるようになった」んだそうな…(←できれば、その説明は前回してくれても良かったような気もするんですが…)。

       ※ ちなみに、前回でも触れた原作・アニメの劇場版美少女戦士セーラームーンS〜かぐや姫の恋人(←「美少女戦士セーラームーン (11) (講談社コミックスなかよし)「美少女戦士セーラームーンショートストーリーズ 2 新装版 (KCデラックス)、及び「美少女戦士セーラームーン―かぐや姫の恋人 (KCデラックス)に収録)でも、ルナが人間の姿になったのは「幻の銀水晶」の力でした(↓)

     「スーパーセーラームーンの聖杯と幻の銀水晶の力で ルナのいちばんほしいものを」っつって、それが「あたしたちからのクリスマスプレゼントよ」ってコトで、一時的に人間化してあげてました(←「美少女戦士セーラームーン (11) (講談社コミックスなかよし)「美少女戦士セーラームーンショートストーリーズ 2 新装版 (KCデラックス)、及び「美少女戦士セーラームーン―かぐや姫の恋人 (KCデラックス)より)

    

       …と言うコトだそうですから、前回、なぜセーラールナが一番最初にダーキュリーの前に現れたのかと言うと、それは、自分が「幻の銀水晶の力を浴びたお陰で、セーラー戦士に変身できるようになった」くらいだから、『きっと、ダーキュリーにも何らかの影響があったに違いない!』ってコトで、いの一番に確かめに行ってたんですな。つまり、あの時、「セーラーマーキュリー、私を、倒せる?」と言ったのは、『勝負に勝てる?』と言う意味ではなく、『仲間に向かって剣を向けられる?』と言う意味で言ってた訳ですな。そして、その調査の結果報告を、一番最初にうさぎちゃんにしてあげたかったので、真っ先にうさぎちゃんの所へ行き、そのあと、レイちゃん、まこちゃんの順で報告に行ったのですが、結局まともに報告できたのは、うさぎちゃんだけでしたな…。

        ★  ★  ★  ★  

       で、前回のラスト・シーンがかいつまんで再現されます…。

1.       ダーキュリーが『剣』を振り下ろす…

2.       それがセーラームーンのスティックを砕く…

3.       スティックの破片がセーラームーンの足元に落ちる…

4.       セーラームーンは目を閉じ、その場に崩れ落ちるように倒れる…

5.       ダーキュリーの表情が、『勝利の笑顔』から『亜美ちゃんの疑問符』に変化する…

6.       姿かたちはダーキュリーのまま、亜美ちゃんがセーラームーンの前にひざまずいて「うさぎちゃん…?」と声をかける…

7.       しかしセーラームーンが微動だにせず、返事もしないを見て、「うさぎちゃんっ!」と抱き起こす…

8.       セーラームーンのティアラが床に落ちる…

9.       それを見て、自分のやったコトに気付いて「ハッ!」とする…

10.    ティアラが割れて、「きゃあぁぁぁっ!」と悲鳴を上げる…

        ★  ★  ★  ★  

       ここから、今回のお話が始まります…。

       『ダーキュリー姿の亜美ちゃん』が、セーラームーンを膝枕しながら抱きかかえ、呆然としてます…「…………」

       Act.25のタキシード仮面の時は、クンツァイトの剣が背中をザックリ斬るところをハッキリと見せていたので、明らかに「死んじゃった…!」と言うのが分かったのですが、今回は、『ダーキュリーの剣』がセーラームーンの額を打った瞬間は映像上では見せておらず、あくまでも状況証拠だけでほのめかしてます。なので、この時点では、我々視聴者には、まだセーラームーンの生死に関しては全く分からず、「死んじゃったの?!」としか思えないように描写されてます。そしてそれは、そのまま、『亜美ちゃんの目線』でもある訳なんですね。ただし、むしろここで重要なのは、そのセーラームーンを生死の境にいざなったのがダーキュリーで、今ここにいる『ダーキュリー姿の亜美ちゃん』は、その事実を知って愕然としている、と言うコトです。

       ※ 実は、これはのちのち(←て言うか最終回で)分かる事なのですが、Act.25のタキシード仮面も、実はあの時死んではいなかったんですね。あたかも「死んじゃった」としか思えない状況ではありましたが、厳密にはかなりの重症だっただけのようです(←※もちろん、あのまま何もせず放っておいたらホントに死んじゃいますが…)。と言うのも、実は、いかに「幻の銀水晶」と言えども、簡単に死者を甦らせる事はできないからなんですね。それをするためには、一つだけ条件があって、そうでない限り、死者を甦らせる事まではできないんですな。まあ、この時点では、もちろんそんな事までは分からない訳なんですけどね。

       そこに、クンツァイトが歩み寄ります…「マーキュリー、…行くぞ…」。しかし、『ダーキュリー姿の亜美ちゃん』が返事もせず、そのまま微動だにしないので、クンツァイトは、『ダーキュリー姿の亜美ちゃん』の脇を抱えて、セーラームーンから引き離そうとします。

       ここでクンツァイトは、「マーキュリー、…行くぞ…」と言って、彼女をセーラームーンから引き離そうとしましたが、このクンツァイトの言動は、あたかも『セーラームーンは死んだ。全ては終わった。だから帰るぞ』と言ってるかのように見えます。しかし実際はそうではなかったコトがこのすぐあとに分かるのですが、ここでは、このクンツァイトの言動によって、我々視聴者の目線を『ダーキュリー姿の亜美ちゃん』の目線と同化させてるんですね。

       しかし『ダーキュリー姿の亜美ちゃん』は、横座りのまま足を引き摺り、セーラームーンににじり寄りながら、手を差し出して、セーラームーンの手を取ろうとします…。するとここで、クンツァイトが、セーラームーンごとかっさらうようにして、マントばさぁっ!と消え去ってしまいました。

       ここで、クンツァイトがセーラームーンも一緒に連れ去ったコトによって、「やっぱりセーラームーンは、ただ気を失ってるだけなのかも…」と言う希望が、我々視聴者につながれます。

       「うさぎちゃんっ!」(←CGルナが飛び出してきます…)。「……うさぎちゃん…」(←こちらは、ぬいぐるみルナ困ったバージョン…)。そしてその場に、『砕かれたスティック』と、『割れたティアラ』だけが残されてます(←この二つがこの場に残されてる事には、おそらくちゃんとした意味があるものと思われます)。

        ★  ★  ★  ★  

       「♪じゃ〜ん…ひとみは〜いつ〜も〜ジュ〜エル〜(ジュ〜エル〜)…♪」(←ここでオープニングです…が、おや? 今日のオープニングは、どうやら特別仕様バージョンのようですな…セーラー戦士達の歌声も、かぶさりまくっております…

 

       おおっ! そんで、「♪わたしだから、かなうよ、Starlight Prayers!…♪」のところでいきなり曲が途切れ、残響音を残しながら、ダーク・キングダムの基地の外観映像に切り替わりました…(←ドラマチックな演出ですな)

       ちなみに、「Starlight Prayers」と言うのは、決してStarlight Players(←光るスター選手達?)ではありません。直訳すると、『星明りの祈り(複数形)』という意味ですから、この歌詞で曲が途切れると言うのも、ナニげに芸が細かいですな。…さて、みんなの祈りは、お星様に届いたのでしょうか?

        ★  ★  ★  ★  

       で、オープニング開けは、ダーク・キングダム(←ちなみに、今回はカラスは飛んでおりませんでした)…。

       ナニげに今回、城の外観がいつもよりアップで映されてます…(←だからと言って、別段新しい発見が得られた訳ではありませんが…)。

       クンツァイトが、いつもの黒紫の花びらと共に、洞窟の通路に降り立ちます…(←今の出て来方、ナニげにカッコ良かったな…)。しかし、そこにいるのは彼一人です…「マーキュリーっ!……」。クンツァイトは周りを見回しますが、やっぱり自分しかいません…「…どこだ…?」

        ★  ★  ★  ★  

       で、「どこ」だか知りませんが、ここは森の中…。

       辺り一面に青白い霧が立ち込めており、ナニやら幽玄な雰囲気をかもしております…。滝が映し出され、そのすぐ下の岩場に、亜美ちゃんと、その亜美ちゃんの膝に頭を乗せて仰向けに倒れてるうさぎちゃんがいます…(←二人とも、変身が解けてます…)。亜美ちゃんは、無表情のまま、ただずっと、うさぎちゃんの髪をなでてます…(←この時、うさぎちゃんの髪の『お団子』が解かれてますが…)(←これは、うさぎちゃんの頭部に傷がないかどうか調べるために、亜美ちゃんが解いたのでしょうか? あるいは、うさぎちゃんは日常生活の中では、夜寝る時には『お団子』を解いてますから、これは亜美ちゃんが、『うさぎちゃんは死んだんじゃない…ただ眠ってるだけなんだ…』と、自分に言い聞かせるために解いたのでしょうか?…)。

       ここで、森の背景の音に変化が現れます…風の音はそのまま変わらないのに、滝の音だけが徐々に遠ざかっていき、ほんのかすかに聞こえるくらいに静かになります。すると、まるでその『滝の静まり』と同化したかのように、亜美ちゃんの目に涙が浮かび、それが、ゆっくりとまつ毛を伝って、ぽたり…と、うさぎちゃんの頬の上に落ちます…ん? 今一瞬、うさぎちゃんのまぶたが『ぴくっ』と動いてしまったようにも見えましたが??(←ワシの気のせいでしょうか?)。

       …で、試しにもう一滴落してみる亜美ちゃん…………ぽたっ!…あっ、今度は完全に動きましたっ! 髪をなでてた亜美ちゃんの手も、思わず止まります…(←この瞬間、風の音も、かすかに聞こえてた滝の音も、全てが止まったかのように完全に消えます)。

       ワシが思うに、1滴めは絶対に動いちゃいけなかったんじゃないのかなぁ…。ちなみに、Act.25の地場くんなんか、これと同じシーンで、3滴落とされてもピクリともしませんでしたよ?(←こと「死体役」に限ってだけは、彼の方が上手なんでしょうか?)。まあ、女性の皮膚感覚というのは、男の十倍も敏感らしいですからな…(←しかも風の強い野外ロケだし…)(←※て言うか、視聴者目線では気を持たせられてたけど、このあとを見れば分かるように、うさぎちゃんは設定上でも、実際死んでないコトになってたし…)。

       「!……」。うさぎちゃんがようやく息をし始め、そっと目を開けます…「……あれ?……亜美ちゃん…」「!!……」「元に戻ったんだ……よかった…」。するとここで、滝の音がざざーっ!と元に戻るのと同時に、亜美ちゃんは、思わず泣き崩れて、うさぎちゃんを強く抱きしめます(←て言うか、ヘッドロックします)…「亜美ちゃんっ…そんなにやったら、痛いよっ…」

       ※ 前回も書きましたが、セーラームーンの『割れたティアラ』が、Act.25におけるタキシード仮面の『割れたマスク』と対になってたように、ここでも、そのあとその二人がそれぞれ相手に膝枕されて頬に涙を受け、そして目を覚ます…という風に、意図的に同じ絵ヅラで表現されてますね。これはつまり、実写版において、「月野うさぎ」にとって「水野亜美」という存在が、「地場衛」と同列に、最初から『特別な存在』として描かれてるからなんですね(←別に、中の人がエコヒイキされてる訳じゃありません)。その理由は、今回のラストシーンでもハッキリと説明されます。

        ★  ★  ★  ★  

       その様子を、クンツァイトが、ナンと、剣をモニターのようにして、その映像を刃に映し出して見てます(←ナニげに多機能ですな)…「…『そうだっ! マーキュリー行けっ、もっと絞めろっ、脇が甘いぞ〜っ!』(←みたいな絵ヅラになってますが…)。「…セーラームーンのせいで飛び損ねたか…。マーキュリーも完全に私の手を離れている…」しゃきんっ!(←剣をサヤに収める音)…「まあいい…。あの森ならばダーク・キングダムの庭も同然…。…ゆっくり楽しんで行ってもらおう…」

       ちなみに、空間移動するには、それなりの条件が必要みたいなんですけど、それにしても、どうもクンツァイトは、とことんセーラームーンとは相性が悪いようですな。

1.       彼の初仕事だった『セーラームーン妖魔化作戦』は失敗するし、

2.       なぜかいつも「ムーントワイライト・フラッシュ」だけは苦手みたいだし(←得意の『返し技』はできないし、そのあと必ず逃げてるし)…、

3.       今回は『空間移動』をし損ねるし…

     ひょっとして、だから「マスター・エンディミオン」と彼女が結ばれるのが気に入らないんでしょうか?(←『私はどうしてもあの女が好きになれんっ!』みたいな…)。

       で、クンツァイトのこの様子からすると、やはり彼は最初から、『セーラームーンはただ気絶してただけ』と思ってたようですね。なぜなら、今、セーラームーンが生きてるのを見ても、別にそのコトについては、『生きてたのか?』とかナンとか、その生死に関して一切ナンのリアクションもありませんでしたからね。つまりクンツァイトは、気絶した「セーラームーン」の身柄をダーク・キングダムの基地で拘束し、その後、何らかの方法で「幻の銀水晶」の出現を図ろうと考えて、それで、あの場からセーラームーンを連れ去った訳ですな。つまり、「プリンセス」に復讐を遂げるのは、あくまでも、「幻の銀水晶」「体内」から抜き取ったあとだと、そう考えてるコトが、これによって分かった訳です。

     以前は、「幻の銀水晶」は、普通に他の所持品と同じように「プリンセス」が持ってると考えられていたのですから、そうであるなら、「プリンセス」を殺してそれを奪えばいいだけで、話はそれで簡単に済んでた訳です。つまり、その当時と同じように、実質「プリンセス」を殺す事が第一の優先順位なら、さっさとあの場でトドメを刺して、わざわざこうしてダーク・キングダムに連れて来る必要などない訳ですからね。

       あと、ここでもう一つ見逃してはならないのは、クンツァイトが、「マーキュリーも完全に私の手を離れている」コトに対して、「まあいい…」と言う程度で全く執着していない事です。この事からも、彼が、目的のためには手段を選ばず、敵も味方も、全て『利用価値』だけで『駒』として扱ってるに過ぎないと言うコトが分かる訳です。したがってクンツァイトには、人を人と思うような人間的な感情など一切なく、だから彼にとって、ジェダイトくんをおだてるのも、ネフライトをからかうのも、ゾイサイトを叩くのも、そして『ダーキュリー』のご機嫌を取るのも、全て同じ事でしかないんですな(←恐ろしか男じゃ…)。

        ★  ★  ★  ★  

       うさぎちゃんと亜美ちゃんは、森の中をさ迷っております…(←ここではもう、うさぎちゃんの髪の『お団子』は、いつも通りに結われてます)。

       「ナニこれ…?」。そこには、石膏像の彫刻が、ツタや木の枝に埋もれ、無造作に置かれてます。ブルータス像…、聖母子像(?)…、天使像(←これは、一番最初に『ダーキュリー』に変身した時、氷柱から『ダーキュリーの剣』を作ったのと同じやつですな)…ナンか、「彫刻の森・美術館」が廃墟になっちゃったみたいな不気味な場所ですな…。

       うさぎちゃんは、亜美ちゃんがずっと黙ったままなのを気にかけて、「亜美ちゃんっ、だいじょぶだって。…ね? ほらぁっ、ナンともないよっ…」(←両腕を広げたり、軽く飛び跳ねたりして見せます)。「……」(←しかし、ずっと伏し目がちで、無反応のままです)。「本当だよ、たぶんスティックが盾になったんじゃないかな?」「……」。亜美ちゃんは、その言葉に、うさぎちゃんの額に痕が残ってないコトを確認しようとしたのか、やっと顔を上げてうさぎちゃんを見ますが、すぐにまた目を伏せてしまいます…すると、「ハッ!…」…亜美ちゃんは、自分の腕に巻かれてる『ダーク・ブレスレット』(←勝手に命名)に気付き、それをむしり取って投げ捨てます…。それが天使像にばしっ!とぶつかり、地面に落ちます。

       ※ ちなみにコレって、元々マーキュリーの変身ブレスレットがそのまま『ダーク化』したモノなんですが、元の亜美ちゃんに戻ったのに、どうしてコレだけ元に戻らないんでしょうか?

1.       単純に考えれば、おそらく、ここが『ダーク・キングダムの森』だからだろうと考えてしまいがちですが(←て言うか、ワシ、最初そう思ってました)、でもそうじゃないはずです。なぜなら、もしもそれが理由なら、亜美ちゃんは、今でもその気になれば『ダーキュリー』に変身できるコトになってしまいますからね。そうではなく、これは、このあとの展開を見ても分かるように、亜美ちゃんが、『自分はもう、セーラーマーキュリーには変身するつもりがない(=仲間には戻れない)』と思ってると言う意味なんですな。

2.       Act.1と2を、あるいは3と6を、もう一度よく思い出してみてください。実写版のセーラー戦士と言うのは、本人にその意志がない限り、決して変身アイテムは渡されないし、内包してても出現はしないんです。

3.       だからこそ、もう変身する意志のないマーキュリーのブレスレットも『黒』のままなんです。したがって、今亜美ちゃんが投げ捨てたブレスレットと言うのは、見た目は『黒』だけれど、実は、その中身は、同時に『水色』でもあるんですな。亜美ちゃんは、その二つの色のブレスレットを投げ捨てたんです。今の亜美ちゃんにとって、その変身ブレスレットの色が『水色』『黒』かなんて、どっちでも同じ事なんです。

       「私が…やったんだ…」…亜美ちゃんは、ここでようやく口を開きます…「私がうさぎちゃんを…」「おぼえてるの…?」。亜美ちゃんは、首を横に振ります…「でも、うさぎちゃんのコトは分かる…」(←これは、ナニげに紛らわしい表現ですな…)。「私…どれくらいあんな風だった…?…ナニしてたの…?」(←やはり、『ダーキュリー時代の記憶』は全く残っていないんですな)。「…ナニって……ずっと、敵と一緒にいて…」(←思わず言葉に詰まってしまう…)。「……『言えないほど、ひどいコトを…』「亜美ちゃんは操られてただけだよ! ぜんぜん悪くないんだから、気にするコトないよ!」「……」「早く帰れる道さがそ?」。うさぎちゃんは、亜美ちゃんの手首を、上着の袖の上から掴んで歩き始めます…。

       ここで亜美ちゃんは、『ダーキュリーがセーラームーンのスティックを砕いた瞬間』を回想してます…「…(心の声→)うさぎちゃんにあんなコトしたくらいなんだから、きっとみんなにひどいコトしてる…『こっそりクラウンに忍び込んで、まこちゃんのイスに画びょう置いたりとか、レイちゃんのジュースに下剤盛ったりとか、愛野美奈子のファンレターに剃刀の刃を入れて送りつけたりとか…あ、これは実際にやったっけ♪』(←うそです)。

       ここで亜美ちゃんは、『ダーキュリーがセーラームーンのスティックを砕いた瞬間』を回想してるのですが、コレ、一応ソフト・フォーカスにしてはありますが、ちょっと誤解を招く映像ですねぇ…。ここで勘違いしてはいけないのは、亜美ちゃんは決して、この瞬間を覚えていてそれをそのまま回想してるのではないと言うコトです。さっき、うさぎちゃんが「おぼえてるの…?」と聞いた時、ハッキリと首を横に振ってるのですから、この回想シーンは、あくまでも『回想』ではなく、あらゆる状況証拠から、亜美ちゃんがその瞬間を、『きっとこうだったに違いない』『想像』してるに過ぎないと言うコトなんですな(↓)

1.       『亜美ちゃん目線の状況証拠その一』:指が硬直するほど強く握り締められていた『剣』…(←つまり、『自分の手にその手応えが残っていた』、と言う意味です)。

2.       『亜美ちゃん目線の状況証拠その二』:今、うさぎちゃんから聞かされた、「たぶんスティックが盾になったんじゃないかな?」と言う証言と、実際、あの時現場に落ちていた『砕けたスティック』…。

3.       『亜美ちゃん目線の状況証拠その三』:セーラームーンの額から落ちて割れた、セーラームーンのティアラ…(←つまり、『ダーキュリーの剣』は、「盾になった」スティックを砕いたあと、セーラームーンの額に達してティアラを打っていた、と言う意味です)。

       要するに、これだけの状況証拠が揃っていれば、亜美ちゃんの明晰な頭脳が、その意味するところを、あたかも回想シーンのごとくに想像できないはずがないと言うコトなんですな。つまり、「でも、うさぎちゃんのコトは分かる」と言うのは、『覚えてはいない…でも、うさぎちゃんにナニをしたかは分かる(=想像できる、=理解できる)』と言う意味なんですね。

        ★  ★  ★  ★  

       一方クンツァイトは…。

       ナニやら一人で、『ダーク・チェス』(←勝手に命名)を楽しんでる様子…。で、盤の上に『ヒトデ頭の黒い駒』を置いて、ニヤリとします。

        ★  ★  ★  ★  

       すると、森をさ迷う二人が、いきなり何者かに攻撃されます。二人の足元がばーんっ!と爆発し、「きゃあっ!」と地面にへたり込んでしまいます。木の上に妖魔が現れ、二人の前に飛び降りて来ます(←おおっ! コイツは『ヒトデ妖魔』と名付けよう)。

       うさぎちゃんは、すかさず立ち上がって「ムーンプリズム・パワ〜」と変身します……が、一瞬光りかけたブローチが、すぐに電池切れを起こしてしまいました。「あれぇ?! ナンでぇ?! 変身できないっ!」

       『ヒトデ妖魔』が、ナギナタみたいなモノを持って、それを両手で一人キャッチボールみたいにして弄びながら迫ってきます。「うそぉっ!」。見ると亜美ちゃんは、心ここにあらずといった感じで、その場にへたり込んじゃったままです。「亜美ちゃん早く逃げようっ!?」「……」(←無反応)。「ハッ、ナニしてんの! 早くっ!」。うさぎちゃんは、亜美ちゃんを無理やり引っ張り上げて立たせ、走り出します。

       ところで、どうしてうさぎちゃんは変身できないのでしょうか? ここが「ダーク・キングダムの庭も同然」だからでしょうか? でもAct.3では、同じ場所で、うさぎちゃんもレイちゃんも変身できてました(←あの時、『プロペラ妖魔』の巨大ロボ・ハンドに連れ去られたあの場所も、間違いなく『ダーク・キングダムの森』だったはずです)。そうすると、やはりスティックとティアラを壊されて置いて来ちゃったコトと、何か関係があるんじゃないでしょうかね? それに、そもそもアレがないと、仮に変身できたとしても、セーラームーンは丸腰同然な訳ですからね。いずれにせよ、ここで重要なのは、うさぎちゃんがセーラームーンに変身できず、一方の亜美ちゃんにも、セーラーマーキュリーに変身する意志がない…、と言うコトです。つまり、この生身の二人が、互いに協力し合ってこの窮地を脱出する事にこそ、今回のエピソードの意義があるんですね。これは、Act.15で、うさぎちゃんと地場衛が、『互いに変身できない状態で、生身の二人が協力し合って窃盗団と戦う』という過程を経て、お互いが『現世』で恋に落ちていったのと、同じ事を目指してるんです。つまり、Act.2で二人が言った、「戦士だからとか、そういうのじゃなくて…、なにか、分からないけど…、…ただ、一緒に戦いたいって、そう思ったから…」「あっ、それ私も同じっ!…戦士だからとかじゃなくて、亜美ちゃんだから仲良くなりたいって思ったんだよね!」…そう、もう一度、二人がこの原点に戻るために…。

        ★  ★  ★  ★  

       『ダーク・チェス』の盤には、モニター機能まで付いてるようです(←めちゃめちゃハイテクで、便利ですな…)。

       そこに、うさぎちゃんが亜美ちゃんの手首を掴んで走ってる姿が映し出されてます。クンツァイトは、椅子に腰掛けてその様子を眺めながら、「マーキュリー、…束の間とは言え共に戦った仲だ…。生きて脱出できれば今回は見逃そう。…………できればな…」。この最後のセリフ回しは、ナニげに『ダーキュリー』っぽいですな⇒(「どうぞ……できるなら」)。

       ※ さて、このあとの展開を見ても分かる通り、ここでクンツァイトが「生きて脱出できれば今回は見逃そう」と言ってるのは、単に口先だけでそう言ってるに過ぎず、彼は最初から、「マーキュリー」「生きて脱出」できるなどとは考えていないんですね。それどころか、始めから「生きて脱出」させるつもりなどない訳です。『そのつもりがない』コトは、今ここで最後に「できればな…」と言った瞬間の、彼のその口調と、その表情が、何よりも雄弁に物語ってます。この「できればな…」と言うのは、もちろん、『できないよ』と言う逆説的な意味でそう言ってる訳です。たとえば、前回もクンツァイトは、『ダーキュリー』に、「当分…手放したくはないな…」とか言ってましたが、それがすなわち『いずれ用が済んだらお前も始末する』と言う意味であるのと同じように、これはクンツァイト一流の言い回しなんですね。つまりクンツァイトは、「マーキュリーも完全に私の手を離れている」今、まさに、『お前を始末して用を済ませる』つもりでいる訳です。ですから、当然、始めから「生きて脱出」させるつもりなどないんです。だからクンツァイトは、ここで、本来ターゲットであるはずの「プリンセス」ではなく、「マーキュリー」に向かって語りかけながら『ダーク・チェス』をしているんですね。それはつまり、今度は、追い込む相手を「水野亜美」にするコトで、間接的に、「プリンセス」を精神的に揺さぶろうとしているからなんです。ターゲットは言うまでもなく、あくまでも「プリンセス」ですが、今回は、その手段が「水野亜美」なんです。クンツァイトがそう考えているコトは、このあと彼が取る全ての言動によって、ハッキリと説明されていきます。

       『ダーク・チェス』の盤上の二人の駒が、『ヒトデ妖魔』の駒から逃げるように移動して行きます…。

 

 ★  ★  ★  ★   CMタイム― ★  ★  ★  ★  

 

       うさぎちゃんは、亜美ちゃんの手首を掴んで走り、「亜美ちゃん早くっ!」と声をかけてますが、亜美ちゃんは、ただ引きずられるように付いて行くだけです。

        ★  ★  ★  ★  

       こちらはクラウン…。

       そこへ、人型ルナが駆け込んで来て、「レイちゃん、まこちゃん、大変よっ!」と言います。

       レイちゃんとまこちゃんは、イスに座ってうなだれてましたが、「はぁ…また…」「……」「ちょと今、立て込んでるから、話ならあとで、ね?」(←まこちゃんは立ち上がって、人型ルナを部屋から追い出そうとします)。「ちょっ」「帰って帰って…」「ちょっと、まこちゃん…」。すると、レイちゃんが「まことっ!」と呼び止めます。「…?」。レイちゃんはイスから立ち上がると、「あなた…ルナね?」「ルナぁ?!」「さすがっ、レイちゃんね…」(←『それに引きかえ…』みたいに、まこちゃんを見ます…)。「…うそぉ…『意地でも信じねぇ…』

        ★  ★  ★  ★  

       ぴゅ〜ん(←しばし時間が経過した音)…「じゃあ、うさぎは亜美ちゃんと一緒に敵に?!」「…亜美ちゃんは、元の亜美ちゃんに戻ってたと思うわ…」「どうして私たちに言わなかったのっ!?」「みんなで行ったら、亜美ちゃんが出て来ないかもしれないし」(←この瞬間、レイちゃんが、ものすごく悔しそうに顔を背けるんですよねぇ…。前回紹介した「木馬遊園地」での「未使用シーン」でも、レイちゃんは、「まさか! あたし達をうさぎから引き離すために…!」と、『ダーキュリー』の意図に気付いていただけに、レイちゃんの胸中には複雑な思いが去来しているようです)…「亜美ちゃん、元に戻りかけてたから、チャンスだと思ったのよ」「うさぎまで捕まるなんて、マジでマズイよっ!」

       このやり取りからも分かるように、あの現場を見ていたルナも、セーラームーンは気絶しただけで、殺されたとは認識してなかったコトが分かりますね…『セーラームーンは、ダーキュリーにティアラを叩かれて気絶して、そしてクンツァイトに連れ去られたのだ』と…。

       「まさかこんな…ルナっ、なにか方法はっ!……!?」「……」(←寝てます…)。「……」「……」

       「ルナぁ?…もしかして、寝た?」(←指で頭をつついてます)。「はぁ〜、ネコっぽいところはそのまんまなのね…」「むにゅむにゅ…ぷしゅ〜…」(←ぬいぐるみ化…お休みバージョン)。「仕方ないわ、ヴィーナスとアルテミスに協力してもらいましょう。…『イケ好かない女だけど』…今は手段を選んでられないわっ!」。レイちゃんは、ばっ!と立ち上がります。「けど…ヴィーナスの居場所が分からないよ」。レイちゃんは、まこちゃんに視線を落とすと、やや間を置いて、「…………知ってるわ…」(←ナンと言うか…うまく言えませんが、ナンか、このセリフを言う瞬間のレイちゃんって、ナンかシビレるんだよなぁ…)。

        ★  ★  ★  ★  

       こちらは『ダーク・キングダムの森』…。

       うさぎちゃんが、亜美ちゃんの手首を掴んで走っております…。「亜美ちゃん早く〜っ!」。うさぎちゃんは、『ヒトデ妖魔』が追って来ないのを確認すると、一息つくように立ち止まります…「…いなくなったから…」

       ところが、呼吸を整えながら、ふと辺りを見渡すと、ナンとここは、さっきの「彫刻の森・美術館」ではありませんか…「え?…うそ…。…さっきと同じ場所?!…ナンで…?」。すると、天使像の後ろから、『ヒトデ妖魔』がのっそりと出て来ます…「亜美ちゃんっ!」「!…」(←ここでは、妖魔を見てちょっと驚いてますな…。ひょっとすると、この迷路の状況に対して、思わず知的好奇心が働いて反応したのかもしれません)。「行くよっ!」。うさぎちゃんは、また亜美ちゃんの手首を掴んで引っ張って行きます…。

       ところで、うさぎちゃんはどうして、さっきからずっと亜美ちゃんの手首しか掴まないんでしょうか?(←しかも上着の袖の上からで、直接肌には触れてません)。亜美ちゃんが手をつなごうとしないからでしょうか? でも、うさぎちゃんは、実は一番最初から、亜美ちゃんの手首を袖の上からしか掴んでないんですな…。要するにうさぎちゃんは、手をつなごうとしても、きっと亜美ちゃんが握り返して来ないだろうと言うのが、なんとなく分かるんでしょうな。だから、それが怖くて、おそらく、直接手に触れられないんですね。だから、最初から、一方的に袖の上から手首を掴んで引っ張ってるんでしょうな。

        ★  ★  ★  ★  

       こちらはクンツァイト…。

       『ダーク・チェス』の盤上の二人の駒が、再び『ヒトデ妖魔』の駒から逃げるように移動して行きます…。するとクンツァイトは、今度は、その二人の行く手に、『黒いイナズマ型の駒』を置きます…。

       すると、森で大地震が起こります。「あっ!」「あっ!」。二人はその揺れのせいで、足を踏み外して「きゃっ!」「きゃっ!」と斜面を転げ落ちて行きます…。

        ★  ★  ★  ★  

       こちらはベリル様…。

       ベリル様は、ごごごぉぉぉ…!と言う地鳴りと揺れを感じて、「クンツァイトがナニやら、騒ぎを起こしておるようだな…」。ジェダイトくん:「セーラー戦士と子供のような遊びを…。一体ナニを考えているのか?!」(←クンツァイトへのスパイ活動は継続中なんですな)。「まあよい…。幻の銀水晶が手に入るような事があれば…すぐにも…!」。…すぐにも?

       やはり、お城にカラスが飛んでない時は、ベリル様は怒りませんな…。

       ジェダイトくんは、クンツァイトが「一体ナニを」目的に『ダーク・チェス』をしてるのか、全く分かってないんですね。しかし、さすがにベリル様は感付いてる訳ですな。要するにクンツァイトは、ああやって、あの手この手で「水野亜美」「セーラームーン」を精神的に揺さぶり、「幻の銀水晶」を出現させようとしてる訳です。すなわちそれが、この『ダーク・チェス』の目的です。そもそも、最初からそうするつもりだったからこそ、彼は「セーラームーン」を生かしたまま連れ去って来た訳ですからね。だからベリル様は、ジェダイトくんに向かって、「幻の銀水晶が手に入るような事があれば…すぐにも!…『クンツァイトから奪い取って来い』と命令してる訳なんですな。おそらく、今のベリル様であれば、『その際、クンツァイトを殺してもかまわぬ』くらい言ってるかもしれません。このようにクンツァイトの行動と言うのは、ベリル様のセリフによっても、間接的に、その目的がきちんと説明されてきてるんですね。このコトは、過去三回に渡るベリル様のセリフと、それに並行するクンツァイトの行動との相関関係を見れば、ハッキリと分かります(↓)

 

―ベリル様のセリフ―

―クンツァイトの行動―

Act.26:

ジェダイトくん:「しかしプリンセスの涙が幻の銀水晶のカケラになるとは一体…?」

ベリル様:「幻の銀水晶は、プリンセスの体内にあるのかもしれぬ。今までよくも我らを欺いてくれたものだな。もうそうはいかぬ」

ネフライトに、「本当のプリンセスは、セーラームーンだったぞ」「お前はニセモノを追いかけていたというわけだ。…幻の銀水晶も、プリンセスが隠し持っている。少々つついてみる価値は、あるかもしれん」とけしかけ、まず、武力行使で、覚醒したばかりの「プリンセス」を襲わせてみる。

Act.27:

「幻の銀水晶がプリンセスの体にあるとして、どうしてそれを手に入れるかだな…」

次は、『ダーキュリー』をけしかけて戦わせ、「プリンセス」を精神的に追い込んでみる。しかし、Act.22の時と同じように、セーラームーンの『覚醒パワー』は引き出せたものの、「幻の銀水晶」までは引き出せなかった。

Act.28:

「幻の銀水晶が手に入るような事があれば…すぐにも!…『クンツァイトから奪い取って来い』

今度は、「水野亜美」を一緒に窮地に追い込む事で、「プリンセス」を精神的に揺さぶってみる。

       つまり、今やダーク・キングダム陣営の焦点は、「幻の銀水晶がプリンセスの体にあるとして、どうしてそれを手に入れるか」と言う一点に絞られており、クンツァイトの行動も全てそれに則ってる訳です。この大前提を踏まえてないと、この『ダーク・チェス』の意図や目的が、全く理解できなくなってしまうんですな。だからこそクンツァイトは、ここでは、変身できない二人を殺すコトなど造作もないと言うのに、『ヒトデ妖魔』には直接手を出させず、あくまでも精神的に追い詰めるように仕向けている訳です。その意図が分からないと、ジェダイトくんのように、「子供のような遊び」にしか見えない訳なんですな。

        ★  ★  ★  ★  

       いきなり場面は変わって…。

       ラジオの公開生番組のブースの周りに、美奈子のファンが群がっております。手にはそれぞれメッセージを書いた紙を持って手を振ってます(←毎度のコトながら、人数微妙? でも、今日はやけに野郎が多いじゃないか…)。そしてBGMには、ついに初登場した新曲、「♪べいべ、べいべ…♪」が流れております♪

 

       Act.4の「ハロウィン・パーティー」にも出ていたDJさんが、「さぁ〜それではお待たせしました。今週のスペシャル・ゲスト、美奈子、愛野ぉ〜っ!」と叫びます。すると、美奈子がスタジオに入って来ます(←バッグを肘にかけてます)。DJさん:「イェ〜〜! 美奈子ぉ〜♪」。美奈子は両手を振りながら入って来て、イスに座ると、外のファンの人達に顔を向けながら、「どうもこんにちは。愛野美奈子です♪」「ようこそおいで下さいましたぁ…。どうも初めましてぇ」「…『どうも♪』(←こらこら、ラジオなんだから、お辞儀するだけじゃなくてちゃんと声も出さなきゃっ!)。

        ★  ★  ★  ★  

       その現場にやって来て、美奈子が登場するのを待っていたレイちゃんとまこちゃん…。

       「愛野美奈子がセーラーヴィーナス!? ホントに?!」(←驚きと喜びが入り混じった表情です…)

       「あたし一人が知ってればいいコトだと思ったから…『実物はめっちゃ性格悪いってコト…』「!…『ギロッ! あたしがファンだって知ってるクセにっ! それでも仲間かっ!』(←みたいな)。「わかってるわよ! 黙ってたコトは謝るわ」…レイちゃんは、そのまま『ぷいっ』と、さっさとお仕事に取り掛かるべく、美奈子のファンが群がってる、「TOKYOBAYSTUDIO」 と書かれたブースの方へそそくさと歩いてっちゃいました(←おそらく今現在のレイちゃんは、どんな「おっかけ」よりも、美奈子のスケジュールを熟知してるんでしょうなぁ…『不本意ながらね…』

       ところで、今更ながら思うのですが、そう言えばレイちゃんは、別に美奈子から口止めされた訳でもないのに、ナンで「愛野美奈子がセーラーヴィーナス」だと言うコトを、みんなに「黙ってた」んでしょうかね?

1.       【仮説その一】⇒Act.11で、うさぎちゃんとまこちゃんが、「もう! ナニ考えてるのよぉ、もうちょっと戦士ってコトを自覚したら?!」と言うのも聞かず、ミーハー根性丸出しで美奈子の見舞いに行ってしまったので、以来、そのコトをずっと根に持っていて、セーラー業務にも差し支えるし、こんな連中にはとても教えられないと思ったから…。

2.       【仮説その二】⇒美奈子自身が、『ナニかワケありな様子』で正体を隠していたので、その理由を突き止めるまでは、彼女の意思を尊重してみんなに黙っていようと思ったから…。

3.       【仮説その三】⇒きっと、上記二つの意味で…。

       まこちゃんは、そんなレイちゃんの背中を見ながら、「…うふっ…変わったのはぁ…ルナだけじゃないか…」と笑顔で言います。

       このシーンでのこの二人のやり取りは、Act.19での二人の言い争いを受けてるんですね(←って9話も前の話かよっ!)(↓)

―Act.19の再現VTR―

       「ちょっと待てって! 話はまだ終わってない!」。まこちゃんが、入り口の方を見上げて怒ってます。すると、レイちゃんが階段の途中で振り返り、「今は話す事ないって言ったでしょ? あなた達まで余計なコト心配する必要ないんだから!」

       そこへ、亜美ちゃんががちゃりとドアを開けて入って来ました。

       「それが余計なことだよ!」。亜美ちゃんは、レイちゃんと入れ替わる形になり…「どうしたの?!」「プリンセスのコトでなんかあったらしいんだけどさぁ、言わないんだよね…。この中で秘密を持つなんて良くないよ」「…そっかぁ…。でもぉ、私達もうさぎちゃんのコト秘密にしてるし…」。しかしまこちゃんは、イスに腰掛けると、あっさりと「アレは別」と言います(←つまり、「プリンセスのコト」『セーラー業務』だから、「この中で秘密を持つなんて良くない」のであって、一方「うさぎちゃんのコト」はあくまでも『プライベート』なので、「アレは別」なんですね)。

1.       このように、全てを『仲間目線』で見てるまこちゃんにとって、「この中で秘密を持つなんて良くない」と言う意見は絶対的に正しい訳で、コレに関してはレイちゃんも亜美ちゃんも、としては明らかに間違ってる訳です。つまり、今のシーンでレイちゃんは、そのコトに対して『非を認めた』んですね。で、まこちゃんは、そんな『仲間』の成長を素直に喜んでますが、そんな『仲間目線』のまこちゃんだからこそ、レイちゃんの『仲間としての成長』と、ルナが『セーラー戦士になったコト』が、全く同じ意味として「変わった」と喜べる訳なんですね。ところが、そんなまこちゃん自身も、同じように変わって成長しなければならないのだと言うコトには、まだ気付いていない訳なんですな。と言うのも、実際にレイちゃんが「変わった」のは今に始まった事ではなく、Act.23で「戦士の力」に目覚めた時からなのに、まこちゃんは、やっぱりそれにすら気付いていなかったコトが、今の一言から分かるからです。では、もう一度、レイちゃんが「戦士の力」に目覚めた過程と、それ以降のまこちゃんへの接し方を思い出してみてください(↓)

1.       Act.23で、レイちゃんは、美奈子から「力が目覚めるには、心の問題が大きいけど、リーダーとして何か欠けてるんじゃないの?」と言われ、今まで亜美ちゃんに遠慮して封印してきた『うさぎへの友達意識』を一時的に解き放ち、それをきっかけに、「あたしに、…欠けていたもの…」「仲間を…信じる…!」と言う結論に至って「戦士の力」に目覚めた訳です。

2.       そして続くAct.24では、その結果を受けて、いかにも『リーダー然』とした態度で、『目覚めの遅いジュピター』をフォローするような戦い方を見せたのに、その時のジュピターは、そのコトに対して素直になれませんでした。

3.       前回もレイちゃんは、まこちゃんが「あたしはまだ、戦士の力モノにしてないのに、パワーが上がったみたいでさっ」と言って、『目覚めの遅い』コトを気にしてるのに対して、「前世の記憶が戻ったことも、影響してるかもしれないわ…。それにうさぎ、うぅんっ、プリンセスが一緒だったってことも…」とフォローしてあげてたんですが、その時のまこちゃんがそれを素直に聞いてたのは、その言葉を、『プリンセス覚醒』に伴って「リーダー」が指名した『サブ』の言葉として聞いていたからです。なのでこれは、別にまこちゃん自身が成長した訳ではありません。

2.       これを見ても分かるように、まこちゃんは、今日に至るまで、レイちゃんがとっくの昔に変わっていたコトには気付いてなかった訳です。このように、まこちゃんと言うのは、とにかく気付くのが遅い…だから自分自身の『欠けてる何か』をなかなか見付けられず、成長するのも遅くて、その結果、「戦士の力」に目覚めるのも遅い訳です。つまり、「変わったのはぁ…ルナだけじゃないか」と言うセリフには、こういった様々な意味が込められてるんですな(←一見、「変わった」の意味を履き違えて『ボケ』をかましてるようにも見えますが(←何を隠そう、ワシは最初、そうツッコミを入れていた)、実はそれは表向きのレトリックで、『裏の意味』を視聴者に考えさせるための引っ掛けなんですな)。そして、それは同時に、自分の成長よりも『仲間』の成長のコトを先に考えてしまうと言う、そんな、いい意味でも悪い意味でも、『まこちゃんらしさ』の表れでもあるんですね。

       ちなみに、このレイちゃんとまこちゃんのやり取りの間に、美奈子とDJさんの間でやり取りされていた会話の内容を、必死こいて聞き取ってみましたところ…(↓)

     「一つ、実は聞いてみたいんだけども、美奈子ちゃんはどう? ステージとラジオで、気持ちの面で、ちょっと違う?」

     「気分的に違いはないんですけど、今日はこんなにファンのみなさんがたくさんいて、少し緊張してます」

     「OK。リラックスして行きましょう♪早速ですが、今回のアルバムの仕上がりは、どんな感じ?」

     「今回は、作詞作曲の両方に挑戦させていただいて、きっとファンのみなさんに満足してもらえる仕上がりになってるんじゃないかなって思います」

     「なるほど、それは楽しみだねぇ〜♪と言うわけで、今日のFMナンバー・テン! 愛野美奈子ちゃんをお迎えして、このあともニュー・アルバムの話を中心に、お届けしたいとっ、思いまぁすっ! なお、本日のゲスト美奈子ちゃんへの質問や、キミのナンバー・ワン美奈子ソングを…」(←ちなみにワシの「ナンバー・ワン美奈子ソング」は、Romanceです)

       ナニげにこれは、ものすごく貴重な情報が満載のラジオ番組ですな(←最後まで聴きたいくらいだ…)。ちなみに、ブースのガラスにステッカーが貼ってあって、そこに、このラジオ局はJUBAN RADIO STATIONと書いてあり、番組名のFM Number1010も、きっと「十番町」の「十」の事だと思われます。つまり、これは地元のラジオ局ですから、そうなると、Act.5で亜美ちゃんが聴いていた、周波数が「77.7」MHzの「FM」も、きっとこのJUBAN RADIO STATIONだったんじゃないでしょうかね?(←そうだっ! きっとそうに違いないっ!)

       ※ ちなみに、このFM Number10と言うのは、アニメ版・第3話「謎のねむり病、守れ乙女の恋する心」に出て来たラジオ局の名前から採ったものです。

 

       ※ ちなみに、ここで話題にされてる「ニュー・アルバム」なのですが、これは、のちに発売される「美少女戦士セーラームーン メモリアルCD-BOX ~MOONLIGHT REAL GIRL~「ディスク:3として実際に商品化された、「愛野美奈子オリジナルアルバム ~I'll Be Here~を指すのですが、実はこのアルバムは、アイドルのCDにしては珍しく、かなり時間をかけて、じっくりと作られているんですよねぇ…。

 

1.       まず、前作に当たる美奈子のセカンド・アルバム「VENUS」が出たのが、03.09.24 IN STOREで、これはAct.1のちょうど10日前にあたります。

2.       その後、劇中で美奈子の新譜情報が出るのはAct.8で、月野家の茶の間で流れていたテレビの音声からです⇒「見所満載のこのドラマ、主題歌を、あの、愛野美奈子が歌うことでも、話題をあ…」

3.       で、次のAct.9で、やはり月野家のテレビで、美奈子が――と言う訳で、ロンドンでのレコーディングは順調です。ファンの皆さん、新曲楽しみにしてくださいねっ」と言ってました。

4.       ところが、この「レコーディング」と言うのは、実は「アルバム」のためのものだったコトが、Act.11の社長さんのスケジュール帳によって明らかにされます(←つまり、この時の「新曲(=肩金)と言うのは、いわゆる『ニュー・アルバムからの先行シングル』で、おそらく、これがAct.8の「ドラマ」「主題歌」だったのではないか?と思われます)。

5.       で、そのAct.11において、美奈子は、入院中の病室にシンセサイザー系のキーボード楽器を持ち込んでましたが、要するにそれでもって、「アルバム」収録曲のために、この時、自ら「作詞作曲に挑戦」してた訳だったんですな。ひょっとすると、ロンドンでレコーディングしたアルバム曲に不満があって、先行シングルの「新曲(=肩金)以外は全部ボツにして、最初から自分で作り直そうと考えていたんじゃないでしょうか?

6.       次に新譜情報が出るのはAct.17で、ビルの壁に設置された大型街頭ヴィジョンに映し出された「週刊芸能ニュース」です⇒「最近仕事のキャンセルが続き、心配されていた愛野美奈子さんですが、次のアルバム制作に向けて充電中との、直筆メッセージ出されました。また、マスコミに送られたファックスの中でも、アルバムに合わせて新曲も発表する事を…」。つまり、この時点で、ロンドンでレコーディングされた「アルバム」が、お蔵入りされてしまってたコトになる訳です。

7.       そして、その後、新譜について言及されるのは、Act.21で、「…うん、新曲の構成メモ、明日にはファックスするって、社長に伝えておいて……それじゃあ」(←これは要するに、自分で作った曲のアレンジを、プロのアレンジャーさんに依頼する際の『覚書』というコトです)。つまり、今回の「新曲(=Romance)は、実は、劇中の設定では、ナンと、美奈子が自ら「作詞作曲に挑戦」した曲だった訳です(←めちゃめちゃ才能あるじゃないかっ! きっとあの『振り付け』も自分で考えたに違いないっ!)。そう言えば、この曲の歌詞の中には、『今現在のプリンセスとエンディミオンの関係』を連想させるような表現がいくつか出てくるモンなぁ…。

8.       さて、今回のラジオ番組の中では、「仕上がり」と言う言葉が使われ、さも「ニュー・アルバム」が完成したかのように語られてましたが、実は、そうではなく、今後もレコーディングは続き、実際のリリースはまだまだ先なんですね。おそらく、美奈子の体調不良のせいで完成が遅れ(←もしくは、心境の変化によって楽曲やアルバムの構想がさらに練り直され)、その都度、密かに発売が延期されていたんじゃないでしょうかね?(←その経緯については、今後の展開の中で、追って検証していきたいと思います…………「できればな…」)。

        ★  ★  ★  ★  

       で、ラジオに生出演中の美奈子は、ふと、外に群がってるファンの中に、レイちゃんとまこちゃんがいるのに気付きます…「!…」

       レイちゃんが深刻そうな表情で、「…『お願い、助けて…!』みたいに、目で小さくうなずいて訴えてます。それを見て、美奈子は、足元に置いていたバッグをブーツで軽く小突きます。すると、その中には、アルテミィ〜スが、ご主人様のお仕事中に居眠りぶっこいてたらしく(←さっきのルナ同様、ネコですからなぁ…でも、そのままそっと寝かせといてあげる優しいクラウン組と、平気で叩き起こす『猫使いの荒い』美奈子との違いですなぁ…)「ん?…んん…んん〜にゃっ!」と起き出てまいりました…。そして、レイちゃんの表情を見て、「はっ!」と、瞬時に事態を察したようです(←しかしさすがの美奈子も、いきなり生番組中は簡単には抜けられないようですなぁ…実際、この時点ではまだ具体的な事情までは分かってない訳ですしね…)。で、取り敢えず、アルテミィ〜スを「パシリ」で派遣します

        ★  ★  ★  ★  

       で、レイちゃんとまこちゃんは、アルテミィ〜スを連れて現場に駆けつけます。

       「クンツァイトが空間を移動したなら、入り口はまだ完全に閉じてないはずなんだ。それを使えば、ナンとかなるかもっ!」。…ほ〜う、そうだったんですか…そんならこれからは、敵のアジトに行きたい放題じゃないですかっ?! そうなるともう、四天王は歩いて帰るしかないっ!(←そう言えば初期のジェダイトくんやネフライトはそうしてたなぁ…あの頃はまだ駆け出しのぺーぺーで、交通費も支給してもらえなかったんだろうなぁ…)。

       これ、実はAct.3でも、同じようなコトをしてるんですよね?(↓)

1.       あの時は、うさぎちゃんとレイちゃんが『プロペラ妖魔』に連れ去られ、一人取り残された亜美ちゃんがケータイでルナを呼び、やって来たルナが、亜美ちゃんに「変身して! うさぎちゃん達が連れ去られた空間に、穴を開けるの!」「わかった!」てな訳で、亜美ちゃんはマーキュリーに変身し、その「空間」に向かって「マーキュリー・アクアミスト」を放って「穴」を開け、そこから二人と行方不明の少女達を救い出してました。で、その時も、やはり「穴」が開いてる時間には制限があって、あやうくセーラームーンとタキシード仮面が『ダーク・キングダムの森』に取り残されそうになってました。

2.       つまり、セーラー戦士サイドも、この方法を使えば、空間移動した四天王や妖魔を追って、こちらから『ダーク・キングダム』に乗り込むコトは可能な訳です。しかしここで問題なのは、行ったはいいけど、「穴」が開いてる時間に制限がある以上、それを過ぎてしまうと、自力では決して戻って来られない、と言うコトなんですな(←それに、今回のセーラームーンみたいに、必ずお城まで飛べるとも限らない訳だし)。だから、あまりにも危険を伴いすぎるので、Act.3以降、この方法は使ってないんでしょうな。それに、アルテミィ〜スは、レイちゃんとまこちゃんに同じ事をさせてないので、ひょっとすると、それができるのは「マーキュリー・アクアミスト」だけなのかもしれませんな…(←そう言えば、アニメ版の第10話のマーズ登場編でも、「呪われた6時のバス」が消えた次元の穴が消えかかってるのを、亜美の祈りが変身ペンに伝わって光を送り、それでみんなを救い出してましたっけ…)(←※ちなみに原作にはこう言う流れはありませんでしたから、これはアニメ版からの流用ですね)。

 

       二人は、建物の入り口の前で立ち止まると、「このビルのロビーだって言ってた」(←って誰が? ルナ? 一応言うべきコトは全部言ってから寝てたんだね?)。ところが、ガラス張りの自動ドアを抜けると、そこはいきなり地下駐車場に!?…(←って、ナニげにここって、Act.15でうさぎちゃんと地場衛が窃盗団から宝石を奪い返したのと同じ場所みたいですね?)。「!…」「!…」

       「!?……今、確かロビーに…」「!?…」。するとその時、しゃーーっ!どーんっ!と言う、ナニか不気味な音がしたので、二人はその音が聞こえた「機械室」の扉を開けてみます。開けるとそこは、いきなりビル内の廊下につながってて、しかもウネウネと捻じ曲がっちゃってます…「!…そんなぁ…!」「空間がねじれてしまってるっ!」「どういうコト?!」「空間移動した時に、トラブルがあったのかもしれない…。これは面倒くさいぞぉ…」「ロビーに出られないの?!」「とにかく、どこかの廊下か扉がロビーにつながってるはずだ。片っ端から、探すしかないっ」(←ごもっともな意見ですが…そんなコトならワシでも言えるぞ〜っ!)。「え?『そのまんまかよっ!』「早くしないと、入り口が閉じてしまうっ」。ところが、そんなアルテミィ〜スに思わぬご褒美がっ!…いきなりまこちゃんのGジャンの胸元に突っ込まれ、「あ、あ…」「落ちないでよっ」「うんっ!…『死んでも落ちるモンかっ!…あの、できたら前後逆向きに…』『殴るよ…』

 

 ★  ★  ★  ★   CMタイム― ★  ★  ★  ★  

 

       一方こちらは、うさぎちゃんと亜美ちゃん…。

       ひたすら斜面を転がり落ちております…。ようやく落ちきって顔を上げると、しかしそこには、さっき亜美ちゃんが投げ捨てた『ダーク・ブレスレット』が…「はっ…!」。またしても同じ場所に逆戻りしちゃってます…「どうなってるの一体…?」「……ごめんね…私のせいで…」「違うって! 行こうよっ!」「……」。しかし、亜美ちゃんは立ち上がろうとしません。「……怪我した?」「…『うぅんっ…』「どうしたの?! さっきからヘンだよ、早くしないとっ!」「……私…帰れない…。みんなにひどいコトして…」「…亜美ちゃん……でもそれは操られてたから仕方ないって! 誰もナンとも思ってないよ、だってさ、私達みんな仲間じゃんっ…」。でも亜美ちゃんは、首を横に振ります…「…もう…仲間には、なれないよ…」「……そんな…」「……」

       「…」。うさぎちゃんが何か言いかけようとしたその時、『ヒトデ妖魔』の鳴き声(?)が森に響き渡り、「!…亜美ちゃん早く行こうっ?!」「…うさぎちゃん…一人で行ってよ…」「!…亜美ちゃん……」。しかしうさぎちゃんは、いきなり両手で亜美ちゃんの腕を掴んで立ち上がらせながら、「もう! ナニ言ってんのぉ! バカァっ!」「ハッ!…『バ、バ…、バカぁ〜あ?! このIQ300の私に向かって、バカだぁ〜あ?!』。うさぎちゃんは、「そんなコトもうどうでもいいよっ! ほらぁっ、急いでっ!」と言って、亜美ちゃんのお尻をぱしんっ!と叩いて、無理やり引っ張って行きます。「痛ぁ〜い『衝撃が反対側のお尻まで突き抜けた〜っ!』ひどいっ!『ママにもぶたれたコトないのにっ!』

       「ひどいのはそっちだよっ、私達のこと仲間だと思ってないのは亜美ちゃんじゃんっ、何があったって亜美ちゃんのコト嫌いになる訳ないのにっ、私達のコト信用してないんだよっ!」。そんなコト言われて亜美ちゃんは、思わず握りこぶしを作って気を溜めると、「…『亜美ちゃんパーンチっ!』と、ナンとっ! うさぎちゃんの後頭部を思いっきり小突きますっ! こんっ!「いったぁ〜いっ!?」…思わず振り返って、びっくりマナコのうさぎちゃん…。

       「…信用……できないよ…」「…え?…」

       亜美ちゃんは、目に涙を浮かべながら、ついにその真情を吐露し始めます…。「…うさぎちゃん達、バラバラだったじゃない」「…」「…ちっともクラウンに集まらなくて…、戦う時もバラバラで…、ぜんぜん仲間みたいじゃなかった…」「!…」「私…いつかは元通りになるって、信じてたけど…、でも…、心のどこかで……どこかで…………もう、ダメかもって…」「!……」「……」

       このシーン…、何度見ても泣けてしまうワシなのでした…。亜美ちゃんが初めて、うさぎちゃんに向かって本当の気持ちを告白しましたねぇ…(←しかも、『鉄拳制裁』まで加えて…)。それにしても、亜美ちゃんに「もう、ダメかもって」思わせていたモノってナンなんでしょう?(↓)

1.       レイちゃんの個人主義的な行動も、まこちゃんの言動も、亜美ちゃんに孤独感を与えはしましたが、全て、もとをただせばな訳ですから、たとえそのやり方に問題があったとしても、「仲間」としての目的意識そのものにブレはない訳です。つまり、地場衛のコトで放浪してたうさぎちゃんだけが、唯一、一切「仲間」とは無関係な理由なんですな。つまり、これ以外に、亜美ちゃんに「もう、ダメかもって」思わせてた決定的要因なんて他にないんですね。

2.       そして、この「もう、ダメかもって」言う気持ちが、亜美ちゃんの心に隙を生じさせ、『ダーク化』を許してしまった元凶となった訳です。以前も書きましたが、Act.14で、うさぎちゃんの心が『セーラームーンの妖魔化』を許さなかったコトとの対比が、ここにある訳なんですね。亜美ちゃんにとってナニがショックかって、それがショックな訳です。亜美ちゃんが『ダーキュリー』になってた時に、『亜美ちゃんの記憶』がフラッシュバックする際、必ずAct.14のシーンがキーになってたのは、その事も示唆していた訳なんですな。

       さらに、亜美ちゃんがうさぎちゃんに対して食らわした『げんこつ』ですが…。これは、『ダーキュリー』がセーラームーンに食らわしてティアラを割ったあの『剣の一撃』『対』になってるんですね(↓)

1.       前回も書きましたが、クンツァイトは、マーキュリーを『ダーク化』する際、自分の「マスター・エンディミオン」への憎悪と同じ感情をマーキュリーにも植え付け、「プリンセス」を憎悪するように仕向ける事で、『真のプリンセス』をあぶり出そうとしていた訳です。すなわち、Act.14の『セーラームーンの妖魔化』『セーラーマーキュリーのダーク化』との根本的な違いも、実はそこにあった訳です。

2.       つまり、『ダーキュリー』がセーラームーンに食らわしたあの『剣の一撃』が、「プリンセス」との『前世の主従関係』に対して決着をつける一撃だったとすれば、このシーンの亜美ちゃんの『げんこつ』は、うさぎちゃんとの『現世の友情』に対して決着をつける一撃となった訳です。

3.       ここで亜美ちゃんは、おそらく生まれて初めて言われたのであろう「バカ」という一言に反応すると共に、おそらくこれも生まれて初めてだったであろう『お尻を叩かれる』と言う「ひどい」行為に誘発されて、ついに、溜まりに溜まっていた感情を爆発させ、今までずっと『受身』なだけだったのが、初めて、『げんこつ』で応戦する事によって、うさぎちゃんと『対等な関係』を自己主張したんですね。そして、それが『真情の吐露』を導き出した訳です(←『前世のセーラーマーキュリー』が、『ダーキュリー』の意識を借りて、「プリンセス」に対して『前世の主従関係』を拒否したように…)。

       とそこへ、いきなり『ヒトデ妖魔』が木の上から飛び降りて来ます。「きゃっ!」。妖魔がナギナタを振り上げると、二人は一目散に逃げ出します…。うさぎちゃんはもう亜美ちゃんの手を引いてないのに、亜美ちゃんも同じリアクションをして、一緒に逃げ出してます…言いたいコトを言って、さらに殴り合いのケンカもして、少し気持ちに変化が表れたのでしょうか?

        ★  ★  ★  ★  

       「なかなか粘るな…」。クンツァイトはそう言うと、今度は、『いびつな石の形をした駒』を置き、ニヤリとします…。

       すると、その様子を、ナンとっ! ネフライトが、陰から覗き見して伺っております…「…………『楽しそうだなぁ…』。さっきの地震で、ベリル様とジェダイトくんがクンツァイトの『ダーク・チェス』に対して反応を示したように、ネフライトも、いったい何事かと様子を見に来たようです。

       ※ ところで、今ここでクンツァイトが置いた『いびつな石の形をした駒』なんですが、コレ、この『駒』がナニを引き起こしたのか、劇中では一切描写されていないんですよね。で、おそらく、この『駒』が引き起こした現象と前後する過程で、DVD第7巻に収録されてる次の「未使用シーン」が挿入される予定だったんじゃないかと思うのですが…(↓)

1.       二人は、川原の砂利道を走ってます。うさぎちゃんが先を行き、亜美ちゃんがそれに続きます。

2.       すると、途中で亜美ちゃんが「きゃあっ!」と石につまずいて前のめりに転びそうになります。

3.       すると、転びそうになった亜美ちゃんの手を、うさぎちゃんがぱしっ!と掴んで助けます。

4.       ここに至って、初めて二人の手と手がつながれ、亜美ちゃんが「!」とその手を見てから、うさぎちゃんの顔を見上げます(←この瞬間、おそらく亜美ちゃんは、Act.2で初めて二人の手がつながれた、あの「ファイト一発」の瞬間を思い出したんじゃないでしょうか)。

5.       するとうさぎちゃんは、力強い表情で「早くっ!」と言い、亜美ちゃんが「うんっ!」と、初めて笑顔を見せてそれに答えます。

6.       そこから二人は、手をつないだまま走り出します。ここで、二人のつながれた手がアップで抜かれてますから、それが、二人の心理を代弁してるコトは明らかです。

       で、おそらく、この直後に『いびつな石の形をした駒』が何かを引き起こし、川原の砂利道を塞いだかナンかして、二人は急遽進路変更を余儀なくされ、それで二人は崖を登り始め、次のシーンにつながって行ったのではないでしょうか?(↓)

        ★  ★  ★  ★  

       うさぎちゃんが先に崖を登って行き、亜美ちゃんがそれに続きます…。崖の下には、「未使用シーン」の川が流れてるのが見えます。

       先に登り切ったうさぎちゃんが、亜美ちゃんに手を差し出すと、亜美ちゃんは、うさぎちゃんの手を掴んで握り締めます…。「…(心の声→)亜美ちゃん、私達、ちょっとずつ変わってるんだと思う…。もしかすると、亜美ちゃんの期待する仲間にはなってないかもしれないけど…、亜美ちゃんを待ってた気持ちは、ホントだから…!」

       やはり、「亜美ちゃんの期待する仲間」と言うのは、Act.21や22などでも散々検証してきましたが、要するに、「仲間」であると同時に「友達」でもあるってコトなんでしょうねぇ…。それにしても、ここで、このうさぎちゃんの最も重要なセリフが、直接亜美ちゃんに語りかけるのではなく、『心の声』によって、レイちゃんとまこちゃんサイドの映像に被せてナレーションされてると言うのは、いかにも実写版らしいと言うか…。なぜなら、ここから先の戦いは、他の「仲間」も交えての戦いになるのですから、うさぎちゃんが口先だけでこれを亜美ちゃんに説明するより、レイちゃんとまこちゃんもまた、うさぎちゃんと同じように、それを亜美ちゃんに直接行動で示さなければ、何の意味もなさないからなんですな。

       うさぎちゃんが亜美ちゃんを引き上げると、二人は肩で息をしながら顔を見合わせ、思いっきり微笑み合います…「はぁ、はぁ…『前にもこうやって、ファイト一発ごっこしたよね〜♪』「はぁ、はぁ…『そうだねぇ〜、でもあの時は、私を落してくれたよねぇ〜♪』『えへっ、そうだっけ? うふふっ…♪』『そうだよぉ、あはは…♪』…みたいな…?

       ※ 本編では、もちろん先の「未使用シーン」はカットされてますから、放送版においては、この二人はここで初めて手と手をつなぎ、微笑み合ったコトになる訳なのですが、やはり、あの「未使用シーン」を知らなかった初見時には、やはりこれでは、ちょっと説明不足で唐突な感を拭えない印象がありましたねぇ…。「未使用シーン」で、アクシデントをきっかけに初めて手をつなぎ(←つまり、Act.2の「ファイト一発」を思い出し)、そこで初めて見せた亜美ちゃんの笑顔が、段階を踏んで、ここで意識的な「ファイト一発」につながって、その笑顔も屈託なく弾ける…という流れは、やはりあって然るべきだったように思えますからねぇ…。

       ところが、そうやってほっとしたのも束の間、ナンと二人は、また同じ場所に戻って来てしまってます…「ナンで?! 入って来られたのにどうして出られないの?」「……そうだよ、出られないはずがないっ」「でも、出口がないし…!」「こっちからの出口は、向こうからの入り口…」「えぇ?!…『卵が先かニワトリが先か?!』「同じなんだよっ! 最初の場所に戻ろうっ?!」「?…『ぜんぜん意味わかんないけど、待ってぇ〜っ!』

       これは、亜美ちゃんの意識がハッキリと生還へ向かったのと同時に、戦士の自覚も促され、やはり、Act.3で一度この「空間移動」の穴を開けた経験から、その仕組みを思い出したんでしょうな。それを知ってるのは、ルナとアルテミィ〜スの他は、唯一亜美ちゃんだけですからね。

        ★  ★  ★  ★  

       クンツァイトの『ダーク・チェス』盤の二人の駒が、どうやら出口に向かって移動し始めたようです…「気付いたらしいな…」。クンツァイトは椅子から立ち上がり、早速お出かけです。

        ★  ★  ★  ★  

       今度は、亜美ちゃんが先を走り、うさぎちゃんがそれに続きます…。

       先を行く亜美ちゃんの後ろで、うさぎちゃんが「きゃあっ!」と足を滑らすと、またそこに『ヒトデ妖魔』が飛び出して来て、今度は、亜美ちゃんがうさぎちゃんの手を掴んで引っ張り上げます…もう完全に、元の二人に戻ってます。

        ★  ★  ★  ★  

       「急げっ、もう時間がないっ!」。こちら、レイちゃんとまこちゃんも、迷路のような建物の中をひたすら走っております。

        ★  ★  ★  ★  

       亜美ちゃんとうさぎちゃんは、最初の場所の、滝の下の岩場にたどり着きます。「あそこだっ!」

        ★  ★  ★  ★  

       レイちゃんとまこちゃんも、ついにロビーにたどり着きました。「…着いたっ」「あそこだっ! 中央の空間っ!」

       するとその空間に穴が開き、双方のいる場所が、一つの入り口で結ばれます。

        ★  ★  ★  ★  

       「レイちゃんっ、まこちゃんっ!」「……」

        ★  ★  ★  ★  

       「亜美ちゃんっ!」「!…亜美ちゃんっ、うさぎっ!」(←レイちゃんは、『ダーキュリー事件』の主役が、実質的にはこの二人なのだと言うコトが、よく分かってるんですね)。

       うさぎちゃんは亜美ちゃんと顔を見合わせ、レイちゃん達に向かってうなずきます…。それを見てレイちゃん達もうなずき返します…(←ちなみに、まこちゃんの胸元のアルテミィ〜スは、完全にイっちゃってます…)。レイちゃんとまこちゃんは、顔を見合わせると、まこちゃんが右手を、レイちゃんが左手を差し出します…。

       こちら、うさぎちゃんも、左手を差し出し、亜美ちゃんもやや間を置いたあと、躊躇なく右手を差し出します…(←実はワシはこの時、さっきの妖魔がいつ邪魔しに来るのかと気が気じゃありませんでした…)。

       四人の差し出す手の先が触れるか触れないかするところで、金色の光がきらりんっ!と放射され、「出られたぁっ!」。うさぎちゃんと亜美ちゃんは、ついに、無事ロビーに出るコトができました…。うさぎちゃんは、「うふっ」と亜美ちゃんと顔を見合わせます。「亜美ちゃんっ」「亜美ちゃん…」。まこちゃんとレイちゃんが二人に駆け寄って声をかけます。

        ★  ★  ★  ★  

       するとそこへ、コツ、コツ…と靴音がして、クンツァイトがロビーの反対側から出て来ました。『ヒトデ妖魔』も引き連れております。「……ゲームは私の手で…、幕を引こう…」『うそぉ〜っ! 脱出できたら見逃すんじゃなかったの!?』『フッ…、約束を守る悪など、聞いた事もないわ!』『フッ、男を下げたわね…』(←ここでクンツァイトが言った、「ゲームは私の手で、幕を引こう」と言うのは、言うまでもなく、『ダーク・チェス』のチェック・メイトのために、自らが『最後の駒』を演じに来た訳ですな)。

       四人はすかさず、「ムーンプリズムパワ〜!」「マーズパワ〜!」「じゅぴたーぱわー!」「マーキュリーパワ〜!」と変身します。

       で、いよいよ待ちに待った、ナントっ! 8話ぶりの、久々のマーキュリーの変身シーンですっ!(←かわい〜っ!)…で、そのあとに他の三人の三分割の変身シーン?…(←ワシ、個人的には、マーキュリーの方をトリに持って来て欲しかった気もするけど、まあ、ンなコトどーでもいいか…)。

       で、変身し終わった四人は、セーラームーンを先頭にして縦一列に並び、「愛と正義の、セーラー服美少女戦士、セーラームーン! 月にかわってぇ、(だ)(←おしおきよっ! で横にバラけて決めポーズ)

        ★  ★  ★  ★  

       で、クンツァイトは剣を抜きます…。そして、四人に向かって斬りかかって行くのですが、この立ち回りシーンが、ナニげに興味深いものがあります(↓)

1.       まず、クンツァイトは剣を上に構えて、四人に向かって斬り込んで行くのですが、次に映し出された上からの俯瞰映像によって、クンツァイトがマーキュリーを斬りに行ってたコトが分かります。

2.       この最初の一振りは、四人が一斉に、それぞれ四方にバク転して分散する事によって避けます。ここでクンツァイトが空振りに終わったのは、ターゲットにしていたマーキュリーが、ちょうどクンツァイトから遠ざかる方向に逃げて行ったからです。

3.       その間に、セーラームーンは、向かって来たクンツァイトと入れ違う方向に逃げて行ってます。なので、その流れでセーラームーンがクンツァイトの背後に回ったため、クンツァイトはすぐにセーラームーンの方に振り向き、剣を横に振り回してセーラームーンを牽制します。

4.       するとその間に、今度はマーキュリーが、クンツァイトの動きと入れ違うようにして彼の背後に回ります。すると、やはりクンツァイトは、すぐに振り向いて、マーキュリーに対して上から剣を振り下ろしますが、これもバク転でかわされます。

5.       一方のマーズとジュピターは、二人で組んで『ヒトデ妖魔』と戦ってます。

6.       次の瞬間、やはりクンツァイトは、マーキュリーに対しては上から、そしてセーラームーンに対しては横から、それぞれ剣を振ってます。思い出してください…クンツァイトが相手にトドメを刺そうとする時、必ず上から剣を振り下ろすコトを…。つまり、クンツァイトは、最初からずっとマーキュリーを斬ろうとしていて、セーラームーンはただ牽制してるだけなんです。

7.       この立ち回りの最後のワン・カットで、クンツァイトが振り向きざまに上から剣を振り下ろそうとする姿がアップで抜かれますが、直前の映像の流れから、この彼の視線の先にマーキュリーがいる事は明らかです。

       がしかしっ! そこにいきなり、「たーっ!」と、ラジオの仕事を終えたヴィーナスのチェーンが飛んで来て、クンツァイトの剣をばしんっ!と弾き返します。「!…」(←ワシ、これを見て、今ふと思ったんだけど、クンツァイトって、放射系の必殺技とかにはめっぽう強いけど、意外と剣とかチェーンとかの物理攻撃には弱いんじゃないのか?)(←セーラールナのハリセンすら、まともに食らってたくらいだし…)。

       「ヴィーナスっ!」。四人は、全員ヴィーナスのところへ駆け寄ります。それを見てクンツァイトは、「…『ちっ、こしゃくなっ!』みたいに睨み付けます。

       「みんなっ、セーラースタータンバリンの力を、セーラームーンに集めてっ!」(←おおっ! この時のためにアルテミィ〜スは、「プレゼント」とか言って送り付けただけで、使い方までは教えなかったんだなっ!)(←きっと、『それはリーダーのあたしの役目よっ!』って口止めされてたんだろうなぁ…)。

       ※ ところで、そのタンバリンってそういう名前だったんですか? ナニげに、セーラーアイテムの正式名称(←商品名とも言う)を、初めて劇中で聞いた気がしますな…。ムーンライト・スティック、ハートムーン・ブローチ、ジュエリースター・ブレスレット、へんしんけいたいテレティアS等々…、どれも、劇中では一切その名称が出て来ないので、耳慣れないため本項でも使用しておりません…(←て言うか、長いし…)。

    

       ※ ちなみに、これらの情報は全て、小学館の「美少女戦士セーラームーンひみつじてん (てれび超ひゃっか)で知りました…(←我が家の家宝の一つです)。参考までに、この「じてん」によると、ネフライトは、ちびっこ目線でもバカにされてるみたいです(涙)…。

       ヴィーナスの指示に、いち早くジュピターが「うん!」とタンバリンを構え(←今のジュピターはコレ頼みですからな)、マーズも続きます。ところが、マーキュリーは「…『ナニそれ?』みたいにキョトンとしちゃってます。するとセーラールナが出て来て、「マーキュリー! 受け取って!」とタンバリンを投げ渡します(←それはそうと、マーキュリーはセーラールナのコトを覚えてないはずですから、内心、『ナンだこのガキ?』と思ってたはず…)。

       マーキュリーはタンバリンを受け取ると、「…『うん!』とうなずいてセーラームーンを見ます。するとセーラームーンは、さっとスティックを取り出し、「…『直ってる』みたいに見て微笑みます。それで五人は互いにうなずき合い、セーラームーンが前に出てスティックをかざし、その後ろで四人が輪になってタンバリンを頭上で重ね、ぐるぐると回り始めました…。で、水星、火星、木星、金星(←セーラー太陽系ではこのような順番になっております)まで出てきて、最後は地球をバックにした月が出てきて、セーラーカラーのリボンが蝶結びになって、「ムーンラーイト、アトラクティブ、

       すると、『ヒトデ妖魔』は一瞬で燃え尽きるようにして消し飛び、クンツァイトは空間移動して逃げ去りました。

        ★  ★  ★  ★  

       「やった…!」と…、みんなが勝利にほっとしたその時…、突然…、「マーキュリー…」と呼ぶクンツァイトの声がし、マーキュリーが「!」と振り向いた瞬間、「亜美ちゃんっ!」。ナンとっ! いきなりクンツァイトが背後から出て来て、マーキュリーに向かって思いっきり剣を振り下ろします…。

       するとその時っ! かきぃ〜んっ!…誰もが、「もしやタキシード仮面?!」と思ったその瞬間、その剣を受け止めていたのは、ナ、ナンとネフライトっ!?ってネフライトぉ〜っ?!

       クンツァイト:「…ナンの真似だ…?!」。ネフライト:「…お前の…邪魔をしたかった…!」…ネフライトがクンツァイトを弾き飛ばすと、クンツァイトは「…バカが…!」と言って、今度こそマントばさぁっ!と消え去りました。

       クンツァイトが、『ダーク・チェス』の最後の一手として取っておいた『チェック・メイトの駒』とは、すなわち、「プリンセス」の目の前でマーキュリーを斬ること』これが、クンツァイトが最後の一手として取っておいた『駒』だったんですね(↓)

1.       クンツァイトは、Act.25でタキシード仮面を斬り、それによって「プリンセス」の涙から「幻の銀水晶」が出現したコトの再現を、ここで、「プリンセス」の目の前でマーキュリーを斬ること』によって狙ってた訳です。なぜなら、何度も書いてきたように、クンツァイトは、「プリンセス」にとって、マーキュリーはエンディミオンに次いで大切な存在だと思ってるからです。だからクンツァイトは、最初からマーキュリーを生きて返すつもりなんかある訳ないんです。要するに、「生きて脱出できれば今回は見逃そう」と言うのは、『お前を殺さずに幻の銀水晶が手に入れば、今回は見逃そう』と言う意味でしかないんですな。そのためにクンツァイトは、『ダーク・チェス』上で、あの手この手で「水野亜美」を追い詰め、間接的に「プリンセス」を精神的に追い込むべく、あらゆる『駒』を駆使して「子供のような遊び」をしていた訳です(←そもそも「今回は」という言い方は、すなわち『次は始末する』と言う意味ですから、どっちみち、いずれ殺すつもりでいる事には変わりありません)。

2.       しかし、結局『ダーク・キングダムの森』では「幻の銀水晶」を出現させる事ができなかったので、クンツァイトは、いよいよ最後の一手を打つべく、「ゲームは私の手で、幕を引こう」と出て来たんですね。だから、セーラー戦士達との立ち回りでも、妖魔にマーズとジュピターの相手をさせ、自分は、「プリンセス」は牽制するだけで斬ろうとはせず、ひたすらマーキュリーだけを斬ろうと剣を振り下ろしていたんです。ところが、ヴィーナスの登場で一気に形勢不利になってしまったため、彼は一度負けた振りをして引き下がり、今度は『不意打ち』と言う手段に打って出たんですな。

       そして、それを、ネフライトは「邪魔」した訳です(↓)

1.       だからクンツァイトは、ネフライトに向かって「バカが…!」と言ったんです。なぜなら、ここでマーキュリーを斬る事には、単に敵を殺すだけではなく、『幻の銀水晶を奪う』と言うちゃんとした目的があり、その目的の前には、ダーク陣営が仲間割れなどしてる場合ではないからです。

2.       クンツァイトは、Act.24でも、ネフライトが『ダーキュリー』から「ミジメね」と言われて逆上し、回転ノコで襲い掛かった時も、「血迷ったか…バカがっ!」と、全く同じコトを言ってるんですね。あの時も、クンツァイトは、自分が何の目的でセーラー戦士を仲間に引き入れたのかを、ネフライトが全く理解していない事に対して「バカがっ!」と言ったのであって、別にダーキュリーが可愛くて言った訳じゃありません。

3.       これは、Act.25でクンツァイトがジェダイトくんに、「お前は利口だな…。ネフライトとは違う」と言ったのと全く同じ意味なんです。ジェダイトくんは、クンツァイトの意図を理解して協力するから「利口」なのであって、ネフライトは、それを理解できずに「邪魔」ばかりしてるから「バカ」な訳です。実際ジェダイトくんは、そのお陰で次々と手柄を立ててベリル様の信用を勝ち取り、逆にネフライトはどんどん見捨てられていってる訳ですからね。

4.       Act.24の時点では、ダーキュリーは『プリンセス探しの駒』として『利用価値』があるから殺しちゃいけないのであって、今回のマーキュリーは、『幻の銀水晶を出現させるための駒』として『利用価値』があるから殺さなきゃいけなかったんです。ネフライトは、そのクンツァイトの意図を全く理解できずに、そのどちらも、その時の感情に任せて「邪魔」してる訳です(←「ネフライトは目の前の事に熱くなりすぎる」)。だから「バカが…!」なんです。

5.       ベリル様も、そんなクンツァイトの目的が分かっていたからこそ、ジェダイトくんに、「幻の銀水晶が手に入るような事があれば…すぐにも!…『クンツァイトから奪い取って来い』と命令してた訳です。なので、その命令を受けていたジェダイトくんも、この状況をどこかで隠れて覗き見しながら、ネフライトに向かって『バカが…!』と舌打ちしていたはずです。

       その場に残ったネフライトは、そっと後ろ向きにマーキュリーを見つめると、「……『オレ、カッコよかった?』「……『別に…?』「……『フッ、さらば愛しき人よ…。マント、あったかいよ…』「……『?……ナンの話?』。めちゃめちゃ男を下げた(?)クンツァイトに、ナンか知らんけどめちゃめちゃ男を上げた(?)ネフライト…。ネフライトも、マントばさぁっ!と去って行きました…。「……『今度は、タキシード・ネフライト…?』

       それでは、今度はこれを、ネフライト目線で見てみましょう(↓)

1.       ネフライトが、ダーク・キングダムでクンツァイトの『ダーク・チェス』を覗き見してたのは、ベリル様がジェダイトくんに『幻の銀水晶の横取り指令』を出したあとです。その流れから考えれば、ネフライトもジェダイトくんと同様に、最初は自分も『横取り』するつもりで身を潜めていたはずなんです。しかし土壇場で、クンツァイトのやり方が、マーキュリーを殺してそれを得ようとするコトだと分かったために、ネフライトは、『ダーキュリー』にマントの借りを返したかったため、思わず「お前の…邪魔をしたかった…!」と出て来てしまったんですね。ここでネフライトは、「邪魔」と言う言葉を使ってますから、それによって、彼がクンツァイトの意図(←マーキュリーを斬る事で「幻の銀水晶」を手に入れようとしていた事)を見抜いていた事がハッキリと分かる訳です。つまり、「邪魔」と言う事は、『お前がそうやって手柄を立てる邪魔をしたかった』と言う意味であって、単に、『お前がマーキュリーを殺す邪魔をしたかった』と言うのではない訳です。それでは、わざわざ「邪魔」と言う言葉を使う意味がありません。

2.       それともう一つ、ネフライトとクンツァイトの間には、『バカだけど、いい意味でも悪い意味でも、最も人間味のあるネフライト』と、『頭は切れるが、目的のためには手段を選ばず、冷酷無慈悲なクンツァイト』と言う対比があるんですね。だからクンツァイトには、ネフライトが『ダーキュリー』に抱いていたような甘い感情などこれっぽっちもなく、最後にマーキュリーを殺そうとしたのも、単に、「幻の銀水晶」を出現させて奪うと言う目的のための手段に過ぎないんですな(←恐ろしか男よのぉ…)。

        ★  ★  ★  ★  

       今度こそ危機は去り、ようやくここで、セーラームーンが「亜美ちゃんっ♪」と声をかけます。「!…」…しかしマーキュリーは、返事を躊躇してます(←クンツァイトとネフライトの一悶着を目の当たりにして、『ダーキュリー時代』にナニが起きていたのかを、つい想像してしまったのでしょうか?)。そんなマーキュリーに、セーラームーンが駆け寄り、マーズとジュピターもそれに続きます。

       マーキュリーは、みんなに背を向けたまま、少し考え込むように黙ってましたが、意を決したように、みんなの方へ振り向きます…「…………」

       「…………お帰り♪」

1.       まず、ジュピターが「お帰り」と声をかけます。

2.       この一言は、唯一家族のいないまこちゃんにとって、『仲間』『家族同然』だと思ってる、というニュアンスを含んでいるんでしょうな…。つまり、『まこちゃんの仲間意識の強さ』と言うのは、はやり、『自分は天涯孤独』で、「いつも…最後は…一人だ…」言う心の穴を埋めてくれる存在が、すなわち『仲間』だからなんですね。『仲間』であるコトに理由が必要なように、『家族』であるコトにもやはり理由が必要です。それは『血縁』という、消そうとしても消えない理由だったり、あるいは『法律上の――という、消そうと思えば消えてしまう理由だったり、つまりその理由がある限り『家族』『家族』であるように、『仲間』『仲間』なんですね。まこちゃんには、『血縁』という、消そうとしても消えない絶対的な存在としての『家族』がいないだけに、『恋愛』『友情』のような不確かで保証のない関係性よりも、確かな理由に裏打ちされた『仲間』の中でこそ、自分の存在意義を見出せる、という意識が働くんでしょうな。

       「待ってたわ♪」

1.       次に、マーズが「待ってたわ」と声をかけます。

2.       この一言がいかにもレイちゃんらしいのは、さっきうさぎちゃんが『ダーク・キングダムの森』で亜美ちゃんの心に語りかけていた、「亜美ちゃんを待ってた気持ちは、ホントだから」と言うのを、まるでその場にいて聞いていたかのように、今、この二人が一番求めてる一言が何であるかを、『お見通し』なのだ…と言うところですね。

       「亜美ちゃん♪」

1.       セーラームーンは、もうすでに言うべきコトは何もないので、『ほら、私の言った通りでしょ? これがみんなの気持ちだよ!』と、亜美ちゃんに返事を促してるんですね。

       すると、ぬいぐるみルナがマーキュリーの肩に登って来て、「亜美ちゃん、良かったね♪うふふっ」(←にこにこバージョン)。

       そして、マーキュリーは、ルナに微笑みかけたあと、ようやく、「みんな…」と言って、一人ひとりの顔を見ます。それから、「ありがとう!…ただいまっ!」と言って、みんなに抱きつきます。

1.       まず最初に、マーキュリーは、「ありがとう」と答えます。

2.       これは、Act.2で、初めてマーキュリーに変身して、セーラームーンと一緒に妖魔を倒したあとの、二人の会話そのままなんですね⇒「あっ、それ私も同じっ!…戦士だからとかじゃなくて、亜美ちゃんだから仲良くなりたいって思ったんだよね!」「……ありがとう…」。つまりこれは、セーラームーンとマーズの言葉に答えたんですね。

3.       そして、「ただいまっ!」と言うのは、『仲間』として一致団結したセーラーチームが戻ったコトを確認して、ジュピターの言葉に答えたんですね。

       ここで、「♪じゃ〜ん…ひとみは〜いつ〜も〜ジュ〜エル〜(ジュ〜エル〜)…♪」と「キラリ☆セーラードリーム!」が流れて、めでたしめでたし…。ここでメイン・キャストの表示が出ますが、ナニげにオープニングでは省かれてたんですな…(←芸が細かいですな)(←でも、ワシはいつも、最初は映像しか見ちゃいませんから、全く気付きませんでしたがね…)。

        ★  ★  ★  ★  

       ※ ところで、今回の、この印象的なラスト・シーンですが…⇒【四人が輪になって抱き合い、マーキュリーの肩の上にルナがいて…そしてそれを、一人離れた所から見守るヴィーナス、そしてその肩の上にはアルテミィ〜スがいる…】。これ…、感動のラスト・シーンに心を奪われて、最初は大して気にもしてなくて、ワシは、「ヴィーナスだけ仲間ハズレだぁ〜っ!」ぐらいのツッコミしか入れられなかったのですが、しかしあとあとのコトを思うと、ナニげにこの絵ヅラは、しっかりとを意味してたんですなぁ…。

       つまり、前半戦の物語が亜美ちゃんを軸にして語られて来たように、後半戦の物語は、美奈子を軸にして語られていく…という具合に…(←この二人の肩の上に、それぞれルナとアルテミィ〜スが乗ってると言うのがその何よりの証拠ですし、最後にこの映像がイラスト化された時には、ヴィーナスが一番手前にいるのに対して、マーキュリーの姿は他の三人の陰に隠れてしまい、全く見えてません)。

     前にも書きましたが、実写版は、アニメ版のような『一話完結形式』ではなく、一応、そのように見えるような体裁も取ってはおりますが、とにかく頭がこんがらがるくらい複雑怪奇に話があっちこっちにつながってて、それが、いつどこで解決されるのか、全く分からない形で話が進んで行きます。そんな訳だから、ネタバラシを避けると言う意味でも、敢えて毎回のエピソードごとに――の巻』みたいなタイトルは施さず、「Act.―」という風に数字だけにしてあるんですね(←どうやら、平成ライダー・シリーズがこのパターンらしいのだが…)。実は、この「Act.―」という表記自体は原作で使われてたものなのですが、原作では、そのそれぞれに、「Act 1 うさぎ――SAILORMOON」「Act 2 亜美――SAILORMERCURY」という具合に、その回を象徴する一言が、必ずエピソード・タイトルとして付けられてました。

     前回も紹介した「美少女戦士セーラームーン(東映公式)」「Act.27バックナンバー」の中で、「脚本・小林さんのいう、「第2部」だか「第2章」だかがスタート」とありましたが、これをAct.27とした記述自体はこの筆者の間違いにしても、もちろん、前半の『第1部だか第1章だか』で描かれていたエピソードは、まだ全て解決された訳ではありませんから、そう言う意味で実写版は、たとえるなら、サッカーで言うところの『前半・後半』みたいな感じですかね?(←ハーフ・タイムのアトラクションは、もちろん「キラリ☆スーパーライブ」だっ♪♪)。

       ワシは再三に渡って、亜美ちゃんと美奈子の間には、『現世の友情』vs『前世の主従関係』という対立軸が存在すると書いてきましたが、この両者が、その対立軸をもとに、それぞれ前半戦と後半戦の主役を担っていると言う事実は、それこそあらゆる根拠によって説明する事ができます(↓)

1.         まず、Act.1から登場しているセーラー戦士が、うさぎちゃん以外ではこの二人だけであること。

1.       セーラーVは原作・アニメにおいても第1話から登場してますが(←実際に本人が登場してるのは実写版だけ)、実写版においては、亜美ちゃんも第1話から登場してます。これに関しては、亜美ちゃんがうさぎちゃんと同じクラスに設定変更された事の必然からだとも言えますが、そうではありません。そもそも、同じクラスに設定変更された事自体が、亜美ちゃんを軸にして前半戦を語っていくためだったからです。

2.       だからこそ、このAct.1の最初の教室のシーンで、『先生に叱られてるうさぎちゃんなど気にも留めず、一人で黙々と勉強してる亜美ちゃんと、『そんなうさぎちゃんを、微笑ましく眺めてるなるちゃんという構図で、彼女達の三角関係が、すでにここでほのめかされていた訳です。Act.5のパジャマ・パーティーが、パーティーと称しながらこの三人だけだったのも、その伏線の一つです。

       ワシは、Act.13の時、【実写版の特徴として、他のドラマではちょっと考えられない、「ファンタジーとリアリティという両極端な世界観の融合」、という創意工夫が図られてる点が上げられる】と書きました。

     つまり、前半戦は、亜美ちゃんを軸にした、『友情』をテーマにしたリアルな青春ドラマ」を通して、『現世の物語』を中心に掘り下げて描いてきた訳です。

     それに対して後半戦は、美奈子を軸にした、『主従関係』をテーマにした有り得ないファンタジー・ドラマ」を通して、『前世の物語』を中心に掘り下げて描かれていく訳です。

       だからこそ、この両者は、それぞれが主役となるエピソードにおいて、それぞれがほとんど不在となるんですね。しかも前半戦の美奈子に至っては、Act.2、5、14、16、27と、オープニングでキャスト表示すらされない回が5回もあります(←※実はAct.24もそうなのですが、これは内容的に例外なのでここでは数えませんでした)。しかしこれは、以下の理由で、最初からハッキリと意図されてた事なんです(↓)

2.         実写版において、亜美ちゃんが『うさぎちゃんと同じクラス』に設定変更されたのと同じように、美奈子が『トップアイドルの芸能人』として設定変更されていること(←残るレイちゃんとまこちゃんには、プロフィール面での設定変更は一切施されていない)。

1.       これは、実写版において、愛野美奈子と言うキャラクターから、現実感をいうモノを一切排除し、あかたも『現実社会に存在していないかのような人物』として描いていこうと言う意図があります。その意味で、一般人とは隔絶された世界を生きるトップアイドルほど、それが違和感のない中学生など他にいない訳です。ですから、『美奈子がアイドル』というのは、色々な意味でも、正に打って付けな設定だったんですね(※原作やアニメでも、『アイドルになる事が夢』な人でしたしね)。

2.       したがって、美奈子ただ一人だけが、『その家族について一切触れられていない』のも、これと全く同じ理由からなんです。

3.       このように、美奈子と言う存在は、あらゆる点で『現世』から遠く距離を置くように配慮されてる訳ですから、そんな人物が、「『友情』をテーマにしたリアルな青春ドラマ」の画面上にいるコト自体が、絵的に邪魔な訳です。だから、それ絡みのエピソードでは、その存在自体が完全に物語から消されてるんですな(←だから後半戦においても、Act.33、34という、「をテーマにしたリアルな青春ドラマ」の画面上から、美奈子は完全に消されてしまうんです)。

       さらに、この両者を特徴付ける実写版のオリジナル設定として挙げられるのは(↓)

3.         亜美ちゃんと美奈子には、それぞれ、うさぎちゃんを巡って争うがあてがわれていること。

1.       言うまでもなく、亜美ちゃん(=成績超優秀で有名な医者の娘)にとっては前半戦の「大阪さん」(=成績優秀で有名なジュエリー・デザイナーの娘)であり、美奈子にとっては後半戦の「黒木ミオ」です。このライバルの設定も、どちらも実写版オリジナルで、原作・アニメにはないものです。

4.         実写版において、「水野亜美」という存在が、うさぎちゃんにとって「地場衛」と同列に『特別な存在』として描かれ、「愛野美奈子」もまた、『熱烈なファン』という形で『特別な存在』として描かれてること。

1.       前半戦における亜美ちゃんと地場衛は、それぞれ、『友達』『恋人』という風に、『現世の物語』を象徴する存在として描かれてきました。これは、この二人が『家族』と同列に、うさぎちゃんを『現世につなぎとめる理由』として、その重要な役割を担っていたからです。だからこそ、その比較として、「仲間」という概念をハッキリ「友達」とは区別して描いてきた訳です(←レイちゃんは、ちょうどその中間に位置して、陰日なたと、両者の『橋渡し役』を担ってた訳です)。

       Act.23でマーズが「戦士の力」に目覚めた時、「レイちゃん、やったね! これでまこちゃんもそろえば、きっと亜美ちゃん戻ってくるよ!」と言ってたのを思い出してください。この頃は、この三人が「戦士の力」に目覚める事が、亜美ちゃんを取り戻すための必要条件として話が進められてたんです。それなのに、とうとう『ジュピター覚醒』は、ここですら先送りされてしまいました。つまり、結局、最初から最後まで、『ダーキュリー』を元の亜美ちゃんに戻す事に関しては、うさぎちゃん以外、誰も直接的な貢献はして来なかった訳です。要するに『ダーキュリー事件』とは、結局うさぎちゃんと亜美ちゃんの物語だった訳です。だからこそ、前回ルナは、「…うっ、…セーラームーン…がんばって…もう少しよ…マーキュリーは、あなたの力で…!」と言っていたんですね。

2.       そうすると、一方の美奈子はうさぎちゃんとは、芸能人と一般人という関係で隔てられ、しかも『熱烈なファン』という設定ですから、当然、誰よりも「友達」にはなりにくい訳です(←だからこそ、ここでも、「カラオケ嫌い(=芸能人に興味ない)レイちゃんが、その間に入って両者の『橋渡し役』を担っていく訳です)。しかも美奈子は、戦士としては「リーダー」という立場を取ってるため、対等な「仲間」にもなりにくい訳なんですね(←レイちゃんが「サブ」だと言うのも、やはり、その『橋渡し役』を担うと言う意味がある訳です)。

3.       つまり、「プリンセス」以外の四人のセーラー戦士と言うのは、亜美ちゃんと美奈子の間に『現世』vs『前世』の対立軸を設定し、そしてその両者の間に、レイちゃんを『現世』寄りに、そしてまこちゃんを『前世』寄りのポジションにそれぞれ置いてるんですね。

       『現世』  vs  『前世』

亜美ちゃん

レイちゃん

まこちゃん

美奈子

4.       前にも書いたように、これがそのまま、『現世意識』の強い順として、「戦士の力」に目覚める順番にもなってる訳です(←もちろん、亜美ちゃんはダーキュリーとしてそれを促す役割を担わされてましたから、彼女自身が「戦士の力」に目覚めるのはダーク化が解けた直後、つまり次回となる訳ですが)。そして、同時にこの順番は、『友達意識』の強い順でもあり、また、『家族意識』の強い順でもあり、つまりそれらのキーワードは、全てがイコールで密接に結ばれているんですね。

       さて、このラスト・ショットがだからと言って、もちろん、亜美ちゃんの物語が前半戦だけで全て完結してしまった訳ではありません。それは言うまでもなく、他のみんなと同様に、最終回まできっちり続いていきますから、当然、最後まで亜美ちゃんからも目は離せませんね♪

        ★  ★  ★  ★  

       セーラームーン:うさぎちゃん(沢井美優さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(沢井美優さん編)▼】

       マーキュリー:亜美ちゃん(浜千咲(現・泉里香)さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(浜千咲(現・泉里香)さん編)▼】

       マーズ:レイちゃん(北川景子さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(北川景子さん編)▼】

       ジュピター:まこちゃん(安座間美優さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(安座間美優さん編)▼】

       ヴィーナス:美奈子(小松彩夏さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(小松彩夏さん編)▼】

       ぬいぐるみルナ(声・潘 恵子さん):人型ルナ(小池里奈さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(小池里奈さん編)▼】

       アルテミィ〜ス(声・山口勝平さん):「」。『』。

       その他:「」『』

[2009年4月24日(金)初稿 トモロー]


Act.29:黒木ミオ登場編

 

Act.27:謎のセーラー戦士登場編▲】 【トップページ▲】 【筆者紹介へ▼】


     今回レビューしたAct.28は、「美少女戦士セーラームーン DVD 第7巻」(バンダイビジュアル)に収録されております(↓)

 

DVD第7巻 作品本編(4話収録)

 

Act.25 Act.26 Act.27 Act.28 

毎回映像特典(10分)

 

「セーラームーン」におしおきよ 沢井美優小松彩夏@

Act.28 ゲストキャスト

 

D.J.

露木亮介

 

 

セーラー戦士アクション:



妖魔アクション:

工藤裕子

吉浜愛梨

隅田佐知子

関根あすか

藤榮史哉

津村雅之
佐野弥生
伊藤由紀子
小島美穂

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ジャパンアクションエンタープライズ公式サイト▼
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