―実写版セーラームーンを検証する―


Act.42:うさぎちゃんの猛特訓編――

 

       本稿は、2004年7月31日(土)にTBS系列各局で朝7:30〜8:00に放送された、「美少女戦士セーラームーン」(実写版)第42話の感想記(DVD鑑賞レビュー)です。

        ★  ★  ★  ★  

       セーラー解説は人型ルナ…。

       「街のあっちこっちで、人が突然魂が抜けたようになる事件が起こったの」

       …公園で人々が倒れ、元基が救急車に運ぶのを手伝ってるところに、まこちゃんが行き合わせる…

       「十番児童館」にも、救急車が来て、倒れた女性職員さんを運んでる…。それを受けて、うさぎちゃんとなるちゃんが「ショウタくん」を捜すために児童館を駆け出して行く…(←ナニげにこのシーンは、前回の劇中ではカットされてましたな)(←なるちゃんはあの時、「救急車は呼んだんだけど、子供たちの手がつけらんなくて!」と言い、うさぎちゃんはまこちゃんに「私もあとで行くからっ!」と言ってましたから、救急車が来てくれたお陰で二人の手が空き、「ショウタくん」の捜索に出られるようになった、と言う流れのようですな

       「妖魔もたくさん出るし」

       …遊園地のうさぎちゃんとなるちゃんの所に『泥妖魔』どもが出て来る…

       「しかも、強くなってて…」

       『メタリア妖魔』の攻撃に、防戦一方のセーラームーン…

       「うさぎちゃんとまこちゃんも、元基くんとなるちゃんに秘密がバレちゃったし…、あたしも気を付けなきゃ」(←って、この人の『正体バレ』イベントって、ナンか意味あんのかなぁ…?)…

       …ジュピターが橋の上で『泥妖魔』と戦ってる所に元基が駆けつける…

       …セーラームーンが『メタリア妖魔』と戦ってる所をなるちゃんが見ている…

       ※ ところで、実写版において、一般人である元基やなるちゃんに正体がバレてしまうと言うコトには、一体どんな意味があるのでしょうか?

1.       たとえば、アニメ版では、セーラームーンもセーラーV同様『世間で認知されてるヒーロー』と言う設定で、劇中でセーラームーン・グッズなんかも売られてて、実の弟がナンにも知らずにそのファンだったりしてました。ただし、結局最後の最後まで、セーラー戦士の正体が元基おにいさんや大阪なるのような『一般人にバレる』と言うエピソードは出て来ませんでした(←ちなみに、第27話「亜美ちゃんへの恋!? 未来予知の少年」「浦和 良」は、「最強妖魔七人衆」の一人なので一般人ではありません)(←しかしどーでもいいけど、「未来予知」ができるからって、ナンで亜美がセーラーマーキュリーだってコトが分かるんだ? 「未来予知」『正体バレ』はナンの関係もないのでは? 未来において、「浦和 良」の目の前で亜美がマーキュリーに変身したと言うのなら話は別だが、そんなシーンはなかったぞ)(←それに、工事現場の鉄骨が落ちて来たタイミングだって、彼が亜美を呼び止めなくてもとっくに通り過ぎてたくらい遅かったし、うさぎだって、彼が呼び止めさえしなけりゃバケツの水を被らずに済んでたんじゃねーのか?)。

 

2.       一方、原作では、セーラームーンが『世間で認知されてるヒーロー』だと言う点はアニメ版と同じですが、こちらは、元基おにいさんに正体がバレてます(↓)

1.       原作における「Act 11 再開―ENDYMION」(←新装版では「Act12 敵 QUEEN METARIA」で、『クイン・ベリルに洗脳された地場衛』が、元基おにいさんとまことを洗脳してクラウンの地下にある秘密の「司令室」に忍び込んだ際、そこが戦場となってビルの一部が吹っ飛んだんですな。その時元基おにいさんは、

―旧版―

―新装版―

「わ〜〜っ オヤジにオコられるっ ビルにアナがっ アナがっ」「な なんだ あの光はっ オレ 夢でも見てんのかな うちのビルに穴が… まことちゃんと あみちゃんが……ブツ ブツ」

「な なんだ あの光はっ 夢でも見てんのかな うちのビルに穴が… まことちゃんと 亜美ちゃんが……」

      以上、「美少女戦士セーラームーン (3) (講談社コミックスなかよし)より

      以上、「美少女戦士セーラームーン 3 新装版 (KCデラックス)より

 

2.       おそらく、その事件のせいで、セーラー戦士達は元基おにいさんに事情を説明せざるを得なくなったのだと思われますが、「Act 15 ブラック・ムーン・ベルチェ―SAILOR MERCURY(←新装版では「Act16 誘拐 SAILORMERCURYで、元基おにいさんは、

旧版&新装版

「しかし☆ オレは一回死のうと思ったぐらい びっくりしたよ!」「まさかウチのゲーセンの地下に こんな司令室があるなんてっ」「しかもっ キミらがっ セーラームーンや セーラーVやっ マーキュリーやジュピターだったなんてっ ひどいよ だまってるなんてっ」「しんぞーに わるいよ んとにっ☆」「じゃ オレ 仕事あるから 上いくね」「なんかあったら いってくれな 力になるから!」――マーズ奪回のためにファイト! だよ ね?」

      「美少女戦士セーラームーン (4) (講談社コミックスなかよし)、及び「美少女戦士セーラームーン 3 新装版 (KCデラックス)より

 

3.       このように、原作では、セーラーVとセーラームーンだけでなく、すでにセーラー戦士全員が世間で認知された存在だったようで、元基おにいさん目線では、そのセーラー戦士が、自分のオヤジのビルに司令室を作ってたと言う驚きと、しかもその彼女達の正体が、自分のよく知ってる身近な人達だったと言う驚きがあるだけ…なんですな。「あるだけ…」と言うのもナンですが、つまり、彼はうさぎ達に対して『顔なじみの常連さんとそのお友達』と言う感覚しか持ってないので、正体を知る前と知った後で、それほど身の処し方が大きく変わるコトはないと言う意味です。だから、「マーズ」(=火野レイ)が敵に連れ去られたコトに対しても、さほど悲壮感はなく、極めて楽観的なんですな。

       さて、それでは、実写版の元基の場合はどうなのでしょうか?

     彼はまこちゃんにホレてますから、原作の元基おにいさんとは全く立場が違います。しかも実写版の元基は、まこちゃん一人が「正義の味方みたい」と知っただけで、それが「セーラージュピター」だとも知らず(←名乗ってないからね)、まして他のセーラー戦士についてはその存在すら何も知りません(←世間で認知されてないからね)。なので、うさぎちゃんや亜美ちゃんやレイちゃんも、まこちゃんと同じように変身して戦ってるコトは知らないんです(←だって言ってないからね)。だから、原作の元基おにいさんとは違って、カラオケ・クラウンが「正義の味方」「司令室」に使われてるコトも知らない訳です。

     まこちゃんにホレてる元基にとって、『まこちゃんが正義の味方だった』と言う事実は、要するに、『まこちゃんは普通の人ではないから、普通の人とは恋愛も結婚もできない』と、すなわちそう言う意味になるんですね。決して自分が嫌われてる訳でもなければ、まこちゃんに他に好きな人がいる訳でもない、ただ、まこちゃんは普通の人じゃないから、普通に恋するコトもできないんだと、そう納得するコトができた訳です。そして、そこで元基は、『オレはそれでも、そんなまこちゃんを好きでいられるか?』と言う新たな課題を突きつけられ、前回は、その答えが出せずに、ただまこちゃんの告白に対して、「そうだね」とうなずくしかなかったんです(←そりゃそうだろ? いくらホレてるからって、現実問題として、いきなり、『あたし、実は宇宙人だったの。アンタ宇宙人と結婚できる?』って言われて、その場ですぐ『はい』って即答できるか?っつー話ですよね?)。

     Act.31の時、まこちゃんは元基をフッた際、「ごめんっ、…あたしぃ…全然そんなんじゃないから…女の子らしくなんかないし…ケンカ、けっこう強くて、学校でもぉ、怖がってる子いるって言うかさ…」「ぜったいダメだと思うっ、…ガッカリするよっ、…やめた方がいいってっ、…あり得ないし、あたしなんか…」と言ってましたが、元基は、その言葉の本当の意味を、まさに、前回の「あたし…、今みたいな敵と戦わなくちゃいけなくて…」と言うその姿の中に見てしまった訳です。アレを見せられてしまっては、さすがの元基も、Act.31の時のような、「あとさぁ…、やっぱりまこちゃんは、女の子らしいと思うよ…」なんてセリフも、どこかへすっ飛んでしまう訳ですな。なので元基は、悪い夢でも見たと思って、一度何もかもきれいさっぱり忘れて、しばらく頭を冷やす時間が必要なんですね。なので今回、このあとに出てくる元基は、まさにそんな感じで、まるで前回の一件など何もなかったかのように、極めていつも通りにバイトをしております。

3.       一方、原作の「大阪なる」に関しては、『正体バレ』にまでは至っておりませんが、こんなシーンがありました(↓)

1.       原作における「Act 17 ブラック・ムーン・カラベラスSAILOR VENUS(←新装版では「Act18 侵略 SAILOR VENUSで、海野が借りてきた「チャネリングのビデオ」を視聴覚室で見ようと、なるがうさぎを誘います。ところが、実はそれはブラック・ムーンの洗脳ビデオで、うさぎはそれを見て視聴覚室を飛び出してしまいます。その後ろ姿を見て、なるは、

旧版&新装版

「……うさぎ 「ブラック・ムーン」ときいたとたん 顔色をかえた」「……ホントは あたし ずいぶんまえから気づいてる ――うさぎには あたしとはちがう「なにか」があること」「あたしなんかの入りこめない世界が うさぎにあるってこと……」「でも あたしだって力になりたい うさぎ……」

      「美少女戦士セーラームーン (5) (講談社コミックスなかよし)、及び「美少女戦士セーラームーン 4 新装版 (KCデラックス)より

 

2.       こちらは、元基おにいさんとは違って、正体は知らないけれど、でも薄々「なにか」を勘付いているんですね。しかも元基おにいさんのように楽観的ではなく、親友なだけに、何か悲壮感すら感じさせます。原作の世界では、セーラー戦士の存在が世間で認知されてるだけに、『ひょっとしたら…』ぐらい思っていたとしても、不思議ではないニュアンスのセリフです。

3.       しかしながら、原作の劇中では、「大阪なる」がこのような考えを持つに至った経緯を直接説明するようなシーンは、実はどこにも出て来ておりません(←アニメ版にはありますが、逆にアニメ版では上記のようなセリフが出てきません)。しかも、このあと原作で「大阪なる」が出てくるのは、次の『デス・バスターズ編』の第1話にあたる「Act24 無限1―予感(←新装版では「Act27 無限1―予感)だけで、学校帰りにうさぎとクラウンのゲーセンに行き、その帰りに、「無限学園」の女生徒の体から「ダイモーン」が分離すると言う事件に遭遇しますが、地場衛が「なるちゃんと 海野はオレが!!」っつって逃がしてる隙に、白昼堂々人々がいる前で、5人のセーラー戦士が一斉に変身しておりました(←「美少女戦士セーラームーン (7) (講談社コミックスなかよし)、及び、「美少女戦士セーラームーン 6 新装版 (KCデラックス)より)。しかし、そのシーンを最後に、それ以降「大阪なる」は、「海野」共々完全に劇中から姿を消し、『デッド・ムーン編』で進学した「十番高校」にも全く出て来ないので、もう学校自体が別々になってしまったようです。

 

       これらの「大阪なる」の描かれ方は、おそらく原作者さんの中に、当初、「大阪なる」が何らかの形でストーリーの根幹に絡む構想があったのでは?と言う、そんな含みを持たせていたフシが見受けられるのですが、途中から完全に自然消滅してしまったようですね。そしてそれを、ナニげに実写版が、独自の解釈で実現する形になったのではないでしょうか。

4.       参考までに、アニメ版における「大阪なる」は、第4シーズンの『デッド・ムーン編』の4話目にあたる第131話「ペガサスを捕えろ! アマゾンの罠」において、敵から「夢の鏡」を狙われたのを最後に、やはり「海野」共々完全に劇中本編からは姿を消し、以降「大阪なる」の役どころは、元基の妹「宇奈月」に成り代わってしまいます。さらにアニメ版でも、「大阪なる」「海野」は、第5シーズンの『セーラースターズ編』で進学した「十番高校」にも全く出て来ないので、もう学校自体が別々になってしまったようです。

4.       そして、本稿のAct.28でも説明しましたが、実写版において、こう言った『現世におけるリアルな友情物語』が語られる時、必ず美奈子が画面上から完全に消されてしまうんですね。つまり、このAct.41〜42は、実はそう言うお話だったんですが、あまりにもカットされたシーンにその『友情物語』部分が多すぎたために、そのニュアンスが少し弱くなってしまい、特に、亜美ちゃんとなるちゃんの関係などは、ほとんど「未使用シーン」に回されてしまいましたからね。

       人型ルナのセーラー解説の続き…「でも…もっと大変なコトが起きてるの」

      …プリンセス・セーラームーンが『メタリア妖魔』の攻撃を剣で受け流し、その流れ弾でなるちゃんが負傷して倒れる(←ナニげに、この回想シーンでは、この瞬間の『なるちゃんの悲鳴』がオフになってます。おそらく、『プリンセス・セーラームーンには聞こえてない』コトを意味してるんでしょうな)…

      …ジュピターが「うさぎ!…やめろ、うさぎっ!」と叫ぶ…

      …しかし、プリンセス・セーラームーンは構わず『五芒星ビーム』をぶっ放す…ちゅどーんっ!

      …するとここで、前回にはなかったシーンが挿入されます…『うさプリ・ミーティング・ルーム』で、うさぎちゃんが「やめてっ!」と叫んでます(←やはり、プリンセスの意識の中で、うさぎちゃんには『なるちゃんの悲鳴』が聞こえていて、それで目を覚ましてたんですね)…

      …すると、プリンセス・セーラームーンが急に何かを感じたように剣を下ろします(←その表情は冷たいプリンセスのままです)…

      …その後、変身が解けてうさぎちゃんが振り返ります…

      …うさぎちゃんは、倒れたなるちゃんの肩に手を掛けながら、辺りの惨状に呆然とし、「これが…これが…、星を滅ぼす…ちからなんだ…」

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       ダーク・キングダムの『エンディミオンの部屋』…。

       うさぎちゃんが「幻の銀水晶」の力を抑えられず、プリンセス・セーラームーンに変身してしまったコトを受けて、ダーク・キングダムでも地場衛が心配してます…「…うさぎ…!」

       すると、世話役兼監視役(?)の黒木ミオが、「またうさぎちゃんが力を使っちゃったみたいだねっ…。本当に地球が滅んじゃうかもよぉ…?」(←暖炉の台に頬杖をつく)。地場衛は振り返り、「オレはあいつを信じる…」「あんまりうさぎちゃん庇ってると、まもるくんも危なくなるかもなぁ…」。黒木ミオはそう言うと、ナニやら意味ありげに壁に目をやります…。地場衛が黒木ミオの視線の先を見ると、暖炉の上の壁に、風景画が飾ってあります…「!…(心の声→)あの絵…いつの間に…」(←見たところ何の変哲もない風景画のようですが…なんスかね? これ?)。

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       こちらはベリル様…。

       「ジェダイト…!」…ベリル様が、ナンか、黒い三角形の石を取り出します…「これをエンディミオンの体に…」。そう言って、それをジェダイトくんに手渡すと、ジェダイトくんは、両手をお皿のようにして差し出し、それを受け取ります。「エンディミオンの心が、どうしてもプリンセスを離れぬ時には…」。ジェダイトくんは、ベリル様の顔を見上げます…「……」。ベリル様は遠くを見つめるように、「…エンディミオン…お前を!…永遠に…!」(←って、「永遠に」どうするんですか?)(←この人、いつも言葉を濁して終わっちゃうんだよなぁ…)。

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       こちらは、「小山ゆうえんち」…。

       うさぎちゃん、ジュピター、なるちゃんの三人が、火の海と化した遊園地の中で、呆然としております…。

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       「♪じゃ〜ん…ひとみは〜いつ〜も〜ジュ〜エル〜(ジュ〜エル〜)…♪」(←ここでオープニングです)

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       オープニング開けは、クラウンのルナカラ…。

       全員揃ってて、みんな私服姿です(←これはおそらくボランティアの翌日でしょうね?)。うさぎちゃんは落ち込んだ様子で座ってて、その隣にレイちゃんが座ってて、レイちゃんのイスの背もたれに亜美ちゃんが手を掛けて立ってて、その隣に、まこちゃんが自分のイスの背もたれに手を掛けて立っております。で、人型ルナが、その後ろを行ったり来たりしながら、「大変なコトになってきたわね。人が抜け殻のようになってしまうのは、メタリアの力が強くなって、心にまで影響してしまうせいだと思うわ」。レイちゃんは人型ルナの方に振り向き、「心にまでって?」「邪悪な力で、空っぽになってしまうって言うか…」

       「あの妖魔も、メタリアの影響かな…。強さが、ハンパじゃなかったよ」「…メタリアの影響ってコトは、幻の銀水晶の影響だよね…。私が、ちゃんと止められなかったから…」「うさぎのせいじゃないって!」…まこちゃんはうさぎちゃんの後ろに回り、「前世に逆らうなんて、無理なんだから」「まこと!」「?」「逆らわなきゃ、星が滅びるのよ…」

       レイちゃんは、前回あたりから、徐々に『前世組』のまこちゃんに対して突っかかり始めましたねぇ…。まこちゃんの言葉の端々に、「前世にこだわりすぎてる」美奈子の姿が見え隠れしてしまうんでしょうな…。

       「…………」(←ここでうさぎちゃんは、「小山ゆうえんち」での一件を回想します…プリンセス・セーラームーンの受け流した流れ弾で、なるちゃんが「うわぁっ!」と爆風で吹っ飛ばされるシーンです…)。

       うさぎちゃん自身はこの場面を見てるはずありませんから、これは、うさぎちゃんが、プリンセスの意識の中で『なるちゃんの悲鳴』を聞いていたのだと言う確かな『状況証拠』となり、それを受けて、『うさプリ・ミーティング・ルーム』でプリンセスに「やめてっ!」と叫んでいたんですね。

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       病院の病室にて…。

       うさぎちゃんは、なるちゃんのお見舞いに来ました(←うさぎちゃんの服がさっきと一緒なので、クラウンの帰りですな)。「なるちゃん、ごめん、私のせいでこんな事になっちゃって…」「…ホントにひどいよ…」。なるちゃんは、右腕に包帯を巻いて、ベッドに横たわっております…。「ごめんね…」

       「私に黙ってたコト…」「…?」「あんな風に変身して戦ってるなんて、全然言ってくれなかったじゃん」(←やっぱそっちですか…)「え?…『て言うか、言ったら信じたぁ?!』「怪我なんかよりそっちの方がショックだな…『てっきり怪獣アトラクションだと思って、気楽に見てたのに…』(←ふてくされたように顔を背ける)「それは!…秘密なのが…お約束…って言うか…『いつもは、人前でも堂々と変身するんだけどねっ…』「…うふっ、…ナニそれ?」(←思わず笑ってしまう)。「……」「うふふっ…!」。ここで、うさぎちゃんも、やっと少し笑顔になります。

       「でもぉ、もう秘密じゃないんだから、もっとちゃんと話してよ…」「…………『う〜ん…、でも、ナニからどう話せばいいのか…ぶっちゃけ私が一番よく分かってないんだよねぇ…』

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       ダーク・キングダムにて…。

       ジェダイトくんが、お城の階段を下りて来ます…ナニやら、気が重そうな顔をしております…ジェダイトくんは、ベリル様の言葉を思い出します…

      「これをエンディミオンの体に…」

       ジェダイトくんは、ふと立ち止まると、例の『黒い三角の石』を取り出して見つめます…

      「エンディミオンの心が、どうしてもプリンセスを離れぬ時には…」

       しかしこれはどうなんでしょうかねぇ? 今のところは、『どーしよう…』と言った心境なのでしょうか?…でもジェダイトくんは、さっきのベリル様の説明では、一体この『黒い三角の石』にどういう効果があるのか、イマイチ分かってないんじゃないかとも思うんですが…。

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       こちらは『ダーク・キングダムの森』…。

       クンツァイトが、一人で剣の稽古をしております…。するとそこへ、ゾイサイトがやって来ました…。クンツァイト:「なんだ?」。ゾイサイト:「ジェダイトが結局、ベリルについた…」「ヤツは素直(童貞)だからな…ベリルの呪縛(色仕掛け)も面白いようにかかる…」「お前もその呪縛(色仕掛け)を解くつもりはないのか? 私一人でマスター(の貞操)を守るのは…無理だ…『夜な夜な、寝室を覗き見して見張ってはいるが…』「私の呪縛(色仕掛け)だと…?」「マスターと、星を滅ぼした者への復讐という、呪縛(色仕掛け)だ」「呪縛(色仕掛け)ではないっ、私の意志(純愛)だ」「ならば何故、今すぐにマスターの命を奪わない? お前の中に本当のお前(のモーホーごころ)が目覚めているからではないのか?!」。するとクンツァイトは、さっ!とゾイサイトに剣を向けます…「…『お前と一緒にするなっ!』(←本稿のAct.38の時にも書いた通り、四天王目線での『星の破滅』とは、プリンセスの手による『最終的な星の破滅』を意味するのではなく、その直前にベリルが起こした反乱戦争による『地球国の破滅』を意味してます。つまりゾイサイトがここで言ってる「星(=地球国)を滅ぼした者」とは、『前世のベリル』の事を指してるのです)。

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       再び病院にて…。

       なるちゃん:「月のプリンセスかぁ…ナンかすごい話だね?…『って言うか、それはウソでしょ?』「でも、本当なんだよね、私が、ちゃんと頑張らないと、地球が、滅んじゃうから…『ってほら、やっぱ信じてないでしょ?』「そっかあ…うさぎに運命握られてるのかぁ…不安だなぁ…『マジで…』「ええ!?」「テストみたいに追試きかないんだし?」「そうかもしれないけど、でも、私だって追試じゃない時あるし…『って、たとえの規模が小さいな…』、それに今まででもず…」「うそ、うそっ、うさぎはさあ…、自分の事だとダメだけど、人のためだとすっごい一生懸命やるじゃん?…絶対大丈夫だよ…信用してる」「……なるちゃん…」

       なるちゃんは、うさぎちゃんが「あんな風に変身して戦ってる」コトについて知った訳ですが、さらに、あの時、ジュピターもあとから駆けつけて来て、うさぎちゃんはそのジュピターに対して、なるちゃんの前で「まこちゃん…」と話しかけてるんですよね。ですから、なるちゃんは当然、「木野さん」「あんな風に変身して戦ってる」コトについて知ったコトになるはずです(←あくまでも、普通なら…ですが…)。となれば、「もう秘密じゃないんだから、もっとちゃんと話してよ…」と言われれば、当然うさぎちゃんは、『実は亜美ちゃんも仲間で、プリンセスである私を守護する4戦士の一人だったの…』と言う説明までしてるはず…なんですけどねぇ…。そうすれば、Act.16における、「ナニよ…。うさぎもさぁ! 最近亜美ちゃんばっかだよね?」に対して、「いやそれは…!」としか返せなかった理由も、「ちゃんと」説明できる訳ですからねぇ…。

       ところで、ここでなるちゃんは、「うさぎはさあ…、自分の事だとダメだけど、人のためだとすっごい一生懸命やるじゃん?」と言っておりますが、確かにうさぎちゃんのキャラクターはそう言うキャラクターで、「セーラームーン作品」を知ってる人なら誰でも知ってるコトなのですが、しかしながら、コト実写版に関して言うと、実写版のうさぎちゃんがなるちゃんのために「すっごい一生懸命やる」シーンと言うのは(←記憶を消されちゃう事件絡みではなく、日常生活の中で)、今まで一度も出てきてないんですな(←※実は、それは原作にもなくて、あるのは、アニメ版の「三條院正人=ネフライト」と大阪なるの恋愛事件その他だったりしてます…)。で、ここでなるちゃんは、「人のためだと――という言い方をしてて、決して『あたしのためだと――とは言ってないんですね。

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       月野邸にて…。

       うさぎちゃんが、お風呂に浸かって、ナニか考え事をしております…「…うん、気合入れ直して、がんばらないと…。銀水晶のちから使わないように、我慢しないと…」。ちなみにお風呂には入浴剤が入ってて、お湯が白く濁っており、湯船にはオモチャの類がいくつか浮かんでおります…うさぎちゃんは、赤い金魚さんのオモチャを両手で抱えております。

        ★  ★  ★  ★  

       …てな訳で、うさぎちゃんは、湯船に浸かって長風呂しつつ、『我慢する訓練』を始めたみたいです…。お風呂場に置いてある時計が、7時から8時へと回ります…びゅうっ!「…98、…99、3千6百秒…はぁ、一時間…」(←って、一体どーゆー数え方しとるんだ?!)。

       しかし、どうしてこう、セーラー戦士の特訓って…、ことごとく『庶民の日常』の延長なんでしょうかね? 箸で紙吹雪つかんでみたり、嫌いなモンを大量に食べてみたり…(←ナニげに『スポ根禁止令』でも出てるんでしょうか?)。

        ★  ★  ★  ★  

       さらに、時計が8時から9時へと回ります…びゅうっ!「はぁ、…はぁ…」(←もう数える元気もないようです…)。

        ★  ★  ★  ★  

       さらに、時計が9時から10時へと回ります…びゅうっ!「あぁ〜、…はぁ…」(←けっこうヤバそうです…)。

        ★  ★  ★  ★  

       すると、バスルームの外から、『ぬいぐるみルナ』が心配して様子を見に来たらしく、中のうさぎちゃんに声をかけます…「うさぎちゃん…、ずいぶん長いけど…大丈夫?…あんまり悩まないでね?」(←困ったバージョン)。しかし、中から返事はありません…。「うさぎちゃん?…ねぇ?…ちょっと開けるわよぉ?」。ぬいぐるみルナがバスルームのドアを開けると、「う、うさぎちゃんっ! どうしたのぉ!? うさぎちゃーんっ!」(←ビックリまなこバージョン)。見ると、湯船に浸かったまま、茹でダコのように真っ赤になって目を閉じてるうさぎちゃんの姿が…!

       うさぎちゃんは、「…我慢する…、訓練…、う、うあぁ〜…」と言い残して、ずるずると湯船に沈んで行きました…ぼこぼこぼこ…(←泡の音…)。『ぬいぐるみルナ』は、慌ててバスルームを飛び出し、「大変よっ! うさぎちゃんが、お風呂でのびちゃってっ!」(←って、一体誰に向かって言ってんだ?!)。

       すると、その騒ぎを聞きつけたらしき進悟が、ナニげに風呂場の様子を見に来たようで、「?…『誰かいんの?』「うっ!…『進悟くんっ!』(←目が合っちゃって、思わず物影に隠れる)。進悟:「!?…『ぬいぐるみがしゃべった?!』。すると次の瞬間、物陰から、おずおずと人型ルナが顔を出します…(←ナンだ?! 『実は腹話術ごっこだったのよっ♪』って言おうとしてる訳か?!)。

       で、そこで初めて、「…『あ、』と進悟に気付いたかのように装って立ち上がり、「あ、あたしぃ、うさぎちゃんの友達で…、ってナニしてんのよあたしぃっ!」と言って、逃げるように二階へ駆け上がり、その途中で立ち止まって振り向くと、「おしおきよっ!」っつって行っちゃいました…(←っておーいっ、うさぎちゃんはどーすんだよぉ〜!)。

       その場に残された進悟は、唖然として人型ルナを見送り、自分でも『おしおきのしっぺ』を真似して、「見なかったコトにしよう…」とその場を立ち去ります。

        ★  ★  ★  ★  

       うさぎちゃんの部屋にて…。

       うさぎちゃんはベッドに寝かされ、うさママが氷嚢をうさぎちゃんの額に乗せてます…「もぉ〜、この暑いのに、ナンで長風呂なんかするのよぉ〜、あっ♪…もしかしてダイエットぉ?!」「!…違うよぉ…!」「ナンにもしなくたって、アナタの美貌とプロポーションは、このママがっ、保証してるでしょぉっ!」(←軽くカメラ目線でダンシング…)。「うふ…」「おとなしく、…寝てなさい?」。うさママは、うさぎちゃんの頬に手を当ててそう言うと、部屋から出て行きます。「おやすみなさい…♪」「おやすみ…」。ぱたんっ!(←ドアを閉める音…)。

       ちなみに、部屋に貼ってあるカレンダーは『7月 8月』のページになってます。

       すると、ベッドの下から『ぬいぐるみルナ』が出て来ます…「進悟くんに…見られちゃったわ…どうしよう?…」(←困ったバージョン)

       とろこで、この時、『ぬいぐるみルナ』は、なぜベッドの下に隠れてたんでしょうか?

1.       普通に考えれば、あのあと、進悟がうさママを呼びに行き、

2.       風呂場に駆けつけたうさママが、うさぎちゃんをお風呂から出して、脱衣所でパジャマを着せ、

3.       進悟と二人で部屋まで運んだ…

       …ので、本来なら隠れる必要のない『ぬいぐるみルナ』も、さっきしゃべってる所を見られただけに、この時は「進悟くん」と顔を合わせづらくて、思わずベッドの下に隠れた…。

        ★  ★  ★  ★  

       で、その「進悟くん」はと言うと…。

       一人で、薄暗くした居間でテレビ・ゲームをしております…が…ゲームをやりながら、ナニか『ハッ』としたように視線をテレビから上に逸らし、そのあと、『アレってナンだったのかなぁ…』みたいに、今度は視線をテレビから横に逸らしております…。

        ★  ★  ★  ★  

       夜の街にて…。

       例の『メタリア妖魔』が街に現れて徘徊しております…。が、深夜に近い時間帯らしくて、歩いてる人もいないので、特に人を襲おうともしてません。そこで、『メタリア妖魔』は人の気配に気付いたのか、いきなりジャンプして柵を飛び越えます。すると、自転車で巡回中のおまわりさん二人がその前を通り過ぎて行きます。おまわりさん達は『メタリア妖魔』に気付いてはいませんが、急に二人のうちの片方が、自転車に乗ったまま道に倒れ、そのまま気を失ってしまいます。それを見て、もう片方のおまわりさんが慌てて自転車から降り、「どうした! おい…どうした!? おーいっ…」と頬を叩きますが、全く反応がありません。

       ここで素朴な疑問が…。ところで、倒れた方のおまわりさんはどうして倒れて、倒れなかった方のおまわりさんはどうして倒れなかったのでしょうか? ルナの説明によれば、「人が抜け殻のようになってしまうのは、メタリアの力が強くなって、心にまで影響してしまうせい」「邪悪な力で、空っぽになってしまう」と言うコトでしたが、「メタリアの力」で抜け殻になる人とならない人の違いと言うのは、たとえば、風邪をひきやすい人とひきにくい人の違いみたいなモンなんでしょうか? もしくは、心に「邪悪」な感情を持ってる人と持ってない人の違いとか?

 

 ★  ★  ★  ★   CMタイム― ★  ★  ★  ★  

 

       日付変わって、クラウンの受付にて…。

       元基が、水槽のカメに餌をやっております…「カメキチ…これを食べてスタミナつけろよ〜、カメマックス! あ〜、オマエは元気いいなぁ〜っ」。で、そんな元基がふと見ると、ネフリンが、なぜかしゃがみ込みながら床をモップがけしております…「…………」(←その体勢って、却って疲れるような気が…)。元基はそんなネフリンを見て、「…元気ないっ…」。元基はネフリンの横にしゃがみ込み、「…ネフキチくん?…」と声を掛けますが、返事はありません…「ネフリンっ!」(←顔の前で両手を振る)…「…お前どうしたんだよ? おかしいよ? 具合悪いのか?!」

       するとネフリンは、立ち上がってモップ絞りのバケツを持ち、「…自分の無様さに嫌気がさした…それだけだ…」と言って休憩室の方へ行こうとします。するとそこへ、亜美ちゃんが「こんにちは!」と入って来ました(←もう夏休みなので、当分みんな私服姿でしょうな)。ネフリンは、その声を背中で聞いて、思わず「!…」と立ち止まります。元基:「いらっしゃい!」。亜美ちゃんは、笑顔で元基に年間パスを見せます。するとネフリンは、ゆっくりと首だけ亜美ちゃんの方へ向け、亜美ちゃんをチラッと見ます…「……」。すると、そんなネフリンの顔を見て、思わず亜美ちゃんも真顔になっちゃっております…。

       こ…、これは…。

        ★  ★  ★  ★  

       で、亜美ちゃんはルナカラに入って来るのですが、ドアを開けて入って来た時の亜美ちゃんの表情が、ナニげにさっきの受付の時のまんまで、ナニか、「……『ナンでだろう…ナンかあの人…なんとなく気になるのよね…』(←みたいな…)。

       で、亜美ちゃんは次の瞬間、部屋の中の様子の異変に気付き、「…!?…ナニしてるの!?」と思わず階段を駆け下ります。

       見ると、レイちゃんと人型ルナが、水を張った桶に足を浸してバタバタさせながら、レイちゃんは、うんざりしたような表情で右手に『イチゴ・シロップのカキ氷』を持ち、左手にウチワを2枚重ねで持って扇いでおり、人型ルナは「暑い…」と言いながら『レモン・シロップのカキ氷』を食べております。

       うさぎちゃんは、ソファに座ってますが、なぜかドテラを着込んだ上にスキー用の帽子みたいのを被り、「日本一と書かれたハチマキに、分厚い手袋をしてシャドーボクシングみたいなコトをしております。

       まこちゃんは、『メロン・シロップのカキ氷』を左手に持ち、右手にはやはり2枚重ねのウチワを持って扇いでおります…「銀水晶の力使わないように我慢する訓練だって…」。部屋中にストーブが置かれ、ガンガンに稼動しております(←ナンか、Act.14の亜美ちゃん宅での一件みたいですな…)。「ええ?!」「昨日も湯あたりするまでお風呂に浸かったらしいわ」(←カキ氷を頬張りながらモゴモゴとしゃべってます)。「おかげで大変だったんだから!…」(←って、結局この人の『正体バレ』イベントって、実は本人が思ってるほど「大変」でもなかったんじゃないのかなぁ…)。

       亜美ちゃんは、うさぎちゃんの背後に回り、「じゃあ…これも訓練なのかな?」…バッグから本を三冊取り出し…「うさぎちゃんが持って来てって…“難解問題集・数学”と、“最高に難しい化学”」(←うわぁ…ワシのめちゃめちゃ苦手な理数系だぁ…)(←ちなみに、これらは実在する本ではないようです)。「わぁ、ありがとう、貸してっ!」。亜美ちゃんは、レイちゃんと人型ルナの方に行き、「…効果あるのかな?」「どうかしらと思ってるんだけど…」「やらないよりはいいって…」(←え? 「やらないよりはいい」って誰が言ってんの?)(←やっぱアルテミィ〜ス?)(←そう言えば美奈子と一緒で、彼も出てないけど…)。うさぎちゃんはさっそく問題集を読み始めます…「応用に強くなる考え方…。えっと食塩水を混ぜる問題では…○×△□に…濃度の…○×」

       するとここで、まこちゃんが「ああ〜、うさぎも一生懸命だし…」と言って立ち上がり、「うさぎっ」「え?」「レタスの炒めモノ持って来たよっ」…テーブルの上の風呂敷包みを説くと、それは大きなタッパが三つで、「ケチャップ味と、カレー味と、シンプルな塩コショウ!」。それを見てうさぎちゃんは、「うわ〜、大っキライ…」(←やっぱり嫌いなモンも食べるのね…と言いながら問題集をひざの上に落とし、「でも! ありがとう!」と言って立ち上がりますが、ここでうさぎちゃんは、急に立ちくらみがして、目を回して倒れてしまいます…「…はぁ…」どたっ!(ちん)

        ★  ★  ★  ★  

       「いただきますっ…」…うさぎちゃんは、まず「ケチャップ味」から食べ始めます…「あうい…えはふはやっぱなまでしょう…」(←通訳:『マズイ…レタスはやっぱナマでしょう…』(←まこちゃんのジャガイモの時もそうでしたが、どうもセーラー戦士の好き嫌いは、調理法次第のようですねぇ…やっぱ、テレビの前のよいこのみんなに対する教育的配慮なんでしょうねぇ…)。「がんばれっ、うさぎちゃん、がんばってっ、ファイトっ!」「うんっ…がんばる…」。みんなは、うさぎちゃんをウチワで扇ぎながら見守っております。

       しかし、うさぎちゃんはマズそうに食べ、喉に詰まらせております…。「うさぎ…」「うさぎちゃん…がんばって!」「うさぎなら力を抑えられるわよ!」「うん、絶対!」「うさぎちゃん、ファーイト! うさぎちゃん、がんばれ! うさぎちゃん、がんばれ! うさぎちゃん、がんばれ!…」(←あのぉ…コレって、そんなマジに応援するような場面なんでしょうか…?)。

       ちなみに、どーでもいい話ではありますが、今、このクラウンのシーンでうさぎちゃんが着てるピンクの服なんですが、コレ…、冒頭の『前回の再現シーン』の中で今回新たに挿入されていた、うさぎちゃんが『うさプリ・ミーティング・ルーム』「やめてっ!」と叫んでた時に着てた服ですね。

        ★  ★  ★  ★  

       その頃ダーク・キングダムでは…。

       『エンディミオンの部屋』の地場衛が、窓の外を見つめながら、「うさぎっ…オレがメタリアをナンとかするまででいい、力を抑えてくれ…。お前ならできる…」(←遠くダーク・キングダムに幽閉中の地場衛にも、「レタスの炒めモノ」をがんばって食べてる『うさぎちゃんの勇士』が見えてるんでしょうか…?)(←ンなバカな…)。

       ここで地場衛は、ナニげに「オレがメタリアをナンとかする」とか言ってますけど、ナニか考えでもあるんでしょうかね?

       ところで、どーでもいい話ですが、ダーク・キングダムのお城の外観は、どう見ても地下帝国みたいで一切陽が当たってないのに、どうして『エンディミオンの部屋』の窓の外は、いつもガンガンに陽が照ってるんでしょうか?(←謎です…)。

       するとそこへ、ジェダイトくんが、『エンディミオンの部屋』のドアを開けて入って来ます。例の『黒い三角の石』を取り出して、地場衛の背後から忍び寄ろうとしております…。すると突然、ゾイサイトのピアノ(←「革命のエチュード」)が聞こえてきて…

       …ジェダイトくんは、急に頭を痛そうに押さえます。

        ★  ★  ★  ★  

       ゾイサイトが、ピアノ部屋からジェダイトくんに語りかけております…「ジェダイト…思い出せ…。はるか昔…マスターと共にあった日々を…」(←出たっ! ゾイサイトの「思い出せ」攻撃…)

        ★  ★  ★  ★  

       ジェダイトくんは、よろよろと部屋の外へ出て、廊下の突き当りの曇りガラスにがしっ!と手を突きます。すると、ゾイサイトのピアノによって、ジェダイトくんの脳裏に『前世の記憶』が甦ります…。

       その回想シーン⇒【マスターと仲良し四天王の、楽しく愉快な腕相撲大会の巻…】

1.         まず第一回戦は、ジェダイトくんvs在りし日のネフライト…。クンツァイト:「負けるなジェダイトっ、ほら行けっ、こらえろぉ!」。ジェダイトくん:「ウッ!…」。在りし日のネフライト:「ほ〜う(←余裕の表情)う゛ぉりゃぁっしゃあ〜〜っ!!」(←あっさり勝ってガキのように大喜び)。ジェダイトくん:「クソ〜っ!」

2.         お次は、マスターvs在りし日のネフライト…。マスター:「…『さぁ〜て、じゃあオレがジェダ坊の仇取ってあげちゃうぞ〜』。両者は「フッ!…」と力を込め、しばし均衡状態を保ったあと、一気にマスターが在りし日のネフライトにあっさり勝利します(←台を叩いて悔しがる在りし日のネフライト)。クンツァイト:「お〜う」。ゾイサイト:「さすが…」。ジェダイトくんも、手を叩いてマスターの勝利を称えております。

3.         するとマスターは、笑顔でジェダイトくんを見つめ、「…『どうだジェダ坊…お前もいっぱい牛乳を飲んで、もっと大きくなるんだぞ〜』。するとジェダイトくんも嬉しそうに、「…『マスター…』

       ナンと微笑ましいと言うか…、絵的に笑っちゃう光景と言うか…、しかし面白いですねぇ…、本来であれば、前世におけるこのような光景は、月の王国のセーラー戦士サイドでこそ、もっと映像化されてしかるべきモノです(←※原作のように…)(←※逆に原作では、地球国側のこんな微笑ましい前世の映像はほとんど出てきません)。でも、前にも書きましたが、実写版では、月の王国サイドにおけるこのような前世の映像は、完全に意図的に封印されてるんですね…なぜなら、実写版の月の王国サイドでは、実はこのような微笑ましい光景など一切なかったからで、そしてそれを、視聴者に、あくまでも『現世の現実』の映像から想像して欲しいからなんですね(←四天王サイドには封印する理由がないので見せているのである)。もっと言えば、月の王国サイドに関しては、現世における『プリンセス・セーラームーンのあの人格』『セーラーヴィーナスの言動』こそが、実は『前世の映像』そのものを再現しているんです。だからそう言う意味では、敢えて月の王国サイドの前世は映像化する必要もないんですな(←※今回、このあとで、まさにその事実を説明するシーンが出てきます)。

       ジェダイトくんは、その光景を思い出しながら、顔中の筋肉をぴくぴくさせております…するとその時、突然ピアノの音がぷっつりと途切れ、ジェダイトくんは後ろを振り返ります…。

        ★  ★  ★  ★  

       ゾイサイトは、ピアノを弾く格好のまま固まっちゃってます(←ところが、よく見ると、ゾイサイトの指は鍵盤を押さえたままです)。すると、ベリル様の社内放送が響き渡ります…「やめよっ!」「!」(←顔を上げる)。「邪魔をするな、ゾイサイトっ!」。これは、ベリル様が、まずピアノの音を消してしまい、その上でゾイサイトの動きも止めてしまったようですな(←専門家の意見ではそうなります…なぜならピアノと言う楽器は、鍵盤から指を離さない限り、音がぷっつりと切れる事はないので…)。

       ゾイサイトは、意識が遠のいて行くように目を閉じると、そのまま気を失ってピアノの椅子から転げ落ち、床の上に倒れます…「……『む…、無念…』

        ★  ★  ★  ★  

       するとジェダイトくんが、妙にさわやかな声で、「マスター?」と部屋に入って来ます。窓の外を見ていた地場衛は、振り返り、「ジェダイト…、…どうかしたのか?」。しかしジェダイトくんは、無言で近付いて行きます…「……『いくら牛乳を飲んでも…』「?…」「…『ジュピターの身長を抜かせなかったっ!』と、ジェダイトくんは、例の『黒い三角の石』を地場衛の胸に押し当てます。地場衛:「あ゛っ…!」

       するとその石が、みるみる地場衛の胸の中に埋め込まれるように消えてしまいました…「あ…うぅっ…あぁっ…はぁっ…」…地場衛は、床に手をついて痛そうに苦しみます…。ジェダイトくんは、そんな地場衛を見下ろしながら、「前世がどうだろうと、今のオレのあるじは…、ベリル様ひとりっ…」。すると、壁に掛けてあった例の風景画に、ナニやら白い穴(?)のようなモノが浮き出てまいりました…(←これで、ベリル様専用の覗き穴でも開通したんでしょうか? 謎です…)。

        ★  ★  ★  ★  

       こちらベリル様は、「…『見える…見えるぞよ〜…』(←ンな感じ…?)。

        ★  ★  ★  ★  

       うさぎちゃんと亜美ちゃんが、道を歩いております…(←服が変わってないので、先ほどのクラウンからの帰り道ですね)。

       「亜美ちゃんがお見舞いに来てくれたら、なるちゃんも喜ぶよっ♪」「うふ♪」。するとその時、うさぎちゃんのバッグに入ってた『ぬいぐるみルナ』が、突然「待ってっ! 妖魔の気配がするわっ!」(←真顔バージョン)と言います。「!…」

        ★  ★  ★  ★  

       二人は急いで病院に向かいます。すると、病院の入り口の前で、患者さんや看護婦さん達が、ばたばたと倒れてます。「!」「!」「なるちゃん…!」

       ちなみにこの病院は、看板の一文字目が読みにくいのですが、「聖北病院」って書いてあるんですかね?

        ★  ★  ★  ★  

       二人は、なるちゃんの病室に駆け込みます。病院の廊下でも、看護婦さんや患者さんが倒れてます。なるちゃんの入院してる病室のドアが開いてて、「!…はっ、なるちゃんっ!」うさぎちゃんと亜美ちゃんが駆けつけると、なるちゃんがベッドに寝てます…(←普通に…)。で、うさぎちゃんは、「なるちゃんっ、しっかりしてっ、なるちゃんっ!」と揺り起こしますが、全く反応がありません…(←本当なら、この時点で、初めてなるちゃんの異変に気付くのでは…?)。

       すると、ぬいぐるみルナが、「はっ…!」と、うさぎちゃんのバッグからジャンプして飛び出し、人型ルナに変身します。「うさぎちゃんっ、妖魔は病院の裏よ!」。うさぎちゃんは黙ってうなずきます…(←一方の亜美ちゃんは、終始無言で見守るばかりで、どことなく、冷静で客観的な観察者のような感じが見受けられますなぁ…)(←まあ、もっとも、それが本来の水野亜美のキャラクターではある訳なんですが…)。

       ここでうさぎちゃんは、無反応に横たわって寝てるなるちゃんを見ながら、先日、なるちゃんから言われた言葉を回想します…(↓)

       「絶対大丈夫だよ…信用してる」

       「……なるちゃん、私、がんばるからっ…!」。うさぎちゃんは、決意を新たにして、その場から駆け出します。

       どうやら、なるちゃんは、病院の裏に『メタリア妖魔』が現れたコトによって、このあいだの夜中のおまわりさんのように「抜け殻」にされてしまったようですな。

        ★  ★  ★  ★  

       三人は、病院の裏に駆けて来ました…。

       すると、そこに『メタリア妖魔』がいました。三人が立ち止まると、『メタリア妖魔』は振り返り、いきなりジャンプして三人の頭上を跳び超え、体を入れ替えます。「亜美ちゃん、ルナ、この妖魔強いよ、気をつけて!」。亜美ちゃんと人型ルナがうなずくと、うさぎちゃんは前に出て、「ムーンプリズムパワ〜」「マーキュリーパワ〜」「ルーナ・プリズムパワー」「メ(メイカっ)と変身します(←画面は三分割でぐるぐると回っております…今回はやたらぐるぐると回りますな…)

       三人は変身し終わり、セーラー・ファイティング・ポーズを決めたあと、一斉に『メタリア妖魔』に向かって行きます。セーラームーンとマーキュリーが側転し、セーラールナはその横を普通に走ってます…(←おおっ! ワシは一つ気付いたコトがあるぞっ! それは、セーラールナにはスタントのお姉さんが必要ないっ!ってコトにっ!)(←て言うか、小学生のスタントやれる体型の人なんて、さすがに「G-Rockets」にも「ジャパンアクションエンタープライズ」にもいねーだろ?!)。

       そうして、今度はセーラーチームの方から体を入れ替え、マーキュリーがタンバリンを出し、セーラームーンがスティックを出してうなずき合うと、お互いに横っ飛びでジャンプし、二人が空中で交差しながら、セーラームーンがビームを放ちます(←おおっっ!! これはまさに、むかし同局で放映されていたスポ根バレーボール・ドラマ「サインはV」「X攻撃」ではないかっ!)。

   

       前回はセーラームーンが単独で戦い、その際、「ムーントワイライト・フラッシュ」をあっさり剣で弾かれていましたが、セーラームーンはそれで学習してたのか、この二人の時間差攻撃みたいな連係プレーが見事に決まって『メタリア妖魔』に命中し、敵はダメージを食ったようです。

       ところが、『セーラーX攻撃』を食らった妖魔は、片ひざついて一瞬ひるんだかに見えましたが、おもむろに剣を地面に突き刺してパワーを補給したのか(?)、さらなる変貌を遂げます(←おおっ! バージョン・アップしやがったぞっ!)(←便宜上、コイツは『メタリア妖魔U』と名付けよう)

       「うそ…!」。次の瞬間、『メタリア妖魔U』は再びジャンプして三人の頭上を跳び越えて体を入れ替え、振り向きざまに剣からビームを放ちます。セーラームーンは「フッ!」と間一髪で避けましたが、セーラールナとマーキュリーは、「きゃぁっ!」「きゃっ!」ビームを食らってその場に倒れてしまい、ナンと、マーキュリーが左腕を負傷してしまいます(←この絵づらは、前回、右腕を負傷して倒れたなるちゃんと、ナニげに似てますな)「うぅ…!」「うっ…」

       「亜美ちゃんルナっ!」。セーラームーンは二人に駆け寄ろうとしますが、『メタリア妖魔U』の迫ってくる気配に「えっ!?」と振り向いて立ち止まると、「あ、落ち着いて…力を使っちゃダメ…」と、思わず胸のブローチに手を当てます…。マーキュリーは腕を押さえながら立ち上がりましたが、セーラールナの方はまだ立てません。

 

 ★  ★  ★  ★   CMタイム― ★  ★  ★  ★  

 

       セーラームーンは、「落ち着いて…力を使っちゃダメ…」と、胸のブローチに手を当てます…。そんなセーラームーン達に、『メタリア妖魔U』は容赦なく攻撃を仕掛け、なす術のない三人…って、それはいいんですが、ナンか映像の流れがヘンだぞ…コレ…、セーラー戦士の三人の立ち位置やらナンやらが、ナニげにメチャクチャじゃねーか?(↓)

―セーラー戦士の立ち位置やらナンやら―

CM前:

並木…並木…並木…並木…並木…並木…並木…並木…並木…並木…並木…並木…

セーラールナ(←倒れてる)

マーキュリー(←立ってる)                    メタリア妖魔U

セーラームーン(←立ってる)

CM後の一発:

セーラームーン(←立ってる)

マーキュリー(←立ってる)                    メタリア妖魔U

セーラールナ(←立ってる)

並木…並木…並木…並木…並木…並木…並木…並木…並木…並木…並木…並木…

次の瞬間:

並木…並木…並木…並木…並木…並木…並木…並木…並木…並木…並木…並木…

セーラールナ(←倒れてる)

マーキュリー(←立ってる)                    メタリア妖魔U

セーラームーン(←立ってる)

       要するに、『メタリア妖魔U』が体を入れ替える前と入れ替えたあとの映像が、ごっちゃに並べ替えられてるのだ…(←どーでもいいっちゃどーでもいい話ではございますが…)。

       セーラームーンは銀水晶の力を抑えるのに懸命でしたが、とうとう、胸のブローチから光が漏れ始めてしまいます…。それを見た『メタリア妖魔U』は、そうはさせじとセーラームーンに狙いを定め、懇親の一撃を放ちます。セーラームーン、ピ〜ンチ! すると、どこからともなく、バババババ…!と言うヘリコプターの音が聞こえて来て、ナンと、たぶんそのヘリコプターに乗ってやって来たのだろうと思われる我らがマスター・エンディミオンが、いきなり横から現れたではありませんかっ!(←Act.7の時のタキシード仮面みたい…)。

       エンディミオンは、剣で『メタリア妖魔U』の攻撃を受け止め、返し技を食らわせます!(←ってアンタ、ついこのあいだセーラームーンに「お前の敵になる」って言ってたんじゃないんかいっ!?)。『メタリア妖魔U』は、思いっきり吹っ飛ばされて柵に激突し、地面に倒れます(←ところが、そのエンディミオンの勇士を、セーラームーンは、ずっと下を向いてて見ちゃおりませんでした…)(←ちなみにマーキュリーとセーラールナは見てました…)。

       セーラームーンは、ようやく顔を上げ、そこにエンディミオンがいるのに気付きますが、「…………『ナンで?』(←みたいに、特に感慨も感謝もなし…?)。するとエンディミオンは、セーラームーンに歩み寄り、「…その調子だ…力を抑えろ…!」と言います。セーラームーンはうなずきますが、その表情は硬いままです…。それを後ろからじっと見つめるマーキュリーの表情も、一体ナニを思ってるのか? 全く読めません…。

       とそこへ、今度はいきなり黒木ミオが現れました…「まもるくん?!」「!…」(←思わず振り向くエンディミオン)「うさぎちゃんに近づいたらどうなるか教えたはずだよ。いいの?」。セーラームーンは、近付いて来た黒木ミオを見ながら「…?…『え?…どういうコト…?』と、その視線をエンディミオンに移します。エンディミオンは無言です…「……『ンなの教わったっけ?』

        ★  ★  ★  ★  

       すると、その様子を、ベリル様がダーク・キングダムから見ていて、「そうか…エンディミオン! プリンセスのためなら、命はいらぬかっ!」。そのベリル様の傍には、ジェダイトくんが片ひざついて控えております…「……『オレって…ホントにこれでいいのかなぁ…』。そうしてベリル様は、怒りもあらわに、いきなり「ハッ!」と、黒紫のガスの固まりみたいなモノを飛ばします。

        ★  ★  ★  ★  

       するとそれが、遠路はるばる飛んで来て、エンディミオンの胸に直撃します…「う゛あぁっっ!」「まもる!?」。エンディミオンは苦しそうに胸を押さえながら、セーラームーンに「いいからっ!」と言いますが…「!…『ってナニがいいのよ!?』「油断するなっ!…う゛っ…あ゛っ…!」。エンディミオンは崩れるように地面に手をつきます。

       「!…」…セーラームーンがエンディミオンに駆け寄ろうとすると、黒木ミオがそれを手で制止して言います…「うさぎちゃんっ! まもるくんはネ、命を吸い取られる石を埋め込まれちゃったんだよ」「!…」「うさぎちゃんのコトを思えば思うほど、吸い取られるんだから…」「…」「まもるくんが死んじゃったら、うさぎちゃんのせいだからネ…」

       エンディミオンは「う゛ぁ…!」と苦しんでおります…。すると黒木ミオは、セーラームーンの顔を見てニヤリと笑みを浮かべ、しゅばっ!と、エンディミオンを連れて空間移動して消え去ってしまいました(←なぜか、空間移動する時の黒木ミオって、カッコいいんだよな…)

       するとセーラームーンは、「……まもる…?」と言いながら、消え去ったエンディミオンを捜し求めるかのように歩き出します…。「!…」「……」(←ナンで今日のマーキュリーは、終始観察者のような眼差しでじっと状況を見てるんだ?)。

       「まもる…まもる…!」…セーラームーンが思わず駆け出すと、いつの間にか復活してたらしき『メタリア妖魔U』が、いきなり「フンッ!」とセーラームーンに攻撃して来ます。「うさぎちゃんっ!」ちゅどーんっ!(←セーラームーンの足元で大爆発!)。一瞬、地面が激しい炎と煙に包まれ、それが静まると、そこにはナンと、プリンセス・セーラームーンの姿が…!(←あっちゃぁ〜っ!)。「!……」「……!」

       地場衛が命にかかわる状況に陥ってしまったコトを聞かされたため、それが『前世のプリンセス』の逆鱗に触れてしまい、逆に、うさぎちゃんの方は冷静さを失ってしまったようです。

       プリンセス・セーラームーンは、すでに『プリンセスの剣』を持っており、『メタリア妖魔U』を見据えながら、「エンディミオン…」とつぶやきます。それから剣をかまえると、『プリンセスの剣』バリバリと放電現象を起こしたみたいになり、『メタリア妖魔U』も剣で向かって来ます。両者はかきんっ! かきんっ! かきんっ!と剣を交え、プリンセス・セーラームーンが『メタリア妖魔U』を弾き飛ばします。

       そしてプリンセス・セーラームーンが『メタリア妖魔U』に剣を向けると、セーラールナが「うさぎちゃんっ! ダメよっ!」と制止します(←キミもやっぱり「うさぎちゃん」って声をかけるんだね?)(←マーキュリーはここでも見守るのみ…)。

       プリンセス・セーラームーンの構える剣から、バリバリと電気みたいなモンが放射され、『メタリア妖魔U』は警戒して対峙してるような感じではありますが、しかし、周りに生えている草花が枯れ始め、街中の至る所で、人々がばたばたと倒れていきます。

        ★  ★  ★  ★  

       すると、クラウンの受付の前で床のモップがけをしていたネフリンが、急に「!」と何かを感じて顔を上げます。それから、ワナワナと自分の手のひらを見つめ、「…この力は!」と叫びます。

       これはどういうコトでしょうか? 「普通の人間になった」はずのネフリンが、プリンセス・セーラームーンの放つ「幻の銀水晶」『負の力』によって、四天王時代の能力を取り戻そうとしてるのでしょうか?

        ★  ★  ★  ★  

       場面は戻り、ここで、『メタリア妖魔U』が再び攻撃を仕掛けてきます。すると、プリンセス・セーラームーンは剣を盾にしてそれを弾きますが、その流れ弾がマーキュリーの方へ飛んでしまいます…「きゃあっ!」。マーキュリーは負傷した左腕を押さえながら、その場に倒れてしまいます。

       すると、プリンセス・セーラームーンが、剣を構えながらも、チラッと後方のマーキュリーに目をやり、その瞬間、『プリンセスの意識の中のうさぎちゃん』「亜美ちゃん!」と叫びます。

       これ…、前回もこれと同じコトが起きてるんですよねぇ…。前回も、プリンセス・セーラームーンの受け流した流れ弾でなるちゃんが腕を負傷して倒れ、その悲鳴を聞いた『プリンセスの意識の中のうさぎちゃん』が目を覚ましてプリンセスの動きを止め、その隙に『メタリア妖魔』に逃げられ、その直後にプリンセス・セーラームーンの変身が解けてるんです。

       すると、ここでプリンセス・セーラームーンは、剣を胸の前で縦に持ち直し、それを円を描くように回して、剣を『プリンセスのハープ』に変えます(←おおっ! これって同じモノが変形してたんだ)(←変形の瞬間、普段は肉眼では捕らえられないハープの弦が一瞬だけ見えたぞっ!)。そして、プリンセス・セーラームーンは、そのハープを演奏し始めます(←ナンだ?! いきなり優雅に空中遊泳なんかしちゃってるぞ?!)。

       マーキュリーとセーラールナも、その光景を、驚きの表情で不思議そうに見ております。やがてマーキュリーは立ち上がり、ふと自分の腕を見ると、「…傷が、治ってる…」。セーラールナもマーキュリーの腕を覗き込み、「ホントだ…」。二人がプリンセス・セーラームーンを見上げると、プリンセス・セーラームーンは空中遊泳から降りて来ます。

       すると、さっきは枯れてしまっていた草花も、元通りにきれいに咲いています。

       これはどういうコトなんでしょうか?? 『前世のプリンセス』にはヒーリング能力なんか備わってるはずないんですから、これは明らかに『プリンセスの意識の中のうさぎちゃん』がハープを弾かせてるとしか考えられませんよねぇ…。もしも『前世のプリンセス』にこんな能力があると言うのなら、前世でエンディミオンが斬られた時、あのまま死なせるはずがありませんからねぇ…(←なぜなら『現世のうさぎちゃんプリンセス』は、Act.25で、タキシード仮面=地場衛が同じようにクンツァイトに斬られた時、あのまま死なせはしませんでしたからね。つまり、そもそも、「幻の銀水晶」の力をヒーリングに使う能力が『前世のプリンセス』にもあれば、前世でエンディミオンを死なせずに済んでたと言うコトなんですから)。

       要するに、これを『前世のプリンセス』目線で見ると、前回、なるちゃんの悲鳴で『プリンセスの意識の中のうさぎちゃん』が目を覚まし、それで『前世のプリンセス』の動きが止められて『メタリア妖魔』に逃げられてるので、今回は、マーキュリーの悲鳴で目を覚ました『プリンセスの意識の中のうさぎちゃん』に邪魔させないように、ハープを弾かせてマーキュリーの傷だけ直させてやり、その代わり、自分が『メタリア妖魔U』のトドメを刺す邪魔はさせない、と言った感じなのでしょうか? これを見ると、前回だって、なるちゃんの傷を治す事ができたのにそれをしなかった訳ですから、『前世のプリンセス』『現世のうさぎちゃん』の両者が、そこから教訓を得ての今回のやり取り(←取引…と言うか駆け引き)だったんじゃないでしょうか?

       地上に降り立ったプリンセス・セーラームーンは、再びハープを剣に戻してます。そして、後ろにいる二人に、「マーキュリー、ルナ…」と言います。「!……」「……!」

       この呼びかけも、ちょっと意味がよく分かりませんねぇ…。たとえば、前世においては、プリンセス・セレニティは全く戦闘能力を持たず、それゆえ4戦士に守護されてた訳ですが、現世においては、そのプリンセス・セレニティが『現世の新戦士セーラームーン』に憑依して、それで手に入れた武力を「幻の銀水晶」『負の力』で増幅させ、それでプリンセス・セーラームーンに変身してますから、その結果、他の4戦士との実力差が歴然としてしまってるんですね。なので、Act.36の初登場で背後に4戦士を従えてた時も、前回の「小山ゆうえんち」でジュピターがあとから駆けつけて来た時も、プリンセス・セーラームーンは、本来の守護戦士達を、最初から戦力として全くアテにしてないんですよね(←しかも今回は、セーラー戦士の中でも最も戦力の劣るマーキュリーとセーラールナですからな)。

       となれば、普通に考えれば、やはりこの呼びかけは、また前回みたいに『プリンセスの意識の中のうさぎちゃん』に邪魔されたくないので、「マーキュリー、ルナ…『もう足手まといにならないよう、下がって見てなさい』と言うような意味にしか、解釈のしようがありませんよねぇ…。そうしないと、このあと普通のセーラームーンに戻った時の同じ呼びかけのセリフが、『前世のプリンセス』『現世のうさぎちゃん』との対比として明確になりませんからな(←※ちなみに本稿では、ヤフオク等で裏社会に流出した実写版の台本については、たとえその内容を知ってる場合でも、完全に「見なかったコトにしよう…」という方向で執筆しております。と言うのも、脚本家が書いたテレビドラマの台本は絶対的なモノではなく、必ずプロデューサー、スポンサー、現場監督等のチェックによって改訂が施されるため、それがそのまま映像化される事はありえないからでございます。したがって、実際にテレビで放映された完成作品が語ってる内容こそが全てであり、それを解釈するためのヒントも答えも、全て、完成作品で描かれてる映像の中にしかありえないからでございます)。

       ここで、プリンセス・セーラームーンが必殺技の『五芒星』を切ります…しゅばっ!しゅばっ!しゅばっ!しゅばっ!しゅばっ!(←今日は命中するかなぁ…)。ところが、そのエネルギーを貯めてる間、どこからともなく、人々のもがき苦しむような呻き声が聞こえてきます。すると、マーキュリーが思わず「うさぎちゃんっ!」と叫びます。すると、一旦発射されたかに見えた『五芒星ビーム』が途中で止まってしまい、次の瞬間、『うさプリ・ミーティング・ルーム』のうさぎちゃんが「ダメっ!」と叫びます(←この時のうさぎちゃんの着てる服は、冒頭の「小山ゆうえんち」での再現シーンに今回挿入されてた「やめてっ!」と同じです。その時の表情は懇願するような感じでしたが、このシーンの「ダメっ!」は明らかに怒った表情です)。

       すると、突然『五芒星ビーム』が戻って来ちゃって、プリンセス・セーラームーンの体に直撃します! どか〜んっ!「!『ってナニしくさんじゃコノォ〜っ!』

        ★  ★  ★  ★  

       以下、『うさプリ・ミーティング・ルーム』にて…。

       うさ:「どうしてわかんないの?! 力を使えばこの星とか人が傷つくんだよ?!」

       プリ:「エンディミオンはどこ?」

       うさ:「まもるだって力を止めろって言ってたじゃんっ!」

       プリ:「エンディミオンはどこ?」

       うさ:「!……どうして、そんなに…」

       プリ:「…私にはエンディミオンしかいない。…プリンセスではない、私自身を見てくれた者は、エンディミオンしか…」

       うさ:「……」

       プリ:「…エンディミオンがいない星はいらない…」(←これが、前世で星を滅ぼした理由なんですね)。

       うさ:「……寂しいんだね…」

       プリ:「……」(←そう言われて、うさぎちゃんを見る)

       うさ:「でもダメだよっ、星は絶対滅ぼさない。だって、私には大切なものがたくさんあるからっ…」

       で、その「大切なもの」の回想シーン(↓)

1.       なるちゃん…。病院のベッドに横たわったまま、うさぎちゃんに微笑みかけてるシーン…「大丈夫だよ…信用してる」(←ちなみにクラスメイトAとBは無し…「大切」じゃないらしい)…、以下は無音(↓)

2.       うさママ…。Act.10で、母子ゲンカの末、帰宅するなり料理中のうさママに抱きついたシーン…、

3.       進悟…。Act.14の「未使用シーン」で、進悟に「うさぎに風邪ひく資格なんか、ないよなぁ…」と言われて、「どういう意味よぉ!」と頭を小突いたシーン(←ちなみにうさパパは無し…「大切」じゃないらしい)…、

4.       美奈子…。Act.12の観覧車で、「イチゴは最後でしょ!」「最後だよねぇ〜!」!」と笑い合ってるシーン(←ちなみにアルテミィ〜スは無し…「大切」じゃないらしい)…、

5.       そして、亜美ちゃん、レイちゃん、まこちゃん、ぬいぐるみルナ…。Act.14の「うさぎちゃんを返して!」のあと、みんなで家路に就くシーン…、

6.       さらに、今回Act.42のクラウンで、「大っキライ」「レタスの炒めモノ」を食べる訓練を応援してくれてる亜美ちゃん、レイちゃん、まこちゃん、人型ルナ…

       プリ:「…それでも…いつかはきっと……お前もエンディミオンのために…」

       うさ:「…………『って、お前呼ばわりかよ…』

       プリ:「…………」

       ここで、『うさプリ・ミーティング・ルーム』の椅子の上から、プリンセス・セーラームーンがす〜っと姿をお消しあそばします…。

       このやり取りによって、『前世のプリンセス』『現世のうさぎちゃん』との対比が明確になり、前世における月の王国での、プリンセスをめぐる人間関係が浮き彫りになりましたね。つまり、『前世のプリンセス』と前世のセーラー戦士達との間には、絶対的な主従関係があるだけで、原作で描かれていたような親密さすらなかったんですね。だから、おそらく前世では、プリンセスは家臣のセーラー戦士達を「お前」呼ばわりしてたんです。だから『前世のプリンセス』は、ひたすら孤独で「寂しい」人生を送り、自分の「プリンセス」と言う身分や、それに纏わる掟に縛られる運命を嘆いていたんですね。だからAct.38で言ってたように、「むかし…、地球に生まれていたらって、ずっと思っていたけど…」と、普通の女の子として自由に生きるコトに憧れていたんです。

       となると、見方を変えると、『現世のうさぎちゃん』と言うのは、「『前世のプリンセス』がしたくてもできなかった人生を手に入れた」と言う意味において、まさに、『人生を新しく生き直すために転生してきた同一人物』である訳です(←ベリルの転生さえなければ、全てはそれで幸せに過ごせていたんですからね)。つまり、『前世のプリンセス』『現世のうさぎちゃん』は、実は性格が正反対なのではなく、『生きた時代の環境によってその運命が大きく左右されてしまった結果』に過ぎず、本当の『前世のプリンセス』は、実は『現世のうさぎちゃん』と同じ性格だったのに、生まれ持った身分がそれを許さなかったために、『現世のうさぎちゃん』のように生きる事ができなかった…だから彼女には、「プリンセスではない、私自身を見てくれた」エンディミオンしか見えないような、そんな孤独で「寂しい」人生を送るしかなく、だからこそ、「エンディミオンがいない星はいらない」と、星を滅ぼすなんてコトもできてしまった訳なんですな…。

        ★  ★  ★  ★  

       すると、場面は『うさプリ・ミーティング・ルーム』からバトル現場に戻ります…。

       突然マーキュリーが、笑顔で「うさぎちゃんっ!」と言います。見ると、プリンセス・セーラームーンの変身が解け、元のセーラームーンに戻ってます…「……!」セーラームーンは、我に返ると、後ろを振り向き、「…亜美ちゃん、ルナ、一緒に攻撃してっ!」「うんっ♪」「うんっ♪」

       前世の孤独を引きずるが故に、『孤高の最強戦士』と化してしまったプリンセス・セーラームーンの、「マーキュリー、ルナ…『足手まといにならないよう、下がって見てなさい』と言うような冷たい呼びかけ…。それに対して、現世の「大切なもの」のために、あくまでも『セーラー戦士の一人』として、「亜美ちゃん、ルナ、一緒に攻撃してっ!」と呼びかけるセーラームーン。

       マーキュリーとセーラールナは、セーラームーンの許へ駆け寄り、三人が並び立ちます。

       「ルーナ、シュクル〜〜キャンディ!」(←これって、ナンかの足しになってるのかなぁ…)(←でも気持ちは大切だよね♪)

       「マーキュリー・アクア〜・スト〜ム!」(←おっ! タンバリンを使った新技か?!)

       「ムーントワイラ〜ト、フラッシュ!」(←ここで、また間違って「ムーン・ヒーリング・エスカレーション」とかやっちゃったらどうなるんだろう…)。

       三人は一斉に攻撃を放ちますが、『メタリア妖魔U』は、剣波でそれを迎撃して跳ね返すと、飛ぶようにして逃げてしまいました。「!…」「!…」「!…」

       セーラームーンは、険しい表情で前を見つめ続けてます…。すると、横からセーラールナが、「うさぎちゃんっ」と声をかけます。セーラームーンは無表情のままセーラールナの方を見ます。「よく力を抑えられたわね?」。マーキュリーも歩み寄り、「訓練の成果があったね」「どうかな…(←訓練はあんま関係ないと思うけどなぁ…)。でも、普通に戦ったんじゃ、あの妖魔倒せないね。…幻の、銀水晶の力がないと…」「必要な力ではあるよ。だから存在してるんだし」「いつかは、また使う時が来るってことかな…」「わからないわ…」「…でも、それまでは使わないよ…ゼッタイ……(心の声→)まもる…!」

        ★  ★  ★  ★  

       その頃、ダーク・キングダムでは…。

       地場衛が『エンディミオンの部屋』に戻り、かなり痛そうに胸を押さえて苦しんでおります…。すると、壁に飾られた例の風景画の白い穴みたいのが、揺らめきながら少し大きくなってるみたいですが…。

        ★  ★  ★  ★  

       次回は、…あれ? また普通にデートしてますが…?

        ★  ★  ★  ★  

       セーラームーン:うさぎちゃん(沢井美優さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(沢井美優さん編)▼】

       マーキュリー:亜美ちゃん(浜千咲(現・泉里香)さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(浜千咲(現・泉里香)さん編)▼】

       マーズ:レイちゃん(北川景子さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(北川景子さん編)▼】

       ジュピター:まこちゃん(安座間美優さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(安座間美優さん編)▼】

       ヴィーナス:美奈子(小松彩夏さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(小松彩夏さん編)▼】

       ぬいぐるみルナ(声・潘 恵子さん):人型ルナ(小池里奈さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(小池里奈さん編)▼】

       アルテミィ〜ス(声・山口勝平さん):「」。『』。

       その他:「」『』

[2009年7月31日(金)初稿 トモロー]


Act.43:前世のプリンセスと現世のうさぎちゃん編

 

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     今回レビューしたAct.42は、「美少女戦士セーラームーン DVD 第11巻」(バンダイビジュアル)に収録されております(↓)

 

DVD第11巻 作品本編(4話収録)

 

Act.41 Act.42 Act.43 Act.44 

毎回映像特典(16分)

 

「セーラームーン」におしおきよ

スペシャル座談会

@鈴村展弘監督インタビュー

Aセーラー戦士座談会〜1年間を振り返って〜その3

Act.42 ゲストキャスト

 

黒木ミオ:

有紗

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セーラー戦士アクション:

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