―実写版セーラームーンを検証する―


Act.29:黒木ミオ登場編――

 

       本稿は、2004年5月1日(土)にTBS系列各局で朝7:30〜8:00に放送された、「美少女戦士セーラームーン」(実写版)第29話の感想記(DVD鑑賞レビュー)です。

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       クラウン・ルナカラにて…(←今回はセーラー解説はナシです)。

       金色のクス球がぱかっ!と割れて、その中から縦書きで「WELCOME BACK 亜美ちゃんと書かれた垂れ幕が出て来て、うさぎちゃん、レイちゃん、まこちゃんの三人が一斉にそれを読み上げ、順にクラッカーをぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!、と鳴らして、「ありがとうっ!」ぱんっ!

       ぬいぐるみルナ:「ほんっとに久しぶりね! みんなが揃うの、うふっ♪」(←にこにこバージョン)。「…『にこっ♪』「…『にこっ♪』「…『にこっ♪』「…『にこっ♪』「…『にこっ♪』

       「じゃあ、お祝いに一曲っ!」。うさぎちゃんがそう言ってカラオケ・ステージに駆け上がり、マイクを二つ取ると、「セラビー」のイントロが流れ出し、「当然、愛野美奈子でしょ! はいっ!」と、片方のマイクを亜美ちゃんに渡し、手を引いて二人でステージに上がります。

       レイちゃんとまこちゃんはイスに腰掛けて、微笑み合いながら二人を見守ります。

       で、二人は「♪どうしようもないー衝動に 突き動かーされてーいーまー♪」と歌い始めるのですが、うさぎちゃんの声がでかくて、亜美ちゃんの声がほとんど聴こえません(笑)。…と思いながら見てたら…あれぇ?!…まこちゃんが歌に合わせて口を動かしてるぞっ!(←ナンてこったぁ〜っ!)。

       ワシはAct.26の時、「まこちゃんは「セラビー」を一度も歌ったコトがない」云々と書いてしまいましたが、ナニげにここで、まこちゃんが歌の途中で、「♪予定調和の小説や映画が♪」のところで、歌に合わせて口を動かしてるんですなぁ…(←でもサビに入ったら、ショートケーキのイチゴを頬張ってて、もう歌ってませんでしたが…)。これが歌ってるうちに入るかどうかはともかく、全く歌ってないと言うコトもなかったんですねぇ…(←…まあ、あの時点では事実だったんだし、どっちみちワシの言わんとする大意に影響はありませんが、取り敢えず、Act.26のところに「訂正とお詫び」を書き込んでおこっと…「かくかくしかじかで…私が間違っておりました…大変申し訳ございませんでした…謹んでお詫びを申し上げます…たぶんこの他にもいっぱい間違ってる箇所があるかと思われますが(←アホなので)、この場をお借りして全部すみませんでした…ぐすん…」)
※ 別に自分をフォローする訳じゃありませんが、蛇足ついでに書きますと、ま
こちゃんはおそらく、恋愛賛歌的な「セラビー」よりも、Act.14でも歌ってたように、「肩金」のような『片思いの失恋ソング』の方が、今現在の自分の心情に合ってて好きなんじゃないでしょうかね…

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       さあ、気を取り直して、場面は変わって…。

       美奈子が車に乗って移動中です。運転席のマネージャーさん:「美奈子ちゃん、あのさ、ちょっと…言いにくいんだけど…」(←2代目マネージャーさんの「マツオちゃん」ですね)。「なに?」(←美奈子は後部座席の右側で、私服姿です)。「こないだ話した、CMの話…、アレ、ダメになっちった…」「ナンかトラブル?」「やっ、他の子に…取られちゃったんだよね…」「…『ンだとぉ!?…』「ほら、最近急に出て来て…勢いづいてる…」「ああ……あの子…」

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       で、その「あの子」とは…。

     グラビアかナンかの撮影中らしく、スタジオで照明を浴びながら、シャボン玉も飛び交う中、カメラの前でポーズを取っております(←どうやらハーフのかたみたいですね)。

       「…(心の声→)一度スタジオですれ違ったコトある…。ナニか…気になったのよね…」「美奈子ぉ…」。美奈子は、横で心配そうにしてるアルテミィ〜スに視線を落とすと、「……黒木…ミオ…」とつぶやきます…「…(心の声→)まさかと思うけど…」

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       「♪じゃ〜ん…ひとみは〜いつ〜も〜ジュ〜エル〜(ジュ〜エル〜)…♪」(←ここでオープニングです)

 

       ※ ところで、Act.1の時にも書いたのですが、ワシはこのオープニングが大好きで、何度見ても飽きないんですけど、いつも絵ばっかり見てて文字情報は一切見ちゃいないんですよね…で、本稿を執筆する段になって、初めて、各回ごとにゲスト・キャストと撮影協力のところだけ確認する訳なんですが、ナニげに今回もその作業をしてたら、ナンとっ! 今回のキャスト表示では、ナニげに「地場衛」「Mamoru Chiba」になってるじゃありませんかっ!(←ってキミ、留学して国籍まで変わっちゃったんかいっ!?)…なので本稿でも、今後は「地場衛」あらため「Mamoru Chiba」と表記させていただきます。実写版もどんどん国際色豊かになっていきますなぁ…(←エセだけど…)。

        ★  ★  ★  ★  

       オープニング開けは、月野家の夜…。

       うさママ:「はぁ〜〜いっ! 今日は、イカタコキムチオムレツ! どーよ、どーよ、どう?」(←毎度のコトながら、食卓には三人前しか用意されませんな…しかも、まるで朝食みたいな夕飯のメニューですな…)。

       余談ですが、ワシはよく、あり合わせの食材でテキトーに創作料理をするコトがあるのですが、実はキムチ入りのオムレツも作ったコトあって、ナニげにこれはけっこうウマイですよっ♪お試しあれっ!(←ただし、これに関する苦情は一切受け付けておりません…)。

       進悟が自分のお皿をテーブルに運びながら、テレビに目をやり、「あ、黒木ミオだ…!」と言います。

     テレビの男性ナレーション:「突然現れた大型新人、黒木ミオ。彼女の6本目となる新しいCMが発表されました」

     黒木ミオ:「カラダ、うるおうモーニング・ティー、GOO。ググっと飲んでネ♪」

     テレビの男性ナレーション:「今回も黒木ミオさんの魅力を前面に出したCMとなりました。最近のオンエアで(←よく聞き取れん)、水着が△□(←聞き取れん)ですね。そのキュートな黒木ミオさん、新曲のレコーディング風景を取材して来ました。ご覧ください」

     黒木ミオ:「♪やーりきーれなーいー、朝もーやの午ぜーんー5時…♪」(←「Change of pace / 黒木ミオ (有紗)」)。

  

       進悟:「可愛いよなぁ〜」(←雰囲気が大人っぽいので、「可愛い」と言うより『綺麗』タイプではないかと思うのだが…)。「そお? 愛野美奈子ほどじゃないでしょ?」(←うさぎちゃんの履いてるスカートがクラウンの時と一緒ですから、まだ日付は変わってませんな)。「いやっ、勝ってるね!」「そんなコトないって!」「そんなコトあるって!」

       うさママ:「進悟ぉ…、もうちょっと見る目養わないとぉ、大人になって泣くわよぉ。この場合は、美奈子が正解」「うんうんっ♪」「けどっ、CMの数、愛野美奈子、抜くかもしれないって!」「うそぉ?! ホントにぃ?! も信じらんなぁ〜い。愛野美奈子が一番なのにっ、もうこんなの見たくないっ!」ぴっ!(←チャンネルを変えちゃいました)。「あっ、ナニすんだよ! おいっ!」「……」(←シカト…)。この三人のやり取りを見てると、愛野美奈子が同性から指示されてるのに対して(←前々からそうなんじゃないかとは思っとったが…)、どうも、黒木ミオは男性から人気があると言う感じなんでしょうかね?(←つまり逆に言うと、同性から嫌われるタイプと言うコトか?)。

     女性キャスターさん:「お待たせしました。大麦(?)やす子の、ニュー・ワールド・レポートです。今日はここ、ロンドンの魅力を、余すところなくお伝えします。まずは、ある、ラヴ・ロマンスの舞台となった――

       うさママ:「あっ、ロンド〜ン! 新婚旅行思い出すわぁ〜ん「…(心の声→)ロンドン、か…。あそこにいるんだよね…」(←しんみり…)。

        ★  ★  ★  ★  

       こちらは、その「ロンドン」(←テロップが出ております)…雨がザーザー降っております(←おおっ、ロンドンと言えば雨と霧ですからな)

       これは、ホーム・ステイ先かナンかでしょうか?(←でも、さすがロンドンです…まさに異国情緒たっぷりのお屋敷です…画面下に「ロンドン」ってテロップが出てなきゃ、どう見ても、どっかの軽井沢かなんかの避暑地にしか見えません…ちなみに、日本とイギリスの時差は9時間(※4〜10月はサマータイムが適用されて8時間)ですから、こちらロンドンでは朝なんですかね。

       で、『そのお屋敷の住人』らしき外人さんが、「地場衛」あらため「Mamoru Chiba」を起こしに来たらしく、たぶん、『ヘ〜イ、マル〜! イツマデ朝寝坊ブッコイテマスカ、コノタコ〜! トットト朝メシ食イニ来ルアルヨ〜!』って言ってます。で、それに答えて、「Mamoru Chiba」が、たぶん、『ア〜タ、何処ノ国ノ人デスカ〜?!』って言ってます(←うそです)(←よいこのみんなが見てるんだから、日本語の字幕ぐらい入れてくれりゃいいのに……ワ〜シ、英語ッカリマセ〜ン…

       「Mamoru Chiba」がベッドから起き上がり、シャツを着替えるために上半身裸になったその時、突然ピアノの音(←「月光の曲」)が聴こえてきます…

       「Mamoru Chiba」は、うんざりしたような表情で、「またお前か…」と言います。すると、部屋の壁に立てかけてある大きな姿見に、出ましたこの人…ゾイサイトが…(←はるばるロンドンまで、心を飛ばして覗き見です。ロンドンに来てからも、毎日こんな調子なんでしょうなぁ…)…「いつまで…、前世を拒み続けるつもりです…。あなたの進むべき道は…決まっているのに…『それはそうと、マスター、キレイな体してますね…』「全て前世で決められているなら…、今のオレはナンだ?…『どーでもいいけど、朝っぱらから着替え中に出て来んのやめてくれる?』「あなたは……あなただ…。…マスター…『お風呂中とかトイレ中とかもダメ?』

       「Mamoru Chiba」は、Act.26で日本を発った時、空港で元基にこう言ってました⇒(「結局、これも何もかも、最初から決められていただけのコトなのか、見極めて、もう一度自分が誰なのか、探してみる…」)。それなのに、こんな所までしつこく付き纏われちゃ、じっくり考える暇もありゃしませんなぁ…。

        ★  ★  ★  ★  

       すると、ゾイサイトのピアノ部屋に、クンツァイトがやって来ました…。

       クンツァイト:「前世を知れば…、おのれの罪に恐れおののく事になるだろう…。…何も知らないまま死なせてやったらどうだ?」。ゾイサイトはピアノの手を止める事なく、「…お前は本当にマスターの命を、奪えるのか?…四天王一忠誠心に厚いと言われた…お前が…」

       ここでクンツァイトは、前世の記憶(←例の、瓦礫に埋まった四天王の三人の死骸の横で、「う゛わ゛あ゛ああああああああああ〜〜〜っっっ!!!」と雄叫びを上げてる映像…)を思い出し、憎々しげに、「……それも忠誠の一つ……かもな…!」…そう言って、部屋を出て行きました。

       クンツァイトが去って行くと、ゾイサイトは、突然「革命のエチュード」を弾き始めます…

        ★  ★  ★  ★  

       …すると今度は、それをBGMに、場面がベリル様のいる『メタリアの部屋』に切り替わります…ベリル様:「…見える。…わらわが地上に君臨する…、この星の未来が…!」

      ベリル様のこのセリフの背景に、ロンドンの「Mamoru Chiba」が映し出されます。彼は、さっき起こしに来てくれた外人さんらしき人と一緒に、傘を差して、脇に本を2冊抱え、もう片方の手にカバンを持って、家の外に出て来ました。

       「エンディミオン…、近いうちに必ず会える…。今度こそ…!」

       そこへ、ジェダイトくんがやって来ました。ベリル様が振り向くと、ジェダイトくんは一礼します。

       ベリル様:「ジェダイト。例のものは?」「ベリル様にお貸しいただいた力で、予想以上の出来です…『ヅラもメイクも必要ないほどです』…必ず幻の銀水晶を手に入れるでしょう…!」「楽しみだな。…わらわの力が加わっているとなれば、なお…」

       ここで言う「例のもの」とは、実は「例の者」だったんですな…。

        ★  ★  ★  ★  

       日付変わって、十番中の登校時にて…。

       通学路の途中の道路脇の壁に、黒木ミオのCMのポスター(←「ハーブの森(?)へようこそ、ハーブの入った新感覚リンス。NEW Mint」と書かれてます)が何枚も貼られてて、キャンペン・ガールのお姉さん達が、道行く生徒さん達に、商品サンプルだかチラシだかを配っております。

       そこへ、うさぎちゃんとなるちゃんが通りがかり、その後ろから、クラスメイトAとBが「おはよ〜っ!」と駆けて来ました。。なるちゃんは、ポスターを見ながら、「あー、黒木ミオね。ナンか、急に出て来たよね?」「美奈子ちゃんよりCM増えるんだって! 許せないよ。美奈子ちゃんのが全然いいのに…!」。なるちゃん:「う〜ん、あたしも美奈子の方が好きだな」。クラスメイトA:「あたしもぉ!」。クラスメイトB:「あたしも」「うふっ、だよねぇ〜っ! 美奈子ちゃんの歌イイもんっ! 私、もっと応援して、黒木ミオなんか…!」(←ナニげに、なるちゃんとクラスメイトABは、商品サンプルだかチラシだかを受け取って眺めてますが、うさぎちゃんだけ、『意地でも受け取るもんかっ!』と言う意味なのか、受け取ってませんな)。

        ★  ★  ★  ★  

       で、いきなり教室の朝のホームルームの映像に切り替わります…。

       で、うさぎちゃんが唖然としております…「!……『て言うか…ヘリうるせぇ…』春菜先生:Everyone today, let me introduce a new friend to you. それではぁ…『これはまだ授業で教えてないからぁ』…、はいっ、水野さん、訳してみて?」「!…『げっ、即答したら嫌味なヤツって思われちゃう…から、ちょっと考えるフリして…』let me introduce…、転校生を紹介します♪『ふう…天才も楽じゃないわ…』

       「はい、よくできました。転校生を紹介します。と言っても、もう知ってるみたいね?」。教卓の前に立つ先生の横に、ナンと、その「黒木ミオなんか」が立ってて、黒板に彼女の名前が書いてあります。「…有名人だけど、今日からみんなとおんなじ、1組の生徒です。クラスメイトとして、仲良くするように!」。先生は、そう言いながら黒木ミオの後ろに回り、彼女の肩に手を置きます。「黒木ミオです。よろしくお願いします♪」

       クラスメイトBがいきなり立ち上がって、「うそぉっ! 信じらんな〜いっ!」、その一言をきっかけに、クラス中が、男子も女子もわーわーきゃーきゃーと大騒ぎになります。クラスメイトAも席を立って、クラスメイトBのところまで駆け寄って行って、手を握り合って飛び上がっちゃってます。なるちゃんまでもが大喜びしてます。しかし、うさぎちゃんだけは、ただひたすら固まっちゃっております。もちろん、亜美ちゃんも騒ぎはしません。

       ※ さて、どう言う訳か、このシーンの黒板には、必ず書いてあるはずの日付と日直当番の名前が書かれてません…。たぶんこれ、書き忘れじゃなくて、わざと消しちゃったんですね。実は、前半戦においてあれほど克明に記されていた劇中カレンダーが、このように、後半戦ではほとんど記されなくなってるんですな。これ以降の教室のシーンでも、たとえ黒板に日付と日直当番が書かれてはいても、その文字を読み取る事が出来ないんです。つまり後半戦は、「今日は○月○日(○曜日)だ」とハッキリ日付を特定する事のできるデータが、全くと言っていいほど画面上に出てこないんですな(←唯一、Act.35で出てくるくらい)。

1.       実は、この現象は、すでに、前半戦で『ダーキュリー事件』が起きたあたりからそうなっていたんですね。敢えてその時は触れませんでしたが、それまでは、放送日とほぼ同時進行で進んでいた劇中の時間の流れが、『ダーキュリー事件』以降、全く見えない展開で話が進んでいたんです。唯一データらしいデータが示されたのは、Act.25の「未使用シーン」に出て来た、例の、時系列上のミスのある『地場衛宅の卓上カレンダー』だけでした。

2.       で、このシーンで先生は、「今日からみんなとおんなじ、1組の生徒です」と言いましたが、この「1組」と言うのは依然として「2年1組」のコトなんですな。この回の最後の方で、うさぎちゃんが教室に入るシーンが出て来ますが、その時に、この教室の表札が「2年1組」になってるのがハッキリと確認できます(←今のシーンに映ってるこのクラスの時間割も、文字はハッキリとは読み取れませんが、技/家が木曜の5限目なので、以前の「2年1組」の時間割と変わってないのが分かります。※下図は「2年1組」の時間割)。

 

1限

英語

国語

体育

音楽

英語

2限

社会

美術

数学

英語

美術

3限

体育

数学

理科

国語

理科

4限

理科

社会

国語

数学

社会

5限

国語

英語

英語

技/家

数学

6限

数学

 

音楽

 

国語

3.       つまり、この春、ナンと「区立十番中学校」は進級してないのだっ!…しかも、その一方では、地場衛がしっかり高校を卒業して大学生になったと言うのにっ!…です。

       これは一体どう言うコトなのか?!

1.       そうなのです…実は実写版は、この後半戦を境に、劇中カレンダーを我々の現実世界とシンクロさせる事を完全に放棄してしまったんです。だから、本来であれば、うさぎちゃん達は時期的に三年生に進級してるはずなのに、依然として二年生のままなんですな。で、その矛盾から視聴者の目をそらすために、わざと黒板の日付を消しちゃったんです。

2.       とは言うものの、実を言うと、このようなコトはマンガの世界では取り立ててどうと言う問題でもなくて、身も蓋もない話ではありますが、これは単なる、いわゆる『サザエさん方式』と呼ばれている、一種の『マンガ的手法』に過ぎないんですね(↓)

1.       『サザエさん方式』とは、毎年正月も夏休みも来ると言うのに、登場人物が一向に歳をとらないと言う『マンガ的手法』。これを採用する事によって、人気作品の連載やテレビ放映を、基本設定を変える事なく未来永劫に続けるようにできると言う、画期的なシロモノなのである。

2.       たとえば、その「サザエさん」の例で言うと、もしもこの方式を採用せずに「サザエさん」をテレビ放映し続けたとすると、2009年現在、フグ田サザエは、原作の設定では1922年生まれなので、今年87歳のばあさんになってなきゃならないのである。タラちゃんは63歳、カツオ71歳、波平に至っては、ナンと114歳である(←って生き過ぎじゃっ!)(←もっとも、こんな「リアル・サザエさん」があったら、それはそれで面白そうだが、さすがに200歳とかまでは無理だろう…人間として成立しないだろう…)。

3.       ちなみに、この方式を採用してる長寿作品の代表例として、もちろん「ドラえもん」などが挙げられる訳ですが、なお、この『サザエさん方式』には様々なバリエーションがあり…、って、まあ、その辺に関しては、興味のある方はウィキペディアでもご覧ください…(←それはそうと、ウィキペディアのセーラームーン関連記事は、全般にわたってやたら間違いが多いので、安易に信用できませんな…)。

3.       で、「美少女戦士セーラームーン」の場合なのですが、セーラームーン作品は、実は原作もアニメ版もこの『サザエさん方式』を採用してるんですな。どちらも、『ダーク・キングダム編』終了後の続編において(←もしくは、季節柄、劇中で進級してるはずの時期において)、いずれも、うさぎ達は進級してないんです(←アニメ版の『ダーク・キングダム編』の最終回では、時間が一年前に逆戻りしたかのような映像が差し込まれてるため勘違いしてる人も多いようですが、時間は一切逆戻りなんかしてません。これに関しては、実写版共々、本稿の最終回で徹底検証する予定です)。

4.       ただし、第3シーズンにあたる『デス・バスターズ編』で中三に進級し、第5シーズンの『セーラースターズ編』で高一になるので(※原作では第4シーズンの『デッド・ムーン編』で高一になる)、2年周期で1歳ずつ歳をとってるコトになり、したがってセーラームーン作品の総意は、厳密には『準・サザエさん方式』と言うコトになります(←平たく言えば、番組の継続とマンネリ回避を秤にかけた『ご都合主義方式』ですな…)(←もっとも、原作の「サザエさん」も、連載当初は何年かは歳を取っていたそうな…)。

5.       で、実写版なのですが、実写版に関しては、地場衛はこの時期きちんと高校を卒業してるんですから、彼の留学と同時にうさぎちゃん達も進級させちゃったって別にかまわなかったような気もしますが、なぜそうせず、明らかな矛盾を承知の上で無理やり『サザエさん方式』にしちゃったんでしょうか? まず最初に考えられる理由は(↓)

1.       単純に、原作もアニメ版も進級してないから。

2.       教室のセットをそのまま継続して使えるから。

3.       クラス替えに伴って、担任やクラスメイト達なども代えなきゃならなくなるから。

4.       中三になると、高校受験とか絡んできて、話がまたややこしくなってしまうから。

5.       最終回の「あのシーン」をより劇的にするためにも、進級させない方が良かったから。

6.       どれも実用的ではありますが、いずれにせよ「とほほ」な理由ですなぁ…。で、これをワシなりに実写版的見地から考察すると、要するにこれは、前回も説明した通り、前半戦は、亜美ちゃんを軸にした「リアルな青春ドラマ」を通して『現世』を中心に描いてきたからこそ、劇中カレンダーを我々の現実世界とシンクロさせていたのに対して、後半戦は、美奈子を軸にした「有り得ないファンタジー・ドラマ」を通して『前世』を中心に描いていくからこそ、逆にそれを放棄してしまったんですな。それほど後半戦のストーリー展開は各回が連続してるので、もう現実世界のカレンダーとシンクロさせる事が物理的に不可能なばかりでなく、それをする意味もなくなってるんですな。なので、唯一の例外を除いては、せいぜい夏休み等の大雑把な行事くらいしか劇中カレンダーに関する情報は出て来ません。なので、別に『サザエさん方式』にしちゃったところでナンの差し支えもないので、そっちの方が色々と都合がいいからそうしちゃったんです。仮に、実写版が4月から放送スタートの番組だったら、こんな矛盾は抱えずに済んだ…ただそれだけのコトだったんじゃないでしょうかね?

7.       ワシはAct.13の時、【ところで、ワシが再三、このようにして実写版の劇中カレンダーにこだわってるのには、二つの理由があります】と書きましたが、その二つ目の理由と言うのが、この事を説明するためだった訳なのでございます。そのために、いかに前半戦において事細かに劇中カレンダーが示され、逆に後半戦においては、いかにそれが放棄されているか、と言うデータを徹底的に揃えたかったからなのでございます。

        ★  ★  ★  ★  

       休み時間にて…。

       さて、ここでもう一つ、不思議な現象が起こります。実は、朝のホームルームの時、このクラスの座席状況は以下の通りになってたのですが…(↓)

女子

女子

女子

男子

男子

男子

女子

うさぎちゃん

クラスメイトB

(空席)

(空席)

女子

男子

女子

なるちゃん

男子

ひこえもん

女子

女子

女子

女子

男子A

女子

亜美ちゃん

(空席)

女子

女子

女子

女子

クラスメイトA

         春菜先生

       ところが、この休み時間に映された座席状況は、次のようになってます(↓)

女子

女子

女子

男子

男子

男子

女子

うさぎちゃん

クラスメイトB

(空席)

男子A

女子

男子

女子

なるちゃん

男子

ひこえもん

女子

女子

女子

女子

黒木ミオ

女子

亜美ちゃん

(空席)

女子

女子

女子

女子

クラスメイトA

         春菜先生

       最初に三つあった「空席」が単なる欠席かどうかは知る由もありませんが、いずれにせよ、「空席」が三つもあると言うのに、どう言う訳か、わざわざ「男子A」「ひこえもん」の後ろの「空席」に移動させられ、その「男子A」が座ってた席に「黒木ミオ」が座ってるんですな。これは一体どう言うコトなのか?!

1.       普通転校生が来た場合、当然、その分の机を追加補充する訳ですが、見ての通り、トータルの座席数は以前と変わらず30のまま一緒です。

2.       なぜ「男子A」が移動させられたのかは謎ですが(←たぶん、黒木ミオが、『あたし、あそこの席がいい〜っ! 代わってぇ〜とわがままを言ったに違いない…)、ここから分かるコトは、この時このクラスは、「少なくとも、誰か一人が転校(もしくは退学?)していなくなっていた」、と言うコトです。これはおそらく、ダーク・キングダムの陰謀で、誰かが無理やりそうさせられてしまってたに違いありません。なぜなら、ちょうど「2年1組」に欠員の空席が出れば、極めて自然かつ計画的に、転校生の黒木ミオを「プリンセス」と同じクラスに入れられるからです。

3.       で、おそらく残り二つの空席は、まあ普通に考えれば、単に欠席してただけだったんでしょうな…。ちなみに、Act.16でも検証しましたが、廊下側の一番前の席は、どうも休みがちのようですなぁ…(←やっぱ、一番「見切れ」やすい位置だからだろうなぁ…)。

       で、そんな黒木ミオの席に、クラスメイトBが来て、「サインもらっていいかなぁ」と言って手帳とペンを差し出し、クラスメイトAも「あたしも!」と続きます。黒木ミオは笑顔で「どうぞ♪」と答え、サインを書き始めます。クラスメイトBは「やったぁ〜っ! うれしい〜っ!」と大喜びです。他にも女子生徒が二人と、男子はなぜか「ひこえもん」だけがノートを持って寄って来ました。

       ワシの睨んだところでは、黒木ミオは男性人気の方が高いはずだったんだが…(←どうも十番中のオトコどもは、ナニげに勉強の成績も女子よりダメだし、たぶんシャイなヤツばっかなんだろうなぁ…)(←って、勝手にそう言うコトにしちゃえ…)。

       で、うさぎちゃんはと言うと、自分の席に座ったまま、じっとその様子を見ているのですが、そんなうさぎちゃんの所へ亜美ちゃんがやって来て、「すごい人気だね?」と声をかけます。「うん…」(←その割りに、クラス全員が群がって来る訳でもないし、普通なら他のクラスからもワンサカ人が集まって来て廊下から覗き見しに来るはずなのに、そんな気配もありませんな…)

       ナニげに、亜美ちゃんが教室の中で、自分からうさぎちゃんに話しかけるなんてのは、Act.5で無理してた時以来なんじゃないでしょうかね? しかも、単なる世間話をするためにですよ?(←こう言うさり気ないシーンにも、『ダーキュリー事件』で一皮向けた亜美ちゃんの姿が垣間見られる訳ですな)。

       ※ 参考までに、DVD第2巻に収録されてるAct.8の「未使用シーン」には、休み時間に教室のベランダでうさぎちゃんと亜美ちゃんが二人で会話してるシーンがあるんですが、これはあくまでも、セーラー業務に関わる会話なんですよね。

       すると、そこへ、春菜先生がデジカメを持って出て来て、「はぁ〜いっ、じゃミオちゃんと写真撮りたい人っ! 早く入って、はいっ!」と言います(←黒板に英語の授業をしたあとが残ってますから、1限目は英語だった訳ですな。てコトは、今日は月曜か金曜のどちらかですな)。

       すると、さっきまでノートとペンを持って『どうしようか』と迷ってたなるちゃんが、思わず「私も!」と手を上げてその輪に加わろうとします。すると、すかさずうさぎちゃんがなるちゃんを引き止め、「ナニよなるちゃんっ、愛野美奈子の方がいいって言ったくせに…!」「いやぁ、やっぱ、遠くのスターより近くのアイドルって言うかさ、ごめんねっ♪」(←この頃にはもう、美奈子はそのキャリアや実績から、もはやビッグ・スターの扱いだったんでしょうな)。

       なるちゃんは、黒木ミオの背後に立とうとしていた「ひこえもん」に、「ちょっと隣りいいかな? ごめ〜ん…!」、すると「ひこえもん」は、『いいっスよ、愛する大阪さんのためなら…』みたいになるちゃんに場所を譲ります(←いつもながら、絶妙のエキストラ演技っぷりだぞっ!)。なるちゃん:「先生お願いっ♪」。先生:「せぇ〜のっ!」…ぴっ!…「おお〜…!」

       それを見て、うさぎちゃんは、ふてくされたような顔をしながら席を立ち、亜美ちゃんに向かって、「美奈子のライバルなのにさ…」「でもぉ…クラスメイトだし…」(←安易にうさぎちゃんに追随しなくなってます)(←て言うか、やはり亜美ちゃんは、別に愛野美奈子なんて好きじゃないんじゃ…)「だけどさぁ…!」…そう言うと、またイスに腰を下ろします。

        ★  ★  ★  ★  

       体育の授業にて…。

       1限目が英語で、さらに体育もある日となると、これがみんな同じ日の出来事なら、今日は間違いなく『月曜日』と言う事になり、これはその3限目という事になりますな。

       で、バレーボールの試合が始まりました(←普通に6人制みたいですな。ただし、守備専門のリベロを置いてるかどうかは不明です)

       右のエンドに『うさぎちゃんチーム』(←クラスメイトBを含む)、左のエンドに『黒木ミオチーム』(←なるちゃんとクラスメイトAを含む)です。両チームは、ネットを挟んでと元気よく挨拶します。

       『うさぎちゃんチーム』のキャプテンはクラスメイトBのようですな。円陣を組んで「ふぁいとーっ!」、みんなで

       一方、『黒木ミオチーム』の方のキャプテンはクラスメイトAで、「がんばるぞっ!」「おーっ!」

       亜美ちゃんは、この時、おそらく交代要員としてだと思いますが、試合に出てない他の女子達と一緒に、コートの外で見学です。が、さすがに勉強熱心で、主審と対面の一番いい位置に立って試合を見ます。

       普通、中学の体育は男女別ですから、人数合わせのために2クラス合同で行うものです(←って、そうとも限らんのか? ワシの中学はそうだったのだが…)。つまり、1組は2組と合同になるはずなのですが、どうも十番中はそうではなさそうですな。先ほどの座席表によれば、今日の「2年1組」は、女子は全部で21名いたのに、今、体育の授業には20名しか出ていません。てコトは、7名しかいなかった「ひこえもん」以下の男子達は、いったい外でナニをやってんでしょうか?(←7人じゃ、団体球技はストリート・バスケくらいしかできんじゃないかっ!)。20名いれば、ママさんバレーでお馴染みの「9人制」で試合ができるはずなのですが、ここでは「6人制」のようです。先発が両チーム合わせて12名、線審役の女子が2名、スコア係が1名、残りが亜美ちゃん以下5人ですから、これだと、「9人制」で試合をするにはもう一人頭数が足りないのか…(←朝はちょうど21人いたのに、たぶん、一人だけ体育やりたくなくて保健室に逃げちゃったに違いない)。

       で、それぞれのメンバーがコートに散り、うさぎちゃんは、やはり前衛のレフトのポジションに着きます(←要するに、エース・アタッカーなのだっ!)。で、試合の方は、『黒木ミオチーム』の、なるちゃんのサーブで始まるのですが、ナニげにこの試合の内容が大注目なのだっ!

       まず、試合開始時の両チームのポジションをよーく頭に叩き込んでおいていただきたい(↓)

黒木ミオチーム

 

うさぎちゃんチーム

後衛(バック・ゾーン)

前衛(フロント・ゾーン)

前衛(フロント・ゾーン)

後衛(バック・ゾーン)

女子

(レフト)黒木ミオ

女子

女子

女子

クラスメイトA

女子

クラスメイトB

なるちゃん

女子

うさぎちゃん(レフト)

女子

1.       なるちゃんは、普通にフローターサーブを「はいっ!」と打ちます(←なるちゃんは、サーブを打ったあとには後衛のセンターに移動してます。6人制のルールでは、サーブを打ったあとなら、後衛は後衛同士、前衛は前衛同士でポジションの移動は許されます)。

2.       で、そのサーブを、うさぎちゃんがレシーブし、きちんとセッターに渡します(←さすがだ。設定上、わざと下手っぽくやって見せてるが、この人の運動神経から考えても、真の実力はこんなモンじゃないはず…)(←ちなみに亜美ちゃんは、Act.6のストリート・バスケですら一度もボールに触らせなかったくらいだから、こう言っちゃナンだが、ぶっちゃけバレーボールなんてとてもやらせられないに違いない…)。

3.       ところが、ナンと、このセッターは、我らがエース・アタッカーのうさぎちゃんにトスを上げず、ボールをアンダーパスで相手コートに返してしまいました(←あれぇ? そう言うレベルの試合なのか?!)。

4.       するとそれを、クラスメイトAがレシーブし、それを前衛ライトの女子がトスしますが、そのトスが短くてレフトまで上がりきらず(←こちらの前衛レフトは黒木ミオです)、クラスメイトAがアンダーで相手コートに返します(←まあ、中二の女子の体育の授業の試合なんて、所詮こんなモンだよね?)。

5.       するとそれを、後衛センターのクラスメイトBが「うさぎっ!」と言って、うさぎちゃんにオーバーハンドでトスします(←おおっ! この人は背も高いし、意外と経験者かも)。

6.       しかし、トスがやや短めだったためか、うさぎちゃんは「はいっ」と言いながらもスパイクは打たず、「わぁっ♪」とアンダーで相手コートに返してしまいます(←わざと下手っぽく見せてはいるが、後方からのパスをこのようにコントロールするのは簡単ではないぞっ!)。

7.       それを、相手の後衛レフトがレシーブし、それをなるちゃんが「はいカナミっ!…『て言うかクラスメイトAっ!』と言ってオーバーハンドでトスします。

8.       するとクラスメイトAが「はいっ、はいはははいっ!」とスパイクの体勢に入ったので、『うさぎちゃんチーム』がレシーブの構えを取ります。

9.       ところがっ! そのトスを、いきなり黒木ミオがレフトの位置から走り込んで来て、キャプテンのクラスメイトAから横取りするみたいにして「はいっ!」とスパイクを打っちゃてるじゃありませんかっ!

10.    それは、設定上はかなり強烈なスパイクだったらしく、予め身構えていたうさぎちゃんのレシーブを弾き飛ばすようにして決まり、うさぎちゃんはコートにばたんっ!と倒れてしまいます。

11.    すると、なるちゃん達が「すごぉ〜いっ!」と言いながら黒木ミオの周りに集まり、祝福のハイ・タッチをします。

12.    うさぎちゃんはコートに突っ伏したまましばし動けず、亜美ちゃんも「!…」と心配そうに見てます。

13.    なるちゃん:「黒木さんバレー部だったの?!」。黒木ミオ:「うぅんっ、まぐれ!」

14.    こちら『うさぎちゃんチーム』は、クラスメイトBが「うさぎ、だいじょぶ?」とみんなが心配そうに集まって来ますが、あろうコトか、クラスメイトBは、「でもぉ…、ミオちゃんカッコいいっ!」とか言っちゃっております。

15.    うさぎちゃんはようやく起き上がり、思わず亜美ちゃんが「うさぎちゃんっ! 大丈夫?!」と駆け寄ります(←もはや亜美ちゃんは、自分がうさぎちゃんと友達だと言うコトを、みんなの前でもはばかるところがありませんな)。「平気、平気っ、愛野美奈子のライバルになんか負けないんだからっ!」と言いながら、相手を睨みつけちゃいます。

16.    すると、再びキャプテンのクラスメイトBが「ふぁいとーっ!」と声をかけ、みんなが「おーっ!」と答えてコートに散ります。

       するとここで、またしても不思議な現象が起こります。と言うのも、この試合は、なるちゃんのサーブで始まり、そこから一度もボールが落ちる事なく黒木ミオのスパイクが飛び出し、それが先取点となってますから、次のサーブはまだ、なるちゃんのままで続行されるはずなんです。

       ところがっ! どう言う訳かここで、前衛レフトの黒木ミオがボールを持って、いきなり後衛に回ってサーブを打ちに行きます。前衛レフトがサーブを打つのは、ローテーションの4順目ですから、黒木ミオがサーブを打つためには、サーブ権が三回相手側に移らなければ順番が回ってこないんです。仮に、サーブ権の移動するシーンがカットされていたにせよ、それならそれで、1999年以降の6人制バレーは、それ以前の「サーブ権ポイント制」とは違って「ラリーポイント制」ですから、サーブ権の移動に伴って自動的に『うさぎちゃんチーム』には最低でも3点入ってなければならないはずなのに、このあと映されるスコアボードには、『うさぎちゃんチーム』には1点も入っておりません。つまりこの試合が現在の「ラリーポイント制」で行われているのなら、まだ一度もサーブ権は移動してないコトになり、つまり黒木ミオがサーブを打てるはずがないのだ…どーゆーコトだ?!(←ひょっとして、キャスト、スタッフの中に、5年前のルール改正を知ってる人が一人もいなかったんだろうか?…ってンなバカなっ! みんな、ニッポンちゃちゃちゃの国民だろがっ!)。

       そこでだっ! そこでワシは、こう思うのだっ! これはひょっとして、密かに黒木ミオ(←もしくはその背後で糸を引いてるジェダイトくん)が、ダーク・パワーを使って先生やクラスメイト達をそれとなく洗脳しているのではないか?!と…。

1.       なぜなら、いくら黒木ミオが設定上はカッコよくスパイクを決めたからと言って、

2.       そもそも、なるちゃんはクラスメイトAを指名してトスを上げ、

3.       そのクラスメイトAは打つ気満々だったのに、

4.       それを横取りする形でスパイクを打ち、

5.       そのプレーを相手チームのクラスメイトBまでもが賞賛し、

6.       しかも、勝手になるちゃんからサーブ権まで横取りしちゃってる訳なのだから…

       これ、普通なら、単なる『めちゃめちゃ性格悪いヤツ』なのに、主審(←ってオマエ体育教師だろがっ!)も含めて誰も文句を言わないなんて…その時点で明らかにおかしいじゃないかっ!

     ※ ところで、これは余談ですが、テレビの本放送では、ここからBGMに、某テレビドラマで使われて有名になったらしい某イギリスの某ロック・バンドの某曲が『スポ恨パロディ』的に使われてましたが、DVDは営利目的の商品なので当然著作権が絡むため差し替えられております(←それに、こう言うのは時事ネタだし、知ってるヤツにしか分からんパロディだし、そもそもそれって、某脚本家さんが興味ないと噂される某「月9」とか言われてるヤツのじゃねーのか?)。もちろん何も知らなかったワシは、初見時、この曲自体はオリジナル・リリース(←ソロ・バージョン)の1985年当時から知ってましたが(←ワシの本業のテリトリーだからな)、それが今ここでかかる意味が全く分かりませんでした…(←とほほ…)

       で、黒木ミオが「さあ、行くよぉ〜っ!」と言ってボールを高く放り上げ、ジャンプサーブ(スパイクサーブ)を打ちます。それがうさぎちゃんの横をすり抜け、うさぎちゃんは振り向いてダイビングでレシーブしようとしますが及ばず、またしても、そのまま床に突っ伏してしまいます。「うさぎちゃんっ、がんばって!」

       うさぎちゃんは、亜美ちゃんの声援にうなずいて立ち上がると、気合を入れ直してまた相手を睨みます(←仮に、この試合が旧ルールの「サーブ権ポイント制」で行われてるのだとしても、うさぎちゃんのポジションもずっと前衛レフトからローテーションされてないんだから、まだ一度もサーブ権は『うさぎちゃんチーム』には移ってないコトが分かる。つまり、どう考えてもまだ前衛レフトの黒木ミオがサーブを打てるはずがないのだ)。

       線審役の女子生徒がそのボールを拾って黒木ミオに渡すと、黒木ミオは、「よしっ、じゃ行くよぉっ!」と言って、今度はフローターサーブを打ちます。

       で、そのサーブが、またしてもうさぎちゃんの方に飛び、「はいっ、もらったぁ!」とレシーブしますが、これも設定上は強烈なサーブだったらしく、うさぎちゃんの腕を弾いてコートの外に飛んでしまいます。

       すると、ここで、スコア係の女子生徒が得点を動かすところが映されるのですが、今、スコアボードの得点は、「0−4」から「0−5」に加算されました…ってこれもおかしいじゃねーかっ! 今までこの試合はワン・シーンもカットされてないんだから、つまり、どう考えても今のは3点目で、スコアは『0−3』のはずなのに、ナンでもう「5点」も入ってんだよっ!(←これはもう、スコア係も洗脳されてて、インチキしてる以外に考えられんっ!)。つまり、これが、ベリル様の言ってた「わらわの力が加わっている」と言うコトなんでしょうな。黒木ミオが短期間でトップ・アイドルの座にのし上がり、美奈子に決まりかけてたCMすら横取りしてのけたのも、全て「わらわの力」故なんですな。

1.       で、その後は…、

2.       今度は黒木ミオのフローターサーブがクラスメイトBの肩を直撃してふっ飛ばし、「0−6」

3.       同じくうさぎちゃんを狙ってうさぎちゃんもレシーブできず、「0−7」

4.       またしてもうさぎちゃんが狙われて、「0−8」

5.       そのあとはもう、スコア係が立て続けに「0−9」「0−10」(←ってコラァっ! ズルすんなぁっ!)…

6.       もういっちょうさぎちゃんが狙われ、「はいっ、もらったぁ!」と、ようやくレシーブを相手コートに返しますが、それを黒木ミオが自ら走り込んで拾い、それをクラスメイトAがトスし、ナンと、後衛の黒木ミオはフロント・ゾーンでジャンプしてスパイクを打っちゃいけないのに(←フロント・ゾーンより後ろで打つバックアタックならいい)、思いっきり普通にスパイク打っちゃってます。これは明らかに反則じゃねーかっ!(←やっぱ主審の体育教師も洗脳されとるじゃないかっ!)。で、その反則スパイクがうさぎちゃんの顔面にばしっ!と思いっきりぶち当たり、うさぎちゃんは「きゃっ!」と後ろへ倒れてしまいます。「!…」

7.       うさぎちゃんはすぐに立ち上がりますが、それを見て、さすがになるちゃんも「痛そぉ〜うさぎ…」と顔をしかめて鼻をさすります。

8.       それから、また黒木ミオが「行くよっ!」と言ってサーブを打ちます(←ってコラァっ! 主審は今の反則取らねーのかよっ!)。で、そのサーブをクラスメイトBが何とかオーバーハンドでレシーブし、後衛レフトがアンダーでうさぎちゃんに渡しますが、さすがにまたしても後方からのトスなのでスパイクは打てず、後ろ向きにアンダーで相手コートに返します。

9.       すると、その間に黒木ミオは、またしても後衛のくせにフロントゾーンに入り込んで来て(←て言うか、むしろ前衛なのにサーブを打ってるとも言えるが…)、クラスメイトAが「はいっ、ミオちゃんっ!」と言って上げたトスをスパイクしに行きます。

10.    すると、『うさぎちゃんチーム』の前衛三人が、そうはさせじと「せーの!」と三枚ブロックに飛びますが、黒木ミオは、ナンとそれをフェイントでかわして相手コートにふんわりと落としてしまいます(←ちなみに、これもさっきのスパイク同様に反則です。とにかく、後衛の選手は、フロント・ゾーンでネットより高い位置にあるボールを相手コートに返しちゃいかんのだよっ!)。

11.    後衛の二人がダイビングして拾おうとしますが、無常にもボールはその間を弾んで抜けて行きます。

12.    うさぎちゃんが振り向いてそれを目で追っていると、ナンと、着地した黒木ミオが、いきなりうさぎちゃんのスネにぼかっ!とケリを食らわします(←こんのヤローっ! ついに本性を現しやがったなーっ!)

13.    「ハッ!…」「!…」。うさぎちゃんは思わず黒木ミオを見ますが、黒木ミオは無表情で見返すのみ…。

14.    うさぎちゃんが「いったぁい…」と足をさすって下を向いた瞬間に、黒木ミオは、ニヤリとしてその様子を見下ろしてます…「……『フッ、これでどう?…早く泣きなさいよ…』。亜美ちゃんが、その様子を見ながら黒木ミオを睨みつけております…。

15.    ところが、次の瞬間、主審の体育教師の野郎は、さも、『ボクちゃんナニも見なかったよ〜ん♪』みたいにボールの行方だけ見ながら、ぴぃっ!と笛を吹いて『黒木ミオチーム』の得点を認めております(←テメェ…)。

       ところで、ワシ…、この体育教師、どっかで見たような気がして、ずっと誰だろう?と考えていたんですけど…これ、Act.21で悪美ちゃんに因縁つけてたチンピラ風の人に、ナンか似てるような気がするんですけどねぇ…まさか同一人物なんてコトないでしょうねぇ…。

16.    すると黒木ミオは、足をさすってるうさぎちゃんに向かって、しらじらしく「ごめんなさいっ、当たっちゃった?!」とかヌカシやがります。しかしうさぎちゃんは、「うぅん、…ぜんぜんっ!」と言って、ぷいっと自分のポジションに戻ってしまいます。

17.    すると、後ろからなるちゃんが、「黒木さん、うますぎぃ〜っ!…『今のスネゲリ!』と手を叩きながら駆け寄ってきます。クラスメイトA以下も、「すごーいっ!…『今のスネゲリ!』とそれに続きます。「そんなっ、まぐれだからっ!…『て言うかフェイント褒めろよ!』としらじらしく謙遜して見せます。

18.    うさぎちゃんは、「くやしぃ〜っ…『今のスネゲリ…!』と言って腕まくりします。すると、クラスメイトBが、「うさぎっ、がんばろうっ!…『スネ蹴られたくらいナニよっ!』「うんっ!」「みんなっ! ファイトっ!」(←一応キャプテンらしく振舞ってはいるんだよな…)。

19.    亜美ちゃんは、そんなうさぎちゃんを見つめたあと、黒木ミオに疑惑の視線を移します…「……」

20.    黒木ミオは再び、「よーし、行くぞっ!」と言ってサーブを打ちます…。

       ここで、体育の授業のシーンは終わりです。

     ちなみに、たとえば「9人制バレー」のルールであれば、ポジション上の制約もローテーションもないので、誰でも自由に攻撃する事ができ、サーブもポジションとは無関係に試合前に決めた順番で打ちますから、この試合は、ひょっとするとルールだけ「9人制」でやってた可能性はありますな。この試合では、両チームとも後衛の三人のうち一人だけ全くボールに触ってませんから、その子がリベロかどうか確認する事もできませんが、「9人制」であればリベロもいません。ただし、「9人制」は元々昔から「ラリーポイント制」なので、得点形式だけ昔の「6人制」の「サーブ権ポイント制」に変更しない限り、やはりこの試合は成立せず、どっちみちこの試合のルールが『ダーク・ルール』で行われていた事は明らかです。

       ※ で、ちなみに、おそらく、この体育のシーンのあとに、DVD第8巻に収録されている、次の「未使用シーン」が入る予定だったものと思われます(↓)

1.       場面は変わって、これも珍しく、亜美ちゃんとまこちゃんが、学校帰りに二人で一緒に並んで歩きながら、クラウンへ向かっております。

2.       で、その道中の商店街で、「へぇ〜、うさぎが敵対心持つなんて珍しいね?」「…あっちこっち痛いから、家で湿布してから来るって」「そんなに?!…黒木ミオも大変だな…ライバルにされちゃって…」「…うん…、でもぉ…ちょっと…」

3.       ここで亜美ちゃんは立ち止まり、黒木ミオがうさぎちゃんにスネゲリを食らわした瞬間を回想します。

4.       その話を聞いてまこちゃんは、「わざとうさぎを? それは、考えすぎじゃない?」「……うん…、…そうだよね?」(←ってそうなのぉ?!)。

5.       二人は再び歩き出し、「…おなか空いたね? ナンか買ってこうか?」「…ソフトクリーム!」「アイス!」「ええ?…」「アイス!」「ソフトクリーム!」「やだぁ…!」「あはっ」「うふっ」

       このシーンは、まず、「うさぎが敵対心持つなんて珍しい」と言う、今回のここまでの話を見ていた誰もが感じたであろう違和感について、いつもながら、まこちゃんが視聴者の気持ちを代弁してくれるかのように、そのままコメントしてくれてます。そもそも、うさぎちゃんに『黒木ミオへのライバル心』を植え付けて煽ったのは、昨晩の進悟との口ゲンカがコトの発端でした。それから、翌朝の登校時に、なるちゃんとクラスメイトABも、一度はうさぎちゃんに同意してくれたはずなのに、教室で、あっさり前言撤回してしまい…、で、そのあと、先の体育の授業につながって行く訳なのですが、しかしながら、やはりこれだけが根拠では、我々視聴者が知ってるうさぎちゃんの人間性から考えても、この『敵対心』にはやっぱり無理があって、どうしても『うさぎちゃんらしくない』んですよね。亜美ちゃんが「でもぉ…クラスメイトだし…」と諭してるのすら聞かないほどなんですから。そんなところへ、このまこちゃんの一言があると、我々は、「ああ、やっぱりこれはうさぎちゃんらしくなくて、「珍しい」コトなんだな…」と思えるので、少しほっとするコトができる訳です。で、そこで初めて我々は、「それでは、どうしてうさぎちゃんは、これほどまでに、『らしくない』感情を抱いてしまってるのか?」について、思いを巡らせられるようになる訳です。

       そう考えると、その答えは、「そもそも黒木ミオとは何者で、その目的はナンなのか?」に行き着くしかない訳ですな。で、その答えと言うのは、ナニげに今までのエピソードの中で、きちんと説明されて来てるんですね(↓)

1.       【Act.26】ベリル様:「見よ、幻の銀水晶のカケラでさえ、あのようにメタリアがエネルギーに満ち溢れておる…」。ジェダイトくん:「はっ、しかしプリンセスの涙が幻の銀水晶のカケラになるとは一体…?」「幻の銀水晶は、プリンセスの体内にあるのかもしれぬ。今までよくも我らを欺いてくれたものだな。もうそうはいかぬ。ジェダイト、そのほうだけが頼り…頼むぞっ」「はっ! お任せをっ」

2.       【Act.27】ベリル様:「幻の銀水晶がプリンセスの体にあるとして、どうしてそれを手に入れるかだな…」。ジェダイトくん:「それを調べるには、プリンセスに近付く必要があります。この件、全てお任せ下さい」

3.       【Act.29】⇒ベリル様:「ジェダイト。例の者は?」「ベリル様にお貸しいただいた力で、予想以上の出来です…必ず幻の銀水晶を手に入れるでしょう…!」「楽しみだな。…わらわの力が加わっているとなれば、なお…」

       要するに、この「例の者」が黒木ミオであり、その目的は、「幻の銀水晶を手に入れる」ために「プリンセスに近付く必要」があるからで、その手段は、「プリンセスのが幻の銀水晶のカケラになる」のだから、それを取り出すために『プリンセスを泣かせよう』として、要するに、早い話が、黒木ミオを使ってあの手この手でイジメ倒そうって訳です。ここで面白いのは、前回も説明したように、クンツァイトはとっくの昔にそれに気付いていたばかりでなく、その『涙の理由』こそが肝心なのだと言うところまで見抜いていたのに、一方のジェダイトくんとベリル様は、とにかく『泣かしさえすりゃそれでいい』としか思っていないコトです。そんな訳ですから、黒木ミオと言う存在は、「プリンセス」であるうさぎちゃんが『敵対心』を抱かないではいられないように、最初から巧妙にプログラミングされてるはずなんですな。その証拠に、うさぎちゃんは再三、黒木ミオを「美奈子のライバル」と言ってますが、この「ライバル」と言うのは、まこちゃんも「黒木ミオも大変だな…ライバルにされちゃって…」と言ってたように、単にうさぎちゃん個人の思い込みに過ぎず、別にマスコミがそう煽ってた訳でもなければ、周りの人の口からもたらされたものでもないからです(←実はこの事は重要で、この、うさぎちゃんの『単なる思い込み』と言う設定が、次回のエピソードにおいて生きてくる訳なんですな)。

       そして、もちろん他のセーラー戦士の邪魔が入らないように、逆に他のセーラー戦士達が黒木ミオに対して敵対心を抱かないようにもプログラミングされてるんですな。だからこそ、まこちゃんなどは、うさぎちゃん同様に愛野美奈子のファンなのに、黒木ミオに対して何のライバル心も沸かず、イジメの現場を目撃してた亜美ちゃんですら、簡単にまこちゃんの意見に同意してしまう訳です。今回の最後の方で、あのレイちゃんですら、黒木ミオを目の前にしても、何の気配も疑惑も感じないように配慮されてるんですから、それこそ「予想以上の出来」な訳です。ただし、前世の記憶をハッキリと持ってる美奈子にだけは通用しなかった、と言うところも、ナニげにミソなんですね。

       そして、このシーンでもう一つ興味深いのは、最後の亜美ちゃんとまこちゃんのやり取りですね。ここでの亜美ちゃんは、以前の、『常に受身で自己主張しない亜美ちゃん』とは違って、まこちゃんが「アイス!」と反論しても主張を曲げないばかりでなく、その会話を楽しんでさえいます。ここにも、『ダーキュリー事件』を通して一皮剥けた亜美ちゃんが、さり気なく描かれてるんですね。

     このように、この「未使用シーン」は、色々な意味で本編の補足をしてくれてるので、DVDの「映像特典」にも収録されたんでしょうな。ワシの睨んだところでは、DVDにすら未収録に終わった「未使用シーン」はもっとたくさんあるのではないかと思われ(←「美少女戦士セーラームーン(東映公式)」にも、それらしい事が書いてある)、その中でも、このように、重要なのに時間的制約で泣く泣くカットされたモノを、「映像特典」に収録してるんでしょうな。将来、ディレクターズ・カットの完全版をDVD−BOXで出してくれないかなぁ…で、「映像特典」には「オフ・ショット」「NGシーン」を満載にしてくれたら、どんなに高くてもワシは買うぞっ!……フッ、もしかするとワシは、その日が来るコトを夢見て、こうして切々と本稿を執筆しているのかもしれんな…(涙)。

 

 ★  ★  ★  ★   CMタイム― ★  ★  ★  ★  

 

       場面は変わって、クラウンの受付にて…。

       人型ルナ:「はい、これっ、年間パスポート。ちゃんと持ってるモンっ!」。元基:「だからね」。元基は、カウンターから出て来て人型ルナの肩を掴むと、「ちっちゃい子だけだと入れないのよ。パパかママが一緒じゃないと!」(←もう春だってのに、まだまこちゃんからもらったマフラーしてるよこの人…それにしても、でかいマフラーだなぁ…)。「ちっちゃくないモン…!」「えっ?!……ちっちゃいじゃん」「ちっちゃくない」

       するとそこへ、自動ドアがうぃーん…と開いて、来客です…「あっ、まこちゃんっ!」。まこちゃんと亜美ちゃんが入って来ました。「ルナぁ…!」「ちょうど良かった!」「あれ? 知り合い?」「うん…まあ…」「どうしたの?」「私もこれ、一度使ってみたかったんだけど、このカメキチさんが、ダメだって…!」「か、か…、カメキチ?!…カメキチはこっち! オレは古幡元基!」(←まこちゃんと亜美ちゃんも大ウケ…)。

       「とにかく、使ってみたい訳?」「…『うんっ』「じゃあ、はいっ…『あたしがママの代わり!』。まこちゃんは、人型ルナの手を取って、元基に年間パスを見せます。「はいっ!」「…あ、」「…『テメ、分かってんだろな…?』「……はいっ♪…どうぞ」「元基くん、ごめんね?」「うぅんっ、ぜんぜんっ♪」「うふっ」

       それにしても、このシーンでのまこちゃんの表情は最高だよなぁ…五人の中で、一番笑顔が美しいのは、ナニげにまこちゃんなんだよなぁ…(←ワシの美的感覚では…)。

       それにしても、このシーンでの人型ルナにはウケたなぁ…アニメ版の先入観に囚われてる旧来のファンには、人型ルナに対して偏見を持つ人もいるようだが、ぶっちゃけワシにも、最初そんな戸惑いがなかったとは言えない…がしかしっ!…笑われたら負けだが、笑わせたら勝ちなのだっ!(←ワシの勝負哲学では…)。

        ★  ★  ★  ★  

       こちらは、学校帰りのうさぎちゃん…。

       バレーで負けた事がよっぽど悔しかったらしく、まだ試合のシュミレーションをしております…「トス!…アタック…っテェイタタタタ…!」(←先に紹介した「未使用シーン」にもあったように、うさぎちゃんは「あっちこっち痛いから、家で湿布してから来るって」と言うコトで、亜美ちゃんとまこちゃんとは別行動なんですね)。

       すると、「月野さん…!」と呼ぶ声がし、見るとそこには、黒木ミオが、いつの間にか私服に着替えてて、帽子とサングラスをして、うさぎちゃんを待ってたようです(←いかにも芸能人と言った出で立ちで、これじゃ却って目立つんじゃ…)(←でも、そもそも芸能人ってそう言う人種だもんね…しかし、よくよく考えると、制服姿で素顔丸出しで待ってればみんなが集まって来ちゃうし、かと言って、まさか制服姿にグラサンじゃもっと目立つし、となると、やっぱ私服に着替えるしかないわな…)。黒木ミオはサングラスを取ると、うさぎちゃんに微笑みかけます。

       このシーンで、うさぎちゃんは、学生カバンの他にもう一つバッグを下げてますが、これ、さっき亜美ちゃんも同じものを下げてましたね(←「未使用シーン」でも下げてました)。これって、たぶん体育着用のバッグなんでしょうな。

        ★  ★  ★  ★  

       こちらは美奈子…。

       「え? 十番中学?…黒木ミオが?」。マネージャーさん:「うん…ナンか転校したらしいよ?」。二人は、撮影スタジオに入ると、セットの準備をしてるスタッフさん達に、「おはようございまぁすっ!」「おはようございまぁすっ!」と丁寧にお辞儀しながら声をかけて行きます…「おはようございまぁすっ!」「おはようございまぁすっ!」

       記憶力の悪いワシの記憶が間違ってなければ、美奈子の学生服姿が本編で見られたのは、ナニげに今回が初めてなんじゃないでしょうかね? テレビの本放送では、Act.27の番組終了後の「お知らせ」コーナーを担当した際、この格好で出て来て、「ここで、みなさんに素敵なお知らせです。今、オリジナル・プレゼントが当たる、セーラームーン・キャンペーンを実施中です。詳しくはこちらまで!――てな感じでキャンペーン告知をしてましたが、その時に映ってた背景のセットがこのシーンのセットなので、あの「お知らせ」が、今回のこのシーンを撮影した時についでに撮られていたコトが分かりますね。これはAct.27の時にも書きましたが、この事からも、本放送でAct.27が放映されてる頃に、現場ではこのAct.29の撮影が行われてたコトが分かる訳ですな。そもそも「お知らせ」コーナーと言うのは、作品本編の撮影とは別に企画されてる事なのだから、その都度、「お知らせ」コーナーのための撮影が飛び入りで現場に要請され、そしてその映像はすぐさま、今度放映される番組の最後に、急遽、次回予告を削って割り込ませてるんですね。

       ※ ちなみに、このシーンの直後に、DVD第8巻収録の「未使用カット」があるので、ちょっと紹介しておきましょう(↓)

1.       美奈子は、マネージャーさんに「じゃ美奈子ちゃん、あっちで、着替えて来て」と促されて、スタッフさん達に「よろしくお願いしまぁす!」と言ってから、衣裳に着替えるために、小走りで楽屋へ向かいます。

2.       撮影スタジオを通り抜けて廊下に出ると、アルテミィ〜スが「美奈子」と声をかけます(←このシーンのアルテミィ〜スの声はアフレコされてないので、セリフはフキダシ文字です。比較的早い段階からカットされる事が決まってたようですな)。

3.       美奈子が立ち止まってアルテミィ〜スを見ると、「確信がある訳じゃないんだろ」「うん…、でも…、十番中学に転校するなんて…」

       このシーンで重要なのは、普通であれば、黒木ミオが十番中学に転校して「プリンセス」に対して怪しげな行動を起こしてるのなら、その情報は、本来であればアルテミィ〜スが察知して美奈子にもたらすべきコトのはずです。しかし、ここでも、先の「未使用シーン」のまこちゃんと亜美ちゃん同様、アルテミィ〜スでさえも、黒木ミオに対して疑惑の目を向けていないんですな。黒木ミオを怪しいと思ってるのは美奈子だけなんです。つまりこう言ったところに、前回のラスト・シーンで示されたが表れている訳なんですな。

        ★  ★  ★  ★  

       公園にて…。

       黒木ミオがブランコに腰掛け、その横に、うさぎちゃんが横並びに立ってます。うさぎちゃんは黒木ミオの方を見ようとはせず、いかにも気まずそうに、「あのぉ……ナニか、用事…?」「…月野さん…、あたしのコト…、キライ?」「えっ?!……」「…あたしを見る目が…、怖いから…」。するとうさぎちゃんは、慌てて自分の目をこすり始めます(←やはり、うさぎちゃんは無意識のうちにそうなってたんですな)。「……やっぱり…、キライなんだ…」。黒木ミオはそう言いながら、涙を流してうつむいてしまいます。

       「あ、ちょっと待って!…ン、別に…、キライとか…、そうゆんじゃ…『私のおじいちゃんとおばあちゃんはミオ嫌いだけど…』「じゃあ、友達になってくれる?」「えっ?!……」「…イヤなんだ…」「うぅん…、ごめん…。私、愛野美奈子のファンだから、つい対抗しちゃって…。でも、クラスメイトだもんね。やっぱり友達だよ」「ホント?!」。黒木ミオは嬉しそうに立ち上がり、「じゃあ、うさぎちゃんて呼んでもいい?」「…うん…」「やぁったぁ…これで友達だねっ♪」

       うさぎちゃんは、ナンか、取り敢えずみたいに微笑みつつ、小さくうなずきます。黒木ミオは再びブランコに腰を下ろして、楽しそうに漕ぎ始めます。「…(心の声→)美奈子ちゃん、ごめん…。私、ライバルと友達になっちゃう…」。黒木ミオは、そんなうさぎちゃんを横目で見ながら、その表情を怪しげに変えております。ふむふむ…最初からこのように親しげに接近するより、まずバレーでイジメて悪印象を植え付けてから接近する方が、精神的に揺さぶるのには効果的ですからな。

        ★  ★  ★  ★  

       クラウンにて…。

       制服姿のレイちゃんが、ルナカラに入って来ました。

       ところが、ナニやら「ふっ!」とか「はっ!」とか言う掛け声がしてて、顔を上げると、「ナニしてるの?…」。見ると、長い筒の中から色とりどりの花びらが吹き出て来て、それを、亜美ちゃんとまこちゃんが箸で掴もうとしております(←これは、かの宮本武蔵が、飛んでるハエを箸で掴んだとされる逸話を元にしたパロディですな。そう言えば、レイちゃんの部屋の本棚には宮本武蔵の本がありましたっけね)。

       「ナンか…、ルナの特訓だって…!」「特訓…?」「うん…」。人型ルナは、テーブルのイスに座ってマニキュアを塗りながら、「まこちゃんと亜美ちゃんの、戦士の力を目覚めさせるためよ。集中力を、高めるの…。ふ〜っ」(←マニキュアを乾かしてます)。「集中力…?」(←集中力でこの人の右に出る者はいません)。「前世でやったコトがあるはずよ」「そう?…前世で?」「…私も…、ナンだか知ってるような気が…」(←ええっ?! マジっスか?!)。「亜美ちゃんも前世の記憶が戻りかけてるのね?」(←ええっ?! マジっスか?!って、ンな訳あるかっ! いくらルナの言うコトでも、それに関してはワシは信じんぞ…!)。「戦士の力も、もう目覚めてるはずよ。亜美ちゃんは、それだけの戦いをして来たんだから、きっかけが、つかめてないだけ」(←うむ、この意見には大賛成だがな…)。

       「でも…、こんなんでホントに…『て言うか、じゃ、あたしの戦いは一体ナンだったんだよっ!』(←まこちゃんは、いつも視聴者目線でツッコミを入れてくれる役ですな…)。「!」…すると人型ルナは、キッ!とまこちゃんを見つめ、「信じなさいっ!」「……うん…」「…………」「…………」

       すると人型ルナは、レイちゃんにも「はいっ」と言って『赤いお箸』を差し出します。「!……」「はいっ…」。レイちゃんは黙ってそれを受け取ると、噴射筒の前に行き、ナンと、「フッ!」と、一発で『赤い花びら』をキャッチしてみせます(←たぶん、自分の色のヤツを取らないといけないんでしょうな)…「!……」(←取った本人もびっくり…)。「はっ!…」「!……すごい…」。人型ルナは指をぱちんっ!と鳴らし、「さすがねっ!」「…………」(←ナンか、いまいち半信半疑と言うか…)。

       するとそこへ、「みんなっ!」と言うアルテミィ〜スの声がします。「!……」

       おおっ! ルナカラのドアには、ネコ窓が付いていたのかっ! 「聞いてくれっ、ヴィーナスからの、伝言だ!」(←って、要するに「パシリ」かよっ!)(←て言うか、直接本人がケータイかナンかで連絡とかする気はねーのか?)

        ★  ★  ★  ★  

       「え〜っ!」「なに?イヤな予感て…黒木ミオが?」「ああ…、美奈子が気にしてるんだ。一度すれ違った時に感じたって…」。すると亜美ちゃんが不思議そうに、「…美奈子って?」「ああ、亜美ちゃんにも言っておくわ。セーラーヴィーナスの正体は…、愛野美奈子なの」(←って、まだ言ってなかったんかっ!)。「!…」

       ここでレイちゃんは、「亜美ちゃんにもという言い方をしましたが、これは要するに、レイちゃん目線では、最初は自分だけがそれを知ってて、それをまずまこちゃんに教えて、その時寝てたルナにはそのあとで教えて、で、今度は「亜美ちゃんにもという順番で来てるってコトなんですな。

       ここで面白いのは、ルナは、『真のプリンセス覚醒』の時に、「そうだわ…思い出した…。ヴィーナスは、セーラー戦士の、リーダー…」と言ってましたが、それでも、その正体が愛野美奈子だと言うコトまではやっぱり分からないんですね。つまり、「前世のセーラー戦士達が、現世において誰に転生してるのか?」と言う問題は、それとは全く別の話で、だからルナは、「前世の記憶」があろうがなかろうが、どっちみち『仲間探し』はしなければならなかったんですね。

       ところで、それはそうと、『実はうさぎちゃんがプリンセスだった』ってコトは亜美ちゃんに教えてあるんでしょうか? だって『ダーキュリー時代』の記憶が一切残ってない以上、そのコトは教えなきゃ分からないはずですし、それなのに、今のところ、それを知らされたと言うシーンは一つも出て来てませんからねぇ…。「セーラーヴィーナスの正体」なんかより、むしろそっちの方が亜美ちゃん的には大問題だと思うのですが…。

       「そう、セーラーヴィーナスは、愛野美奈子…。ただぁ、うさぎはあんな風だから、まだ教えてないんだ」(←って、人のコト言えんのか?)。「……そう…『また邪魔なヤツが…』(←て言うか、やはり、まこちゃんの時とは違って、ちっとも嬉しそうにしませんなぁ…)。「とにかく、プリンセスと同じ学校と言うのが、気になる。みんな、気を付けておいてくれ」「…『うん』(←うなずく)。「…『うん』(←うなずく)。「…『うん』(←うなずく)。「…『うん』(←うなずく)。…ナンだか、とっても「セーラームーン」っぽくなってまいりましたな(←って、本来こうなんだけどね…)。

       ※ ここで亜美ちゃんは、アルテミィ〜スが「プリンセスと同じ学校」と言ったコトには反応しませんでしたから、どうやら、さすがに『実はうさぎちゃんがプリンセスだった』ってコトは教えてあったようですなぁ…。しかし、亜美ちゃんがそれを聞かされた瞬間のリアクションが、完全に劇中から消されてしまったのは、ナニげに意味深ですなぁ…。要するに、それを視聴者には見せられなかった理由があるからなんですけど…。まあ、それについては、追々分かって行く事ではありますが…。

        ★  ★  ★  ★  

       で、その「プリンセス」は…。

       新しいお友達と、公園でソフトクリームを食べながらお話しております。桜が咲いてますな…満開と言う感じではありませんが…。黒木ミオ:「ねえ?うさぎちゃん、好きな人いる?」「えぇっ?!」「いるんでしょ?」「……」「友達なんだから話してよ♪」「…う、…うん…」「どんな人?」

       これ…、どうして黒木ミオは、こんなコト聞いちゃってるんでしょうか?

       「…どんな…って…、取っ付きにくいけど…、頼りになって…。ちょっと寂しそうな顔するんだけど…、笑った顔は優しいかなっ♪」「…」(←徐々に…)。「でも、すぐバカとか言うの」「…」(←表情が曇ってきます…)。「それと…、たぶん…、ずっと昔から知ってる…」(←遠くを見つめるように…)。するとその時、黒木ミオが、ソフトクリームをいきなりくしゃっ!と握りつぶしてしまいます。「!…大丈夫?! どうしたのぉ?!」「あぁ…ナンか急に…、ナンでだろ?…」

 ※ 黒木ミオについて考える時、どうしても分からないのは、彼女が物理的な意味で「ナニモノ」なのか?と言う点です。

1.       その目的については、先述した通り、すでに過去のエピソードの中で語られてますからそのまんまなのですが、では、そもそも「ナニモノ」なのか?については、結局最後の最後までよく分かりませんでしたねぇ…。直属の上司であるジェダイトくんの口ぶりからして、妖魔ではないようだし、人間に妖魔が乗り移ってるんでもないようだし、かと言って、元々実在していた人間を捕まえて来て洗脳した訳でもないようだし、取り敢えず分かっているのは、彼女が『ジェダイトくんの創造物』で、そこに『ベリル様の力が加わってる』と言うコトだけで、それにも関わらず、彼女は彼女で固有の人格を有していて、単に命令に従って動くだけの存在ではない、と言うコトなんですな。

2.       そこで、ワシの先ほどの疑問が浮上してくる訳です⇒(「ねえ?うさぎちゃん、好きな人いる?」「どんな人?」。)⇒どうして黒木ミオは、こんなコト聞いちゃってるんでしょうか?単に命令に従ってるだけの存在なら、こんな分かりきった質問などしないはずです。これを聞く事によって、その答えが、このようにベリル様の嫉妬を煽るコトも分かりきってるはずなのですから。

3.       つまり、ここでこのような質問をしたのは、おそらく、まだ何も知らないジェダイトくんの差し金で(←つまり、プリンセスにエンディミオンのコトを思い出させて泣かそうと考えてる)、そして、ソフトクリームを握りつぶしてうさぎちゃんの言葉を遮らせたのは、おそらく、ベリル様の嫉妬心だと言うコトなんですな。つまり、黒木ミオは、固有の人格を有しながらも、要所要所で、ジェダイトくんとベリル様の二人から遠隔操作もされてるらしい、と言うコトなんですな。ですから、ここで黒木ミオが、「あぁ…ナンか急に…、ナンでだろ?…」と言ったのは、言葉通り彼女の本音に違いないんですね。おそらく、こう言ったところが、レイちゃんですらその気配に気付けないよう配慮されてるコトの結果なんでしょうな。そして、逆にそれ故に、時間の経過にしたがって、黒木ミオの言動も、上司の迷走に伴ってどんどん混乱を極めていく訳です。

        ★  ★  ★  ★  

       黒木ミオが公園の公衆トイレの洗面台で手を洗ってると、いきなり「きゃあっ!」と言う女の人の悲鳴がします。「!…」

        ★  ★  ★  ★  

       うさぎちゃんは、黒木ミオを放ったらかして、声のした方へ走り出してます。

       見ると、妖魔が暴れていて(←コイツは頭が灯篭みたいなので、『灯篭妖魔』と名付けよう)、人々がわーわーきゃーきゃーと逃げ惑っております。

       そこへ、黒木ミオもあとからやって来て、その光景を見て、「きゃあ〜っ!」と悲鳴を上げ、うさぎちゃんの腕にしがみつきます。「ミオちゃんっ!?ミオちゃん、逃げてっ!」

       『灯篭妖魔』はうさぎちゃんを見つけると、「フンッ!」とほくそ笑むように近付いて来ます。うさぎちゃんが黒木ミオの腕を引いて逃げると、『灯篭妖魔』「フンッ!」と攻撃を仕掛けて来ます。それを見てうさぎちゃんは、思わず黒木ミオを突き飛ばすようにして避けさせます。黒木ミオは倒れた際に腕を負傷したらしく、手首を痛そうに押さえてます。「ミオちゃんっ!」

       『灯篭妖魔』はジャンプして二人の頭上を飛び越え、行く手を阻むように反対側に回り込みます。うさぎちゃんは黒木ミオを助け起こし、「…(心の声→)早くミオちゃんをどこかに…!」

        ★  ★  ★  ★  

       二人は、妖魔から逃げて階段を駆け下ります…「だいじょぶ?!」「うん…!」。うさぎちゃんは、妖魔が追って来ないのを確認すると、黒木ミオを階段の下のナンだかよく分からん隅のスペースにしゃがませ、「ここに隠れてて。だいじょぶだから…」「うん…」。うさぎちゃんはその場から立ち去り、今来た階段を駆け上って行きます。

 

 ★  ★  ★  ★   CMタイム― ★  ★  ★  ★  

 

       『灯篭妖魔』は再び人々を追いたてております…。

       するとそこへ、「待ちなさいっ!」とマーズが現れ、牽制の火炎放射を食らわします。ところが、『灯篭妖魔』は背中を向けて黒いマントをかざし、余裕でそれを防御してしまいます。「はっ!…」

       『灯篭妖魔』「フンッ…!」と鼻であしらうように行き過ぎようとすると、今度はマーキュリーが「ハッ!」と水流放射(←勝手に命名)で牽制します。しかしこれも、『灯篭妖魔』は背中を向けてマントをかざし、余裕でそれを防御してしまいます。「はっ!…」

       今度は、ジュピターが「ハァッ!」とイカズチ放射(←勝手に命名)で牽制しますが、これも同様に防御されてしまいます。「あっ!…」

        ★  ★  ★  ★  

       で、今度は三人で妖魔を取り囲むようにして接近戦に持ち込みますが、三人の繰り出すケリがことごとくかわされてしまいます(←めっちゃ強いじゃないか…)

        ★  ★  ★  ★  

       で、今度はマーキュリーがタンバリンを取り出してビームを食らわしますが、これもマントで防御されます。

       同じく、マーズもタンバリンで「ハッ!」とビームを放ちますが、やはり結果は同じです。「!…」

       マーキュリーとジュピターがマーズの元に駆け寄ります。「ダメだわっ、あのマント、ナンとかしないと!」

       すると、『灯篭妖魔』「フンッ、ハッ!」と両手から白い糸を出して三人を縛ってしまいます(←おおっ! 触手で縛られると、なんだか初心に返ったようで、見てるこっちも気が引き締まる思いですなっ♪)。

        ★  ★  ★  ★  

       そこへ、ようやくうさぎちゃんが駆けつけます…「みんなっ!」。うさぎちゃんは、「ムーンプリズムパワ〜、メーイク・アップ!!」と変身し、すぐさま「ムーン・ティアラ〜、ブーメランっ!」で、妖魔の糸を切ってみんなを助けます

       「うさぎちゃんっ、あの妖魔のマント、みんなの力を合わせないとダメみたい」「わかったっ!」。セーラームーンはスティックを取り出し、その後ろで三人が肩を組んで輪になります(←あれ?この必殺技はヴィーナスがいなくてもできるんですか?!)。ところがっ! 三人が一斉にタンバリンを頭上にかざしたその時、突然、『灯篭妖魔』「ハッ!」と杖からビームを放ち、それがマーキュリーのタンバリンを弾き飛ばしてしまいます…「あっ!…」「!…」「!…」「!…」

       そのタンバリンを、妖魔が飛びついて奪い取ろうとしますが、一歩及ばず、妖魔はそのまま階段の途中で落下します。

       するとその時っ! まだ空中を飛んでるタンバリンを、ナンと、マーキュリーが手から水流を放って空中に浮かせ、妖魔に渡さないように落下を阻止しております。「!…」「!…」「!…」

       妖魔は、タンバリンが落ちて来るのを下で待ってますが、その隙に、階段の上からセーラールナが網を持って現れ、マーキュリーはそれを見て水流を止め、タンバリンを落とし、セーラールナの網に入れます。「マーキュリー、それよっ、今の呼吸を忘れないで!」「……」。セーラールナは、網からタンバリンを取り出して、「はいっ!」とマーキュリーに投げ渡します。

       マーキュリーはちゃりんっ!とそれをキャッチすると、「今のが!…『私の覚醒なの?…って、ショボくない?!』

       すると、セーラールナの持ってた網がムーンライト・スティックに変化し(←って、それ、スティックが変身してたんかっ!)、セーラールナはスティックを構えて「ルーナ・シュクル〜、キャンディっ!」なる必殺技を初披露します(←って、おいおいっ、そっちの方が『マーキュリー覚醒』より目立ってねーか?!)。

       ※ ちなみに、CBCの公式サイト【中部日本放送 (CBC)実写版「美少女戦士セーラームーン」ホームページ】にある「まめ知識」によりますと⇒「ルーナシュクルキャンディ!」(一応必殺技、でも威力は弱い)⇒とありました(←とほほ…)

       …にも関わらず、あんなに強かった『灯篭妖魔』が、セーラールナの「一応必殺技」を正面からまともに食らって、階段の下まで転がり落ちます(←たぶん、まさかアレが「一応必殺技」だとは夢にも思わず、油断しちゃったんだろうなぁ…)。

       それを見てマーズが、「うさぎっ、もう一度よ!」(←こんな時でも、決して、本人に向かっては「プリンセス」などとは呼びませんな)。「うんっ!」。四人は再び合体技の体勢に入り、今度は妖魔に邪魔されるコトもなく、「ムーンラーイト、アトラクティブ、

       で、『灯篭妖魔』はそれを正面でまともに食らいますが…、あれ?…妖魔は最初は苦しそうにしてましたが、最後は「ハッハッ…」と笑いながら逃げて行きましたよ?(←って、倒せてねぇじゃねーかっ!)。せっかくマーキュリーが「戦士の力」に目覚めたと言うのに…(←やはりこの必殺技は、ヴィーナスがいないと威力が半減するのか?)。

       「……『て言うか、マントどうなった?』(←無表情…)。「……『さあ?次回分かるんじゃない?』(←無表情…)。「……『だな』(←無表情…)。「……」(←無表情…でも最後にちょっとだけ満足そうな表情を浮かべる…)。

       それにしても、今回の『マーキュリー覚醒』は、非常に分かりにくかったですねぇ…。Act.22のセーラームーン、Act.23のマーズと比べると、絵的に見劣りするばかりでなく、その意味そのものも、最初、正直よく分かりませんでした。

1.       まず、そもそも「戦士の力」に目覚めるとは、一体どう言うコトなのか?これについては、本稿でも再三にわたってその「外枠の定義」については説明してきました。あとは、それが各セーラー戦士達の個人的な問題とどう関わっていくのか?と言うコトがエピソードとして描き出されていく訳です。

2.       たとえば、Act.23でマーズが「戦士の力」に目覚めた際、レイちゃんは、「あたしに、…欠けていたもの…」「仲間を…信じる…!」と言う結論に至って「戦士の力」に目覚めた訳ですから、同じようにマーキュリーも、やはり『欠けていたナニか』を自身に補う必要があった訳です。

3.       で、それはナニかと言うと、要するに『精神的な強さ』なんですな。亜美ちゃんがクンツァイトに対して『ダーク化』を許してしまった一番の原因は、何をおいてもまず、内にこもってしまいがちな亜美ちゃんの精神的な『弱さ』にあった訳ですからね。

4.       前回、亜美ちゃんがうさぎちゃんに告白したように、「私…いつかは元通りになるって、信じてたけど…、でも…、心のどこかで……どこかで…………もう、ダメかもって…」…このように思ってしまう心の『弱さ』を、亜美ちゃんは『ダーキュリー事件』を通して克服していたんですね。ですから、ルナが「戦士の力も、もう目覚めてるはずよ。亜美ちゃんは、それだけの戦いをして来たんだから、きっかけが、つかめてないだけ」と言っていたのは、全くその通りなんですな。

5.       ですから、今回ここで、大切なタンバリンを敵に奪われそうになった際、決してあきらめるコトなく、『もう絶対に敵には私の何も渡さないっ!』と言う強い意志が、『水の力を自在に操る能力』(←「水芸」とも言う)を目覚めさせたんですな。

6.       マーキュリーが攻撃力に関して弱いのは仕方のないコトです。元々マーキュリーの役割は攻撃よりも守備にあるのですから。だから、一人だけタンバリンを弾かれてもしまう訳です。しかし肝心なのは、そのあと、それを精神力で補うコトこそが、マーキュリーに求められていたんですな。

7.       それでこそ、亜美ちゃんはもう二度と『ダーク化』はしないのだと言い切れる訳です。そのために、『マーキュリー覚醒』を敢えて攻撃力の強化にはしなかったんですね。つまりこれは、かつて『ダーキュリー』が水を凍らせて『剣』を作り、やたら好戦的に振舞っていたコトとの対比を描いて見せてるんです。その意図を強調する意味でも、だから、ここでは敢えて妖魔も倒さなかったんですな。

       『マーキュリー覚醒』は、セーラームーンやマーズの覚醒に比べて、絵的にも地味だったし、意味も分かりにくかったですけど、亜美ちゃん(=マーキュリー)というキャラクターとその物語をトータルで考えれば納得がいくし、これは非常に意義のある『覚醒』なんですな。

        ★  ★  ★  ★  

       その後…。

       うさぎちゃんは、変身を解いて黒木ミオのところに戻り、彼女の腕にハンカチを巻いて手当てします。「ありがとう…」「一応病院に行った方がいいよ」

       その様子を、少し離れた階段の上から、亜美ちゃん、まこちゃん、レイちゃんが見てます。「ヴィーナスの思い過ごしだな…。別に怪しいトコは…」「…そうね…『どーせ人気取られてトサカに来てるだけよ』「……」

       うさぎちゃんは心配そうに、「痛む?」「うぅん、…大丈夫…」。そして二人は、顔を見合わせながら笑顔をかわしております。

        ★  ★  ★  ★  

       翌朝の登校時にて…。

       うさぎちゃんが、道行くクラスメイト達に、「おっはようっ♪」と声をかけながら走っております。「おはよう」「おはようっ♪」(←って男子にもかよっ!)。「おはよ」(←おお、ちゃんと返事してくれるんだ…やはり、うさぎちゃんは男女問わず好かれてるんですな)。

        ★  ★  ★  ★  

       うさぎちゃんは、廊下を走りながら、男の先生に「おはようございまぁすっ♪」と声をかけ、「2年1組」と表札の出てる教室に駆け込みます。「おっはようっ♪」。ところが、誰もその声に答える者はなく、亜美ちゃんが待ってたと言うようにすぐ自分の席から立ち上がり、「うさぎちゃんっ!」と駆け寄って行きます。「あ、亜美ちゃんっ、昨日の宿題は?」。すると、なるちゃんもやって来て、「うさぎっ…!」「うさぎちゃん…」。二人の様子がおかしいので、うさぎちゃんは「?…『どうかした?』みたいにキョトンとしちゃっております。

       二人は、黒木ミオの方に視線を向けます。するとクラスメイトAが、「…うさぎ…、どういうコト?」と怖い顔しながら問いかけてきます。「?…ナニが?」。クラスメイトB:「ミオちゃんにケガさしたの、うさぎなんでしょ?」。見ると、黒木ミオが腕に包帯をしております(←って、それ、かすり傷じゃなかったのかぁ?!)。「ええっ!?」。クラスメイトA:「ひどすぎだよ。最低…」「ちょっと待って!」。クラスメイトC:「信じらんない…」。クラスメイトD:「サイテー!」。クラスメイトE:「うさぎっ!」(←ああ〜っ! ひこえもんが黒木ミオの背後霊化してる〜っ! キサマ、なるちゃんLOVEじゃなかったのかっ!)。

       「……」。黒木ミオ:「……『ギロリ…!』

        ★  ★  ★  ★  

       次回は、美奈子vs黒木ミオだっ!

        ★  ★  ★  ★  

       セーラームーン:うさぎちゃん(沢井美優さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(沢井美優さん編)▼】

       マーキュリー:亜美ちゃん(浜千咲(現・泉里香)さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(浜千咲(現・泉里香)さん編)▼】

       マーズ:レイちゃん(北川景子さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(北川景子さん編)▼】

       ジュピター:まこちゃん(安座間美優さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(安座間美優さん編)▼】

       ヴィーナス:美奈子(小松彩夏さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(小松彩夏さん編)▼】

       ぬいぐるみルナ(声・潘 恵子さん):人型ルナ(小池里奈さん):「」『』【キャスト関連商品リスト(小池里奈さん編)▼】

       アルテミィ〜ス(声・山口勝平さん):「」。『』。

       その他:「」『』

[2009年5月1日(金)初稿 トモロー]


Act.30:美奈子vs黒木ミオ編

 

Act.28:亜美ちゃん帰還編▲】 【トップページ▲】 【筆者紹介へ▼】


     今回レビューしたAct.29は、「美少女戦士セーラームーン DVD 第8巻」(バンダイビジュアル)に収録されております(↓)

 

DVD第8巻 作品本編(4話収録)

 

Act.29 Act.30 Act.31 Act.32 

毎回映像特典(11分)

 

「セーラームーン」におしおきよ 沢井美優小松彩夏A

Act.29 ゲストキャスト

 

黒木ミオ:

木村桃子:

阿部香奈美:

美奈子マネージャー:

衛の友人:

有紗

清浦夏実

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